六角牛山
- GPS
- --:--
- 距離
- 4.2km
- 登り
- 609m
- 下り
- 603m
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
2008年4月29日、遠野三山のひとつ六角牛(ろっこうし)山に行ってきました。ちなみに遠野三山とは、六角牛山・石上山・早池峰山の事ですが盛岡に住んでいると早池峰山が遠野三山というのは、今ひとつピンときません。早池峰山は大迫(現花巻市)の山…というイメージがなんとなくあります。
実際に境を接しているわけですし、山の表側と裏側では別の名前で呼ばれ親しまれている…なんてことも全国的にあちこちある話ですから、どっちの山でも良いんですが
現実的な問題として、早池峰山の全国的な知名度を観光などに生かしたい思惑からか、はたまた地元の人々の熱烈なる愛着故か、折に触れ「おらほの山」論争が繰り広げられる…とか。
話が逸れましたが、今回はそんな遠野三山の一つ{{{六角牛山の山歩記}}}でございます。
盛岡方面からですと国道283号を南下し、遠野市郊外で県道35号へと左折します。登山口へと通じる林道入り口は、県道がいよいよ山間へ分け入っていくぞ…という少し手前、小さな神社が目印となります。漫然と走っていると見落とす可能性大ですので、ご注意を。あちこちに作業道がありますが、正解の林道入り口には六角牛山登山口の標識もありますし立派な周辺案内図も建っていますので間違えることは無いと思います。
林道入り口から登山口までは未舗装の路面となります。道幅は狭いですが、ところどころに待避場所もあり、よく整備されているので通行に不安はありません。ブラインドカーブでの対向車にさえ気をつければ難なく登山口までたどり着けるはずです。
林道が広く開けた場所に着いたら、そこが登山口です。ここにもやはり立派な標識や登山届けを入れるボックスがあるので間違う事はないでしょう。
事前に情報を得ていたのですが、駐車場と林道の間に深い溝が切ってありました。普通車はもちろん、ジムニーやランクルでも進入角度を間違えばひっくり返るんじゃないか?と思わせる、結構深い溝です。一見、かなり広い駐車場があるように見えるのですが…実質3台分?(^^;
さてさて、いよいよ六角牛山へ登るわけですが、今日は久しぶりに自分以外の登山者の姿を見かけました。我々の直前に到着していたジムニー乗りの単独登山者は、テキパキと準備を整え颯爽と登山道へ消えていきました。うーん、すごく健脚そうな感じ。まぁ、我々はゆるゆると準備しまして、ノタノタと参りましょう。
準備を整え、コースを確認しようと案内板を見ると…アレ? 案内板が無い?
朽ちたのか壊れたのか、はたまたこの枠の向こうに見える風景が「案内図」だとでもいうのか?
なんとなく、コースの整備状況に一抹の不安を覚える光景であります(笑
さて、登山口からしばらくは幅の広い道が続いていきます。ジムニーなら通行できるかもしれないなぁ、そう思うくらい立派な道です。その途中にさっそく「一合目」の標識がありました。早っ!(笑 ぜんぜん登山している気分じゃないのに。
しばらく行くとロボット雨量計の建物があります。これの維持管理のためにこんなに立派な道になっているんですね〜。もしかしたら、実際に車両が入ってくることもあるのかも…。
ロボット雨量計から先は登山道らしくなっています。やっぱりねぇ…あんまり幅広の立派な道だと山歩きっていう雰囲気が出ません。これくらいの道がちょうどいいですね♪
林間の小径を行きます。一合目から三合目あたりは木の生え方もまばらで、林間ながら見通しがききます。新緑のフィルターを通して頭上から落ちてくる柔らかな木漏れ日は本当に気持ちが良く「今日は来て良かったなぁ」と思わせられます。
途中、ぼろぼろになった標柱がありました。これは朽ちたのではなく、熊がやってきて{{{ボリボリかじっていく}}}のでこのようになったそうですよ。やはり熊にとっては自分の縄張りに人間が立てた物が気に入らないのでしょうかねぇ。ちょうと冬眠あけでイライラしていそうですし、{{{森の中でこんにちわ}}}したくないので熊鈴を装備しておきます。
花の季節ではありますが、ぱっと見た感じ今日はあまり花の姿はみかけません。それでもチラホラと小さくて可憐な花が我々を出迎えてくれました。名は知らねども、美しい花は心を豊かにしてくれるような気がします…。
ゆるゆると登り詰めていくと、次第に大小様々な岩が登山道の脇に転がり始めます。このあたりは「凝灰岩、砕屑岩からなる残丘」とのことですが、白っぽい特徴的な岩をあちらこちらで見ることが出来ます。
4合目にある平べったいベットのような岩は「休み岩」だか「休み石」だかいうらしいですよ。思わず寝ころびたくなりますが…{{{そのまま爆睡しそう}}}なのでやめておきました(笑
そういえば遠野物語には「白い鹿」というお話がありまして、その舞台が六角牛山なんだそうです。
昔々、ある腕の良い猟師が
「白い鹿は神の使いだから撃っちゃなんねーぞ」
という掟を
「ハァ? そんなの関係ねぇ。おらが仕留めるだぁ!」
と、調子こいて破り、自慢の銃を白い鹿めがけてぶっ放したところ実は白い鹿だと思っていたのは、鹿のような形をした白い岩で
「岩と鹿を間違えるなんて、オレも焼きが回ったか…」
とその猟師はすっかり自信を無くし、転職を決意したもののなかなか思うに任せず、転職を繰り返し、ついには、今で言うところのワーキングプアに…腕に自信があっても傲慢になっちゃダメよ、どんとはれ〜
そんな教訓タップリのお話…
=== というのは大嘘です(笑 ===
遠野の人に読まれたら怒られそうだな、ドキドキ。
本当の「白い鹿」のお話の概要はこちら↓にありますよ。
http://www.city.tono.iwate.jp/index.cfm/19,2480,79,html
…ま、それはともかく、確かに白い鹿に見えるような形の岩も転がっていたりします。他にもいろんな形の岩が転がっているので、想像力をかき立てられる気がします。伝説が生まれる土壌としては申し分ないロケーションなのかもしれません。
さて、そんな感じで風景を楽しみながら五合目までやってきました。ここまでは比較的楽に登ってきましたが、どうやらこの先は急傾斜の岩場を登って行かなくてはならないようです。まぁ、急ぐ旅路ではないのでゆるりと参りましょう♪
一合目から五合目までは
「え? もう着いたの? 早〜。これなら楽勝だね♪」
っていう感じだったのですが
五合目から先は
「…まだ? ねぇ、次のポイントはまだ?」
と思わず何度も前方を確認してしまうほどペースが遅くなってしまいました(^^;
特に七合目から八合目あたりがきついですかね〜。だんだん道が狭くなってくるのに、足場はますますゴツゴツになっていく感じで途中何カ所かは{{{4WDモードオン!}}}でヘッコラヘッコラ登りました。
=== ヘロヘロ登山隊本領発揮であります! ===
八合目をすぎると傾斜がしだいに緩やかになり、足下もなだらかになってきます。植生も灌木から笹藪へと変化してきて、いよいよ頂上近し!という雰囲気に。笹藪独特の香りがしてくると「ああ、山に登っているな〜」と思うのは私だけですかねぇ?
いよいよ緩やかな道になると九合目が見えてきます。九合目にはなにやらあばら屋が建っています。最初から無いのか、風雨で抜けたのかわかりませんが壁がありません。風雨をしのげるのか微妙な感じ。
九合目から先は、本当に穏やかな道でいつ頂上に出てもおかしくない雰囲気…なのですが、どうしてこれがなかなか着かない!
まだかまだかと変に期待するからそうなるのでしょうが…。
頂上か!
…と、思いきや、まだ先がありました…。
くそぅ、騙された…。
もう一山登り返して、今度こそ…
頂上!
ふぅぅぅ〜、思ったより手強かったですなぁ〜。今日は爽やかな気候だったので良かったですが、もう少し暑くなってきたら、あの延々と続く急坂はもっともっとしんどい物となるかもしれません。
苦労して登ってきたのですから景色を楽しみましょう♪
遠野の街並みが見えますね♪
周りの山々も綺麗です♪
天気が良ければ太平洋も見える、とのことだったのですが今日は霞がかかっているらしく、残念ながら海までは見えませんでした。
さて、せっかく頂上まで来たのですからゆっくりしたいところですが頂上付近は風が強くてとても長居できる雰囲気ではありません。笹藪や林の中では、ほとんど風を感じなかったのですが遮蔽物が無いところでは、まともに風が吹き付けてきます。氷が張っていました。まだまだ寒いんですね〜。
他に数人居た登山者も、やはり早々に下山していきました。さすがにね、会話もままならない強風の山頂では休むこともできませんね。頂上直下には避難小屋もあるのですが、つっかえ棒はずしてまで入り込むのもめんどくさいし。
短い時間ではありましたが、景色も堪能し無事に下山してめでたしめでたし…のはずだったのですが…私にとっては六角牛山の下りが鬼門でした…。岩と岩の隙間が、ちょうど私の登山靴を噛むような間隔に空いていて歩きにくいのなんの。階段でも石段でも、自分の足にぴったり合うと飛び跳ねるように歩けるのですが、どうにもこうにも、六角牛の岩場は私とは相性が悪かったようで…。
=== 実は『何か』に足を捕まれていただけだったかもしれませんが(笑 ===
わぁ、怖い〜(笑
まぁ、なんだかんだ言いながらもケガもなく無事に下山できたのでめでたしめでたし、です。なんだか、変な筋肉痛になってしまいましたが…。
伝説と信仰の山、六角牛山。なかなか雰囲気があって面白い山でした♪
昔の人が感じていた神々の息吹に触れる山行…。たまにはそんな風なアプローチで山に登るのも良いかもしれませんね☆
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