山幸橋付近の京都一周トレイル登山口から入山し,20分ほどで小峠に向かう谷と満樹峠に向かう谷の出合に到着。登山道は左手の小峠方面についているが,今回は,満樹峠越えの古道を探索するのが目的の一つのため,登山道を外れ,右手の谷に入る。出合からいきなり荒れている…。
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11/2 9:33
山幸橋付近の京都一周トレイル登山口から入山し,20分ほどで小峠に向かう谷と満樹峠に向かう谷の出合に到着。登山道は左手の小峠方面についているが,今回は,満樹峠越えの古道を探索するのが目的の一つのため,登山道を外れ,右手の谷に入る。出合からいきなり荒れている…。
写真ではわかりにくいと思うが,谷の右岸側に明瞭な道形が続いている。長い年月を多くの人に歩かれた古道に独特の,深く彫り込まれた道形である。
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11/2 9:36
写真ではわかりにくいと思うが,谷の右岸側に明瞭な道形が続いている。長い年月を多くの人に歩かれた古道に独特の,深く彫り込まれた道形である。
少し進むと,大規模な倒木箇所に出た。昨年の台風の痕跡と思われる。古道は倒木の下に続いているのだが,残念ながら直進は不可能。左岸側に沢を渡り返したりしながら進んでいく。
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11/2 9:38
少し進むと,大規模な倒木箇所に出た。昨年の台風の痕跡と思われる。古道は倒木の下に続いているのだが,残念ながら直進は不可能。左岸側に沢を渡り返したりしながら進んでいく。
倒木箇所を抜けてから両岸の斜面を上り下りして古道を探したが,道跡は忽然と消えてしまった。途中から谷の両岸の斜面が少し険しくなってくるため,道形が残りにくく,自然消滅してしまったものと思われる。しかも急に藪がひどくなってきた。わずかな獣道らしき踏み跡を辿って進んでいく。
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11/2 9:45
倒木箇所を抜けてから両岸の斜面を上り下りして古道を探したが,道跡は忽然と消えてしまった。途中から谷の両岸の斜面が少し険しくなってくるため,道形が残りにくく,自然消滅してしまったものと思われる。しかも急に藪がひどくなってきた。わずかな獣道らしき踏み跡を辿って進んでいく。
予想外に難渋する道行だが,時折,沢中に小滝が落ちていて目を楽しませる。
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11/2 9:46
予想外に難渋する道行だが,時折,沢中に小滝が落ちていて目を楽しませる。
とにかく藪が濃い。「北山の峠」で金久氏が満樹峠の上賀茂側の荒れようを嘆いていたが,現在でも状況は変わっていないようだ。当然,道形らしきものは見当たらない。ところどころ古いテープが残っているのを参考に、すこしでも歩きやすい斜面をつないで,藪をかき分けながら登っていく。
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11/2 10:05
とにかく藪が濃い。「北山の峠」で金久氏が満樹峠の上賀茂側の荒れようを嘆いていたが,現在でも状況は変わっていないようだ。当然,道形らしきものは見当たらない。ところどころ古いテープが残っているのを参考に、すこしでも歩きやすい斜面をつないで,藪をかき分けながら登っていく。
満樹峠に近づくとようやく藪が切れ,歩きやすくなった。すると,左岸側に比較的明瞭な道形が見つかった。恐らく古い峠道と思われる。
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11/2 10:26
満樹峠に近づくとようやく藪が切れ,歩きやすくなった。すると,左岸側に比較的明瞭な道形が見つかった。恐らく古い峠道と思われる。
古道は峠の直前で1回だけつづら折れとなっていた。なかなか心憎い演出である。(写真はつづら折れ部分を上から見下ろしたところ)
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11/2 10:27
古道は峠の直前で1回だけつづら折れとなっていた。なかなか心憎い演出である。(写真はつづら折れ部分を上から見下ろしたところ)
満樹峠に到着。峠道は深い窪みとなって尾根をまたいでいる。古い峠だけが持つ,美しい掘り込みだ。
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11/2 10:28
満樹峠に到着。峠道は深い窪みとなって尾根をまたいでいる。古い峠だけが持つ,美しい掘り込みだ。
満樹峠のプレートたち。
さて,今回の目的であるお地蔵さん探しにとりかかる。確か少し東側に降りたところにあったような…。落ち葉をかき分け,持参したシャベルで土を払いながら探すが,見つからない。斜面が崩れたりして,深く埋まってしまったのだろうか…初対面してからすぐに再訪しなかったことを後悔しながら探し続けること10分ほど。ふと顔を上げると…。
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11/2 10:29
満樹峠のプレートたち。
さて,今回の目的であるお地蔵さん探しにとりかかる。確か少し東側に降りたところにあったような…。落ち葉をかき分け,持参したシャベルで土を払いながら探すが,見つからない。斜面が崩れたりして,深く埋まってしまったのだろうか…初対面してからすぐに再訪しなかったことを後悔しながら探し続けること10分ほど。ふと顔を上げると…。
あった!
お地蔵さんは,道から3mほど小高くなった小さな台地上の地形の上に倒れていた。少し高い場所にあったことをすっかり忘れていた。下ばかり見ながら探していたら,見つからないわけだ…。
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11/2 10:32
あった!
お地蔵さんは,道から3mほど小高くなった小さな台地上の地形の上に倒れていた。少し高い場所にあったことをすっかり忘れていた。下ばかり見ながら探していたら,見つからないわけだ…。
1体目のお地蔵様。両手で印を結んで結跏趺坐しているので,お地蔵様というより,阿弥陀様かもしれないが…。枯葉をかぶっていたので,払ってから手を合わせ,撮影。地面に倒れて背面は埋まったようになっており,下部には木の根がしっかり張ってしまっている。人に拝まれなくなってから,相当の年月が経過していることを偲ばせる。
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11/2 10:33
1体目のお地蔵様。両手で印を結んで結跏趺坐しているので,お地蔵様というより,阿弥陀様かもしれないが…。枯葉をかぶっていたので,払ってから手を合わせ,撮影。地面に倒れて背面は埋まったようになっており,下部には木の根がしっかり張ってしまっている。人に拝まれなくなってから,相当の年月が経過していることを偲ばせる。
お地蔵さん自体の風化も激しく,目鼻立ちはもう分からなくなってしまっており,両手もわずかに印を結んでいることがわかる程度。相当な昔に彫られた石仏であると思われる。
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11/2 10:37
お地蔵さん自体の風化も激しく,目鼻立ちはもう分からなくなってしまっており,両手もわずかに印を結んでいることがわかる程度。相当な昔に彫られた石仏であると思われる。
2体目のお地蔵様。1体目の石仏よりも少し上に離れて倒れている。上半身が土に埋まってしまっているため,慎重に土を払っていく。
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11/2 10:34
2体目のお地蔵様。1体目の石仏よりも少し上に離れて倒れている。上半身が土に埋まってしまっているため,慎重に土を払っていく。
土を払い終えたところ。このお地蔵さまは,右手に錫杖のようなものを持っており,左手は印?を結んでいるようだ。錫杖を持っているので,こちらは多分お地蔵様だろう。
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11/2 10:36
土を払い終えたところ。このお地蔵さまは,右手に錫杖のようなものを持っており,左手は印?を結んでいるようだ。錫杖を持っているので,こちらは多分お地蔵様だろう。
2体のお地蔵さんの他にも,周辺には台座らしきものがいくつか転がっている。これは,横倒しになってしまっているが,窪みの部分に何かを乗せていた台座なのではないかと思われる。前面の部分に何か文字が彫られている可能性もあったため,起こしてみようとしたが,斜面が不安定で転げ落ちそうなため自粛し,そのままにした。
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11/2 10:37
2体のお地蔵さんの他にも,周辺には台座らしきものがいくつか転がっている。これは,横倒しになってしまっているが,窪みの部分に何かを乗せていた台座なのではないかと思われる。前面の部分に何か文字が彫られている可能性もあったため,起こしてみようとしたが,斜面が不安定で転げ落ちそうなため自粛し,そのままにした。
1体目の石仏の下にも,台座らしきものがある。大半が埋まってしまっており,全体像はわからないのだが,3つのくぼみが彫られている。
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11/2 10:37
1体目の石仏の下にも,台座らしきものがある。大半が埋まってしまっており,全体像はわからないのだが,3つのくぼみが彫られている。
そしてこれ。これが一番謎であった。もともとは円形だったと思うのだが,半分に割れてしまっている。石仏の台座だろうか,それとも五輪塔や宝篋印塔のようなものの部材だろうか。
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11/2 10:48
そしてこれ。これが一番謎であった。もともとは円形だったと思うのだが,半分に割れてしまっている。石仏の台座だろうか,それとも五輪塔や宝篋印塔のようなものの部材だろうか。
裏返したところ。
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11/2 10:48
裏返したところ。
横から見たところ。
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11/2 10:49
横から見たところ。
それからこんなものも。2体目の石仏の横に埋まっている四角い石。かなり深く埋まってしまっているようだ。台座か,それとも3体目の石仏か…。
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11/2 10:56
それからこんなものも。2体目の石仏の横に埋まっている四角い石。かなり深く埋まってしまっているようだ。台座か,それとも3体目の石仏か…。
お地蔵さんのある個所を少し引いて眺めたところ。
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11/2 10:40
お地蔵さんのある個所を少し引いて眺めたところ。
峠の東側(上賀茂側)から,峠を撮影したところ。右手の赤い丸印の箇所にお地蔵さんがある。
こうしてみると,上賀茂側から登ってきて,ちょうど正面の位置にお地蔵さんが鎮座しているわけだ。やはり,満樹峠はあくまで上賀茂と雲ケ畑をつなぐための峠だったのだということが良くわかる。現在,満樹峠を上賀茂と雲ケ畑の行き来に使う人はほとんどおらず,小峠と十三石山を結ぶ登山道がメインになってしまっているが,その現役の登山道からでは,お地蔵さんを目視することは地形上難しい。
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11/2 10:46
峠の東側(上賀茂側)から,峠を撮影したところ。右手の赤い丸印の箇所にお地蔵さんがある。
こうしてみると,上賀茂側から登ってきて,ちょうど正面の位置にお地蔵さんが鎮座しているわけだ。やはり,満樹峠はあくまで上賀茂と雲ケ畑をつなぐための峠だったのだということが良くわかる。現在,満樹峠を上賀茂と雲ケ畑の行き来に使う人はほとんどおらず,小峠と十三石山を結ぶ登山道がメインになってしまっているが,その現役の登山道からでは,お地蔵さんを目視することは地形上難しい。
初めは,お地蔵さんを完全に掘り起こして,2体並べて立てようと思っていたのだが,こうして枯葉の中に安らかに眠るように横たわっているお地蔵さんを見ているうちに,このままでもいいのではないかという気がしてきた。仏像を持ち上げるという行為自体,少し気が引けることに加え,もしかしたらお地蔵さんは,古くからの峠道を行き来する人が絶え,峠を見守る重責から解放されたのを確認したのち,自ら望んで横になり休んでいるのかもしれない。やはりこのままにしておこう。最後に合掌して,その場を立ち去った。
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11/2 11:12
初めは,お地蔵さんを完全に掘り起こして,2体並べて立てようと思っていたのだが,こうして枯葉の中に安らかに眠るように横たわっているお地蔵さんを見ているうちに,このままでもいいのではないかという気がしてきた。仏像を持ち上げるという行為自体,少し気が引けることに加え,もしかしたらお地蔵さんは,古くからの峠道を行き来する人が絶え,峠を見守る重責から解放されたのを確認したのち,自ら望んで横になり休んでいるのかもしれない。やはりこのままにしておこう。最後に合掌して,その場を立ち去った。
せっかくなので満樹峠から西側(雲ケ畑側)にも少し降りてみた。倒木などで少し荒れているものの,登ってきた東側よりもきれいに道形が残っており,古い峠道の貫禄を感じさせる。早刈谷の瀬音が聞こえてきたあたりで引き返し,峠に戻る。
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11/2 11:23
せっかくなので満樹峠から西側(雲ケ畑側)にも少し降りてみた。倒木などで少し荒れているものの,登ってきた東側よりもきれいに道形が残っており,古い峠道の貫禄を感じさせる。早刈谷の瀬音が聞こえてきたあたりで引き返し,峠に戻る。
せっかくなので,十三石山にも登っておこう。
毎度思うのだが,満樹峠から十三石山に登る道も,立派な窪みを持っており,最近できた登山道という感じではなく,古道の趣がある気がする。雲ケ畑に抜ける古道は,満樹峠から早刈谷に降りるルートだけでなく,そのまま尾根沿いに雲ケ畑に至るルートもあったのではないだろうか。
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11/2 11:49
せっかくなので,十三石山にも登っておこう。
毎度思うのだが,満樹峠から十三石山に登る道も,立派な窪みを持っており,最近できた登山道という感じではなく,古道の趣がある気がする。雲ケ畑に抜ける古道は,満樹峠から早刈谷に降りるルートだけでなく,そのまま尾根沿いに雲ケ畑に至るルートもあったのではないだろうか。
樹林に囲まれ,静かな十三石山の山頂。
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11/2 11:51
樹林に囲まれ,静かな十三石山の山頂。
木々の間から,ちらりと京都市街が見えた。
あんまり木漏れ日が気持ちよいので,腰を落ち着けてテルモスに入れてきた紅茶と羊羹でおやつにしていたら,思ったより長居してしまった。
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11/2 11:51
木々の間から,ちらりと京都市街が見えた。
あんまり木漏れ日が気持ちよいので,腰を落ち着けてテルモスに入れてきた紅茶と羊羹でおやつにしていたら,思ったより長居してしまった。
何という花だろう?
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11/2 12:20
何という花だろう?
帰りはさすがに藪に埋もれた旧道を下る気になれないため,正規の登山道沿いに小峠経由で帰る。小峠近くの「展望台」と名のついた尾根の肩から,京都市街のすばらしい眺めを得ることができた。
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11/2 12:29
帰りはさすがに藪に埋もれた旧道を下る気になれないため,正規の登山道沿いに小峠経由で帰る。小峠近くの「展望台」と名のついた尾根の肩から,京都市街のすばらしい眺めを得ることができた。
満寿峠への谷道(近道と思い時々利用していた)、元々荒れていたのに更に荒れたようですね。もう余り入らない方が良いのかも知れませんね。情報有り難うございます。
ところで31番の花は千振の花です。山に行くと時々見かけます。
投稿後、気になって満寿峠の件で私の記録を見直してみました。2016年3月、残念ながら地蔵の写真は無く当時気が付かなかったと思います。しかし台座の写真は残っていたのでそれなりに近くまで行ったと思います。今度行く事があれば見に行きたいと思います。
おはようございます。花の名前、教えていただきありがとうございます!花の名前はあまり詳しくなくて…(^^; 勉強になりました。
満樹峠への谷道、歩かれていたんですね。確かに、満樹峠や十三石山に行くには一番効率的ですよね。谷筋は藪と倒木で歩きにくいのですが、すこし高いところの樹林帯を巻くようにしていけば、まだ登路として使えそうな感じでした。
お地蔵さんについては、yjin様と同じく、私も初め台座の存在に気がついた感じでした。お地蔵さんの素朴さに比べると変に立派な台座で、本来の用途が気になるところです。コメントいただきありがとうございました。
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