月山北方の秘峰「高倉山」

2011年11月03日(木) [日帰り]

• GPS: 06:16
• 距離: 6.8km
• 登り: 980m
• 下り: 997m

コースタイム

・登山口 8:55 → 高倉山分岐 9:28 → 高倉山山頂 11:27(登り 2時間32分)
・山頂 12:03 → 高倉山分岐 13:44 → 今熊山 14:28 → 稜線分岐 14:39 → 村道15:03 → 15:11登山口 (下り 3時間08分)

天候

曇り

アクセス

利用交通機関：

自家用車

山形県戸沢村古口 → 今熊野神社 → 今神温泉(廃泉) (古口から16K、約30分)

コース状況／危険箇所等

(1)この山も地理院2.5万図破線やアルペンガイドのない秘峰の山です。(帰路の今熊山は山渓分県ガイドにあり)
(2)登山ポスト、水場はありません。御池畔の高倉山への分岐以降は目印や道標も一切なく、踏み跡が不鮮明な箇所も数カ所あります。
(3)前半は細尾根の急登と岩壁トラバース、中盤は深い渓谷美、後半はブナ、灌木帯の緩斜面となります。
(4)急峻な細尾根や岩壁下の滑り易いトラバース(2回)等スリルあるコースで、やや熟練者向けです。(単独行は避け、GPS携帯がベター)

写真

登山口
今神野神社先から「今神温泉」を目印にダート道に入り、温泉ゲート前の駐車広場に登山口看板が建つ。

岩壁下
登山道に入ると直ぐに今熊山の岩壁下を巻く様に西に進む。厚い落葉で時折踏み跡を見失う。

南壁
樹間には今熊山頂上付近の南壁が顔を出す。

ブナ帯
美しいブナ樹林帯を御池に向かう。

御池1
神秘的雰囲気が漂う静寂の御池。水鳥が憩い、湖面には今熊山稜が映る。

高倉山分岐
分岐を左に入っていよいよ未踏ルートの探訪。(分岐右は「今熊山」ではなく何故か「浄ノ滝」となっている。)

徒渉
分岐からすぐにコース唯一の徒渉が現れる。

紅葉1
急登の細尾根に取り付くと見事な紅葉が。幹右の鋭峰は今熊山。

第1岩壁
急登の尾根上に突如現れた最初の岩壁。左に巻いて岩壁に這い上がる。

スラブ
尾根右手(北方)には深い谷と滝を落とすスラブが現れる。野趣たっぷりだ。

落葉
標高700M付近より上部は落葉し初冬の佇まい。ブナの落葉を漕ぎながら進む。

ニセピーク
前方に立ちはだかるニセピーク。山頂は更に左奥だった。

第2岩壁
2回目の岩壁越え。ここも左に巻いて尾根に上がる。トラバースは足場が滑り易く慎重に越える。

山頂
ようやく山頂到着。標高1,053.8M、登山口から2時間半ながらなかなかの山だ。生憎の雲で南方の月山は見えないが、東方の蔵王や神室連峰、眼下の今楯山等は一望だ。

黄葉
帰路の尾根。黄葉もそろそろお終い。

今熊山
帰路の尾根から今熊山と御池を見下ろす。

木こぶ
異彩を放つブナのこぶ。まじまじと眺める。

目印
ルート不鮮明な箇所には携帯したテープを残して来ました。(おせっかいやき?)

今熊・浄ノ滝分岐
高倉山分岐に戻った後今熊山に向かう。今熊稜線に浄ノ滝への分岐が現れる。(未確認ですが滝ルートは薮化し通行不能の様です。)

紅葉2
今熊稜線の紅葉。

トラバース
今熊山頂へは眼前の岩壁を避けて一旦左下の鎖場に降りる。

今神神社
北面の滑り易い岩場を鎖にを頼りに稜線に登り返すと間もなく神社が現れる。

今熊山山頂
神社裏の薮を掻き分け数十メートルで山頂。

御池2
山頂から眼下に丸い御池を見下ろす。

高原山遠望
今熊山山頂から夕日傾く高倉山ピーク(中央)を眺める。

下山口
下山は今熊神社から往路を150メートル程戻り、右手(北)に降りて今熊山北面を東に迂回すると村道に出る。村道を右に500メートル程歩けば登山口だ。

帰還
無事登山口に帰還。憧れの未踏ルートを踏破出来て山に感謝。今日も山中登山者に出会うことなく静かな一日だった。

感想

tonkara

(1)東北紅葉山旅2回目の第2弾は霊峰「月山」の北東尾根にある「高原山」1,053.8Mです。
(2)当日夜明けに晴天を信じて雲レーダーを見ると、何と山形県南部だけが午前中通り雨の予報にびっくり、急遽県北に移動してこの山に変更し登山開始が遅れた次第。
(3)この山は数年前にルートが開拓された新鋭峰で、高名な月山に隠れて入山者も殆どいない静かな山です。
(4)しかし、急登の細尾根や断崖スラブもあり、無雪期しか登れない秘峰かも知れません。(無雪期もそれなりに険しいルートですから十分注意が必要です。)
(5)中腹のブナ樹林や山頂からの展望等は中高山らしからぬ未開の自然が残り、薮山好みの小生には最高の山でした。