南目屋→南沢岳〜櫛ヶ峰〜駒ヶ峰〜黄瀬沼〜乗鞍岳〜赤倉岳〜仙人橋
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- GPS
- 30:15
- 距離
- 22.0km
- 登り
- 1,546m
- 下り
- 1,758m
コースタイム
二日目 黄瀬沼9:30〜猿倉岳11:00-30〜乗鞍岳12:30-50〜赤沼14:45〜仙人橋15:15
天候 | 一日目:曇り時々晴れ 二日目:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
残雪はぎりぎり繋がっていた。雪の多い年。 |
写真
感想
この春知り合った弘前のくろきさんと山で一泊山行。もっと早く知り合っていたかった御同輩。多分同じような山経験の身の上で、話せば共鳴の山登り観。同世代で80年代から長く緊張ある山登りを続けて来た仲間は多くはないし、過去だけでなく、現在、未来の山登りについてまで話せる人はほとんどいないから。持っていたザックが同じ、山スキー道具もほぼ同じで驚いた。
いつもの急行はまなすで来るカンノくんを青森駅で拾って、下山地の仙人橋へ。ここでくろき、すずきさんとあって、車をひとつおいて山の反対側の南目谷へ。こちらの標高は800あり、ブナ林に雪が繋がっていた。新緑のなか、コシアブラ若芽とりに精を出す。二人は山菜通だ。木に飛びついてブラ下がり、しなった所で先端をいただく見事な手際。
始め雪の斜面を登り、ヤブが出そうなので沢に逃れる。その途上、ササヤブをこぐ。
沢は快適であっという間に南沢岳脇を越え、稜線へ。森はこの冬の烈風と豪雪で、大きな木がバラバラになっているのがたくさん。厳しい冬だった。横岳の肩あたりに雪が無いのが見える。ササの際まで登って、谷に滑降して櫛ヶ峰方向へ渡る事にする。泊まりの日程がとれなかった鈴木さんはここまでで引き返し。
急な谷へ滑降し、うまく雪を繋いで対岸へ渡った。あっという間に移動できるスキーはまったく魔法の船のようだ。尾根の上の鈴木さんは見る間に小さくなった。
櫛ヶ峰への稜線に上がると、北八甲田が丸見えになった。アオモリトドマツの樹林が黒く見えるが、まだまだ雪が多い。ガチャポッチから櫛ヶ峰へ。山頂では何人か春スキーに来た人にあった。視界が利き、天候も良く、何の心配も要らない土曜日だ。櫛ヶ峰の東斜面は一面真っ白で、八甲田で一番の斜面。一直線で下っても、くねくねと下ってもとても楽しい。数十秒、呼吸も忘れて滑り降りる。今夜の宿、黄瀬沼は森の中に白く凍っていた。駒ヶ峰の南を通り抜け、地獄峠からトドマツ林を南へ。夏は猛烈な藪の中のところ、雪で埋まってどこでも行ける。黄瀬沼を見下ろす尾根の上から滑り降りて、水芭蕉の咲く棚田のような雪解けの草つきのほとりを滑って、沼に滑りこんだ。少し水の開いているところの脇に泊まる。
朝採ったコシアブラの若芽をくろきさんがごちそうしてくれた。何と骨董品のメタで余熱のホエーブスのガソリンストーブで軽く湯がいて、酢味噌、ごまみそであえたもので焼酎。苦味が春の大人の味。ぼりんぼりんの噛み触りが春の味。山菜は、知っている人と登って食べてみなくちゃ始まらない。
宵闇どき、山を五感で感じることに貪欲なくろきさんが、全裸で沼に飛び込んでひと泳ぎした。低体温症の感覚を磨く。ろれつが回らないのが徐々に回復する。陽が落ち、星の満天。そよ風があって火がほどよく立つ。長く長く山のこと、山登りのことなど話す。いくらでも話がある。あさって朝には太陽と月がぴたりと重なる日食だ。明日の朝ならよかったのに。この場所で見たかった。
朝も火を見て話していたら9時を回ってしまった。猿倉岳へ遠回りしてみよう。シールをはずしても登れる雪だ。視界が利いているから雪のあるところをつないで、自由自在にルートを選んで、変更できる。ガスっているとこれがなかなか叶わず時間を食うところ。山頂付近で少しだけ藪を漕ぐが、下降の雪面は雪でびったり。山頂すぐ近くでスキーコース指導票のホーロー看板を拾得した。成田さんに持って帰って修理してもらおう。山麓のブナ林は薄黄緑色の若葉の海のよう。谷地温泉の東側にみえる広大なブナ林はどんな所なのだろう。地図では延々の無人地帯のようだ。猿倉岳の南斜面を滑り降りて乗鞍岳へ。雪たっぷりでどこでも登れる。山頂で多少藪を漕いで稜線に出て、十和田湖までの新緑の野と、戸来岳、岩手山、八幡平など遠くの山まで見えた。赤倉岳への大斜面を滑る。ここも真白い滑り台で楽しいところ。たぶん一年で今が一番楽しく、安心して滑れる季節と思う。赤倉岳をちょん切って、すぐ北側のコルから東の谷へ滑り下りる。この広い谷は何度か巨木を撮りにきているが、まったく美しい谷だ。今はブナの新緑で、グレゴリオ聖歌が聞こえてきそうな美しい森だ。トルコ石みたいな色の赤沼の湖面がブナの木立の向こうに輝いていた。
谷地温泉に浸かって青森の福寿司へ。みんなも呼んでゴキゲンな夜。
コメント
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寒中水泳にびっくりしました。心臓麻痺起こしそうです。
あがったあとあったかいお風呂にも入れずですけど、大丈夫でしたか?
まろくみさん
この沼は八甲田で一番美しい所だと思います。美しい山行の貫徹は、いろんなストーリィを盛り込んでしまう想像力企画力が大きいと思います。この季節この沼と一体になって味わうには、最高の方法だろうなあ!と思います。
また、それとは別側面の話ですが、こういう半低体温状態を万全の体制で味わっておくと、不意に冬の渡渉で滝壺に落ちたときとか、仲間が低体温になった時どう振る舞えばいいかとか、自分の中に経験ができて余裕の対処ができるのではないでしょうか。
ヨブスマソウは、そちらでは、ぽんな、と
呼ばれてますね。
出し醤油もいけます。
ウルイ(ギボウシ)も、盛り付けてますが、これも酢味噌が合いますね。
ボンナ、大ナルコユリ、フキだそうです・・・。僕には全然わかりません。湯がいた後の盛りつけ見てわかるんですか・・・。
だと、ハカマが茎を巻いているんですが。
コッフェルのふたに盛り付けたのを、一目見て、まず手前は、コシアブラ。
上奥は、ヨブスマソウ。
これが、ぽんな、と呼ばれるのは、茎が中空で、採集するときにポン!と音がするから。
本菜とも呼ばれますね。
http://trace.kinokoyama.net/flower/2kiku-ka/yobusumasou.htm
http://trace.kinokoyama.net/hokkaido/sapporo-hanatabi0705.htm
フキは、茎に節がない。、葉も写真のものは、柄を抱いていますから、フキでなく、これはヨブスマソウです。
そして、ふたに盛り付けたうち、左上にある白い茎のが、ウルイ(ギボウシ)と思いました。
オオナルコユリとはハカマが見えないのが違いますが、はかまは除いちゃったのかな?
葉も1枚で茎を包むくらい大きく写っているので、確かにナルコユリの特徴ですね。
写真だけで、しかも調理済みのものだと、むずかしいですね。
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