一ノ倉沢 一ノ沢右壁左方ルンゼ
- GPS
- --:--
- 距離
- 7.9km
- 登り
- 1,227m
- 下り
- 674m
コースタイム
- 山行
- 9:30
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 9:30
天候 | 晴れ 強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年03月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
一ノ沢右壁左方ルンゼ → 一ノ沢二ノ沢中間稜 → 東尾根 → 天神尾根 一ノ倉沢に入ってすぐに左から入ってくる沢が「一ノ沢」 その次の沢が「ニノ沢」 一ノ沢と二ノ沢の間の尾根が「一ノ沢二ノ沢中間稜」 一ノ沢二ノ沢中間稜はオキの耳から東に伸びる東尾根に合流します 東尾根は西黒尾根とマチガ沢を作っている尾根です 今回のルートは「一ノ沢右壁左方ルンゼ」 一ノ沢を登っていくと、右の壁、つまり一ノ沢二ノ沢中間稜の側壁に 「左方ルンゼ」と呼ばれる細いルンゼがあり、これが氷瀑となって一ノ沢に落ちています この左方ルンゼを詰めて一ノ沢二ノ沢中間稜に上がり、そのまま東尾根を登ってオキの耳まで行きました アイスクライミングと雪稜歩きが同時に楽しめる、一粒で二度美味しいルートです |
写真
感想
仕事を早々に終え、19時半に池袋を出発。酒も飲まず22時過ぎには就寝。
2時半に起きて3時には出発する。
一ノ倉沢に入るが、大量のデブリが転がり暗くてよくわからない。
GPSを頼りに一ノ沢を目指す。足の早いNさんに遅れて歩くが、やがて目眩がしてくる。
「ああ今週は疲れていたもんなあ」
自分がサラリーマン登山家であることを思い出した。
一ノ沢の急斜面に差し掛かる頃はかなり辛かったが、そのうち良くなるだろうと楽観する。
さて、左方ルンゼの取付きに着くと、空が明るくなってきた。ここからアイスクライミングだ。
先行に1パーティ、これは自分の会のKさんだ。
それ以外にも2パーティいて、今日の左方ルンゼは4パーティ入った模様。
傾斜のゆるいF1はロープなしで登る。
F2につくと、先行はロープを出している。
ロープなしでも行けそうだが、Nさんが私の体調を気遣ってロープを出してくれた。
Nさんリードで60mいっぱい出す。出だしは氷が硬く、研ぎが甘いバイルが弾かれる。
30mも登ると今度は水氷になり、バイルがサクサク刺さる。
傾斜が緩いので駆け上がるように登ったが、流石にきつかった。
リードを交代して2ピッチ目、1ピッチ目より傾斜が強いが、氷の状態が良いので難しく感じない。
どこがF3とF4の境か良くわからないが、F4右側の傾斜が強い壁を登る。
角度は80−90度、雪が固まった氷でスクリューの効きは甘いがバイルはよく刺さる。こういう氷のリードは嫌なものだから、さっさと登って抜けるに限る。体感検楪度。
これを乗っ越すと、ちょうどロープいっぱいくらいで右壁にハーケンのビレイ点。
F2からF4は2ピッチで抜けたことになる。
続く雪の斜面の先に、核心のF5チムニー滝とチョックストーン(CS)が見えた。
CSの下までロープを引きずって雪斜面を登る。
先行PがちょうどF5のCS核心部を登っている。
チムニーには雪と氷が詰まっており、CSのすぐ下まで簡単に登れる状態だ。
くまなく探したわけではないが、ハーケンは見当たらないのでスクリューでビレイ点を構築、Nさんがリードで登る。
CSのすぐ下にスクリューで支点を取ると、Nさんがすかさず「うーん、これは悪いね」と言う。
そうかー悪いかー、やっぱりな〜と思っていると、Nさんは大きく足を開き、右壁の氷に右足、左壁に左足を置いて
スルスルっと登ってしまった。CSの上から見下ろすNさんは「アッサリ行けた」と余裕のピースサイン。
60mロープいっぱいに伸ばし、今度は自分がフォローで核心を登る。
CS下のスクリューを回収した後、頭上にCSを見ながら、バイルは左壁の薄い氷に、右足はCS下の氷、左足は左壁の岩に置く。
体を上げたら、今度はバイル2本とも、CS左横落ち口の小さい氷に刺す。
両足は左壁の氷に細かくステップを切って上げる。
あとはバイルをさらに落ち口奥の氷に突き立て、足を上げていくとあっさり簡単に上がれた。
他の記録を見ると苦労しているパーティが多いが、氷の付きが良いせいだろう、簡単に登れた。
この部分、ルンゼのノドなのでCS上の斜面をリードが歩くだけでスノーシャワーが落ちてくる。
CS滝を登ると、あとは急な雪の斜面。ここでアイスクライミングは終了だ。
ロープを仕舞い、急な斜面を一歩ずつ確認しながら先行のステップを追う。
一登りで一ノ沢二ノ沢中間稜に乗った。
この先はナイフリッジの連続。先行がロープを出しているので、我々も出す。
プロテクションは細いシャクナゲの枝だ。頼りない太さだが他に何もないので、かえって心強く見えてくる。
雪が安定しているので、ロープ不要なくらいだが、たまに足元の雪が崩れるときがあり、やはりロープは必要だと思い直す。
両足分の幅しかないリッジ、跨げて座れてしまう本当の馬の背リッジを超えて、60mいっぱい2ピッチ出した後は、草付斜面を登る。凍った草付にバイルがよく決まる。
やがて岩も草もない雪斜面になり、東尾根のトレースと合流した。
東尾根に乗った後もナイフリッジは続くが、中間稜よりは太い。
岩峰をトラバースして巻く東尾根の核心部分も、雪が安定していてトレースが付いているので、あっさりと歩ける。
核心を抜けたら一登りで山頂だ。最後、山頂の雪庇に両のバイルを突き刺して体を引き上げる。
足を上げて乗り込むと、山頂には人がたくさんいた。
Nさんと2人で写真を撮る。
天気が良く、雪が締まっていて、あまりに順調に登れた。快適でたのしかった!
ほとんど休憩していなかったので、ここでしばし休む。
9時間弱、一度水を飲んだだけなので空腹だった。
ここまでくれば、もう余裕。
天神尾根を登ってくる人々に挨拶を交わし、日が高いうちにロープウェー乗り場に着いた。
しばらくぶりの好天と好ルートで、とても充実した山行となった。
Nさんありがとうございました。
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