【双頭作戦】上州三峰山〜吾妻耶山【丁59.7】
- GPS
- 10:03
- 距離
- 39.3km
- 登り
- 2,006m
- 下り
- 1,940m
コースタイム
- 山行
- 9:12
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 10:00
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
復路:上牧駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
上州三峰山:緩やかな上りで大して苦も無く稜線に上がることができ、稜線もなだらかで歩きやすい。 吾妻耶山:だんだんと傾斜が増していく。大峰沼から吾妻耶山への途上、スキー場を通過するが、登山道への入り方がわかりにくいので要注意。 |
その他周辺情報 | 上牧温泉風和の湯570円 |
写真
感想
【山行計画】
大型連休も半ばから大気の状態が不安定な日が続く。そういう予報の割には大して天候が崩れなかったような気もするが、そうこうしているうちに連休も終わりが近づく。
5日をめどに群馬で今年の初歩きをすべく検討を進め、アクセスの悪い西上州方面へ車を駆って3,4峰を一気に歩くことを計画。しかし、5日も午後雨の可能性が高まったので上信越国境付近は回避することとし、計画を練り直す。
その基準は、
1.渋滞・混雑を回避できること。つまり、行き来がしんどくないこと。
2.手元の現金が無くなったので非現金決済で行けること。
の2点。となると、範囲はJR上越・両毛・吾妻・信越線の駅からハイキングできる所に自ずと限られてくる。
その中で残ったのが上越線をまたいで対峙する三峰山と吾妻耶山。どちらも捨てがたいと悩んだ挙句、それなら両方歩けば?ということになった。ただし、超長距離山行となるので、天候、体調の状況によっては片方のみ、万一に備えてライト携行とした。
【山行経過】
(上州三峰山・登山編)
後閑駅に降り立って早々、周囲の山々に圧倒される。これは良い所に来たと思いながら歩きだすが、暫くは車道歩き。最初は三峰神社、もしくはグライダー発着場を目指して歩けばよい。利根川の河岸段丘からなる狭隘な谷間はやや急な登りを伴うが、すぐに展望が広がるという利点がある。その最高地点が三峰山登山口。そこから対岸の山々を見晴るかして山道へ入る。
三峰の稜線への道は緩やかで歩きやすい。稜線に乗ってからはさらに緩やかで、落ち着いた気分で鳥の鳴き声を聞きながら歩く。あまりにも平坦なので追母峰のピークを見落としたかといったん引き返したりしたが、ピークは道から外れているようで、藪の中に入っても三角点や山頂標識を見つけるのは困難だった。吹返峰に至っては、もはや別の稜線と言ってよく、この三峰はこういう山なんだと納得して後閑峰に向かう。
山頂に着く前から木の枝越しに北側の冠雪した武尊山等の山々が見え、否が応にも期待が高まる。他の山行者もグループ、単独各数組くらいで長閑なものだ。
山頂に至り、真っ青な晴天下の真っ白な谷川岳等、美しい山並みに感嘆する。この展望と歩きやすさからして体力に自信の無い人と歩く際には最有力候補となり得る。
また一つ、素晴らしい山を発見して大満足。
(上州三峰山・下山編)
さて、下山である。ヤマプラ地図には後閑峰から下るルートは示されておらず、沼田市ホームページに載っている三峰山マップでは下山ルートが「踏み跡程度の道」と書かれていることから、まず、まともな道ではないのだろうという思いが根底にあった。そこへきて山頂にある標識には「大沼地区・新田地区」とよそ者にはよくわからない地名が。麓の地名まで把握していなかったのは手抜かりだった。ちなみに、大沼地区は後閑峰北麓、新田地区は西麓だ。(なお、山頂ではauの電波が届いていたのでネットでもう少し情報収集しておけば良かった。)
他に下山ルートが無いかと探してみたところ、山頂南側に薄い踏み跡(ヤマプラ地図の町営温泉センターに下っていく灰色破線と同じと思われる)が。しかも、「この先通行困難。注意してください。」という看板が目立たない感じで設けられている。もしかしたら、不用意に立ち入る者が出ないように、わざと裏返しにしているのかもしれないが、もともと道なき道だと想像していた上に、そのようなものが出てきたものだから、これだ!と下り始める。判断ミスをする際は、都合の悪いことに、既にミスを後押しするような状況になってしまっている。
踏み跡不明瞭な急坂を藪をかき分け下っていくと、意外とあっさり昔の林業作業道、次いで、さらにまともな道に出て自分の判断が正しかったと認識する。そこまではまだ良かった。
まともな道に出たところで右に進むか左に進むかという判断が必要になるが、もう安心しきっていた私は深く考えることもなく下り方向の左側へ。
しかし、歩いているうちに北側の上牧に行きたいのに進むのが南方向なので何かおかしいと思い始める。それもそのはず、前述の灰色破線と同じだとすると、その道は全く逆方向の町営温泉センターに下ってしまうはずだ。
そこで沼田市ホームページ掲載のハイキングマップでは右(北)側に曲がるよう指示していたことを思い出す。その右折すべきは道に出た所だったかと悟って急いで取って返す。なお、正規のターン地点は私が道に出た所からさらに北側、朽ちたゲートを過ぎた先にあって、そこには標識があり「大沼地区・新田地区」と書いてある。わざわざ道の無い所を下らなくても良かったのだと悟るも全ては結果論。無事に下山できたのも結果論。アウェイ山行の際は、四周の麓の集落地名も押さえておくのが吉。
(吾妻耶山)
道を間違えた分急いで下り、無駄に消耗した分、自らの携行飲料を温存しつつ、別途水分でも補給しようと思ったのだが、あいにく私のとったルート上には自動販売機すら無かった。日が照って暑くなってきた頃合いでもあり、水分をこまめにとるようにするが、すぐに飲み干さないようにしてセーブを図る。おかげで水分は最後まで持った。
それにしても疲れてきた。ペースもガクンと落ちる。途中で森の中に入らなかったら、完全にへばっていただろう。この疲弊は東京の御前山から月夜見山への登り返し、奥秩父の金峰山から朝日岳への登り返し時のそれに比類する。この疲弊によって身体が夏へ向けて目覚めるのだ!などと威勢の良いことを言っても現実は現実として受け容れねばならない。ようやく到達した大峰沼で腰を下ろし、行く末について考える。
この山行で大事なのは吾妻耶山だ。となれば、当然余力は目標とする山に集中すべきという結論になる。道を何回か間違えたことで歩行距離が計画よりも何キロか長くなっていることもあり、吾妻耶山へは、まっすぐに、ゆっくりと、着実に歩を進めることとする。幸い、台形状の大峰〜吾妻耶山の稜線は疲れた心身に優しかった。
山に助けられ鳥居峠に至り吾妻耶山のピークと対面する。鳥居峠はノルン水上スキー場の突端であり、空間が一気に広がって非常に爽快だ。あともう一息。
というところで、今回2度目の藪中突破をすることになる。スキー場の奥まで轍が伸びており、それを辿って歩く。性質の悪いことに古い地図では、その先に山頂まで続く道があるように記載(ヤマプラ地図の灰色破線)されており、私も当然その先に道があるものだと思っていた。
もしかしたら、昔はそれこそちゃんと道があったのかもしれないが、今は道の面影すら無い。ただ、岩がごろつき、藪の茂った急斜面があるのみ。
ただ、その時の私は山頂に突き進むことしか考えていなかった。「あれ、おかしいな」とも「他に道があるのでは」と思うこともなく、ただ「荒れてるなあ」と思いながら急斜面に取り付く。「まっすぐに」行き過ぎたのだ。これは疲労が思考力の低下を招くという好例だと思う。急斜面に入ってから後悔してももう遅い。山頂まであと僅かな距離であることをもって自分を励まし、山頂手前でまともな道に出る。「なんだ、まともな道あるんじゃん」。
そのような徒労も吾妻耶山の山頂で十分報われた。上越県境の山々は夕方になっても雲に覆われることなく、その雄姿を輝かせていた。山々に見守られ、神々に助けられて完登できたのだと痛感し、深く頭を垂れる。
ただ、ここでも無駄に消耗したことにより、余力があったら三角点ピークも回ろうという気持ちは完全に消え去り、まっすぐ下山することになる。
【総括】
本山行は本年群馬県における初山行であるとともに、春から夏への季節の橋渡しとなる山行でもあったと思う。結果として無事下山できたが、いくつもの失敗の連続だった。この失敗を踏まえ、夏のアウェイ山行を慎重かつ無難に遂行するという決意を新たにした。
また、体力的にも試練的なものに結果としてなったように思う。今夏も相変わらず猛暑酷暑の日々となるだろうが、夏に向けて暑さに耐え得る山行を模索したい。
最後に、群馬の山々は尊く麗し。雪なお残る純白の山容は、今後の北方における山行意欲をそそるものだ。今回は西上州の代打としての中央部山行だったが、今後、西上州の他、上越県境の山々にも足を伸ばすことになるだろう。今年は群馬山行キャンペーンが勃発するかもしれない。
そして、吾妻耶山。今回疲労のため十分に歩けなかったことは残念だが、今度は仏岩から大峰、大峰沼とぐるっと巡ってみたい。よくよく見れば山の西側は猿ヶ京温泉。うまく計画すれば、全てが繋がる。
〜おしまい〜
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