記録ID: 2516548
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無雪期ピークハント/縦走
尾瀬・奥利根
至仏山
2003年10月05日(日) [日帰り]
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- GPS
- --:--
- 距離
- 9.2km
- 登り
- 714m
- 下り
- 697m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 6:00
- 休憩
- 2:00
- 合計
- 8:00
深田久弥の日本百名山。九月に南アルプス鳳凰山に登り99座となっていたが、その100山目になるのが今回登る至仏山である。最近は単独行の時が多いのだが、深田さんの日本100名山完登という事で、カタクリ会のメンバーや五月の連休に景鶴山に一緒に上った長岡のS氏が一緒に登ってくれる事になった。
初日は車で戸倉まで入り、ロッヂ長蔵で一泊し、翌日の山行に備える。一泊8400円であったが部屋は広く快適で、暖炉のある食堂で戴いた、地元の野菜をふんだんに使った前菜、ニジマスのムニエル、ロールキャベツ、舞茸のたっぷり入った炊き込み御飯、と続く夕食も美味しかった。この日は我々の他は三組程度の宿泊客で、結構空いている。尾瀬への登山者の多くは、夜行日帰りか尾瀬の中にある小屋まで入っているのであろう。前日は麓のロッジでのんびりして、翌日尾瀬を目指すのも悪くない。
翌日は朝五時に起床する。荷物を整え、ロツヂの玄関まで迎えに来てくれたマイクロバスで鳩待峠まで入る事にする。昨夜の天気予報は全国的に秋晴れとなっていたのに、尾瀬の天気は芳しくない。空は鉛色で霧雨が降っている。鳩待峠に着いても状況は変らず、売店の軒下で朝食を取りながらカッパを身に着け歩き始める事にした。
登りはじめて暫らくは、背の高い笹の中を進んでいく。30分程歩いた頃、雨が上がり明るくなってきたので雨具を脱いだ。やがて木道が現れる様になり所々で視界が開けるようになってきた。紅葉が始まった処で、秋を感じながら進んでいく。概ね平坦で歩きやすい登山道であるが、岩場は滑りやすかった。岩が硬質の蛇紋岩である為か表面にザラザラ感が無く、大勢の登山者が歩いて磨耗した部分がツルツルになっている。それがおまけに濡れていて、結構滑りやすい。危険な箇所は無いのだが、滑らぬように注意深く足を進めていく事になった。
登山道は途中で笠ヶ岳から登って来た道と合流するが、その手前に「オヤマ沢田代」と言う小湿原がある。この辺りまで来ると、木道に雪が付いている様になった。霧も濃くなり視界も開けない。幻想的ではあるが期待した展望は難しそうだ。小至仏辺りからは稜線を進む様になってきたが、森林限界を超えると強風が待っていた。朝早くに登りはじめもう下山する登山者とすれ違うが、みな防寒具を上下に身につけ足早に下山していく。何人かと声を交わしたが、頂上は雪交じりの強風で直ぐ降りてきたとの事であった。覚悟を決めて、セーターを着込み、一旦脱いだゴアのカッパを再び身に着ける。
霧で山頂が見えず、何時まで登りが続くのかなと思い始めた頃、漸く視界が開け始めた。時々雲間から薄日がさし始め、心なしか風も弱まって来た様だ。歩き始めて約3時間、漸く至仏山の山頂に到着する。日本百名山の完登だ。最後尾の到着を待って、シャンペンで乾杯。運び上げて貰った紅白のワインを、フライパンで焼いたミニステーキをツマミに戴く。ステーキを焼いた油の残るフライパンで、バケットを焼いたが、これがまた美味しかった。
百名山完登の幕を広げて記念撮影をする頃になると、山頂から360度の視界が開け始めた。さっきまでの雪交じりの天気がウソの用に青空が広がり始め、草紅葉の尾瀬ヶ原を挟んで燧ヶ岳の姿も見え始めた。振返ると小至仏へ続く尾根筋の彼方には武尊山、眼下に「ならまた湖」を置いて西側には朝日岳から白毛門、北側には山頂部が雪化粧している平ヶ岳、遠くには会津駒ケ岳。素晴らしい大展望が広がり始めた。
この日は結局、1時間30分近く山頂に留まり至福の山頂を楽しんだ。何時もよりゆっくりとしたペースで登ったのだが、普段のペースで登っていたら、雪交じりの風の中記念撮影をして、そそくさと下山していたかもしれない。(先に着いていた方、寒い中待たせてスミマセン。)それにしても午前中の天気が信じられないような青空と大展望、もしかしたら山の神様からの御褒美だったのかな。
一緒に登って頂いた皆さん、ありがとうございました。
初日は車で戸倉まで入り、ロッヂ長蔵で一泊し、翌日の山行に備える。一泊8400円であったが部屋は広く快適で、暖炉のある食堂で戴いた、地元の野菜をふんだんに使った前菜、ニジマスのムニエル、ロールキャベツ、舞茸のたっぷり入った炊き込み御飯、と続く夕食も美味しかった。この日は我々の他は三組程度の宿泊客で、結構空いている。尾瀬への登山者の多くは、夜行日帰りか尾瀬の中にある小屋まで入っているのであろう。前日は麓のロッジでのんびりして、翌日尾瀬を目指すのも悪くない。
翌日は朝五時に起床する。荷物を整え、ロツヂの玄関まで迎えに来てくれたマイクロバスで鳩待峠まで入る事にする。昨夜の天気予報は全国的に秋晴れとなっていたのに、尾瀬の天気は芳しくない。空は鉛色で霧雨が降っている。鳩待峠に着いても状況は変らず、売店の軒下で朝食を取りながらカッパを身に着け歩き始める事にした。
登りはじめて暫らくは、背の高い笹の中を進んでいく。30分程歩いた頃、雨が上がり明るくなってきたので雨具を脱いだ。やがて木道が現れる様になり所々で視界が開けるようになってきた。紅葉が始まった処で、秋を感じながら進んでいく。概ね平坦で歩きやすい登山道であるが、岩場は滑りやすかった。岩が硬質の蛇紋岩である為か表面にザラザラ感が無く、大勢の登山者が歩いて磨耗した部分がツルツルになっている。それがおまけに濡れていて、結構滑りやすい。危険な箇所は無いのだが、滑らぬように注意深く足を進めていく事になった。
登山道は途中で笠ヶ岳から登って来た道と合流するが、その手前に「オヤマ沢田代」と言う小湿原がある。この辺りまで来ると、木道に雪が付いている様になった。霧も濃くなり視界も開けない。幻想的ではあるが期待した展望は難しそうだ。小至仏辺りからは稜線を進む様になってきたが、森林限界を超えると強風が待っていた。朝早くに登りはじめもう下山する登山者とすれ違うが、みな防寒具を上下に身につけ足早に下山していく。何人かと声を交わしたが、頂上は雪交じりの強風で直ぐ降りてきたとの事であった。覚悟を決めて、セーターを着込み、一旦脱いだゴアのカッパを再び身に着ける。
霧で山頂が見えず、何時まで登りが続くのかなと思い始めた頃、漸く視界が開け始めた。時々雲間から薄日がさし始め、心なしか風も弱まって来た様だ。歩き始めて約3時間、漸く至仏山の山頂に到着する。日本百名山の完登だ。最後尾の到着を待って、シャンペンで乾杯。運び上げて貰った紅白のワインを、フライパンで焼いたミニステーキをツマミに戴く。ステーキを焼いた油の残るフライパンで、バケットを焼いたが、これがまた美味しかった。
百名山完登の幕を広げて記念撮影をする頃になると、山頂から360度の視界が開け始めた。さっきまでの雪交じりの天気がウソの用に青空が広がり始め、草紅葉の尾瀬ヶ原を挟んで燧ヶ岳の姿も見え始めた。振返ると小至仏へ続く尾根筋の彼方には武尊山、眼下に「ならまた湖」を置いて西側には朝日岳から白毛門、北側には山頂部が雪化粧している平ヶ岳、遠くには会津駒ケ岳。素晴らしい大展望が広がり始めた。
この日は結局、1時間30分近く山頂に留まり至福の山頂を楽しんだ。何時もよりゆっくりとしたペースで登ったのだが、普段のペースで登っていたら、雪交じりの風の中記念撮影をして、そそくさと下山していたかもしれない。(先に着いていた方、寒い中待たせてスミマセン。)それにしても午前中の天気が信じられないような青空と大展望、もしかしたら山の神様からの御褒美だったのかな。
一緒に登って頂いた皆さん、ありがとうございました。
天候 | 小雪 後 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2003年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
着替え
靴
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
ライター
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
時計
タオル
ナイフ
カメラ
|
---|
感想
今回の至仏山で完登となった日本百名山。北は北海道の利尻岳から、南は屋久島の宮之浦岳まで、よくもまあ登ったものである。幼少の頃に登った立山、八幡平、火打岳を除くと、初めて登った百名山の山は、91年にカタクリ会で登った燧ヶ岳である。以来12年間で97座を登った計算だ。
日本百名山を登る事への意見は色々有る様であるが、自分にとって100名山とは何だったのかと改めて自問してみると、それは自分の好きな山をみつける、いわば巡礼の山旅だったように思えてくる。百名山の存在が無かったならば、今は病みつきとなった北海道の山に登る事もなかったであろうし、九州の山を訪ねる事も無かったであろう。関東やアルプスの山から、足を踏み出す事は無かったかもしれない。山行の幅を広げる道標になってくれたのが、日本百名山だった。
日本の山の特徴は、四季の移り変わりが美しい事だと言われている。今回の至仏山でも、秋の紅葉と初冬の雪景色を見ることが出来た。今までは一度登った山を再び訪ねる事は少なかったが、景色が綺麗で違う季節に登ってみたい山や、山頂からの展望が得られなかった山は、再び訪ねもことにしよう。
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