【甲府北山】湯村山〜水ヶ森〜乙女高原〜塩平


- GPS
- 10:20
- 距離
- 22.8km
- 登り
- 1,893m
- 下り
- 1,095m
コースタイム
(市バス)塩平16:30→窪平17:04-17:25→塩山駅17:40
(国鉄)塩山駅17:45→甲府駅18:04
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年01月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
三連休だけどいろいろあって一日だけ山の日。冬でも雪の積もらない土地なので長距離遠足する。8世紀から修験の山として賑わった金峰山にいたる長大な前山を丸一日辿って、昔の人の気分を確かめる。湯村山の麓、6世紀のカムナ塚の自宅を暗いうちに出発。真っ暗な塩澤寺の御堂に手を合わせて入山。時々走るコースだから暗くても大丈夫。白山への登りで夜が明け、きらきら光る甲府盆地の上にきょうも素敵な富士山が。
白山の上ではオストラリア先住民の楽器ディジュルドゥを鳴らす御婦人と、トレイルラニンの人が数人。凍った千代田湖畔からは南アルプス茅ヶ岳に日が当たる。金峰の山稜から甲府まで伸びる尾根の末端のひとつとして、千代田小学校向かいの尾根がいちばんふさわしそう。道はないがユルいブッシュなので尾根の最大傾斜を行く。次第に道らしくなる。昇仙峡の近くなので時折風化したような花崗岩の崖もある。昇仙峡上のダムから帯那の集落に伸びる送電線をくぐる。持って来た五万の地図は古いので送電線が描いてある。今のには無い。「阿梨山」と山頂に小さな手描き看板、誰かが付けている。
帯那山南西尾根のco1300mの岡に、イスタンブルのガラタ塔みたいな楽しそうな建造物がある。一回りしたが表札が無いので、建設省か県か電電公社か防衛省かわからない。柵に囲まれていて、脇には喫煙所のためのあずま屋もあって、消化器まで据えてある。
ここから林道が帯那山に向かっている。手持ちの古い地図には描いてない。途中で車止めがある。
帯那山のジャンクションピークは芝生になっていて富士山がよく見える。日当りがよくひと休み。鉄コンの廃屋(推定1960年代築)は以前何に使っていたのかな。便所と井戸が隣りの部屋にあるけどこれは構造上まずいのでは。芝生周辺には2008年の植樹が多い。富士山絶景100選みたいなのを行政が指定して整備した模様。山の中に桜なんか植えて町の公園にしてしまう所が土建屋さんだ。富士山も、金峰山も見える良い所だ、車で来る人が多かろうが、それでは僕には価値がない。ここからは荒川水系と笛吹川水系の分水嶺を北上する。どこまでも行けば、奥秩父の稜線だ。
山頂からぼんり進んだら間違えて東尾根に向かってしまった。人造物がたくさんあるとその影響と思い込みとで地図読みが狂う。手持ちの地図には描いていない突然の林道にも迷い、この周辺で行ったり来たりして時間を浪費してしまった。
帯那山最高点は見晴らしの無いところだが、立派な看板があった。帯那山北の1400mのポコから東に屈曲する所から弓張峠までは延焼防止の伐開ラインか、歩き易い広い刈り分けが続く。
水森山南面は急な登り。本日一番の級斜面だが、特に苦労は無い。山頂でお昼に楽しみに持って来たカレーヌードルに魔法瓶のお湯を濯いで食べる。カトマンズの裏路地の香りがほんのり。しかし、山での行動食は3時間に一回少しずつ、というペースが基本なので、こんなに一度に食べると腹が膨れてなんだか山気分じゃなくなるのがちょっと難だ。
水ヶ森北の1500のポコ、東に折れる所を北に降りてしまう。みかけは自然に北へ向かう所で、50m降りて絶壁の上で間違いを確信して引き返す。踏み跡もあり、正しい東への下りは、一度間違えないと分かりにくい。地図読みとは、その場その場で場所が分かるのではなく、行き過ぎてみて分かる事も多い。林道が尾根を跨ぐ辺りから、尾根を行ったり林道を行ったりする。道はスケートリンクみたいに凍っているし、ブッシュも薄いから、くねくね行くよりも登ったり降りたりを選ぶ。・1412の南のところ、塩平に降りる新しい林道は、手持ちの古い地図にはまだ載って無かった。この辺で鹿撃ちの車が通る。今日見たのはこれ一台だけ。午前中、銃声を聞いた。
時間が足りなくなってきたので行くのは乙女高原までは難しそうだ。この季節は午後になるともう夕暮れ時の空気になる。たそがれ時の気配に押されて下山路を変更する。・1482の北北西1キロの所に黒平へ降りる、手持ちの地図に無いけど新しく存在する林道が分岐していて、その百米くらい北に手持ちの地図にはあるけど現実には見当たらない塩平への下降路があるはず。こりゃ昔の人が黒平から塩平に抜けた最短ルートだわ!ブッシュを漕いで沢底へ向かうとなんとなく踏み跡がある。堰堤を越えて降りる脇道の所が確かになるけど、ところどころ廃道だ。せせらぎの水をネコみたいに転がって飲む。日影の谷を下って行くと塩平の浄水場。林道の入り口は巨大な檻になっていた。
憧れの隠れ里、塩平は富士山を望む小さな盆地だった。寒い夕暮れ時だから、かまどの煙があがっているほかに人の気配無し。百圓のバスが来て、塩山へ降りる見晴らしの良い谷スジの集落、特に漆川あたりは凄く良い所だった。バスは真っ直ぐ降りず、なるべく人のいる村落の裏道ばかりをくねくね進んで行くのが良い。古い作りの家、旧正月が近いせいか、長い竹竿に色とりどりの色紙の飾りをつけたものが、集落の中心に建てられているのを何度も見た。鼓温泉で老婆二人を乗せ、横道で二人を降ろしたほかは僕一人。窪平(旧牧丘村中心)で山梨市駅行きバスを待っていたが、立ち位置が難しくてバスが向こうを行ってしまった。15分後に来た塩山行きに乗った。これも百圓。塩山ではすぐ汽車が来て20分で甲府駅へ。駅では遠くからきたワカさんと飲むことになっていて間に合った。
きょうの山域は奥秩父から甲府盆地へ緩かに下る長く幅広い山並の分水嶺で、脇にはあちこちに落ち武者隠れ里だったと思われる山間部落がたくさんあり、昔はそれぞれを繋ぐ峠道もたくさんあっただろう。今は自動車道路が通っているけれど、自動車で通り抜けても何も見える事がない。昔は峠を越えれば人にもあったろうが、今は誰に会う事も無い。山間の集落も、よろず商店などは凡て店をたたんでしまっていた。
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毎週土曜日、緑が丘スポーツ公園から白山までトレランしてます。ヤマレコユーザはnori3さんやpatagonianさんなどいらっしゃいます。
この日白山から阿梨山を絡めた里山散策を計画してましたが、前日気が変わって御坂山塊主稜の縦走をしてしまいました。予定変更してなかったらきっとどこかでお会いしてたと思います。
yoneyamaさんと同じく千代田小学校向かいの尾根からの入山が良かろうと思っていたのですが、ブッシュの程はいかがでしょうか?
qwg01230さんこんにちは
ブッシュは大した事無いので、最大傾斜方向に適当に登るうち、踏み跡のようなものに変わりました。上へいくほど道明瞭ですが、道の入り口など、取り付き点には何もありませんでした。どなたかのお宅の敷地らしいところの左側から取り付きました。
地形図で見ると帯那集落の奥からも二本、道記号がありますね。どこからでも行けそうでしたよ。でも、地形図的には、この尾根末端から取り付きたくなりますね。この山域は住処から近い、良い山ですね。
湯村〜白山あたりは平日の朝含め、きまぐれで歩いています。そのうちお会いするかもしれませんね。いろいろなルートがありそうで、おいおい参考にさせてください。甲府在住まだ半年なので、研究心湧いています。
こんばんは
塩平から、バスに乗られたのですね
あのバスって結構、飛ばしますよね
100円は嬉しい
アラゲンさんバスが無くて、塩平から先随分歩いたのでしたよね。アラゲン記録読んで、16時半のバスだけは逃さぬようにしましたが、あのバス路線を歩いて下るのもかなり楽しそうですね、一日じゃ無理ですけど。百圓で乗れる、甲府市立動物園の遊園地の子供汽車と同じくらい値打ちがありました。
情報ありがとうございます。
ブッシュも大したことがないとのこと、ぜひとも尾根の始まりから登りたいと思います。
民家敷地の脇からのアプローチ了解しました。
私も山梨転勤組ですが、会社も辞めて永住を決め込んでます。近県含め、未知のコースがたくさんあるので一生楽しめると思います。
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