金糞岳、雪山検定 (岳連指導員養成研修─

- GPS
- 12:33
- 距離
- 21.0km
- 登り
- 1,376m
- 下り
- 1,364m
コースタイム
11:10 高山キャンプ場(300m) 出発 鳥越林道を進む
13:45 小森口(650m) 中津尾根に取り付く
15:15 連状口(960m)の直下にてツェルト泊
整地、ツェルト設営、水造り、夕食、就寝
●2/10
05:00 起床、朝食、ツェルト撤収
07:27 出発
08:47 小朝の頭(1120m)
10:26 金糞岳(1317m)-10:33
ホワイトアウトにつき花房尾方面に進まず、ピストンすることに
11:35 小朝の頭
12:20 連状口の直下
弱層テストトレーニング コンプレッションテスト
雪洞作成、水造り、夕食、就寝
●2/11
05:00 起床、朝食、準備
08:10 出発 中津尾根を下る
08:55 小森口
11:40 高山キャンプ場
-
| 天候 | 3日間とも 雪 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2013年02月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
●去年に比べて、今年の雪の量は少ないですが、ワカンでも30cm程度はもぐり、かつ、この山はマイナーなので、オールラッセルを覚悟しなければなりません。実際、今回はその通りでした。 ●以下の説明に出てくる地名などは、3枚目の写真の案内図を拡大などして確認してください。 ●1泊目の予定は、小朝の頭周辺でしたが、小森口までの長い林道歩行に時間を消費してしまって到達できず、かなり手前の連状口下でツェルト泊となりました。ツェルト泊は今回の検定課題であり、シュラフ禁止でアタック装備だけで泊まれというものでした。雪洞も許されず、一晩中寒くて眠れずに震えていました。まあ、『指導員になるのなら、こういったビバーグも経験しておけ!』という意味だろうと最初は少し疑問を感じていましたが、経験すれば自信に繋がり、今ではやってよかったと感じています。 ●ほとんど眠っていない状態で、翌日は金糞岳まで登りましたが、中津尾根を登るこのルートは、景色の展開がおもしろくて、大変素敵なコースだと思いました。今回は雪で天気が冴えない状態でしたが、それでも満足できたので、もし天気が良かったらさぞ素晴らしいルートなんだろうと思います。 ●予定では金糞岳山頂から花房尾方面に進んで一周するコースだったのですが、広い山頂では風雪が強く、少しホワイトアウト状態だったので、登ってきたルートをピストンするルートに変更となりました。 ●連状口まで戻って、昨晩と同じ場所で泊まることになりましたが、まだ時間があったので、弱層テストなどの講習をおこなっていただきました。コンプレッションテストの方法や雪の性質について徹底的に説明してもらいました。 ●講師テントでの夕食時には、講師持参の銘酒(冨田酒造の七本槍)でねぎらっていただきました。講師は、なんと五合瓶を瓶のまま2本も持参されておりました。これは見習わなければなりませぬ。持参された酒は発酵中のにごり酒で、一定の圧力でガスが抜けるように特殊なフタがついていました。 ●今晩は雪洞を掘ることや、シュラフの使用が許されました。シュラフがあるとぐっすり眠れました。雪山でツェルトや雪洞で泊まることにかなり自信がつきました。こんな機会でもないと、雪山でのツェルト泊などは絶対にしなかったでしょう。 ●翌日はさらに雪が積もっていて、昨日登ってきた我々のトレースは完全に埋まっていました。交替でラッセルして下りました。ワカンで足を持ち上げる筋肉が悲鳴をあげていました。もともとワカンは苦手だったのですが、これからも苦手になりそうです。(笑) ★★★以下、自らのための覚書です。ご了承願います。★★★ ●弱層テストにおいて、ハンドテストはもうあまり実施されず、もっぱらコンプレッションテストのほうが実施されている。スクラムジャンプテストは人数が必要な上、環境準備が大変なので、これまた実施されない。 ●ツェルトを張るときは、木と木を結んだ線で線対称になるように、まず底面の四隅を決めて固定してから、そのあとで上に持ち上げていくこと。この場合、竹ペグは最低4本ですむ。木ではなくストックで立てる場合も四隅は同様。ストックは長めにしてツェルトから30〜40cm離して立てるのがコツ(特にF社ツェルトの場合)。ストックの場合は竹ペグが最低8本必要。ツェルトの周りは少し掘り込んでおく。このように張っておくと少々の雪が降っても大丈夫で、テントよりも強いぐらい。また、シングルウォールにもかかわらず、F社のツェルトは雪山でもあまり結露せず優秀だった。 ●雪洞を掘る場所決めには、プローブをつかって、深さや奥行きを調べる。 ●雪洞はT型が基本で、胸あたりが出口に来るのが良い。底面は、出口より雪洞底面が少し高くなるようにする。そうそれば、暖気が溜まり、冷気は流れる。また、ローソクは単に明かりや暖かくする為ではなくて、酸欠していないかどうかの基準になるので、起きているときは灯しておく。寝るときはツェルトで出口を完全に塞がないようにする。上部に喚起穴を作成するのが望ましい。 ●ワカンのひもの結び方は、最初に前を通していく方法と、斜め後を通していく方法の2つあるが、最初に前を通したほうが、ずれにくいという意見がある。下面のヒモは、登山靴の土踏まずの部分からずれない様に常にそのテンションに注意する。 ●なだれの危険のある場所を通過する場合は、1人ずつ急いで通過し、他のものはこれを監視する。ザックの腰ベルト、胸ベルト、ストックの輪、ピッケルの輪などはすべて外して万一に備えること。 ●雪庇の出ている稜線は、今回は植生を参考にして進む。これぐらい控えれば大丈夫だろうといった認識で進むと、大日岳の様な事故につながるから注意がひつようである。植生の無い稜線では、何らかの客観的事実を掴むように努める。 - |
写真
感想
●今回の山行で指導員養成研修の実習や検定は終了となり、あとは論文提出(400字詰め5枚も!)が残っているだけです。いろいろ大変なこともありましたが、個人山行や、ふだんの会の山行では経験できないような貴重な体験ができ、知識や経験などが以前とは違うような人間になったような気(錯覚かも?)がします。いわゆる、一皮むけた・・・というやつです。まだ、検定結果はわからないですが、結果がどうであれ、自分にとって大変ためになったことだけは間違いありません。また、山友達が増えたことも、自分にとっておおきな財産となりました。
●もしこの指導員養成研修を検討されておられる方がいらっしゃいましたら、是非おすすめします。いま日本の体育教育界は、暴力問題で揺れています。暴力を伴った指導は、強い縦社会の環境において実施されがちで、このなかに信頼関係が伴わない場合は、問題としてすぐに顕在化します。今回の研修はこういった問題とは無縁で、講習生の個性というものをかなり尊重したカタチで進めていただけました。単に山での技術向上にとどまらず、受ける側の取り組み方次第では、自分の器(うつわ)を拡げる一助にもなるかと思ったほどでした。各都道府県の山岳連盟で実施されているようなので、ご興味のある方はHPを覗いて見てください。この資格はスキーやサッカーの指導員と同様に文科省認定のものです。
大阪府山岳連盟のはこちら
http://sangaku-osaka.com/sidou/12/sidouin/12sidouin.html
P.S
講師を筆頭に、こののん兵衛サマご一行は、帰りがけに、木之本の冨田酒造に立ち寄り、たくさんの七本槍を仕入れたことは言うまでもありません。私は、サラダパンで我慢しました。
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くまさん、生存確認いたしました
心配していたのですよー。
それにしても大変な検定お疲れ様でした。
下山後の整理整頓洗濯乾燥記録アップを終えて
美味しい
一杯やられているのではないでしょうか。
山の名前、知っている漢字ですが、果たして。。。?
声を出して読む勇気がありません
壮絶な講習内容よりも、このオシャレな山名に心惹かれてしまった、幼稚園児並みの感性のkanosukeです、こんばんは
速攻でWikiってみましたが「かなくそ」または「きんぷん」って読むんですね。
私の行きたい山リストに入れさせていただきました
山名を見て思い出したのが隅田川沿いにあるアサヒビールのビル。金の泡を模したでかいオブジェが屋上に設置されてて私は「金のウ○コビル」って言ってました。
どうでもいい話はさておき、
今回の講習はすさまじいですね
内容も気候もハード!
ツェルトでシュラフなしのビバークとは!
私の受けた雪山講習が子供だましに思えます。
気温は何度ぐらいだったんでしょう?
眠れぬ夜を過ごして翌日の行動は大丈夫でしたか?
私も同じF社のツェルトを日帰り山行のときに持参してますが、まだ未使用で、一度も張ったことがありません
やはり低山あたりで一度試したほうがいいのかな。
でもシュラフは使いますけど
指導員になるのも大変ですね
クマさんの講習を見ていると指導員になる一番必要な資質ってドMなんじゃないかと思ってしまいます。
私は講習で死んでしまいそう。
これで指導員講習は修了のようですが、クマさんなら間違いなく合格でしょう
次は久しぶりのプライベート山行ですかね。
ドMなレコお待ちしております
最後までじっくり拝読・・・
フムフム・・・非常に興味深かったです
それにしてもシュラフなしでのビバーク・・・
コレは凄い!!
指導員になる為には論文
この時点で私にゃ無理だぁ・・・
しつこく繰り返しますが、是非、我が家の小娘にご指導のほどを・・・
さくちゃん、捜索痛み入ります。
でも、ヤマレコ訪問やUPは、ボクの場合、結構いきあたりばったりなので、お許しを!
金糞岳と書いて、”かなくそだけ”もしくは”きんぷんだけ”と読みます。
金糞とは、鉄鉱石から鉄を精錬したときに出る比重の高い精錬カスのことで、
変な意味
このあたりで、鉄鉱石が採れ、製鉄するための窯などがあったんでしょうね。
P.S 3/7からしばらくカナダへとんづらします。
カノスケさん、
大昔、浅草観光へ行った時、僕もあの巨大ウ○コを初めて見て
あの会社のセンスを疑いましたね。
でも、金糞岳は上記の様に由緒正しきお山なので、
想像たくましく、誤解されないように!
ツェルトビバーグしたときの夜の気温はマイナス7〜8度だったと記憶してます。
最初は、南八ヶ岳の予定だったのですが、
講習生みんなで団体交渉
F社のツェルトはダイニーマで補強されていて強度があるし、
何よりも結露が少ないのがいいですね。
でも、下底に比べて、上底がかなり短いので、
このとり扱いが、使いこなすコツでしょう。
すくなくとも、事前にテストしておくことは絶対に必要です。
ぼくは、底面の8箇所と上面の2箇所にゴムひもをつけましたね。
指導員であろうが、なかろうが、
ドMなカナダレポート、期待しておいてください。
まあ、生きて帰れたらの話ですがね・・・
http://www.yamareco.com/modules/diary/1884-detail-46062
クマ
おとうさんのレポートでいつもなごませてもらってる身にとっては、
じっくり読んでいただくことは無上の喜びであります。
論文だめなんですか?
ヤマレコ調に、『・・・っす!』でいけばいいっすよ!
んなわけないか
ウタちゃん、オトちゃんの指導するには、
こちとらの体力が自信ないっす!
クマ
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