立山・室堂定着


- GPS
- 32:46
- 距離
- 47.5km
- 登り
- 2,825m
- 下り
- 2,859m
コースタイム
- 山行
- 11:56
- 休憩
- 2:47
- 合計
- 14:43
過去天気図(気象庁) | 2018年12月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
予約できる山小屋 |
天狗平山荘
|
写真
感想
アイスクライミング山行に敗れた我々は一路富山に向かった。室堂定着山スキー山行のためである。動機は主に以下:
1. 人のいない所に行きたい(ゲレンデや街から離れたい)
2. 最近の厳冬期は日帰りばかりなので、山に泊まりたい
3. 藪が少ない快適なスキーがしたい
4. どうせ室堂まで行くならまとめて何日か滑りたい
この時期、立山が晴れることは滅多にないとはいえ、予報を見て1.5日は滑れるだろうとなぜか楽観的だった。結果、視界のある室堂で行動できたのは、5日間のうちたったの0.5日だったので、全山行時間中たったの10%だった。残りはラッセルが丸2日分の40%、沈殿が2.5日分の50%。滑りなんて何パーセントだったろうか。効率は悪すぎたが、山行の充実度は…わからない。少なくとも上記1.と2.は満たしたが…。
12/31
3時過ぎに立山駅の駐車場を出て、夏道に取り付く。最初トレースがあったがすぐに消えた。スキーで登るが斜度があり、岩や倒木などの障害物が多い。新雪目算60cmの下には根雪が無く、踏むと笹や岩が出て、ツボ足だと踏み抜く。雪まみになり、やがてびしょびしょに濡れ、呪いの言葉を何度も吐きながら3回は帰ろうかと思ったが、かなりの格闘の末、3時間以上かけて美女平に立った。
そこからアルペンルートをひたすらラッセルする。深さは膝〜脛でかなり深く、ストックに体重をかけると全部沈む。十分に沈降してない雪が120cmはあるようだ。ラッセルは完全シフト2交代制で時間無制限のブラック山行。一人がラッセルしてもう一人は休憩。追いついたらトップを代わるという流れをひたすら続ける。肩にはザックのストラップが食い込んでいる。重さは20kgくらいでパートナーはもう少し重そうだ。正直トップには追いつきたくない(ラッセルしたくない)…。
できれば歩き続けてその日のうちに室堂まで行きたかったが、早々に諦め雪が沈降する明日を待ってまた行動しようと提案するも受け入れられず。結局、それから1時間半歩いて12時30分に1520m地点で幕営した。夕飯はベーコン、生クリームたっぷりのクリーム系パスタで年越しそば代わりとした。相方は夜中に起きてラジオで紅白を聞いていたようで、翌朝サザンの〆が盛り上がったとかなんとか、どうでもよいことを言っていた。
1/1
テントを片付けて歩き始める。雪はやはり沈んで昨日より遥かに歩きやすい。ラッセルはせいぜい脛くらい。休憩を挟まず定期的にトップを交代しながら歩くとすぐに樹林帯を抜けた。弥陀ヶ原から振り返ると富山市の夜景が見えた。人里の温もりが愛おしく感じられるくらいの絶妙な距離感だ。
立山荘から天狗山をトラバースするように夏道があるが、基本はアルペンルートを歩き、途中でショートカットして沢から天狗平へ出た。さらに少し歩いて10時前にはホテル立山に着いたが、残念ながら立山は雲に包まれており、テントを張る間にホワイトアウトになってしまった。室堂は携帯の電波が入るのでライブカメラに映り込みスマホでスクリーンショットを撮った。視界が回復しないので16時半に寝る。
1/2
朝からホワイトアウト。昨夜からの積雪は30cm以上ありそうだ。当初の予報では晴れ間が見えるはずだったが今の予報では夕方にずれ込んでおり、結局終日吹雪。平成の歌を歌ったり、ダウンロードしたナイツの漫才を聞いたり、ラジオを聞いたりして過ごす。
1/3
引き続きホワイトアウト。今朝も昨夜からの積雪は30cm以上ありそうだ。狂おしい時間を過ごす。午後に日課であるスクショ撮影のため散歩に出る。ライブカメラのレンズが凍っているようだった。夕方に雲間から太陽が顔を出したときは一人狂喜して、「滑りに行くぞ!」と眠たそうなモーゼを狩り出したが、結局この日も滑れるほどには回復せずに日没を迎えた。モーゼは滑走意欲ゼロで、昼寝しまくり。翌日の高気圧に期待して、残りのウィスキーを飲み干して寝た。
1/4
翌日は待ちに待った星空。前日引いておいたトレースに沿って一ノ越を目指す。シートラに切り替えて尾根に取りつく。まあまあの強風で板が煽られ少し疲れる。雄山の神社で参拝してツボ足で最高峰の大汝山を往復。稜線にはウサギの足跡が付いていた。滑りは雄山から、風の影響が少ない南面を選択。グッドパウダー。結果的に昨シーズンとほぼ同じ初滑りラインになった。浄土山側に登り返してボウルをもう1本滑り、BCに戻る。本当は帰り際に国見岳も滑りたかったが、帰路の下りラッセルが確定で時間が無いので断念した。
昼過ぎにテントと排泄物(大)を回収して脱出行を開始する。天狗平までシールで歩き一度アルペンルートまで滑り下りる。そこから立山荘までの雪が激深く、日射の影響で重く最悪だった。これはもうワンビバーク入るかと思ったくらいだ。弥陀ヶ原からは下り基調となり、シールなし歩行モードで所々滑って下りられたが、樹林帯に入ると再び雪が深く重くなり、そして傾斜が無くなり再び苦労し始める。暗いので藪や沢にハマるのを避けて道路を忠実に歩く。無間地獄のようだったが、やがて美女平に着いた。
立山駅までは最初スキーで下りたが、尾根が細くなるあたりからツボ足に切り替えた。やはり踏み抜きがひどく、ルートもわかりにくかったが、根性で20時前に下山を完了させた。まぁ、わかってはいたものの、やはり厳冬期の立山は厳しいというか、定着は非日常的でなかなかに非効率的だった。
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