赤岳 山頂滑降(杣添沢〜大門沢滑走)
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- GPS
- 08:54
- 距離
- 13.5km
- 登り
- 1,627m
- 下り
- 1,618m
コースタイム
- 山行
- 8:18
- 休憩
- 0:34
- 合計
- 8:52
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
県界尾根登山口はそこからすぐ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■サンメドウズ清里スキー場〜県界尾根合流地点(2490m) ・この日はスタート地点から積雪あり。スキーで登行できた。ツボ足だと膝下ラッセル。 ・途中夏道を外れて大門沢沿いに登行するが、藪が濃い箇所があるので覚悟が必要。 ■県界尾根〜赤岳山頂 ・県界尾根からしばらく(2580m)まで尾根を行き展望荘方面へトラバースする。 ・この日は前日降ったパウダーの下が凍結していたため念のためクトー装着。 ・展望荘上部あたりで夏道と合流したらシートラで山頂まで。 ■赤岳山頂(北峰)〜杣添沢登り返し地点(2350m)(スキー滑走) ・山頂北面の急斜面は通常凍結orモナカ状態が多いと思われるがこの日は降雪直後だったため少し重めのパウダーで快適に滑走できた。 ・杣添沢は途中狭いノドがあるがこの時期雪が着いていれば問題なく滑走可能。ただし雪が少なければ滝が出ている可能性があるので注意する。 ■杣添沢登り返し地点〜県界尾根 ・杣添沢の左股を登るが左左に登れば早めに県界尾根と合流できるため楽。 ・この日の樹林帯は激ラッセルだった。 ・県界尾根に登り詰めたら朝登ったトレースを辿って2600m地点まで行き大門沢へエントリーする。 ■県界尾根〜大門沢〜サンメドウズ清里スキー場(スキー滑走) ・上部はかなりの急斜面で痩せているのでこのルートを行くかどうかは足前と相談する必要あり。(ムリだと判断したら県界尾根を滑る) ・午後は雪が緩んで小規模な雪崩が多発した。大量降雪直後は避けるべき。 ・夏道合流後は高速ボブスレーで登山口まで滑走して終了。 |
写真
感想
3月下旬は南岸低気圧の季節。
例に漏れず普段は晴天率が高く積雪が少ない八ヶ岳にもまとまった降雪があった。
YSHR先生達はオートルートへ行くと言うが自分はあえて名人さんに声をかけて八ヶ岳の主峰赤岳を目指すことにした。
八ヶ岳は故郷の山であり、その中でも幼い頃から常に眺めて育ってきた特別な存在である。
赤岳には厳冬期も含めて何度か登っているがスキー滑走したことは未だなかった。
一方名人さんは赤岳、横岳、硫黄岳をはじめこの界隈の山スキーのパイオニアといった存在でこの冬はぜひご一緒したいと思っていた。
当日朝6時前にスタート地点となるサンメドウズ清里スキー場に集合。(自分が山梨にいた頃は「キッツメドウズ大泉清里スキー場」と呼ばれていた)
赤石でもご一緒させていただいたmaoyukiさんも参戦ということで3人でスタート。
自分と名人さんはパウダーを期待する気持ちも込めてポンツーンを、maoyukiさんはポケロケを選んだ。
スタート地点から積雪があり名人さんは「こんなことは初めてだ」とつぶやいた。
帰りは全部スキーが使えて楽できそうだ。
林道から夏道を外れて大門沢方面へ入ると藪が濃くなってくる。
北アルプスや北陸ではシーズンイン直後にしか藪に阻まれることはないが、南アルプスや八ヶ岳ではこれがむしろ普通で先月の赤石に比べればこれでもマシな状態に思えてくる。
2490mで県界尾根に合流したらしばらく尾根沿いに高度を上げる。
しばらく行くと夏はクサリ場となる岩場がドーンと立ちふさがる。
そこから展望荘方面へダケカンバの森をトラバース。
ダケカンバの霧氷が素晴らしく八ヶ岳ブルーとのコントラストに感動する。
帰ってきたんだなーという実感が沸いてくる。
展望荘上部から夏道に合流したら板を担いで山頂へ。
ここはさすがに八ヶ岳のメインストリート。多くの登山者が行き交っていた。
そういえば今シーズンは人が入らないような山ばかり滑っていたので登山者との出会いがとても新鮮に感じる。
「どこを滑るんですか?」なんて聞かれると季節外れの山スキーで登山者から声をかけられているmomochannの気持ちがわかったような気がする。
南峰山頂で写真を撮り合ったら北峰へ戻って北面へエントリー。
名人さんはいつでも滑れるからいいですよね?なんて言って面ツル斜面にファーストシュプールを刻ませていただきました(笑)
しばらく下って登りトレースと合流したところでルートをどうするか検討。
来た道を戻るか杣添沢を下ってみるか・・・名人さんが杣添沢を開拓したいとのことだったので後者を選ぶことになった。
今日は体力的にも余裕だし雪も良かったので登り返しがあるくらいで丁度いいと思っていた。
結果として杣添沢は今回のコンディションでは快適に滑走できた。
(雪が少ないと滝が出ていそうな箇所もあったので注意)
2350mまで滑ったところでシールを貼って登り返す。
下った沢が右股で登り返しが左股となるが県界尾根に早い段階で合流できれば登りのトレースが利用できそうだということで臨機応変に斜度や雪質と相談しながら左寄りに高度を上げていく。
樹林帯に入ると季節外れの激ラッセルとなりポンツーンで来てよかった、ということになった。
県界尾根に登ってから再度2600mまで尾根を登ったらいよいよ大門沢へエントリー。
早めに本谷に出られれば快適に滑ることができそうだったが雪切れが激しくルート取りは困難を極めた。
崖にぶち当たって進退窮まったり、小規模雪崩が多発したり・・・とココ最近ないレベルのアドベンチャーだった。
やっぱり初ルートの単独は避けるべきだと思った。
核心部となった大門沢の下りを何とかこなしたらあとは快適滑走。
登山口まで小藪を蹴散らしながらボブスレーであっという間だった。
コメント
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若いころから八ヶ岳バリエーションを楽しんできた者です。八ヶ岳と言えば、冬期アルパインの修業の場というイメージを見事に一新しましたね。うなるばかりです。惜しみない拍手です。
私も、最近は山スキーに重心を移して冬は楽しんでおります。みなさんの記録は格好の参考書です。(さすがに八は私のレベルでは無理ですが)今後も活躍を拝見しております。
okamasaさん、コメントありがとうございます。
八ヶ岳バリエーションを楽しんで来られたということで凄いですね。
八ヶ岳や南アルプスはお世辞にも山スキー向きとは言えませんが場所と時期を選べば格好のゲレンデになります。
今回のように降雪直後のタイミングではツボ足では躊躇するようなコンディションでも山スキーでは適度なラッセルを楽しむことができますしパウダー滑走も期待できます。
私はアルパインは全くですが大好きな八ヶ岳を山スキーで滑ることができて満足しております。
この記録が少しでもご参考になれば幸いです。
Sanchan33さん、はじめまして、杣添尾根から登ってきたものです。
昨日は、斜面、雪、天気、三拍子揃ったTheDay!でしたね。
詳細なレポート非常に参考になります。ありがとうございます。
杣添尾根の方からは、常に赤岳の斜面が観れるので、ワクワクが止まらない楽しさがありますが、県界尾根の方からが最短ではありますね。そして大門沢も楽しめるという、贅沢コースですね。
お疲れ様でした。
capcapcapさん、はじめまして。
山頂でお会いしたのがcapcapcapさんだったんですね。
山スキーヤーとはほぼ無縁だと思っていた赤岳で同類の方にお会いできたので多少驚きでした(笑)
僕も赤岳は初滑走でしたが今回のルートは杣添、大門の両方を滑れる2度おいしいコースでした。
大門沢は雪切れでちょっと難儀しましたが・・・
次回行く機会があればcapcapcapさんのルートも参考にさせていただきたいと思います。
お疲れさまでした。
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