赤城山 〜紺碧と純白の世界〜
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- GPS
- 04:26
- 距離
- 5.5km
- 登り
- 560m
- 下り
- 532m
コースタイム
- 山行
- 3:09
- 休憩
- 1:16
- 合計
- 4:25
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
赤城山ビジターセンター発15:15(関越交通バス、1,200円)富士見温泉着16:00、発16:05(関越交通バス、610円)前橋駅着16:35 ※富士見温泉乗り換えだと310円も多くかかる。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
黒檜山から駒ヶ岳にかけては、よく踏まれており、前爪を必要な傾斜も無く、軽アイゼンとストックで十分。 |
写真
感想
大手町駅から東京駅まで急ぎ歩くのは何年ぶりだろう。網の目のように張り巡らされた地下道を、標識と勘を頼りに進んでゆく。午前6時、人影は疎らだ。再開発で現れた、未知のビル下が危ない。「尾根筋」を外し、有らぬ方向に迷い込んでしまいそうだった。
そうこうしているうちに、ようやく新幹線の文字が目に入った。何とか間に合いそうだ。直行バス発車の40分前に前橋駅に到着する。そのためには、その列車に乗る必要があった。帰省ラッシュと晴天予報が相まって車内はほぼ満席、登山者とスノーボーダーの数は思ったほど多くない。
「赤城山直行バス」、発車時刻が近づくと多くの人が集まって来た。今のところ着席できない人はいない。道中ゆっくり眠れそうだが、それにしても2か月前、日光の黒檜岳で丸太に強打した左腕が未だ痛い。動かし方によっては激痛が走るのに、忙しさに感けてスポーツ整形外科に向かわなかった。荒療治で治らないものか。
富士見温泉から乗車率100%を超えたバスは、途中チェーンも巻かれ、重たそうに「あかぎ広場前」に到着した。およそ15分遅れだった。車窓から眺めた山腹の白さから、この時間になっても霧氷は快く迎えてくれるはず、慌てず登山口を目指した。
準備体操のあと、スパッツと軽アイゼンを装着し、ストックのキャップを外し、登山口を後にした。1本調子の登りが続くが、頭上の霧氷と青空のお蔭でペースが上がらず、とても快適だった。まだまだ序の口、そう思いながらもすぐにまたシャッターを切る。スマホのバッテリーが勢いよく消費されてゆく。
時折、右手南側方向が開ける。駒ヶ岳への稜線を見渡し、その近さに今日の軽ハイキングを改めて知る。そして大沼全体を眺めるべく何度も振り返ったが、それは下山まで叶わなかった。
どこまでも碧い空と、霧氷の織り成す網の目、それはあまりに美しく、上出来な光景。快晴予報を受けてから榛名山を明日に送って、この時間此処にいることは疑いようもなく正しい選択だった。けれども私の拙い表現力では、これ以上この素敵な場面を表すことができない。記録は写真に任せるとし、俄かに黒檜山山頂に立とう。
快晴の日曜日とはいえ、年末の積雪有る時期にこれだけの人が訪れている。百名山、恐るべし。山頂でも絶景スポットでも、多くの人が眺望と霧氷の繊細さを楽しみ、味わっていた。山座同定はほどほどに、無心でその素晴らしき光と影を眺めた。この1年間頑張ってきた報いは有ったではないか。
駒ヶ岳への道のりは、およそ1時間、のんびり歩こう。今年は例年の富士見山行を選ばなかったが、期せずしてその富士の姿も望めた。関東平野を見渡しながら南進する。
予定どおり到着した山頂で、予定どおり時間調整を行う。久しぶりに腰を下ろし、期待どおり美味しいコーヒーを味わった。そして途中出会った、父親と娘二人の親子のことを思っていた。父も私たちが子供の頃、ここへ連れて来てくれた。信州の山をこよなく愛した父にとって、この赤城山と榛名山だけは特別だったらしい。私はその機会を逸し、こうして独りで辿っている。
しばらく尾根道を進み、鳥居峠への道を分けると、長い階段を経て九十九折りの道を下る。木々の合間から大沼の碧さが確かめられる。名残惜しいが、明日もあるのだから。
雪山歩きの楽しさが凝縮された4時間だった。登山口でアイゼンを外してから、少し雲の多くなった空を見上げた。そういえば、彼は、雲の名を四季折々によく教えてくれた。あのひつじ雲だと明日は雨ですね。明日も良い一日でありますように。
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