阿蘇山(過去レコです)。
- GPS
- --:--
- 距離
- 6.0km
- 登り
- 731m
- 下り
- 712m
天候 | 晴れ。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
飛行機
|
コース状況/ 危険箇所等 |
左程の危険個所はありません。 |
写真
感想
九州で深田の百名山に入っている山は、久住山、祖母山、阿蘇山、霧島山、開聞岳、宮之浦岳の6岳である。霧島には韓国岳と高千穂の峰にそれぞれ登り、久住、開聞は2回登っている。阿蘇は高校の修学旅行で行ったことがあるし、登ったことのないのは祖母山だけである。祖母は個人で行くのは大変そうななので適当なツアーは無いかと探すも、祖母単独というものは見当たらず、アミューズトラベルの「阿蘇、祖母、久住」というツアーに申し込んだ。修学旅行で行った阿蘇は、バスで噴火口近くまで行き、お釜までちょっと歩いただけで、これは登山とは云えない。今回は、仙酔峡からロープウェイで火口東まで行き、馬の背から中岳、高岳をピストンするという企画で、少しは登山が味わえそうだと思っていると、出発数日前に「ロープウェイが故障したので歩いて登る事になる」とアミューズから電話連絡。さらに登山らしくなりそうだ。
2010年5月29日、中部国際空港8時発のANA213便に乗り込んだ。福岡空港の集合場所に集まったのは、われわれ名古屋からの5名の他に、東京から17名、大阪から3名で、女性19名、男性6名である。アミューズの3名を合わせて計28名の大所帯がバスに乗り込み、一路阿蘇へ。ガイドは福岡の高野さん、添乗員は東京の辻さんでサブリーダーは福岡の若者。高野さんにはどっかで一緒になったことがある。九州自動車道をどこで下りたのか、今一体どこを走っているのか、全く考える必要もなく、ツアー登山は気楽なもんである。予定では仙酔峡から高岳のピストンであるが、バスの中でガイドと添乗員が鳩首会談し、仙酔尾根を登って高岳から中岳と周遊することに決定。仙酔峡の駐車場で準備をし、アミューズ体操。これから登る仙酔尾根が、高岳頂上まで続いているのが見える。麓はキリシマツツジでピンク色に染められているが、すぐに火山岩がゴロゴロしている尾根道を登る事になる。28名の長い列の後尾について登る。勾配がきつくなり、立ち止まることが多くなる。最後尾の添乗員が無線で呼ばれて前に走る。おばちゃんが坐って、ボーっとしている。意識が無くなっていたようだが、わたしが見た時は答える事も出来る。冷や汗を出し、おでこに手をやると冷たく、脈をとると触れない。ショックである。おばちゃんは少しづつ元気を取り戻し、一緒に登ると云うが、原因不明のショックのため、若いサブリーダーを付かせて下山させるように指示。どんどん高度をかせぎ、振り返れば、今登って来た仙酔尾根と、外輪山に囲まれた緑の起伏が見下ろす。急な登りの連続で、通称「バカ尾根」というそうだが、誠に失礼な話しである。急ではあるが、火山岩の岩はコンクリートで固められたごとく、ザラザラの岩場で滑る事はない。これぞ火山という荒涼とした中を登り、2時間半で主尾根に登り着く。ここから阿蘇最高峰の高岳まではあと僅か。気持ちの良い
稜線を緩やかに登り、10分程で高岳山頂に到着。中岳の噴煙の向こうに杵島岳、振り向けば根子岳。阿蘇の広々とした景色が一望出来る。高校の修学旅行で来た阿蘇は、ロープウェイで登って中岳の噴火口を覗きこんだだけであるが、自分の足で登った阿蘇はひと味もふた味も違う世界である。砂礫の稜線を歩いて中岳へ向かう。モクモクと煙を噴きだす噴火口が近付いて、硫黄の臭いが漂う。仙酔峡ロープウェイ沿いの道を登って来たサブリーダーが中岳の頂上で手を振っている。中岳からは赤茶けた火山岩、草一本生えていない寂寞とした風景を見下ろしながら下る。2か所から噴煙を上げている大きな噴火口、それを取り囲む溶岩流の荒々しい壁。そして今立っている所は谷を隔てた外側の壁で、云わば中央火口丘の外輪山。壁と壁の間には、水の流れの跡か、川床のように道筋のようなものが付いているが、勿論人の気は無い。噴火を繰り返し、その度に溶岩が固まって形成されてきた地形、修学旅行で見たあの草千里の穏やかな高原の印象を吹き飛ばされ、まったく違った風景が心に刻まれた。仙酔峡までの下りは、ロープウェイに沿ったコンクリートの固い道。ロープウェイの鉄塔はあるが、これはもう使いものにならないだろう。面白味のない道を下って仙酔峡駐車場に帰り着き、バスで本日の宿舎である内巻温泉へ向かった。
修学旅行で登ったことはあり、阿蘇に登ったことにしていたが、これで胸を張って阿蘇に登ったと云える。
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