独鈷山
- GPS
- --:--
- 距離
- 4.9km
- 登り
- 617m
- 下り
- 605m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
アクセス |
感想
独鈷山(1266m)
18才。塩田平の怪峰、独鈷山に登ろうと、原付バイクで家を出た。白黒写真でみたとっこさんは、塩田平の溜め池を前景にして、幾多の岩峰が樹林をこびり付かせてそそり立ち、例えると雲南省桂林の風景みたいなものかなと思っていた(行ったことなかったけど)。松本平の背後、筑摩山地を隔てた上田盆地は距離こそ近いものの、未だ行ったことのない隣町だ。山向こうの行ったことのない町に、自分ひとりで初めて出かける。
この白黒写真というのは、数学の渡部先生が貸してくれた「信州百山」という本にあった写真だ。ちなみに深田久弥の日本百名山もこの先生が教えてくれたのだった。このころまだこの本は今ほど世に知られておらず、全国山図鑑か〜というくらいの気持ちで読んだが、おかげで北海道の山などを知ることになり、結局北海道へ行ってしまうことになった。高校生に適当な指南をすると人生が変わってしまう。
三才山トンネルを小さな50ccのオートバイで越えるのに坂を登れず、何度も押して歩いた。山麓では、農家の庭先にいた、髪を少し染めた姉さんに登山口を尋ねた。姉さんはしゃがんで、棒きれで地面に地図を描いて説明してくれた。サンダルをはいた足の爪が赤く塗ってあった。
草いきれの夏の道、樹林のトンネルを何時間か登った。途中の展望はほとんどなく、急斜面で蒸していた。このころ一生懸命練習していたムソルグスキーの展覧会の絵が、鼻歌。山頂は巨大な岩の上。塩田平は特別に高いビルの屋上からのように間近に見下ろせた。遠く浅間山の長い裾野が雲の下に垣間見えた。途中、2人連れに会った。鹿教湯温泉から来たという信大の学生と老人だった。そろそろ大学の受験勉強でもしなきゃいけないなあという季節、日帰りならばいいやと出かけた山行だった。
1992年記。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
wakaさんの独鈷山の関連の山に出ていて
随分古い日付だったので気になって見に来ました。
青春の思い出ですね。
当時の高校生だと峠の向こうへ初めて一人で
しかもミニバイクで行くというのは
冒険ですよね。
私も高校の時50CCの免許を取って
流行っていたスクーターを買ってもらいました。
週末家に帰る(下宿していたので)のに
初めて乗って行くときはどきどきで
山道を走ったものです。
この年代の記録を書いたのは、1990年頃。ワープロを買ったのでそれまでの記録を思い出して書いておいたものです。
で、そのプリントをOCRで92年ころMacに取り込んでおいた記録です。ヤマレコのおかげでsakusakuさんが読んでくれることになりました。地図は正直、あいまいです。もう一回登って確かめなくてはいけません。お姉さんはまだあの農家にいらっしゃるでしょうか。とっくにお嫁に行かれたことでしょう。
信州の盆地はどこへ脱出するにも50CCではきつかった。思いだします。高校生にバイクは必要ですよね。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する