大天井岳(ラッセル及ばず無念の敗退)


- GPS
- 10:33
- 距離
- 15.5km
- 登り
- 1,750m
- 下り
- 1,739m
コースタイム
天候 | 快晴!(午後から雲が出てくる) 6:00前に到着時、気温はマイナス1.5度 稜線上はほぼ無風/吹いても微風。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【登山ポスト】 中房温泉登山口にあり。 【コース状況】 稜線上は完全冬山装備が必要。 ●中房温泉〜燕山荘 第二ベンチまでは雪はなし。第二ベンチを過ぎると雪が付き始めるがまだ疎ら。 第三ベンチ過ぎてからは完全な雪道に。雪質は午前は凍結、午後はグチャグチャ系。 朝はかなり滑りやすく難儀したけど、自分はアイゼンがあまり好きではないので装着せずにやり過ごす。 降りてくる方々はほぼ全員アイゼンを装着していました。 合戦小屋から上は、雪の量の豊富になり凍結なし。しっかりしたトレースがあるので歩きやすくなる。 合戦小屋は行きは締まっていたが帰りは営業中。 合戦小屋から上のコース取りは、途中までは夏道(1箇所クサリ場あり)、 最後は冬道で尾根を直登し燕山荘の裏から周り込むように。 ●燕山荘〜大下りの頭(表銀座縦走コース) 登山道は燕山荘からいったん下り、そこから大下りの頭まではアップダウンの少ない稜線歩き。 雪は積雪量は30〜50cm程度。蛙岩まではトレースあり。 稜線上は冬グローブを付ける必要あり。 蛙岩は岩の中を抜ける冬期ルートを使用。蛙岩以降はトレースなし。要ラッセル。 ●大下りの頭〜2699ピーク(表銀座縦走コース) 約100mの急登を下り、登り返す。ここからは小ピークをいくつか越える。 小ピークの登下降は斜度があるので注意が必要。 特に、まだ雪が付き始めたばかりで不安定な箇所が多く、下りは細心の注意を。 トレース無し。要ラッセル。吹き溜まりでは膝上ラッセルも強いられる。 雪が柔らかいところは雪の下のハイマツとシャクナゲまでズボリと嵌まってしまう。 結果、予定よりも大幅に時間を費やしてしまい、大天井の取り付きへの 最後のピーク(2699ピーク)に達したところで時間切れ撤退。 |
写真
感想
槍穂高が冠雪したとのことで、
それを間近で見たいなぁと思い三股から常念〜蝶を考えるが、
事前に安曇野市のサイトを確認すると烏川林道が落石で緊急閉鎖との情報。
でも槍穂を眺めながら表銀座を歩きたい!
ということで中房温泉からの大天井岳はどうだろう?
距離が長いのが気になるが、
まだ雪も本格的には積もっていないだろうということで目指すことに。
6時過ぎに中房温泉をスタート。
久々の完全雪山装備が詰まったザックと冬靴で背中も足元もズッシリ。
でも日が昇り始めると付近の山々が朱く染まり出し、
今日の晴天が約束されたような気になり、心は軽い。
第三ベンチ付近から雪が付き始め、登山道は凍結してツルツル。通過に難儀する。
しかし枯れ落ちた木の間から青い空がひらけ、
真っ白に染まった常念山脈が見えた瞬間には大興奮。
そして合戦小屋から上は、笑ってしまうくらい完全な雪山の様相に。
合戦小屋を過ぎ、合戦沢ノ頭手前で真っ青な空の元、白くなった大槍と小槍がお出迎え。
その隣には目指す大天井の姿が。ここが合戦尾根で一番盛り上がる箇所。
登山口からおよそ2時間45分で燕山荘に到着。まだ時間はたっぷりある。
燕岳には申し訳ないけど、もう夏冬と2度登ってるので今回は写真だけ撮ってパス。
すぐに表銀座縦走コースに向かう。ここからは展望最高の稜線歩き。
前方には槍・大天井・常念。右手には双六・三俣蓮華・鷲羽・水晶がずっと見えている。
大天井に近づくと角度によって北穂・奥穂・前穂。さらに笠がチラリと見える。
風もほとんど無しで何も言うこと無し。ホント来てよかったぁ。
しかし、稜線は予想以上に積雪量が多い。蛙岩まではトレースがあったが、
雪が多いところでは少しトレースを外すと膝上くらいまでズッポリ。
蛙岩の冬期ルートの岩穴を抜けると予想外の展開が待っていた。
トンネルを抜けるとそこはまだ誰も歩いていない純白の雪面が広がっていた。
ここからラッセルの始まり。目指す大天井はまだまだ遥か向こうなのに…。
大下りの頭まではプチラッセルで済んだが、
下りきった辺りから膝上ラッセルの箇所が増えてくる。
そんな中、小さいピークを越えるたびにアップダウンを繰り返すので、
息はゼェゼェ、足が止まっている時間もだんだん長くなり、
時間はどんどん過ぎる割にはまったく思うように進まない。
日が短くなっているので12時を目処に折り返す必要がある。
大天井まで登って今日は燕山荘で泊まっちゃおう、という考えが一瞬アタマをよぎるが、
やっぱりそれはルール違反。2699ピークで撤退を決意。でも悔しい。
だいぶ近くになった槍と近そうで遠い大天井を見ながら
この日初めての休憩をとる。あ〜悔しい。
行きのラッセルでだいぶ体力を使ってしまっていて、
帰りは自分トレースを辿ることができるのにシンドクてしかたない。
もし突っ込んでいたら到底明るいうちに燕山荘にもたどり着けなかっただろう。
シンドイけど最高の景色を楽しみながらゆっくりゆっくり引き返す。
燕山荘まで戻って簡単に昼食をとり、槍にお別れの挨拶して下山開始。
登山口に戻る頃にはクタクタ。
それにしても絶好の天気だっただけに悔しい…。でも実力不足でした。
今シーズン初雪山がいきなりのトップギアの山行に。
久々のピッケルを使っての山歩きと、
ラッセルのため夏山では使わない足の筋肉を酷使したせいか
翌日から腿と腕がひどい筋肉痛に。でもそれがちょっと心地よかったりします。
いよいよ雪山シーズンインです!
danyamaさん、こんにちは。
昨年の11月に同じような撤退をしました
私の場合は大下りを下りきってすぐに、danyamaさんの
コメントにある、「雪が柔らかいところは雪の下の
ハイマツとシャクナゲまでズボリと嵌まってしまう」
という状況に遭遇し、それ以上の前進を断念しました。
悔しいと思いますが、この展望、最高!ですよね
シーズン最初からトップギアの山行、お疲れ様でした!
youtaroさん
こんにちは。コメントありがとうございます!
表銀座を歩き始めたときは「これなら行けそう!」と思ったのですが…。
でも雪を纏った槍穂を見たいという目的の半分は、
お釣りがくるくらい堪能させてもらいました!
youtaroさんの昨年の記録拝見しました。
ほとんど同じ状況で笑ってしまいました。
っていうか昨年拝見したのを思い出しました。
先週はちょっとバタバタしていて、
過去の記録を確認せずに向かいましたが、
大天井を選んだのはyoutaroさんの記録が何となく
記憶にあったのかもしれません。
おそらくこれからはどんどん難しくなるので、
残雪期に今度は1泊することも視野に入れて考えてみたいと思いました。
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