記録ID: 1599492
全員に公開
アルパインクライミング
槍・穂高・乗鞍
新穂高温泉〜滝谷出合〜第四尾根〜涸沢岳(日帰り)
2018年09月28日(金) [日帰り]
Kazu
その他1人
体力度
9
2~3泊以上が適当
- GPS
- 20:16
- 距離
- 28.3km
- 登り
- 3,884m
- 下り
- 3,866m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 18:56
- 休憩
- 1:03
- 合計
- 19:59
距離 28.3km
登り 3,884m
下り 3,884m
23:02
秋雨前線の長雨が続き台風24号も近づいているこの週末、夏休みを取った金曜日のみ晴れる予報。YNさんも休みを取れるとのことで、新穂高温泉から滝谷下部を遡行して第4尾根の登攀を日帰りでやってみようということになった。二人とも滝谷は初めてなのでいろいろと調べたが、行程が長く、滝の水量や雪渓などの不確定要素も多いルートだ。
9/28 新穂高温泉〜滝谷出合〜第4尾根〜涸沢岳〜白出沢経由下山
前夜23時頃に新穂高温泉に入り無料駐車場で仮眠後、午前3時に出発。月が明るく天候は上々だが、沢の水量は多そうだ。長い林道歩きを経て5時過ぎに滝谷出合に到着。天気が良いからか、ここまで二人の登山客と遭遇した。しかし、滝谷に入ると全く人影はない。入渓してすぐに雄滝が見える。水量が多く、側壁が濡れていて悪そうだ。
【雄滝】登攀開始6:00〜終了7:45
比較的乾いている雄・雌滝の中間リッジを登って藪にあがり(卦+、ヌメっている)、3ピッチほど簡単なトラバースで滝上に抜けた。過去の記録では全体の核心部と書いてあるものもあったので、やや拍子抜けだった。
雄滝から上部は急峻な沢筋を抜けるとすぐにナメリ滝下に着いた。
【ナメリ滝】登攀開始8:15〜終了9:00
右壁から取付く。取付きから5メートルは立っているがホールドが大きく易しい。その後はスラブになるが、特に問題になる部分はなかった(卦+)。滝上で水流をまたぎ、上部の滝は左壁から登る(卦蕁次法
滝谷下部の連瀑帯を思ったよりすんなり抜けられたので、このままジャンダルム・西穂も行けるか、と目論んだりしたが、実はここからが問題だった。まずBC沢とDE沢の分岐を間違えてDE沢側に入ってしまった。D沢は非常に不安定なガレが延々と続いていた。D沢・E沢分岐部の上まで行って漸く間違いに気付き、引き返した。ここで2時間のロス。気を取り直してC沢を詰める。C沢はD沢に比べて断然登りやすく、涸れた小滝の連続でなかなか楽しい。今度は慎重に二俣を見つけた。スノーコルへの取付きまでやや迷ったが、13:30にコルへ到着。
【滝谷第4尾根】登攀開始13:40〜終了17:30
当初卦蘢度のピッチはフリーソロか同時登攀で抜けることを考えていたが、むしろ卦薜焚爾離團奪舛ボロボロで悪く感じた。結局全てのピッチをつるべで登った。
・P1 卦蕁KWリード)/ P2 卦蕁YNリード)
岩が予想以上にもろく、悪い。岩を引くのではなく押し付けるアルパインの要領で慎重に登る。
・P3 卦蕁KWリード)
Aカンテ。下の2ピッチよりはやや岩の状態が良い。
・P4 元+(YNリード)
Bカンテ。Bカンテはつるつるだが、ホールドも適度にあって楽しい。水平リッジまで延ばしてダウンクライム手前まで。
・P5 卦+(KWリード)
Cカンテ。Cカンテも楽しいピッチだが、プロテクションはあまり良くなかった。
・P6 卦蕁YNリード)
易しいが再び岩質が悪くなり、しかも濃いガスで岩が濡れてきた。浮石も多く、気持ちの悪いピッチだった。このピッチを登っている途中で、C沢右俣に大きな岩雪崩が発生。かなり大きく、轟音が1分くらい続いていた。恐るべし滝谷。
・P7 元蕁KWリード)
岩の詰まったクラックを抜けるこのピッチが、ルート中で最も悪く感じた。リッジを越えて懸垂支点まで延ばし、15メートルほどの緩傾斜を懸垂してコルに下りた。
・P8 元+(YNリード)
ここからは岩質も良くなり、ガスも晴れてきて楽しくなる。しかし時間がおしているので、先を急いだ。チムニーの乗越がやや難しい。
・P9 控蕁KWリード)
Dカンテ。高度感のあるリッジを進むと、明らかな核心部がある。核心手前のクラックにバチ効きのカムを2つ入れてボルダームーブをこなす。核心を越えた後は20mほど簡単なリッジを進み、何故かここだけ真新しいボルトの終了点へ。ギリギリ日没前に登攀終了。
終了点で登攀具をしまい、容易な岩稜帯を経て登山道に出た。滝谷を覆っていた雲が晴れ、笠ヶ岳にかかる夕陽が素晴らしいラストを演出してくれた。夕闇が迫る中、涸沢岳の岩稜帯を登り、穂高岳山荘に19時着。5分ほど休憩をして下山開始する。小屋の人にこれから新穂高温泉に下ると言ったら、心配されてしまった。それもそのはず、白出沢の登山道はわかりにくく、ガレ場で何度か迷ってしまった。白出大滝下の側壁の悪場を過ぎると登山道は歩きやすくなり、21:45に林道へ出た。長い林道をたどり、ヘロヘロになりながらも何とか日付が変わる前に駐車場へ戻れた。午前3時行動開始・23時終了、久々の20時間行動であった。
さすがにこれから横浜まで運転して帰る気力はなく、夜中でも入れる乗鞍の隠れた名湯「せせらぎの湯」で汗を流して朝まで仮眠した。
9/28 新穂高温泉〜滝谷出合〜第4尾根〜涸沢岳〜白出沢経由下山
前夜23時頃に新穂高温泉に入り無料駐車場で仮眠後、午前3時に出発。月が明るく天候は上々だが、沢の水量は多そうだ。長い林道歩きを経て5時過ぎに滝谷出合に到着。天気が良いからか、ここまで二人の登山客と遭遇した。しかし、滝谷に入ると全く人影はない。入渓してすぐに雄滝が見える。水量が多く、側壁が濡れていて悪そうだ。
【雄滝】登攀開始6:00〜終了7:45
比較的乾いている雄・雌滝の中間リッジを登って藪にあがり(卦+、ヌメっている)、3ピッチほど簡単なトラバースで滝上に抜けた。過去の記録では全体の核心部と書いてあるものもあったので、やや拍子抜けだった。
雄滝から上部は急峻な沢筋を抜けるとすぐにナメリ滝下に着いた。
【ナメリ滝】登攀開始8:15〜終了9:00
右壁から取付く。取付きから5メートルは立っているがホールドが大きく易しい。その後はスラブになるが、特に問題になる部分はなかった(卦+)。滝上で水流をまたぎ、上部の滝は左壁から登る(卦蕁次法
滝谷下部の連瀑帯を思ったよりすんなり抜けられたので、このままジャンダルム・西穂も行けるか、と目論んだりしたが、実はここからが問題だった。まずBC沢とDE沢の分岐を間違えてDE沢側に入ってしまった。D沢は非常に不安定なガレが延々と続いていた。D沢・E沢分岐部の上まで行って漸く間違いに気付き、引き返した。ここで2時間のロス。気を取り直してC沢を詰める。C沢はD沢に比べて断然登りやすく、涸れた小滝の連続でなかなか楽しい。今度は慎重に二俣を見つけた。スノーコルへの取付きまでやや迷ったが、13:30にコルへ到着。
【滝谷第4尾根】登攀開始13:40〜終了17:30
当初卦蘢度のピッチはフリーソロか同時登攀で抜けることを考えていたが、むしろ卦薜焚爾離團奪舛ボロボロで悪く感じた。結局全てのピッチをつるべで登った。
・P1 卦蕁KWリード)/ P2 卦蕁YNリード)
岩が予想以上にもろく、悪い。岩を引くのではなく押し付けるアルパインの要領で慎重に登る。
・P3 卦蕁KWリード)
Aカンテ。下の2ピッチよりはやや岩の状態が良い。
・P4 元+(YNリード)
Bカンテ。Bカンテはつるつるだが、ホールドも適度にあって楽しい。水平リッジまで延ばしてダウンクライム手前まで。
・P5 卦+(KWリード)
Cカンテ。Cカンテも楽しいピッチだが、プロテクションはあまり良くなかった。
・P6 卦蕁YNリード)
易しいが再び岩質が悪くなり、しかも濃いガスで岩が濡れてきた。浮石も多く、気持ちの悪いピッチだった。このピッチを登っている途中で、C沢右俣に大きな岩雪崩が発生。かなり大きく、轟音が1分くらい続いていた。恐るべし滝谷。
・P7 元蕁KWリード)
岩の詰まったクラックを抜けるこのピッチが、ルート中で最も悪く感じた。リッジを越えて懸垂支点まで延ばし、15メートルほどの緩傾斜を懸垂してコルに下りた。
・P8 元+(YNリード)
ここからは岩質も良くなり、ガスも晴れてきて楽しくなる。しかし時間がおしているので、先を急いだ。チムニーの乗越がやや難しい。
・P9 控蕁KWリード)
Dカンテ。高度感のあるリッジを進むと、明らかな核心部がある。核心手前のクラックにバチ効きのカムを2つ入れてボルダームーブをこなす。核心を越えた後は20mほど簡単なリッジを進み、何故かここだけ真新しいボルトの終了点へ。ギリギリ日没前に登攀終了。
終了点で登攀具をしまい、容易な岩稜帯を経て登山道に出た。滝谷を覆っていた雲が晴れ、笠ヶ岳にかかる夕陽が素晴らしいラストを演出してくれた。夕闇が迫る中、涸沢岳の岩稜帯を登り、穂高岳山荘に19時着。5分ほど休憩をして下山開始する。小屋の人にこれから新穂高温泉に下ると言ったら、心配されてしまった。それもそのはず、白出沢の登山道はわかりにくく、ガレ場で何度か迷ってしまった。白出大滝下の側壁の悪場を過ぎると登山道は歩きやすくなり、21:45に林道へ出た。長い林道をたどり、ヘロヘロになりながらも何とか日付が変わる前に駐車場へ戻れた。午前3時行動開始・23時終了、久々の20時間行動であった。
さすがにこれから横浜まで運転して帰る気力はなく、夜中でも入れる乗鞍の隠れた名湯「せせらぎの湯」で汗を流して朝まで仮眠した。
天候 | 晴れ一時ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年09月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
滝谷下部は連日の降雨のため増水していたが、渡渉に問題はなかった。雪渓は問題になる箇所はなく、クランポン・バイルなどは使用しなかった。 |
写真
装備
個人装備 |
足回りは沢装備で行ったが正解だった。
|
---|
感想
結果的には素晴らしい山行となったが、実はかなりリスキーであったと思う。翌日は朝から雨・雪の天気だったようで、もし壁中ビバークを迫られていたらヤバかった。D沢での2時間のルートロスは痛かったが、下部の滝の登攀や雪渓の処理などに時間を取られなかったことが幸いしたと思う。そして何より信頼できるパートナーの存在は大きかった。
お気に入りした人
人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:4003人
コメント
この記録に関連する登山ルート
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍 [2日]
奥穂高岳/白出沢ルート/新穂高温泉起点白出沢穂高岳山荘経由
利用交通機関:
車・バイク、 電車・バス、 タクシー
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する