ニセ巻機山 激パウ 山頂はホワイトアウト
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- GPS
- 06:35
- 距離
- 11.2km
- 登り
- 1,306m
- 下り
- 1,293m
コースタイム
天候 | 雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
積雪は最大で膝下ラッセル程度 下部は藪多し 上部は視界ほぼゼロでホワイトアウト GPSがないと生還は困難 井戸の壁は表層雪崩に要注意 |
写真
引用元: http://powdersearch.jp/y2020/d200202/300017w1g_200202.html
感想
今週末は越後山脈で大雪予想が出ている。
一般的には山スキーのBIG DAYとは日本海側で晴れる日のことを言うが、今冬に限っては降雪の日がBIG DAYだ。雪崩のリスクも考え、尾根ルートで安全に往復できるであろう巻機山をターゲットにした。
晴れないことはわかっているので雪の降る中を午前4時過ぎに出発。最初から踵ラッセルだ。期待が高まる。
昨日と思われるトレースがあるので追っていく。ただ途中から藪の中に入ってしまった。まだ夏道を登った方がよさそうだった。苦労して突破し井戸の壁に取りつく。
井戸の壁は急登だが藪が埋まってどこでも登れた。もうトレースは離れてラッセルした。膝下くらいだ。5合目まで上がるとトレースはもう見つからなかった。ラッセルでどんどん登っていく。雪はやみそうにない。
樹林帯を抜けると風が出てきた。山頂周辺は完全にガスの中で何も見えない。試練に備えて装備をチェックしていると後続の方が1名登ってきた。今日はもうここまでで降りるとのこと。登っていくと、数十mでガスに遮られ見えなくなった。
標高を上げると風は強くなり視界はますます悪くなる。スマホのGPSを頼りに尾根を見定めて登っていく。1年前に来たときはアイスバーンになっていて登るのに苦労したが今日はクラストした新雪で問題ない。視界がないのだけが問題だ。
GPSを何度も見ながらニセ巻機山の山頂に到着した。今日はここまでにする。もちろん避難小屋は全く見えない。1年前に来たときは、避難小屋から先に大きな雪屁ができていた。今日は近づいても雪屁があるかどうかすらわからないだろう。
激しい吹雪の中滑走準備をしていざ出発しようとしたらスマホの電源が切れている。低温で電源が切れたのは初めてだ。行動中はジャケットの内側に入れて暖めているのだが、山頂を探すためにずっと外に出していたのが災いしたのだろう。手で暖めたりしながら何回か電源を入れようとしたが、すぐに切れてしまう。
標高を下げれば復活するだろうが、問題は視界がないことだ。この激しい雪の中で間違って米子沢へ降りてしまうと雪崩の危険性が高いから、必ず尾根を滑って戻らなければならない。かと言ってこの爆風の吹く山頂で電池が復活するまで暖めるのと体が冷えてしまって危険だ。
こういう時に備えていつも予備のスマホを持っている。ザックの中に放り込んであるだけで特に暖めていた訳ではないが、吹雪に曝されてもいない。取り出して電源を入れてみたら動いた。GPSもちゃんと掴んでくれる。これで帰れる。数m先も見えないガスと激しい吹雪の中、画面とにらめっこしながら慎重に高度を下げる。樹林帯が見えてきたら安心だ。目標があれば方角を見失わない。
助かったと思ったら人影が見えた。一瞬、幻覚かと思ったがわかんの登山者だった。近づいて少し話をする。ここまでラッセルが大変だったそうだ。行ける所まで行ってみるとのこと。登山者と別れたらその先はパウダー天国が待っている。久しく忘れていた浮遊感が蘇ってきた。このために登ってきたようなものだ。
井戸の壁は急斜面なので雪崩れやすいと思う慎重に降りた。滑ったところはスラフが流れたが大きな規模にはならなかった。
最後は藪になるが大人しく夏道を通って降りる。他に後続が数人いたようで、林道は高速道路と化していた。駐車地点まで戻ったときにはまだ午前中だ。トラブルはあったが激パウの余韻を楽しみつつ帰った。
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