下ノ廊下/祖母谷温泉〜欅平〜阿曽原温泉〜黒部ダム
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- GPS
- 50:29
- 距離
- 34.6km
- 登り
- 6,016m
- 下り
- 5,136m
コースタイム
- 山行
- 6:31
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 7:04
- 山行
- 9:10
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 10:15
天候 | 10/20 雨のち曇 10/21 快晴 10/22 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
祖母谷〜欅平間は普通の林道。危険箇所なし。 欅平上部の水平歩道始点から先は落ちたら死ぬ箇所ばかりだが、どこも番線がしっかり張ってあって心強かった。 黒部別山谷を過ぎると普通の登山道のような区間も混ざってきて、内蔵助谷からはもう安心して歩ける道。 |
その他周辺情報 | 黒部ダムからのトロリーバス(2019年より電気バス)で扇沢に着いた後は長野駅行きの特急バスに乗車(信濃大町で下車するよりも早く東京方面に帰れる) |
写真
装備
MYアイテム |
![]() 重量:-kg
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---|---|
個人装備 |
ザック(1)
手袋(1)
雨具(1)
地図(1)
タオル(2)
ファーストエイドキット(1)
カメラ(1)
時計(1)
筆記具(1)
健康保険証(1)
スマートフォン(2)
スマートフォン用モバイルバッテリー(1)
ヘッドランプ(1)
ヘッドランプ用予備電池(1)
GPSロガー(1)
GPSロガー用予備電池(6)
無線機(1)
熊鈴(1)
ゴミ袋(1)
テント(1)
シュラフ(1)
マット(1)
ストーブ(1)
燃料(1)
ライター(3)
クッカー(1)
カトラリー(1)
水筒(プラティパス)(2)
水筒(ペットボトル)(1)
ヘルメット(1)
|
感想
8年ぶりに下ノ廊下に行くことにしました。
(前回の記録はこちら
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-83673.html )
きっかけは、昨年暮れに山好きの知人Tさんと話をしていて、このコースのことが話題に上ったこと。
「あそこはいいらしいですね」というTさんに対し、そろそろもう一度下ノ廊下に行ってみたいな…と思っていた私、「来年一緒にどうですか」と提案し、快諾を得ました。
ものはついでと、以前から下ノ廊下に興味のあったrengejpさん(以下Rさん)にも声をかけてみたところ、二つ返事で「行く!」との回答。
かくして、再訪の私に初回の2人、三人道中で錦繍の黒部へ向かうこととなったわけです。
さて今回、当初は大勢に従って黒部ダム方向から欅平へ下って行くルートを考えていました。
しかし小屋泊のRさんのために阿曽原温泉小屋へ予約の電話を入れると「その日はもう94人くらい予約が入ってるね」と小屋番の佐々木さん。
予約は何とか聞いてもらえたものの、これは半端ない混雑ぶりになりそうです。
欅平から帰るトロッコ電車の席が確保できないかもしれない。
さらに私とTさんはテント泊予定のため、黒部ダム方向から来たのでは阿曽原到着が欅平出発組よりも遅くなり、便利な場所にはテントが張れそうにない。いや、下手すると張る場所自体がなくなっているかも…。
そんなことを考えて、欅平から登っていく計画に変更しました。
さらに念には念を入れて、欅平発の前日に祖母谷温泉に前泊することに。
これでトロッコ電車の始発に乗ってくる人たちよりも早く阿曽原に着ける!
そういったわけで、まずは北陸新幹線と富山地鉄を乗り継いで到着した宇奈月から、お昼前のトロッコ電車で欅平へ。
普通車(窓なし車両)に乗っていたのですが、途中で雨が降り出してきて、吹きさらしなのと合わせてもう寒い寒い!
道中どうなることかと思ったものの、欅平に着くころには雨は上がって一安心。まあ、もともとそういう予報だったんですが。
駅2階の食堂で一息入れてから、祖母谷へ向かいます。
初めて来た祖母谷温泉はなかなかいいところでした。
ビールが下界とほぼ同じ価格なのがびっくり。これは欅平から車で運んでこれるからでしょうか。
温泉は雨が入ったせいかちょっとぬる目でしたが、内湯に入ったRさんによると、そっちは熱々だったようです。
今日阿曽原から下ってきたという人たちの話を聞きつつ、明日からの下ノ廊下に向けて気分を高めるのでした。
2日目。
6時に出発し、欅平に戻ってから水平歩道への登りに取り付きます。
この急登には前回も苦労したところですが、今回はテン泊装備ということもあって、さらに厳しい。
まあどんな道かはもう承知しているので、ゆっくりながらも焦らずじっくり歩を進めます。
水平歩道始点下の広場で装備を整え、いよいよ平坦な道に突入。
向こうからポツポツやってくる人たちとすれ違いながら阿曽原を目指します。
昨日とは違って天気もよく、気分も上々。
前回の時よりも番線がしっかり張ってある(気がする)ため、なかなか快適に歩いていたのですが、よりによって大太鼓のど真ん中で団体さんと鉢合わせして、そのままそこですれ違う羽目になったのには閉口しました。
私の後ろを歩いていたRさん、すれ違いの際に団体の中にいたおじさんから「危ないから手を握っててあげるよ」と冗談をかまされたそうです。
どうにかすれ違った後でRさん「こんなところでそういう冗談ぜんぜん面白くない!」と憤慨していました。
何はともあれ、無事に阿曽原に到着。
まだ13時を回るくらいの時間でしたが、思っていたより先客が多く、テン場にはすでに10数張りほどのテントがありました。
ただ、後からRさんに聞いたところでは、小屋のほうでは黒部ダム方面から来た母娘連れの方に次いでRさんが3番目の受付だったそうです。しかしそれにしても母娘早いな!
「これからどんどん混んでくるので、早めにお風呂入ったほうがいいですよ」と受付のお姉さんに言われたので、早速Tさんと温泉に向かいます。
毎時0分に男女が入れ替わるのですが、すでに20分過ぎだったため、そこそこ混雑していました。
何とか場所を見つけて湯船に入り、8年ぶりの阿曽原温泉を満喫。
目の前に広がる峡谷の紅葉が陽光によく映えています。
前回来たときは曇りでどんよりした天気だったので、それに比べると今回は(混雑を別にすれば)言うことなし。
いや本当、こんなに混んでさえいなければもっとゆっくり入っていたかったんですけどね!残念!
テン場に戻ってくつろいでいるうち、到着してテントを設営する人たちがだいぶ増えてきました。
薄暗くなる頃には、通路を除いたテン場スペース全面に隙間なくびっしりテントが張られた状態に。
私とTさんのテントは通路を挟んで山側に陣取っており、すぐ裏は不整地だったのですが、最終的にはそこにも数張りが!恐ろしや…!
3日目。
この日は黒部ダムまでの長丁場なので、できれば5時半くらいには出たいと思っていたものの、何だかんだで結局2日目と同じ6時の出発となりました。
早い時間のトロッコ電車に乗るために4時半とか5時とかに出発していく人は大変だ!
阿曽原峠への登りと権現峠からの下りを経て人見平に至り、関電の宿舎やその先の高熱隧道、仙人谷駅、それに仙人谷ダムを、今回初めてのTさんとRさんに案内して回ります。
まあ、というよりむしろ自分自身が一番楽しんでいた気もしないではありません。
阿曽原温泉もですが、この仙人谷周辺も時間さえあればもっとあちこち探検して回りたいところ。
しかし今日はこれから黒部ダムまで歩かないといけないので、あまりのんびりできないのが惜しまれます。
東谷吊橋からの短い登りを経て再び平坦な道になり、番線に手をかけつつずんずん歩行。
地下の黒四発電所から出てくる送電線とか、眼下に水が白く泡立つS字峡とか、半月峡付近の切り立った断崖絶壁とか、朝から見どころ満載で、ついつい立ち止まってカメラを構えてしまいます。
ただ、黒部ダムへ向けて南下していくコース取りなので、写真を撮ろうとするとどうしても逆光になってしまうのが残念。晴れの日ならではの難しさですね。
前回は曇りだったのでその点(だけ)は良かったのですが…。
本日のハイライト、十字峡に到着。
吊橋を渡って、早速見晴らし台へ下りていきます。
見晴らし台からの眺めにTさんRさんも感動している様子でした。声をかけた甲斐があるというものです。
ちなみに見晴らし台への道は相変わらず急で滑りやすそうでしたが、いつ架けられたのか、ロープが下がっていました。ありがたや。
白竜峡へ向けて再スタート。
すれ違いはS字峡あたりからポツポツ始まっていましたが、十字峡を過ぎたこのあたりから目に見えて多くなってきました。
ただ、前日の大太鼓のような強烈な場所での大量すれ違いは最後までありませんでした(助かった…)。
白竜峡に入るところで、前回通った高巻きのハシゴが今回もあるはずだと身構えていたのですが、いざ来て見ると数メートルの段差を乗り越えるためのハシゴだけで、ちょっと肩すかし。
本道の整備が完了したので高巻きしなくてよくなったのでしょうか?
もっとも、その先では狭い桟道やら、頭上が低くへつって通過する箇所やらが連続して押し寄せてきて、ハシゴがなくなったところで危険度は大して変わりませんでしたが。
危険なところを写真に撮っておきたかったところですが、向こうから登山者が続々とやってきてはすれ違っていくので、ゆっくりカメラを構えられなかったのが無念です。
ともかくもどうにか白竜峡を越えて、黒部別山谷に至ります。
沢筋に下りて休憩していると、向こうから団体さんがぞろぞろとやってきました。
中のひとりがロープで下降しようとするところを、リーダーらしき別のひとりが大声で叱責するのが聞こえてきました(はっきりとは聞こえませんでしたが、ロープの使い方が悪いとかそういう内容だったようです)。
山岳会のパーティなのでしょうか、なかなかスパルタですね。まあこういうコースを歩こうというのだから、必然的にスパルタにならざるを得ないのかもしれません。
黒部別山谷の先の高巻きハシゴ(ここは今回もちゃんとありました)を過ぎて、だんだん普通の登山道ぽい雰囲気が濃くなってきます。
登り区間も少しずつ増えてきて、黒部ダムに近づきつつあるのだという印象を強くするところです。
結局、黒部別山谷から先はすれ違いもまったくなく(100人くらい向こうから来るらしいという噂でしたがこれまた拍子抜け)、ダム下までやってきました。
ダムの観光放水期間はとっくに終わっているはずですが、なぜかまだ放水が行われていました。
前回来たときはやっていなかったので、これまたラッキー!
ダム下からいよいよ黒部ダムへ向けて最後の登りに。
とはいえそれほど厳しい登りでもなく、やや傾きかけた陽に照らされる紅葉に包まれながら歩くこの区間は、下ノ廊下を無事に歩き通した後のウイニングランといった感覚でした。
ダム下から小一時間ほどで、ゴールの関電トンネルトロリーバス黒部ダム駅に到着し、3日間の行程が無事に終了。
今年で引退するトロリーバス(来年からは電気バスに変わるらしい)に乗り込み、帰宅の途に就きました。
以下は全般的な感想です。
前回歩いたときは平日で、今回は日・月曜だったとはいえ、混雑度合いがだいぶ違いました(前回はあんなにテン場混んでなかった!)。
下ノ廊下や阿曽原温泉は最近テレビや雑誌などで何度も取り上げられているらしいので、それだけ有名になってきているのでしょうか。
その意味では、早い時間に阿曽原に着けるよう祖母谷出発としたのは、やはり正解でした。
北上コースをとった場合、たとえロッジくろよんを早くに出発したとしても、阿曽原のテン場争奪戦には到底勝てる気がしない…。
その一方で、上でも書いたように、道自体の整備状況は8年前よりも格段に良くなっていました。
前回は、番線がユルユルだったり張ってなかったりする箇所も数多くあったと記憶していますが、今回はほぼ全区間にわたってしっかりと張られており、感心しながら歩いていたほどです。
高巻き桟道などでは谷側に丸太の手すりが付いている箇所もあり、より安全な道になっているなあという印象でした。
関電と整備作業に携わる皆さん、そして状況を逐一伝えてくれる阿曽原温泉小屋に、この場を借りて感謝です。
(阿曽原温泉小屋のサイトは今年に入ってかなり頻繁に更新されるようになり、コース情報以外にも面白い話が満載で、毎日のように楽しませてもらいました。ありがとうございました)
それでもやはり、もう少し時間に余裕があってもう少し人が少なければ、もっと楽しめたなあと思ってしまいます。
いつになるか分かりませんがいずれまた訪問するとして、その時はせめて今以上には混雑しないでほしいところですが…難しいかな…。
こんばんは
日程、行程全く同じでずっと前後を歩いてました。
行程の考え方も全く同じですね〜
阿曽原でテン場のいいとことれてよかったですね〜
下の廊下を歩いた2日間は快晴
記録拝見してきました。
祖母谷のテーブルで宴会されていた方々でしたか。我々は皆さんの宴会が始まった頃まで隣に座っていた3人組です。
そして下ノ廊下、実現できてよかったですね。
期間限定のコースでハードルが高いところですが、それでも行ってみる価値のある場所だなあ、と私も改めて感じました。
お互い楽しめて何よりでした。
>我々は皆さんの宴会が始まった頃まで隣に座っていた3人組です。
そうでしたか!
あの時はおくつろぎのところ、こころよくスペースをあけて(つめて)いただきありがとうございました
今こうして、自分のだけでなく同時期に歩いた皆さんのレコを見て"行けてよかった〜"と思ってます。機会があったら、いつかもう一回今度は逆コースで歩いてみたいと思いました。
8年前からずいぶん状況変わったようですね。
数年後には小屋のみならずテン場も予約制になってたりして・・・
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