西クマネシリ岳(1635m)、ピリベツ岳(1602m)


- GPS
- 32:00
- 距離
- 16.0km
- 登り
- 1,131m
- 下り
- 1,114m
コースタイム
12月25日C1(8:30)→西クマとピリベツのコル(10:15-30)→ピリベツ(11:45-12:10)→コル(12:30)→西クマ(14:00-14:15)→C1(15:00-30)→国道(16:30)・晴れ→高曇り
天候 | おおむね晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2005年12月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
冬型気圧配置バッチリの週末なので、少し遠いがオッパイ山にでかけた。高速道路と三国トンネルのおかげで十勝三股は以前より近くなっていた。西クマネシリとピリベツは石狩岳方面から見ると並んで実にオッパイだ。谷間の沢からコルに上がって、右と左を両方わしづかみの計画。当初は地図にある夏道の尾根などを考えたがとっくに廃道らしい。尾根上は針葉樹の密林で、とてもスキーをとばせる雰囲気ではない。 函館→札幌の前夜発夜行バスで、早朝みんなと札幌を出ると、午前のうちには林道でラッセルをしている。雪はスネの下ぐらい。林道は地図にあるあたりまでと思っていたが、その先も谷の中にブル道の様なものが続いている。古い林業作業小屋を更に奥へラッセル。くたびれたあたりでベースキャンプを作る。 今回はイグルーのつもりだった。しかし積雪70センチだが圧雪すると20センチほどなのでブロックを切るのが難儀だ。倒木を梁にしてタンネの枝を葺き、簡易タンネ小屋を作った(30分ほど)。定番の塩ホルモン、野入が遠洋航海で仕入れた免税ウイスキーはカラになった。マイナス13度のタンネ小屋は少々スースーして寒かった。しかしこれは中でたき火も出来るし、もう少し研究すれば快適にやれそう。周囲は間伐が必要な放置密林だらけだ。 寝坊した。晩飯も朝飯もたき火で済ませて出発。火力があるのでかえって早い。ブル道は谷の奥、傾斜が増すあたりまで続いている。この谷は広いし積雪も多く無いし、樹林も密で、雪崩の気配はない。コルまで登り、まずは左のオッパイ、ピリベツへ。 ピリベツへの急傾斜は細いところにタンネが多く、雪も新雪でシールが利かず。典型的な12月の準山シール技術鍛錬ルートという感じで、藪をつかみジグを切って突破する。上半分は広くなり、山頂は展望の利くよい山だ。西クマネシリの高まりの左に、クマネシリ岳の怪峰が見える。「道東のジャヌー!」と斎藤は叫ぶが、ジャヌーに加えて興味深いのがその南に延々5キロほど続く真っ平らな尾根だ。これが「道東のギアナ高地!」の風情で、あそこのタンネの森に一泊して「ジャヌー」を登ったら良い山行になりそうだ。クマネシリは高さが西クマにかなわないので無視されることが多いが、このルートからなら、美しいストーリーが出来る。ピリベツの山頂直下100mほどはつかの間の良いスキースロープだ。傾斜あり親切に沈んで展望も抜群。 コルから西クマへ。野入は体長悪く先にベースへ下る。山頂下の岩稜帯でアイゼンに変える。ルートは取り付いてみれば何でもない類の急傾斜帯だ。岩の先、細い雪稜を少し登ると、狭くて空に張り出した最高点だ。「ジャヌー」への細くて不快調そうな稜線が続く。午前中は石狩岳やニペソツも見えていたが、もう雪雲に覆われてしまった。しかしここから東はよく晴れている。山域選択の勝利だ。朝は阿寒や、斜里の山も見えていた。 アイゼンをスキーに変えて、天場までの新雪スキーをキャアキャア言って滑る。藪も多少あるが、まあ沢の中はましな方だ。皮登山靴でのスキーだが、滑る前にちょっと足首のひもをきつく閉めれば楽しく滑れる。天場では野入がたき火でお茶を沸かしていてくれた。たたんで下山。林道はクロカン歩きと棒立ち滑りが半々で思いの外早く下れた。暗くなる冬至の宵やみ時、里に向けてタンネの森をシャカシャカ歩く時間は幸福を感じる。 層雲峡の銀泉閣で風呂、上川駅近くのきよしで醤油ラーメンがうまくてびっくり。石狩平野は雪、函館行き夜行バスは雪のため国道経由で発車した。 |
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感想
冬型気圧配置バッチリの週末なので、少し遠いがオッパイ山にでかけた。高速道路と三国トンネルのおかげで十勝三股は以前より近くなっていた。西クマネシリとピリベツは石狩岳方面から見ると並んで実にオッパイだ。谷間の沢からコルに上がって、右と左を両方わしづかみの計画。当初は地図にある夏道の尾根などを考えたがとっくに廃道らしい。尾根上は針葉樹の密林で、とてもスキーをとばせる雰囲気ではない。
函館→札幌の前夜発夜行バスで、早朝みんなと札幌を出ると、午前のうちには林道でラッセルをしている。雪はスネの下ぐらい。林道は地図にあるあたりまでと思っていたが、その先も谷の中にブル道の様なものが続いている。古い林業作業小屋を更に奥へラッセル。くたびれたあたりでベースキャンプを作る。
今回はイグルーのつもりだった。しかし積雪70センチだが圧雪すると20センチほどなのでブロックを切るのが難儀だ。倒木を梁にしてタンネの枝を葺き、簡易タンネ小屋を作った(30分ほど)。定番の塩ホルモン、野入が遠洋航海で仕入れた免税ウイスキーはカラになった。マイナス13度のタンネ小屋は少々スースーして寒かった。しかしこれは中でたき火も出来るし、もう少し研究すれば快適にやれそう。周囲は間伐が必要な放置密林だらけだ。
寝坊した。晩飯も朝飯もたき火で済ませて出発。火力があるのでかえって早い。ブル道は谷の奥、傾斜が増すあたりまで続いている。この谷は広いし積雪も多く無いし、樹林も密で、雪崩の気配はない。コルまで登り、まずは左のオッパイ、ピリベツへ。
ピリベツへの急傾斜は細いところにタンネが多く、雪も新雪でシールが利かず。典型的な12月の準山シール技術鍛錬ルートという感じで、藪をつかみジグを切って突破する。上半分は広くなり、山頂は展望の利くよい山だ。西クマネシリの高まりの左に、クマネシリ岳の怪峰が見える。「道東のジャヌー!」と斎藤は叫ぶが、ジャヌーに加えて興味深いのがその南に延々5キロほど続く真っ平らな尾根だ。これが「道東のギアナ高地!」の風情で、あそこのタンネの森に一泊して「ジャヌー」を登ったら良い山行になりそうだ。クマネシリは高さが西クマにかなわないので無視されることが多いが、このルートからなら、美しいストーリーが出来る。ピリベツの山頂直下100mほどはつかの間の良いスキースロープだ。傾斜あり親切に沈んで展望も抜群。
コルから西クマへ。野入は体長悪く先にベースへ下る。山頂下の岩稜帯でアイゼンに変える。ルートは取り付いてみれば何でもない類の急傾斜帯だ。岩の先、細い雪稜を少し登ると、狭くて空に張り出した最高点だ。「ジャヌー」への細くて不快調そうな稜線が続く。午前中は石狩岳やニペソツも見えていたが、もう雪雲に覆われてしまった。しかしここから東はよく晴れている。山域選択の勝利だ。朝は阿寒や、斜里の山も見えていた。
アイゼンをスキーに変えて、天場までの新雪スキーをキャアキャア言って滑る。藪も多少あるが、まあ沢の中はましな方だ。皮登山靴でのスキーだが、滑る前にちょっと足首のひもをきつく閉めれば楽しく滑れる。天場では野入がたき火でお茶を沸かしていてくれた。たたんで下山。林道はクロカン歩きと棒立ち滑りが半々で思いの外早く下れた。暗くなる冬至の宵やみ時、里に向けてタンネの森をシャカシャカ歩く時間は幸福を感じる。
層雲峡の銀泉閣で風呂、上川駅近くのきよしで醤油ラーメンがうまくてびっくり。石狩平野は雪、函館行き夜行バスは雪のため国道経由で発車した。
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