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Yamareco

記録ID: 2120725
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ハイキング
甲斐駒・北岳

入笠山 〜円熟の湿原と見果てぬ空〜

2019年11月24日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
04:29
距離
10.7km
登り
146m
下り
1,077m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
3:37
休憩
0:54
合計
4:31
距離 10.7km 登り 156m 下り 1,085m
8:38
9
8:47
5
9:01
21
9:22
10:13
8
10:30
14
10:44
10:46
36
11:22
11:23
27
11:50
65
12:55
すずらんの里駅
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2019年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 タクシー
下諏訪駅発7:04(中央本線、420円)富士見駅着7:36、発7:40(タクシー、4810円)大阿原湿原着8:15

すずらんの里駅発13:30(中央本線、3410円)小淵沢駅着13:42、発14:29(中央本線)新宿駅着16:24

富士見パノラマリゾートのゴンドラは11/4までの営業。ウィンターシーズンまでお休み!だった。
コース状況/
危険箇所等
山彦荘の先、舗装道と分かれてから里に下りるまでの道は、小型のオフロード車が何とか通れる道。1本道なので迷わない。未舗装で、途中旧道もあり楽しいが、実際の距離よりも長く感じる。
いきなり挫折しかかった。富士見駅前に待機していたタクシーに、「ゴンドラ駅まで」と言うと、「ゴンドラはもう動いてないよ」の応え。私としたことが、思い込みで事前調査を怠ってしまった。大阿原湿原まで運んでもらう。
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いきなり挫折しかかった。富士見駅前に待機していたタクシーに、「ゴンドラ駅まで」と言うと、「ゴンドラはもう動いてないよ」の応え。私としたことが、思い込みで事前調査を怠ってしまった。大阿原湿原まで運んでもらう。
釜無山への往復は、後述の理由により後日に譲り、湿原を散歩してから入笠山へ向かうことにした。
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釜無山への往復は、後述の理由により後日に譲り、湿原を散歩してから入笠山へ向かうことにした。
湿原一周は、1.7辧30分程度。ちょっと寄り道のつもりだったが、足を運んで大正解だった。
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湿原一周は、1.7辧30分程度。ちょっと寄り道のつもりだったが、足を運んで大正解だった。
朝陽を浴びて輝く大阿原湿原。予想を上回る光景。
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朝陽を浴びて輝く大阿原湿原。予想を上回る光景。
朝靄煙り、静寂に包まれし。
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朝靄煙り、静寂に包まれし。
いい感じ。
今日は貴婦人が多いぞ。
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今日は貴婦人が多いぞ。
タクシーの運転手さんから名前聞いたけど忘れた。
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タクシーの運転手さんから名前聞いたけど忘れた。
右手には笹原が広がる。
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右手には笹原が広がる。
一転、復路は趣有る森林の道。
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一転、復路は趣有る森林の道。
変化に富んだ湿原歩き、楽しかった。
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変化に富んだ湿原歩き、楽しかった。
予報は見事にはずれてくれた。
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予報は見事にはずれてくれた。
釜無山は、\萋狩猟が解禁された(タクシー運転手情報)ので怖い。曇らぬうちに入笠山からの眺望を得たい。事前の情報収集からあまり面白くない山。などの理由から見送った。
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釜無山は、\萋狩猟が解禁された(タクシー運転手情報)ので怖い。曇らぬうちに入笠山からの眺望を得たい。事前の情報収集からあまり面白くない山。などの理由から見送った。
9時22分、入笠山。とにかくありがとうございます。
15
9時22分、入笠山。とにかくありがとうございます。
この場所で独り占め。どちらから望むべきか。
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この場所で独り占め。どちらから望むべきか。
まずは南アルプス。
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まずは南アルプス。
富士山見えず。次は八ヶ岳。
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富士山見えず。次は八ヶ岳。
蓼科山、霧ヶ峰も近い。
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蓼科山、霧ヶ峰も近い。
北アルプス、嬉しい。
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北アルプス、嬉しい。
諏訪湖と守屋山。
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諏訪湖と守屋山。
中央アルプス、昨日よりもくっきりと。
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中央アルプス、昨日よりもくっきりと。
今日は旨いコーヒーが飲めるでしょう。
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今日は旨いコーヒーが飲めるでしょう。
下山ルートの情報を求めていたが、マナスル山荘、休業中。
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下山ルートの情報を求めていたが、マナスル山荘、休業中。
山彦荘は営業中だった。ご主人からすずらんの里への道について教えていただいた。
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山彦荘は営業中だった。ご主人からすずらんの里への道について教えていただいた。
ここを右かあ。ハイキングコースと書いてある。つまらない林道と思っていたので何だか嬉しい。
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ここを右かあ。ハイキングコースと書いてある。つまらない林道と思っていたので何だか嬉しい。
11時、まだまだ空は青い。
8
11時、まだまだ空は青い。
休業中のお花茶屋。ぽつんと一軒家に選ばれそうだ。
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休業中のお花茶屋。ぽつんと一軒家に選ばれそうだ。
車道を離れ旧道に入る。
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車道を離れ旧道に入る。
なんかいいぞ。
青柳駅への分岐。迷わずすずらんを選んだが、こうして見ると左も魅力的。
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青柳駅への分岐。迷わずすずらんを選んだが、こうして見ると左も魅力的。
晩秋の道、穏やかな道。
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晩秋の道、穏やかな道。
心地良い一日だった。
7
心地良い一日だった。
八ヶ岳の山頂部はすっかり雲の中。
5
八ヶ岳の山頂部はすっかり雲の中。
どこからか、めえー。君だったのね。
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どこからか、めえー。君だったのね。
すずらんの里駅に到着した。付近に自販機なし、トイレなし。でも風が心地よかった。
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すずらんの里駅に到着した。付近に自販機なし、トイレなし。でも風が心地よかった。

感想

 「ゴンドラ?動いてないと思うよ。雪積もるまでお休み」富士見駅前で衝撃の一言。やってしまった。年中営業していると思い込んでいた。真剣に帰ろうと考えていると、すかさずタクシー運転手の営業トーク。「マイカーはだめだけど、大阿原湿原まで上がれるよ。4千円から5千円」俄かに、当初の予定だったゴンドラ往復金額と往復タクシー料金の合計が頭に浮かんだ。
 彼は饒舌で、入笠山エリアの様々な情報を教えてくれた。その中の一つが、猟が解禁になったこと。「釜無山は今の季節、行く人いないよ。クマも出るし」クマ?昨日の「思い出」が脳裏を過ぎる。誤射の恐怖が助長された。
 到着後、お互いに礼を言い、彼は往路を引き返して行った。しばし作戦タイム。下山には2,3時間かかる。この季節の誓い、午後3時までに里に下りる、を守れるか。湿原散策は楽しそうだなあ。釜無山を振り切った。

 想像以上に気持ち良い素敵な光景が広がっていた。静かな道を進むうちに、急速に充たされてゆくのを感じた。どことなく憂いを含んだ表情に惹かれるかのように、秋の湿原に昂揚させられていた。
 一周して戻ると、次なる欲望を満たすために、立ち止まること無く、かの山を目指した。以前はバス通りだった舗装路を進む。見上げれば雲一つない青空。好天が前倒しでやってきた。自然に足早になる。
 入笠山へは僅かな登りで到達した。この山で、この天候で、この時間に独りでいること、きっと今年、山で遭遇した雨たちのお詫びの標にちがいない。満喫しよう。南アルプスから始めた。

 左回りに視線をずらしてゆく。富士山は雲の中だったが、八ヶ岳、中信高原、浅間山、北アルプス、御嶽山、中央アルプス、いずれも雲から顔を覗かせてくれた。山の数ほどため息が出そうだった。頭の中は空っぽだった。一回りをして、いつもの動作にとりかかる。
 コーヒーを淹れ終わった頃、続々とハイカーが上がって来た。皆、眺望と静けさに歓喜しているようだった。ゆっくりと口に運ぶ。上手にできた。11月とは思えぬほど暖かい。いつまでもこの空を見つめていたい。腰を上げるのが、その日もっとも勇気のいる行為だった。
 駆け降りると目の前にはマナスル山荘。オフシーズン、休業中だった。下山ルートを相談したい。再び、タクシー運転手の言葉が浮かぶ。「山彦荘の二人は親切でなんでも知ってるよ」大いなる期待と共に向かった。
 営業中の札、引戸をゆっくりと開けた。すずらんの里へ下山したい旨伝えると、丁寧に地図を描いて説明してくれた。「9キロくらいだよ。気を付けて」良かった。クマに気を付けてではなかった。深々と頭を下げ、引戸を閉めた。

 分岐はすぐにわかった。道標にはハイキングコースとある。変化の無い林道歩きでないことを祈りながら歩き始めた。また、独り。静かで、小春日和で、体は軽かった。気持ち良く緩やかな道を下った。
 営業中だったら迷わず寄ったであろうお花茶屋を過ぎてから、ほどなく旧道を進む。低い笹原を分ける踏み跡を辿る。心地良かった。すっかり洗い流された気分になって再び林道へ合流する。
 青柳への道を分ける頃になると、少し飽きてきた。レット・イット・ゴーを口ずさむか、最近めっきり減ってきた悩み事の数を数えるか迷ったが、結局、ショートカットを繰り返しながら退屈さを凌ぐことにした。
 山彦荘のご主人の言葉通り、農道に飛び出した場所にログハウスが建っていた。右折し、左折し、駅までの1本道を辿る。前方の八ヶ岳を望み、道路脇のヤギに挨拶をし、青空に感謝した。短い時間だったが、今年一番の山行になった。明日も良い日でありますように。

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