乳頭山〜大白森〜八瀬森〜三ツ石〜滝ノ上温泉◆.マに出会ってしまいました
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- GPS
- 16:10
- 距離
- 39.7km
- 登り
- 2,461m
- 下り
- 2,456m
コースタイム
- 山行
- 6:06
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 6:49
- 山行
- 8:39
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 9:12
天候 | 2日間とも穏やかな天気でした |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
田代平〜大白森湿原まで泥濘箇所多数。刈り払いが行われており、7月より藪の箇所は少なくなりました。関係者の方々、ありがとうございます。 |
写真
感想
滝ノ上温泉から7月は三ツ石から左回りで。3週前は乳頭山から右回りで。このコースに妙に魅かれ、今回3回目。登りながら、「純烈やヨン様の追っかけ女性と似たようなものだ」と苦笑い。昨日、西高東低のお天気で降った雪を踏みしめながら進みます。乳頭山はたくさんの人。3度目で一番展望が効く。気持ちよく進みました。
小白森湿原から下り大白森との鞍部。ブナの落葉を踏みながらルンルン進むと、登山道の真ん中に黒いものが。一瞬「?」→「牛か?」(前日、たまたま牛の写真を何枚か見たので)
「いや違う。ここに牛がいるはずがない…。ありゃりゃ、出会ってしまった…。大きいぞ」
まったく動く気配がない。でっぷりと太っている感じ。こちらを少し見た。距離は25mほど。
「どうする?」次の瞬間、体を半身にして目をクマに向けたまま後ろに下がる自分がいました。少しカーブした視界からはずれるかどうかの場所でチラチラ相手を伺います。カメラを取り出し、また伺うと姿はありませんでした。引き返そうか考えましたが、とりあえず鈴、笛、近くにあった枝、吠え声で激しく音を鳴らす、騒ぐ。それを数分。(だと思います。詳しくはわかりません)
意を決して騒ぎながらクマが居たポイントを通過! 心臓バクバク! 早足で遠ざかります。
30秒もしないうちに人の声。男女5人の方。「クッ、クマが居ますっ!」と話しかけます。「すぐそこ、50mもないかも」と30秒ほど話し、女性の方がホイッスルを吹きました。すると「ドドドッ」という音。逃げて行ったのでしょう。
つまり私が通過した時、5人の方と話し始めた時も近くにいたのです。それが怖かった。
焼石岳〜経塚山の稜線でクマの音を聞き、ホイッスルをけたたましく鳴らしたら、すぐに「ドドドッ」と逃げて行ったことがありました。今回はあれほど騒ぎ、ホイッスルも鳴らすだけ鳴らしたので遠くに去ったと思っていましたが、近くにいたようなのです。
7月左回りの時、三ツ石山荘で出会った男女お二人から「小白森の熊は賢かった」と聞きました。ザックを置いてタケノコを取りに行ったら弁当だけが食べられていた、ということでした。(弁当をザックから出していたのか、内に入れていたのを取り出されたのか等の詳細はわかりませんが) 今回の熊だったのかはわかりませんが、個体の行動には違いがある。少なくとも、ホイッスルをけたたましく鳴らしてもすぐに遠ざかる熊ばかりではない、ということがわかりました。
2日目、ルート最深部も糞、足跡、掘った跡、曲崎山頂上から延々と続く足跡等、痕跡多数。関東森を過ぎメイン縦走路への登り途中でようやく痕跡が消え、緊張感から解放されました。人間の登山道はクマにとっても歩きやすい道のようです。彼らの生活域に踏み込んだ「こんな私がバカなのね」と思っています。こんな状況でも、ちゃっかりキノコもゲット(クマに出会う前でしたが…)。 初冬の最深部を満喫、いや満喫しすぎちゃった山旅でした。
コメント
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三回も単独行で歩かれるのは山ヤとしての矜持を持ち合わせていると感じます。無事ご帰還何よりです。
「私バカよね〜 おバカさんよね〜♪」てな感じです。でもあのウィルダネスを経験すると、また行きたくなっちゃったんですよね。来年はどんな気持ちになるか。また行きたいと思うか…。yousakuさんも、よろしかったらどうぞお試しあれ! その前に足を完治されて八甲田でお会いしましょう。
私が行ったときは10時間藪漕ぎと熊のうんこだらけで、二度と行くまいと心に誓ったのですが、今は刈り払いされたのですね。
残雪期なら展望があって良さそうなので、チャンスがあれば行きたいところです。
そうですか、oyamaさんも以前行かれたことがあったんですね。想像通り大白森山荘から八瀬森山荘までの最深部が、糞、足跡、堀った跡が多かったです。7月よりも秋田側が刈り払いが行われ歩きやすくなっています。歩くこと自体は以前より楽になったと思います。ただクマがね〜。
楽しそうなルートと非常に興味深い熊との遭遇記、
とても面白く拝見しました。
実は私もちょうど2週間前に乳頭〜笊森山間の稜線で熊に遭遇しました。(その時のレコの感想に詳しく経緯を書いたのでよかったらご覧ください)
1度目の鉢合わせでかなり騒々しく追い払ったにもかかわらず、
その直後に再び至近距離にいる熊を見て、(なぜまだ近くにいるんだ)と驚きました。
読んでいて、その時の状況とひじょうに似ているなあと思いました。
ドドドッという逃げていく音の表現、その時の実際の音が脳裏に蘇りました。
本当にそんな感じの慌ただしい足音ですよね
コメントありがとうございます。ビデオを拝見しました。走り去っていく様子を見ると、クマもあわてていたようですね。私の場合は、出会うまでほぼホイッスル吹きまくっていたにもかかわらず、目の前にいたことが驚きでした。「こんなにピーピー鳴らしていたのに伝わってなかったか〜」 今まで見た中で一番大きかったこともあり、パニックでした。
ネット等見ると、里の畑や密集地まで徘徊する人間慣れした熊と、人間と出会うと逃げていく熊の2種類いる、というような記事もあります。今回出会った熊がどちらかはわかりませんが、glideさんが書かれているようにこちらの存在を教えるということが基本ですよね。
これまでの経験で、熊の吠え声や「ドドドッ」と逃げていく時の地鳴りは文章では表現できないほどすごいものだと感じています。音の源が点ではなく、地面全体から出てくるという感じです。また、一人で歩くことは、出会う前の音や存在感の発信、出会ってからの対峙等からみると、熊対策としては最大の弱みだと思っています。今後はなお一層、彼らの生活圏に立ち入っているという気持ちを忘れず、でも対策はしっかりとして歩きたいと思います。熊情報ありましたら、また教えてください。
興味深いお話をたくさんありがとうございました。
人間慣れした個体は確かにいても全くおかしくないですよね。
私はついついクマ贔屓をしてしまい、熊は臆病で可愛いと思いたくなってしまうので、
意外と図太い神経の子もいるのだと肝に銘じて油断を怠らないようにしようと思いました😃
私がもし1人で出会ったら腰を抜かしたと思います。
やはり熊と人間お互いのためにも出会わない為の対策が1番大事なのでしょうね😌
ありがとうございました!
先日、袴腰岳に行き
100円ショップで買ったおもちゃピストルの発砲実験、発砲後火薬のにおいを体にすり込む、100円ショップで買った100デシベル程の防犯ブザーを実験、もっと音量が大きく遠くにまで響くクマよけベルを探す、等を試行・模索しました。
有効な手立てがあれば、今後もご教授ください。ありがとうございました。
音の通る鈴、玩具火薬銃、防犯ブザーは以前私も三種の神器として持ち歩いていました😄
火薬銃はお手軽で本当に心強いですよね
火薬の臭いは間違いなく周辺に漂うでしょうし、あの音なら確実に聞こえるはず
防犯ブザーも大きな音が出るタイプならかなり有効だと個人的には思っています!
なにしろ自然界には存在しない人工的な音ですからね、驚かない動物なんていないはず😉
熊の気持ちになってみると、なんとなく彼らが嫌がる音ってわかるような気がするんですよね…🙂
そういえば、先日山仲間が熊対策用に阿仁村でナガサと熊追い鈴(なんと、5000円!)を買ったそうです
ひとつずつ音色が違うのだとか…
今度会った時、鈴の音色聴かせてもらい、感想またご報告しますね!
ちなみにここです
https://matagi-nagasa.jp/phone/index.html
あと、私が愛用している鈴はこれです
https://highmount.jp/list/product/magic-bell/
こちらもかなり良く通る音でウルサイですが、消音もできるので重宝しています😄
教えていただいた2件、拝見しました。初めてのサイトで、このような物とそれを作る人たちがいることを初めて知りました。“ナガサ”はマタギが経験の中で生み出した独自の道具なのでしょうね。とても興味深かったです。
今回の山行経験でクマ対策について深く考えるようになりました。おもちゃ鉄砲や防犯ブザーは一見、安直かな〜 と思ったのですが、クマに出会ったあの経験を思うと何でも試してやれと気持ちは本気でした。来春に向けていろいろ勉強し、試行していきたいと思います。それにしてもglideさんはいろんなことを知ってますね。本当に勉強になりました。また教えてください。
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