南八甲田・猿倉温泉より旧道経由で駒ヶ峯手前まで
- GPS
- 26:14
- 距離
- 15.9km
- 登り
- 502m
- 下り
- 497m
コースタイム
7/1:C1(5:50)→黄瀬沼分岐(6:03)→松次郎清水(6:47)→矢櫃橋(7:30-7:52)→矢櫃萢(8:03)→猿倉温泉(9:09)
天候 | 6/30:冷たい水が欲しくなるほどの晴天 7/1:前日よりも涼しい晴天 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
旧道コースは今回用いた道はところどころヤブや倒木があるが通るには支障はない。一部水浸しのところもあるので長靴の方が歩きやすいかもしれない。 駒ヶ峯山頂への道は激烈なヤブ。 |
写真
感想
南八甲田は雪があるときにしか行ったことがなかった。では無雪期はどんな感じなのか、と思いテント泊の訓練がてら行くことにした。
6/30(土)
先輩の車に乗り、登山口のある猿倉温泉へ向かう。実際に行った人たちから様々な感想(主に苦しめられた方の)を事前に聞いていたため、どんな道なのだろうかとワクワクしながら八甲田を眺める。
準備が終わってから出発。初めは猿倉岳〜駒ヶ峯へ縦走しようと考えていたが、旧道との分岐の時点で既に猿倉岳への道が不明瞭で、そこから沢を渡渉した先はもっと鬱蒼としていたため、旧道を通ることにする。かつて自動車が通れるように切り拓かれたとは思えないような道だったが、道中見られた石垣やヘアピンカーブから、その名残がうっすらと感じられた。
ムッとするほど暑い中、ヤブや倒木をしばらく越えていくと急に視界が開け、湿原にたどり着いた。矢櫃萢ではチングルマやワタスゲが見られ、天気がいいこともあり赤倉や乗鞍がよく見えた。そこから先の矢櫃橋の沢で顔を洗い、さらに進んだところにある松次郎清水で喉を潤し、ちょっと離れたところで勢いよく流れる小さな沢で文字通り頭を冷やす。この三連続オアシスのおかげで、暑さにやられていたのが嘘みたいに元気になれた。
乗鞍岳分岐から先は水浸しになっているところが多く、足を水の深いところにやらないようにするのに苦労する。靴を濡らしつつも進むと、C1予定地である駒ヶ峯入口手前に到着。ここで昼飯を食べ、このあとの行動について話し合う。今回のペースでは櫛ヶ峰に寄ると4時の気象通報に間に合わないため、近くの駒ヶ峯にアタックすることになる。
駒ヶ峯の分岐は入口の時点で猛烈なヤブで、切り込み隊長・クサモリが出だしでいきなりササに進行を食い止められる。他の道も探したが見つからず、足元に道の名残がかすかにあるということで分岐から再挑戦する。昭文社の山と高原地図では、確か分岐から駒ヶ峯山頂まで片道20〜30分だったが、それはヤブが刈り払われていたころの話だったのだろう。我々は1時間ほどかけてその道の半分にやっと到達。激烈なヤブを漕ぎながら「もうそろそろ山頂だろう」と思った矢先に視界に飛び込んだのは、はるか先に見える駒ヶ峯山頂だった。山で久しぶりに絶望に打ちひしがれ、気象通報に間に合わないかもしれないと思い、撤退を決意。下りは想像以上にスムーズだった。
撤退後、近くの沢でスパッツ等を洗う。そこで前かがみになった時に胸ポケットに入れていたデジカメが滑り落ち、沢に水没させてしまう。自分が道中撮影した山や湿原、高山植物、駒ヶ峯の激烈なヤブ漕ぎをするクサモリの勇姿はすべて水の泡となる(今回の記録の写真はすべて他の人が撮影したものである)。
デジカメの死亡確認後、テント設営をしてから僕は天気図作成、他の人は夕飯作りに勤しむ。外で梅酒をチビチビやりながら楽しそうに飯を作っている声に耳を傾けつつもテント内で気象通報を聴く。この日の夕飯はごはんと鍋で、大変おいしくいただけた。その後周りがトランプで盛り上がる中、酔いが回った僕はさっさとシュラフカバーに入って眠りにつく。
7/1(日)
実に快適なテン場で、夜中に一回も起きることなく快眠できた。朝食のモチラーメンを食べ(想像以上にうまかった、と僕は思う)、出発。昨日の天気図では、朝鮮半島にある前線を伴った低気圧が時速35kmで接近していたため、昼頃から雨になるのではないかと思い、早めに下山することにする。しかし行動中は天気がよく、心なしか昨日よりも涼しかった(そのためか同じ道を前日よりも非常に速く進めた)。猿倉温泉に到着した時も晴天で、結局この日は雨は降らなかった(あとで確認したところ、低気圧は日本海で速度がゆっくりになっていた)。
下山後は猿倉温泉本館で入浴し、野郎3人でジュースじゃんけん、アイスじゃんけん、(猿倉温泉のおばちゃんに勧められ)温泉卵じゃんけんをし(僕は単価の一番高いアイスをおごる羽目になる)、弘前へ戻る。
今回は部としては初めてのテント泊だったが、生活技術が全体的にまだまだだった。夏合宿までに底上げしていきたい。また、二日目に櫛ヶ峰に寄る余裕が間違いなくあったので、自分の天気図判断の誤りが悔やまれた(このため、今回の山行ではどのピークにも立てていない)。
個人的な感想としては、やはり登山は苦しい経験ほど記憶に残りやすく、月日が経ってからも思い出として忘れられなくなるものだと思った。今回の山行は、二日目はスムーズにいきすぎて実はあまり記憶に残らなかった。それだけ初日目の出来事(オアシス三連続、駒ヶ峯の激烈なヤブ、デジカメ水没等)の印象が強かったのだろう。これから自分が山行中にどんな経験をするかはわからないが、何年かして振り返ってみた時に笑って思い出せるようなものになればいいなぁ、と思う。
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