記録ID: 1440606
全員に公開
トレイルラン
富士・御坂
STY2018 -贅沢なロングトレイル-
2018年04月27日(金) ~
2018年04月28日(土)
![情報量の目安: B](https://yamareco.info/themes/bootstrap3/img/detail_level_B2.png)
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体力度
10
2~3泊以上が適当
- GPS
- 17:18
- 距離
- 95.0km
- 登り
- 4,080m
- 下り
- 4,144m
コースタイム
1日目
- 山行
- 11:53
- 休憩
- 0:06
- 合計
- 11:59
距離 66.9km
登り 3,225m
下り 2,887m
12:00
67分
スタート地点
23:59
2日目
- 山行
- 4:54
- 休憩
- 0:16
- 合計
- 5:10
距離 28.2km
登り 840m
下り 1,263m
5:18
ゴール地点
スタートまで
スタート地点は、富士市にある富士山こどもの国、広大な会場には物販ブースがたくさんあり、まるでフェスみたいな感じだった。レースに参加しないなら、各ブースを巡るのも楽しそうだった。
会場到着後、早速、受付、装備チェック、荷物預けを済ませた。装備チェックでは、レインウェア上下のシーミングを入念にチェックされたのが印象的だった。
スタート地点
会場のステージでは、福田六花さん作曲のUTMFテーマ曲の生演奏や鏑木毅さん、三浦雄一郎さんによる開会式が始まった。物販ブース、ステージ、スタート地点が近距離にあるので、それを見ていたら、いつの間にかスタート時間直前になった。前述したようにフェスみたいな会場なので、あまり緊張感がなく、あっという間にスタートしたのでスタート前の変な緊張感がなくてよかった。
スタート〜A1富士宮
スタートすると、選手はまるで堰を切ったかのように走り出す。
粟倉ウォーターステーション(粟倉W、15km地点)までは、下り基調の林道又はロードなので、みんな走りっぱなし。歩く人はほとんどいなかった。
僕もここを走らないと後々の関門を突破できない可能性があるので、目一杯と言わないまでも、淡々と走ることを心がけた。
目標タイム1時間50分のところ、1時間30分で粟倉Wに到着。
粟倉Wには水しかないが、減った水はきっかり満タンに補充して出発する。エイドを出発する際は、選手は1リットル以上の水の携行が義務付けられているが、僕が今回1リットル(ソフトフラスク(500ml)×2本(麦茶500ml、ポカリスエット500ml))携行した。
粟倉Wを出るとやっとトレイルらしいコースが出てくる、送電線の管理用道路のトレイル。時折、谷間を通り、小さな渋滞も発生したが、下り基調だし走れるので、個人的には富士忍野高原トレイルレースのコースのような雰囲気で好きだった。
そして、順調にエイドステーション(A)1・富士宮に到着。
このあと登る難関 天子山地に備え、補給食 オレンジ、バナナ、クリームパンなどを頬張る。全エイドを通じてコーラがあったのが、とても嬉しかった。
次のA2麓までの距離は、コース中で最長の28km。それも急峻な天子山地を越えていかなければならない。気合いを入れ直しエイドを出る。
A1富士宮〜A2麓
天子山地、ここは天子ヶ岳(1330m)、長者ヶ岳(1335.8m)、熊森山(1574.5m)の三座を越える本格的登山道。特に天子ヶ岳の登りが行けども、行けども稜線にたどり着かなくて、とてもしんどかった。ここでは何とか、登り上手な人の後ろについてペースを維持した。
登りの途中では、疲れ果てて、立ち止まる人が目立った。天子山地はSTYきっての難関ではないだろうか。
天子ヶ岳を着くと長者ヶ岳までは標高差のあまりない尾根道なので、比較的楽に進むことができた。問題は最後の熊森山、天子山地の中でも急な登りがあることで有名だ。
しかし、天子山地は試走していたので、先が予測出来る分、まだマシだった。それでも、やはり熊森山の登りはロープが設置されているほど急で辛かった。登る際は、膝や腰に手を添えてひたすら登った。
やっとのところで、熊森山の頂上に着いた。山頂で写真を撮る余裕もなく。すぐに熊森山を下る。下山道は、これまた急で4、5人の団子状態で下った。
この頃、既に空も暗くなりかけていたが、霧がかった中で、どうやら上空は月夜のようで、樹木が深くないところは蛍光灯の灯のように明るく、ギリギリまでライトは装備せずに済んだ。
夜間走の必需品 ヘッドライト
今回、ライトはヘッドライト2つを携行。一つは頭、もう一つは腰につけた。この日は月夜だったので、腰のライトはややオーバースペックな感じがしたが、とても明るく、ハンドライトより楽だった。秋のハセツネでは、この装備で臨もうと思った。
(携行ライト)
・PETZL(ペツル) NAO+ E36AHR 2B 750ルーメン 装着箇所:頭
・PETZL(ペツル) MYO E87AHB 280ルーメン 装着箇所:腰
熊森山を下ると九十九折のロードを延々と下る。真っ暗な中、この頃から単独行が多くなる。A2麓までは残り約10km、下りでガンガン飛ばし抜いていく選手がチラホラいるが、釣られてペースを上げることなくマイペースを維持した。
A2麓まで残り1km切った頃、猛然と追い上げてくる人の気配を背後から感じる。ゼッケンNo1 ディラン・ボウマン(USA)、前回の2016年の雨で大幅に短縮されたUTMFで優勝している選手だった。
この時点で2位、そうなると1位の選手はどこかで見ているはずなのだが、記憶にない。多分、熊森山の下りで抜かれたのだと思う。
そして、190cm近くはある長身の彼は闇夜に消えて行った。とてもあと100km以上走るとは思えない速さだ。恐るべし、UTMFランナー。
A2麓
A2麓のエイドは大賑わいだった。ちょうど、UTMFのトップ選手が続々と来ていたから、雑誌などで見知ったその筋の有名人がチラホラいた。
さすがUTMF、エイドの食べ物、飲み物の充実ぶり以外に、ここではカイロプラクティックのブースがあったのは驚きだった。多分、主にUTMFの選手を想定したものなんだろうけど。疲れているので、最初「なんでカイロ?」、「夜になって寒いからカイロ?」と、一瞬、頭が混乱した(笑)。
サポートエリアでは、妻が待っていてくれた。A2麓とA4精進湖民宿村にはサポートエリアがあり、ここのみ私的サポートを受けることができる。
早速、エナジードリンク(モンスター)を飲み、ブドウ一房、どん兵衛 天ぷらそば(小)などをしっかり食べた。ロングレースで温かい汁物、麺類が食べれるのは非常にありがたい。サポートしてくれる妻には感謝だ。
A2では27分滞在、少しゆっくりしすぎたかな、元気になったので、出発しなければならない。賑やかなエイドに後ろ髪を引かれながら、闇夜のコースに入る。
A2麓〜A3本栖湖
次の本栖湖へは約10km、ここも試走したところなので、ここから先は天子山地のような急登はないことはわかっている。このため気持ち的には余裕を持って進むことができた。
端足峠からはSTYはそのまま本栖湖へ、UTMFの選手は竜ヶ岳を経て本栖湖へ、それぞれ別々のルートを進むこととなる。
峠にたどり着くまでは、比較的平坦なシングルトラックや林道を黙々と進んだ。
ここでも、UTMFのトップ選手が目白押し、彼らは颯爽とSTYの選手を抜いていく。主立った選手としては、セバスチャン・セニュー(FRA)、奥宮俊祐、望月将吾(敬称略)などなど。奥宮さんは、追い抜くときの声でわかったくらい。
端足峠の登りでは、トップ選手でも流石に登りは歩いていたけれども、それがとても速くて驚いた。
端足峠を下りきったところで、集団ロストが発生。何とか正規ルートに復帰し、ロスも少なくことなきを得たが、無意識に集団の後について行ったりすると発生する恐れがあると肝に命じた。しかし、疲れてくるとそれも当てにならない。それを後々、実感することとなるのだが…。
A3本栖湖〜A4精進湖民宿村
集団ロストもありながら、無事A3本栖湖に到着。
このエイドはキャンプ場の事務所内にあったので、室内は温かくとてもありがたかった。補給食では温かい湯葉スープがあった。ジェルばかり食べていたので余計に塩気のあるスープは美味しかった。
また、ここには仮眠室もあり、数名仮眠している選手がいた。UTMFかSTYの選手かわからないが、寝ていて間に合うのだろうか。
A3には22時20分着、22時32分発、きっかり10分で出発した。
これからいよいよ真夜中の時間帯に突入。次のエイドA4麓へは12km、本格的な登山道はこのパートが最後、オーバーペースにならないように心がけ先を急いだ。
パノラマ台まではトラバース道が多し
A3本栖湖を出てから登る山域、中ノ倉山、パノラマ台、烏帽子岳へ続くこの山域は、比較的走りやすい道が続く、山頂を巻くようにトラバース道が続いているので、稜線に上がってしまえば、結構走れるパートである。おまけにここも試走しているので、先行している選手やコースマーキングの反射板から地形を先読みし、少々の登りも歩かずジェットコースター走法で走り続けたので、苦しいながらも楽しかった(あとで知ったことだが、この区間では22人を抜いたようだった。)。
最後のパノラマ台への九十九折の登りが少々辛かったが、今夜は天気も良く、パノラマ台からみる月夜の富士山はとても美しかった。多分、一眼カメラを持っていれば、綺麗な景色が撮れたことだろう。
パノラマ台からは下り基調。烏帽子岳を経て、A4精進湖民宿村へ向かう。後ろからくる選手を気にしながら、下りを急いだ。日にちはすでに4月28日の午前0時を過ぎていた。
下りにおける靴擦れ
ここの下りで気になったのは、足の親指外側が下りで踏ん張るせいか、シューズ内で擦れてそこそこ痛かったことだ。今までワセリン足に塗っていたのだが、今回は塗り忘れたのが影響したと思う。シューズをHokaOneOne チャレンジャーArt4に変えたことも影響しているのかなぁ。ここら辺は、次回のハセツネで何を履くか考えるところだ。
A4精進湖民宿村〜フィニッシュ
A4には午前1時11分到着。ここが最後のエイドだ。夜遅く申し訳ないのだが、妻がここにもサポートに来てくれた。
寒くなってきたので、カップラーメンなどの温かいものが美味しい。他にアンパンやクリームパンも結構定番になってきた。
ここに来ると、エイドで寝込む選手が多くなってきた。UTMFの選手だろうか、エマージェンシーシートに包まって、完全に寝込んでいる。残り100km近く走る100マイルの選手たちはほんと尊敬してしまう。幸い、自分はまだまだ元気なので、まだいい方だ。
最後のエイドA4を出発する。ゴールまであと28kmだ。
A4を出るとすぐに鳴沢風穴までの約5kmのロードを進むことになる。先日、100kmのウルトラマラソンを走り、ロードを見ても歩かない耐性がついたようで、遅いペースながらも一定ペースで淡々と走ることができた。
この時は、むしろトレイルを走るよりロードを走る方が、距離と時間を稼げるので、ありがたかった。
鳴沢風穴から先は、比較的幅の広いトレイルとなる。ここでもペースは一定、登りが終わり下りが始まる手前で走り始めるジェットコースター走法で歩いている人を抜き順位を上げれた。足和田山までは、こんなふうに、いい感じに進めた。
足和田山からの下り あとは下るだけ…
最後のピーク、足和田山まで来た。これであとは下るだけだ。
しかし、足和田山山頂を過ぎ、あとは河口湖へ下るだけという時に、全身に痺れの兆候が出てきた。せっかく下りは大好きなのに思ったように走れない。そういえば、しばらく億劫で水分だけで、ジェルを飲んでいなかったことに気づく。こりゃやばいと思い、急いでジェルを飲む。しばらくすると、痺れも収まってきたのでよかった。ハンガーノックの兆候だったようだ。
おかげで、今まで登りで抜いた分、逆に下りでだいぶ抜かれてしまった。トレイルは補給計画が重要なんだと思った。最後まで油断大敵だ。
しかし、その後も、下ることに気を取られ、コースマーキングの確認を怠り、大嵐天神社の階段を間違って下ってしまう痛恨の2回目のロスト。下りきってから迷ったことに気づいたので、ここでの登り返しは痛かったー。思えば、この時も選手3人(自分は最後尾)でのロスト。本栖湖のロストの教訓が生きていなーい。
そんなこんなで、やっと足和田山を下山。ロードを見たら少しホッとした。
あとは河口湖湖畔沿いを走るだけだけど、ゴールまでの約4kmが遠かった。
時刻は午前5時前、辺りはすっかり明るくなっていた。富士山周辺の大自然を満喫する旅ももう終わりかーなんて思いながら、ゴール。
タイム17時間18分13分 結構、楽しい旅だった。
こんな贅沢な旅をさせてもらい、サポートしてくれた妻、大会運営の皆さんには感謝しかない。
トレイルレースって、本当に楽しい。
スタート地点は、富士市にある富士山こどもの国、広大な会場には物販ブースがたくさんあり、まるでフェスみたいな感じだった。レースに参加しないなら、各ブースを巡るのも楽しそうだった。
会場到着後、早速、受付、装備チェック、荷物預けを済ませた。装備チェックでは、レインウェア上下のシーミングを入念にチェックされたのが印象的だった。
スタート地点
会場のステージでは、福田六花さん作曲のUTMFテーマ曲の生演奏や鏑木毅さん、三浦雄一郎さんによる開会式が始まった。物販ブース、ステージ、スタート地点が近距離にあるので、それを見ていたら、いつの間にかスタート時間直前になった。前述したようにフェスみたいな会場なので、あまり緊張感がなく、あっという間にスタートしたのでスタート前の変な緊張感がなくてよかった。
スタート〜A1富士宮
スタートすると、選手はまるで堰を切ったかのように走り出す。
粟倉ウォーターステーション(粟倉W、15km地点)までは、下り基調の林道又はロードなので、みんな走りっぱなし。歩く人はほとんどいなかった。
僕もここを走らないと後々の関門を突破できない可能性があるので、目一杯と言わないまでも、淡々と走ることを心がけた。
目標タイム1時間50分のところ、1時間30分で粟倉Wに到着。
粟倉Wには水しかないが、減った水はきっかり満タンに補充して出発する。エイドを出発する際は、選手は1リットル以上の水の携行が義務付けられているが、僕が今回1リットル(ソフトフラスク(500ml)×2本(麦茶500ml、ポカリスエット500ml))携行した。
粟倉Wを出るとやっとトレイルらしいコースが出てくる、送電線の管理用道路のトレイル。時折、谷間を通り、小さな渋滞も発生したが、下り基調だし走れるので、個人的には富士忍野高原トレイルレースのコースのような雰囲気で好きだった。
そして、順調にエイドステーション(A)1・富士宮に到着。
このあと登る難関 天子山地に備え、補給食 オレンジ、バナナ、クリームパンなどを頬張る。全エイドを通じてコーラがあったのが、とても嬉しかった。
次のA2麓までの距離は、コース中で最長の28km。それも急峻な天子山地を越えていかなければならない。気合いを入れ直しエイドを出る。
A1富士宮〜A2麓
天子山地、ここは天子ヶ岳(1330m)、長者ヶ岳(1335.8m)、熊森山(1574.5m)の三座を越える本格的登山道。特に天子ヶ岳の登りが行けども、行けども稜線にたどり着かなくて、とてもしんどかった。ここでは何とか、登り上手な人の後ろについてペースを維持した。
登りの途中では、疲れ果てて、立ち止まる人が目立った。天子山地はSTYきっての難関ではないだろうか。
天子ヶ岳を着くと長者ヶ岳までは標高差のあまりない尾根道なので、比較的楽に進むことができた。問題は最後の熊森山、天子山地の中でも急な登りがあることで有名だ。
しかし、天子山地は試走していたので、先が予測出来る分、まだマシだった。それでも、やはり熊森山の登りはロープが設置されているほど急で辛かった。登る際は、膝や腰に手を添えてひたすら登った。
やっとのところで、熊森山の頂上に着いた。山頂で写真を撮る余裕もなく。すぐに熊森山を下る。下山道は、これまた急で4、5人の団子状態で下った。
この頃、既に空も暗くなりかけていたが、霧がかった中で、どうやら上空は月夜のようで、樹木が深くないところは蛍光灯の灯のように明るく、ギリギリまでライトは装備せずに済んだ。
夜間走の必需品 ヘッドライト
今回、ライトはヘッドライト2つを携行。一つは頭、もう一つは腰につけた。この日は月夜だったので、腰のライトはややオーバースペックな感じがしたが、とても明るく、ハンドライトより楽だった。秋のハセツネでは、この装備で臨もうと思った。
(携行ライト)
・PETZL(ペツル) NAO+ E36AHR 2B 750ルーメン 装着箇所:頭
・PETZL(ペツル) MYO E87AHB 280ルーメン 装着箇所:腰
熊森山を下ると九十九折のロードを延々と下る。真っ暗な中、この頃から単独行が多くなる。A2麓までは残り約10km、下りでガンガン飛ばし抜いていく選手がチラホラいるが、釣られてペースを上げることなくマイペースを維持した。
A2麓まで残り1km切った頃、猛然と追い上げてくる人の気配を背後から感じる。ゼッケンNo1 ディラン・ボウマン(USA)、前回の2016年の雨で大幅に短縮されたUTMFで優勝している選手だった。
この時点で2位、そうなると1位の選手はどこかで見ているはずなのだが、記憶にない。多分、熊森山の下りで抜かれたのだと思う。
そして、190cm近くはある長身の彼は闇夜に消えて行った。とてもあと100km以上走るとは思えない速さだ。恐るべし、UTMFランナー。
A2麓
A2麓のエイドは大賑わいだった。ちょうど、UTMFのトップ選手が続々と来ていたから、雑誌などで見知ったその筋の有名人がチラホラいた。
さすがUTMF、エイドの食べ物、飲み物の充実ぶり以外に、ここではカイロプラクティックのブースがあったのは驚きだった。多分、主にUTMFの選手を想定したものなんだろうけど。疲れているので、最初「なんでカイロ?」、「夜になって寒いからカイロ?」と、一瞬、頭が混乱した(笑)。
サポートエリアでは、妻が待っていてくれた。A2麓とA4精進湖民宿村にはサポートエリアがあり、ここのみ私的サポートを受けることができる。
早速、エナジードリンク(モンスター)を飲み、ブドウ一房、どん兵衛 天ぷらそば(小)などをしっかり食べた。ロングレースで温かい汁物、麺類が食べれるのは非常にありがたい。サポートしてくれる妻には感謝だ。
A2では27分滞在、少しゆっくりしすぎたかな、元気になったので、出発しなければならない。賑やかなエイドに後ろ髪を引かれながら、闇夜のコースに入る。
A2麓〜A3本栖湖
次の本栖湖へは約10km、ここも試走したところなので、ここから先は天子山地のような急登はないことはわかっている。このため気持ち的には余裕を持って進むことができた。
端足峠からはSTYはそのまま本栖湖へ、UTMFの選手は竜ヶ岳を経て本栖湖へ、それぞれ別々のルートを進むこととなる。
峠にたどり着くまでは、比較的平坦なシングルトラックや林道を黙々と進んだ。
ここでも、UTMFのトップ選手が目白押し、彼らは颯爽とSTYの選手を抜いていく。主立った選手としては、セバスチャン・セニュー(FRA)、奥宮俊祐、望月将吾(敬称略)などなど。奥宮さんは、追い抜くときの声でわかったくらい。
端足峠の登りでは、トップ選手でも流石に登りは歩いていたけれども、それがとても速くて驚いた。
端足峠を下りきったところで、集団ロストが発生。何とか正規ルートに復帰し、ロスも少なくことなきを得たが、無意識に集団の後について行ったりすると発生する恐れがあると肝に命じた。しかし、疲れてくるとそれも当てにならない。それを後々、実感することとなるのだが…。
A3本栖湖〜A4精進湖民宿村
集団ロストもありながら、無事A3本栖湖に到着。
このエイドはキャンプ場の事務所内にあったので、室内は温かくとてもありがたかった。補給食では温かい湯葉スープがあった。ジェルばかり食べていたので余計に塩気のあるスープは美味しかった。
また、ここには仮眠室もあり、数名仮眠している選手がいた。UTMFかSTYの選手かわからないが、寝ていて間に合うのだろうか。
A3には22時20分着、22時32分発、きっかり10分で出発した。
これからいよいよ真夜中の時間帯に突入。次のエイドA4麓へは12km、本格的な登山道はこのパートが最後、オーバーペースにならないように心がけ先を急いだ。
パノラマ台まではトラバース道が多し
A3本栖湖を出てから登る山域、中ノ倉山、パノラマ台、烏帽子岳へ続くこの山域は、比較的走りやすい道が続く、山頂を巻くようにトラバース道が続いているので、稜線に上がってしまえば、結構走れるパートである。おまけにここも試走しているので、先行している選手やコースマーキングの反射板から地形を先読みし、少々の登りも歩かずジェットコースター走法で走り続けたので、苦しいながらも楽しかった(あとで知ったことだが、この区間では22人を抜いたようだった。)。
最後のパノラマ台への九十九折の登りが少々辛かったが、今夜は天気も良く、パノラマ台からみる月夜の富士山はとても美しかった。多分、一眼カメラを持っていれば、綺麗な景色が撮れたことだろう。
パノラマ台からは下り基調。烏帽子岳を経て、A4精進湖民宿村へ向かう。後ろからくる選手を気にしながら、下りを急いだ。日にちはすでに4月28日の午前0時を過ぎていた。
下りにおける靴擦れ
ここの下りで気になったのは、足の親指外側が下りで踏ん張るせいか、シューズ内で擦れてそこそこ痛かったことだ。今までワセリン足に塗っていたのだが、今回は塗り忘れたのが影響したと思う。シューズをHokaOneOne チャレンジャーArt4に変えたことも影響しているのかなぁ。ここら辺は、次回のハセツネで何を履くか考えるところだ。
A4精進湖民宿村〜フィニッシュ
A4には午前1時11分到着。ここが最後のエイドだ。夜遅く申し訳ないのだが、妻がここにもサポートに来てくれた。
寒くなってきたので、カップラーメンなどの温かいものが美味しい。他にアンパンやクリームパンも結構定番になってきた。
ここに来ると、エイドで寝込む選手が多くなってきた。UTMFの選手だろうか、エマージェンシーシートに包まって、完全に寝込んでいる。残り100km近く走る100マイルの選手たちはほんと尊敬してしまう。幸い、自分はまだまだ元気なので、まだいい方だ。
最後のエイドA4を出発する。ゴールまであと28kmだ。
A4を出るとすぐに鳴沢風穴までの約5kmのロードを進むことになる。先日、100kmのウルトラマラソンを走り、ロードを見ても歩かない耐性がついたようで、遅いペースながらも一定ペースで淡々と走ることができた。
この時は、むしろトレイルを走るよりロードを走る方が、距離と時間を稼げるので、ありがたかった。
鳴沢風穴から先は、比較的幅の広いトレイルとなる。ここでもペースは一定、登りが終わり下りが始まる手前で走り始めるジェットコースター走法で歩いている人を抜き順位を上げれた。足和田山までは、こんなふうに、いい感じに進めた。
足和田山からの下り あとは下るだけ…
最後のピーク、足和田山まで来た。これであとは下るだけだ。
しかし、足和田山山頂を過ぎ、あとは河口湖へ下るだけという時に、全身に痺れの兆候が出てきた。せっかく下りは大好きなのに思ったように走れない。そういえば、しばらく億劫で水分だけで、ジェルを飲んでいなかったことに気づく。こりゃやばいと思い、急いでジェルを飲む。しばらくすると、痺れも収まってきたのでよかった。ハンガーノックの兆候だったようだ。
おかげで、今まで登りで抜いた分、逆に下りでだいぶ抜かれてしまった。トレイルは補給計画が重要なんだと思った。最後まで油断大敵だ。
しかし、その後も、下ることに気を取られ、コースマーキングの確認を怠り、大嵐天神社の階段を間違って下ってしまう痛恨の2回目のロスト。下りきってから迷ったことに気づいたので、ここでの登り返しは痛かったー。思えば、この時も選手3人(自分は最後尾)でのロスト。本栖湖のロストの教訓が生きていなーい。
そんなこんなで、やっと足和田山を下山。ロードを見たら少しホッとした。
あとは河口湖湖畔沿いを走るだけだけど、ゴールまでの約4kmが遠かった。
時刻は午前5時前、辺りはすっかり明るくなっていた。富士山周辺の大自然を満喫する旅ももう終わりかーなんて思いながら、ゴール。
タイム17時間18分13分 結構、楽しい旅だった。
こんな贅沢な旅をさせてもらい、サポートしてくれた妻、大会運営の皆さんには感謝しかない。
トレイルレースって、本当に楽しい。
天候 | 27日 くもり 28日 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ゴール 大池公園 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・粟倉W(15km)までは下り基調の林道(ロード)。 ・粟倉WからA1富士宮(22km)までロードも多いが、終盤やっと送電線の下を通るトレイルが出てくる。 ・A1富士宮からA2麓(50km)までの距離は28km、天子山地を越えるハードなコースなので、水等の補給は十分にする必要がある。 |
その他周辺情報 | ロイヤルホテル河口湖 開運の湯 入浴(2時間)のみ 大人/1,000円(UTMFエントリー割引)→800円 定休日 無休(メンテナンス休あり) 住所 山梨県南都留郡富士河口湖町船津6713-22 ロイヤルホテル河口湖内/TEL : 0555-73-2655 種類 内湯・庭園風呂・露天岩風呂 【露天】男/2、女/2 【内湯】男/1、女/1 |
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