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Yamareco

記録ID: 2337009
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雪山ハイキング
東海

檜峠から大日ヶ岳(過去レコです)。

2008年04月26日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
11.7km
登り
1,013m
下り
1,002m
天候 雨。
過去天気図(気象庁) 2008年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
 檜峠に車を停めました。
コース状況/
危険箇所等
 左程の危険個所はありません。

感想

 猿ヶ馬場山には2年前の3月に登ったが、2日前に積もった新雪の中をつぼ足でズボズボ、悪戦苦闘すること5時間、帰雲山を目の前にしてリタイアした。今回は1ヶ月遅れの4月、雪も固まって登りやすくなっているだろうと登る計画を立てた。猿ヶ馬場山は朝早くから登り始めないと頂上まで行けないので、前日は白川郷に泊まる事にした。猿ヶ馬場山だけでは勿体無いので、前日は足慣らしに大日ヶ岳に登る事にした。ネットで調べると、反対側の檜峠からの登山道は、ウイングヒルズスキー場のゴンドラに乗れば1時間以上短縮出来、ゴンドラは夏でも運行していると云う。これなら大丈夫だろうと、平成20年4月26日、ウイングヒルズスキー場に向かった。天気予報では晴れ後雨、ところにより雷が発生するという。東海北陸道に入ると激しい雨が降り出したが、それも直に止み、白鳥ICを出る頃には晴れ間も見えて来た。 ウイングヒルズスキー場の駐車場で支度をしながら見ると、ゲレンデの雪はすっかり溶けてしまっているが、一面だけほそぼそと雪が作られ、スキーをしている人もちらほら見える。ゴンドラはと云えば、動いている気配はない。リフト券売り場の女の子に聞くと、「今日はゴンドラは動いていないが、29日から運行します」と云う。何とか動かしてくれないかと頼んでも、ダメだと云うばかり。仕方が無いから一本だけ動いているリフトに乗り、そこから登ろうかと云うと、それなら檜峠から登った方が良いと教えてくれる。車で檜峠まで戻り、誰もいない登山口の駐車スペースに車をとめる。「←大日ヶ岳山道」と記された、背丈ほどの高さの木の柱があり、その横にはもう1本、「大日ヶ岳登山道」と記された御影石の立派な柱が並んで立っている。杉林の中の登山道に入ると、道は少しずつ下って行き、「満天の湯」の駐車場に出る。登山道らしきものを探してそこに入ると、再び下って行き、この道で大丈夫なのかと不安になる。ザゼンソウを見つける。目を凝らすと、あっちにもこっちにも、落ち葉の下にも一杯咲いている。ここから道はやっと登りにかかり、雪の全く無いゲレンデの端の道を登ることになる。ゴンドラの右横の尾根に作られたこのゲレンデは中級者向けなのだろうか、緩い斜面を登ると、比較的急な斜面が現われる。急斜面を登りきると、緩い斜面が現われ、その向こうに急斜面が再び見え始める。途中、ぱらぱらと雨が降ってくるが、上空の雲が通り過ぎると止む。汗もかき始めているのでカッパは着ないで登り続ける。緩斜面と急斜面を繰り返していると再び雨。上空はすっかり雲に覆われ、この雨は当分続きそうだ。ザックからカッパを取り出し急いで上着をはおり、ズボンを靴のまま履く。ゴンドラの頂上駅の建物がちらっと見えるが、激しさを増す雨の中、ゲレンデ登りはまだまだ続く。何の変哲も無いゲレンデ、最後に急坂を登り終えてゴンドラ駅舎に到着した。変電設備の前で雨宿りをしながら、ここで帰ってしまっては洒落にもならない、もう少し登ろという気持ちになった。雑木林の中に入るとやっと登山道らしくなり、これを登って緩やかな登山道を歩いていると気分も良くなってくる。折角ここまで来たんだから、今回の登山は大日ヶ岳をメインにし、明日の猿ヶ馬場山は中止にするか。笹が茂ったブナの林の中、気持ちよい尾根道を歩いていると時々残雪が現れる。雨は止んだようだがガスがかかり遠くは見えない。ゆったりとした道は徐々に勾配を増し、広かった尾根も段々狭くなってくる。登り切った頂上に「水後山」と書かれた木の柱が立っている。やっと水後山かと、ザックを下ろしてひと休み。もうここらで止そうかとも思うが、せっかくだから前に進むことにする。水後山からは雪が現れる事が多くなり、狭い尾根から右側にずり落ちた雪が雪庇となっている。これを渡るのには少々腰が引けるが、なるべく左側にルートを取って渡る。いつしかブナも無くなって笹が生い茂るだけの尾根は、猛烈な風にさらされる。両側が切り落ちた痩せ尾根を、右手の谷から吹き上げてくる風に吹き飛ばされないように慎重に渡る。ガスが吹き上がってきて周囲は乳白色の世界、全く何も見えない。遮るものの無い痩せ尾根、吹きすさぶ強風にさらされ、右の頬の感覚が無くなって来る。こんなところで突風でもくればひとたまりもないだろう、急坂を登りきると、「鎌ヶ峰」と書かれた木の柱が横たわっている。あとはここから一旦下って大日ヶ岳山頂だと思うと少し気分が楽になる。ガスはますます濃くなり、雪はますます多くなる。一旦下って登ると、また下る。この急坂を登りきれば頂上だと頑張るが、また下る。先は全く見えないので目標が定まらない中、登ったり下ったり、いつになったら頂上に着くのかと不安になってくる。痩せ尾根が広い尾根に変わり、強風吹きすさぶ雪原を登りようやく頂上に到着した。檜峠から3時間50分の行程であった。ひとっこ一人いない頂上、石に腰をおろして途中のコンビニで買ったオムスビを頬張り、ポットのお湯で作った味噌汁を飲む。とっくに1時を過ぎておりすきっ腹に味噌汁が染み渡る。頂上から見える山々の絵が羅針盤に書かれているが、見渡しても乳白色の世界が広がるのみである。雪の上に三脚を立て、記念撮影。カメラを取るために石から雪の上に下りると、ズボズボと膝まで足がはまり込み、思わず掴んだ三脚はぽきりと折れてしまった。手袋をはめているが指先がシビレて感覚がなくなり、カメラを三脚からはずすのさえひと騒動。長居は無用、下山にかかる。雪原から痩せ尾根を下ったり登ったり。相変わらずのガスで視界の効かない中、強風にあおられ、帽子を飛ばされないように抑えながら痩せ尾根を渡る。一瞬霧が晴れ、周囲の山々が姿を現す。本日始めてお目にかかる景色、突然現れた雪を残した目の前の大きな山々に圧倒される。眼下には深い谷が遥か下まで削ぎ落ちている。こんな所を歩いていたんだと、急に怖くなってくる。谷底からものすごい勢いで吹き上げてくるガスで、たちまち山々は視界から消える。谷底が見えなくなってホッとする。パラパラと霰が降ってくる。鎌ヶ峰を過ぎ、水後山でひと休み。霧は雨に変わり、遠雷が聞こえ出すし、足取りが自然と速くなる。左程遠くないところでゴロゴロ。足取りは一層速まる。ゴンドラの頂上駅舎でひと休み。下のほうのゲレンデでは音楽が流れている。音楽が鳴り止み、「雷雲が近づいているので、しばらくリフトを止める」と、云っている。この先は遮るものの無いゲレンデ下り、雷雲が通り過ぎるのはいつのことやら、ここは安全だがいつまでもここにいるわけにもいかない、と考えていると雨は小降りとなり、明るさも出始めて来た。よし行くぞと再び下りにかかる。ゲレンデ横の白樺林に雷さんが落ちても、枝分かれしないよう、少し離れながら下り、無事檜峠の駐車場に帰り着いた。ほっとしたのか、指先のシビレも薄らいでいた。

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