ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 3057002
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

南ア・地蔵尾根から仙丈ヶ岳往復

2000年10月14日(土) ~ 2000年10月15日(日)
情報量の目安: A
都道府県 山梨県 長野県
 - 拍手
GPS
32:00
距離
26.9km
登り
2,393m
下り
2,398m

コースタイム

1日目
山行
3:56
休憩
0:35
合計
4:31
12:17
6
駐車場
12:23
2
孝行猿資料館
12:25
12:28
21
分岐
12:49
3
登山道入口
12:52
23
猿孝行碑
13:15
13:25
6
水場
13:31
31
林道横断
14:02
8
車道出
14:10
5
登山道入
14:15
25
車道出
14:40
14:52
3
14:55
57
登山道入
15:52
16:02
29
休憩
16:31
12
・2,087 m
16:43
5
松峯小屋分岐
16:48
2日目
山行
8:02
休憩
2:03
合計
10:05
6:21
7
6:28
53
松峯小屋分岐
7:21
7:31
61
休憩
8:32
8:42
60
三峰川源頭
9:42
9:52
10
休憩
10:02
12
10:14
10:34
7
10:41
46
11:27
7
三峰川源頭
11:34
11:44
60
休憩
12:44
12:54
8
休憩
13:02
4
松峯小屋分岐
13:06
13:39
7
13:46
13
松峯小屋分岐
13:59
40
・2,087 m
14:39
14:49
20
休憩
15:09
2
車道出
15:25
3
登山道入
15:28
4
車道出
15:32
9
登山道入
15:41
2
林道横断
15:43
15:53
12
水場
16:05
2
猿孝行碑
16:07
12
登山道入口
16:19
1
分岐
16:20
6
孝行猿資料館
16:26
駐車場
天候 曇り
アクセス
利用交通機関:
自家用車
柏木登山口より先の集落の外れに駐車。
甲斐駒ヶ岳
仙丈ヶ岳頂上
仙丈ヶ岳頂上から甲斐駒ヶ岳
仙丈ヶ岳頂上から甲斐駒ヶ岳
鋸岳の奥に八ヶ岳連峰
鋸岳の奥に八ヶ岳連峰
鋸岳の奥に八ヶ岳連峰。北アルプスはみえず。
鋸岳の奥に八ヶ岳連峰。北アルプスはみえず。
奥秩父方面
早川尾根から鳳凰山にかけて
早川尾根から鳳凰山にかけて
北岳は雲のなか
北岳から間ノ岳までの稜線
北岳から間ノ岳までの稜線
塩見岳方面
孝行猿の遺跡

装備

個人装備
長袖シャツ Tシャツ ズボン 靴下 防寒着 雨具 着替え ザック ザックカバー 行動食 非常食 調理用食材 調味料 飲料 ガスカートリッジ コンロ コッヘル 食器 調理器具 ライター 地図(地形図) ヘッドランプ 予備電池 ロールペーパー 時計 タオル カメラ ポール テント テントマット シェラフ

感想

 南アルプスの仙丈ヶ岳というと、今やすっかり殆どのひとが南アルプス林道を使って北沢峠から頂上まで往復する『日帰りの山』に堕してしまっているが、西側の地蔵尾根からの道は、麓からの高度差が2,200 m 近くあるがゆえに皆から敬遠され、歩くひとが少ない玄人好みのルートとして知られている。北沢峠から頂上往復とは、この『南アルプスの貴婦人』と呼ばれる名峰に失礼だと思うので、この地蔵尾根からのルートで仙丈ヶ岳に登ってみた。
 富山からクルマで安房峠を越え、塩尻に出て、国道153号線、国道361号線を経て秋葉街道(国道152号線)に入る。ほんの4ヶ月前に風巻峠登山で来たばかりの道を走り、長谷村市野瀬に到着。クルマを駐める適当な場所が無いので、三峰川を渡り、柏木の集落へのヘアピンカーヴを登る。柏木の集落を過ぎたところを流れる沢の手前に駐車スペースがあったので、ここにクルマを駐めて荷物を担いでいざ出発! 柏木の集落まで戻る。柏木の集落への道に『孝行猿資料館』への案内板が幾度も現れてたけど、その『孝行猿資料館』を過ぎる。『孝行猿資料館』は一般民家がやってる資料館なので、駐車場があるといえども登山目的のひとは駐車を御遠慮下さい(笑)。孝行猿の碑への道がそのまま仙丈への道なんだけど、『孝行猿の碑近道』の標識に導かれて畑のなかの道を行くと、とおせんぼするかのように足元に針金が張り巡らされている。「ここ、歩いちゃいけないのか?」と思い、元の分岐に引き返して、車道経由で『孝行猿の碑』を目指す。やがて着いた林道ゲートでも針金が張り巡らされている。ここの説明文によると夜間電流を流してるらしく、どうもシカやカモシカによる食害対策らしい。さっきの近道にあった針金もそのような目的のもので、またいで先に進めばよかっただけのハナシだった...。林道経由で大廻りして、『孝行猿の碑』への歩道に入る。すぐに『孝行猿の碑』があらわれたけど、先を急ぐ。『孝行猿の碑』から40分ほどで沢に出くわす。ここで水の補給と休憩した後、行動再開すると、すぐに林道を横断。ここの林道横断点は向こうに登山道の続きが見えるから迷うことはないだろう。問題はここから。異様に倒木が多くなってくる。倒木に正規の登山道がふさがれ、思い思いに踏み跡が発達してるため、解りづらい。途中で道を見失い、かすかな踏み跡を拾って登って行く。ゲッ! ホントに道見失ったよ!とパニックに陥りそうになるが、耳をすますとクルマや単車が走るエンジン音が聞こえるではないか! 最後はその音の聞こえるほうにヤブ漕いでいって、林道に出た。林道を歩いてると向こう側から軽トラがやってくる。なかから地元民が顔を出し「仙丈まで行くの? 何10 km もあるよ」などと言う。まるでこのルートからは仙丈には登れないと言わんばかりの口ぶり(苦笑)。地元民の情報は貴重だけど、地元のひとがみんな山の情報に詳しいとは限らないから、そのまま林道を歩いてると、ありました! 登山道の入り口が。そこにはツーリングに来てるバイク軍団が居て、私の姿を見てリーダーらしきひとがポツリと言った。「歩いて来てるひとにくらべりゃあ、俺たちラクだよなあ」...。入り口から登山道に入ってくと、やがてまた林道に出る。この山道は林道のヘアピンカーヴ部分を短絡する役目しかないようだ。また林道の歩きがしばらく続く。歩いても歩いてもなかなか登山道の入り口が出てこないので、水が流れてるところで休憩。ここからまた歩き出すと、3分でようやくあったよ、登山道の入り口が! ここから登山道に入る。かなり鬱蒼とした暗い林の中の道。シカの鳴き声が聴こえる。この登山道、倒木が多いのは麓の頃からそうだったから今さら驚かないけど、よほど歩くひとが少ないらしくクモの巣が発達してて鬱陶しい。 松峰の西側あたりで10分間休憩。地形図上の・2,087 m を越えて、後は松峯小屋分岐まで下るだけ。だけど、気が急いてるせいかなかなか松峯小屋分岐にたどり着かない気がした。松峯小屋分岐から松峯小屋へ下る。16:48、松峯小屋到着。松峯小屋は20人くらいは泊まれそうな小屋。倒壊寸前の小屋だった場合を考えてテント一式持って来たけど、現状なら不要だった。採光口が少なく、暗い小屋だけど。問題は、水場が遠そうなこと。秋の17時前といえばもう薄暗く、水を汲みに行く時間がない。水のことはある程度かついで来てるから今晩の分は心配ない。松峯小屋には有志がくみあげてきた水がペットボトルに入って置かれていたけど、これには手をつけなかった。食事が終わったら早々に就寝。
 翌朝は6:21に松峯小屋を出発。テントや寝袋など、不要な物は小屋に残しての行動。6時前には小屋出たかったんだけど、なかなか朝は予定どおりに行かないね。松峯小屋から元の分岐に戻り、地蔵尾根コースを行く。いきなり倒木だらけで道を見失う。あまりの倒木と迷い易さに、仙丈の頂上から北沢峠に降りようか...と考えたくらい。だけど、松峯小屋に荷物を残して来てるからイヤでもこの道を戻らなきゃいけない。「このコースは北沢峠からのルートがメインになるまではよく歩かれてた道なんだ」と自らに言い聞かせると自然とルートが見えてきた。薄暗い林の中の登山道を登っていくと、知らぬ間に地蔵岳の北面を巻き、ガイドブックには展望台と書かれてる見晴しのいいところに着いた。2ピッチ目で三峰川の源頭にあたる・2,422 m に到着。ここでこの日2回目の休憩。さらに登り続けると森林限界を越える。天気予報は「晴れ」だったハズなのに雲が広がり、いつ雨が降り始めてもおかしくないような空模様。目の前には仙丈ヶ岳の稜線が広がり、その上を歩くひとの姿も見える。あちらからも私の姿が見えてるハズだけど、みんな気付いてるだろうか? 仙丈を目前にしたところで休憩。歩き出すとすぐに馬ノ背からのルートに合流。すぐ下に新装なった仙丈小屋が見える。今まで誰ひとり登山者と遭わなかったけど、ここからは登山者だらけだ。合流点から12分、10:14、登山者でにぎわう仙丈ヶ岳頂上に到着。
 相変わらず天気は高曇りで風が冷たい。甲斐駒方面は雲はかからずよく見えたけど、北岳の頭の部分だけは雲がかかっていた。それにしても風が冷たい。寒いので20分で頂上を後にした。ハラへったから、インスタントラーメンでも食べたいと思ったけど、水が無い。仙丈小屋まで降りて水をもらうことを考えたけど、仙丈小屋から分岐点まで登り返すのが勿体無くて、ヤメにした。分岐から一歩地蔵尾根コースに入った途端、また静かな自分だけの世界に戻る。来た道を戻るだけだから気がラク。三峰川源頭(・2,422 m)を過ぎたところで下りで1回目の休憩。次のピッチでは松峯小屋の近くまで降りて休憩。まさかこんなところまで降りてるとは思わなかったから休憩したんだけど、もし小屋の近くまで降りてるって分かってたら勿論、小屋まで降りた(笑)。13:06、松峯小屋着。ここでインスタントラーメン作って遅い昼食摂ったんだけど、水がないので小屋備え付けのペットボトルの水を使わさせてもらった。どうもありがとうございました。
 13:39、松峯小屋発。途中10分の休憩挟んで15:09には林道に出た。林道をしばらく歩いてヘアピンカーヴ短絡路に入り、また林道に出る...登りの時とはまったくの逆だけど、ここから登りの時に迷いムリに車道に出た地点にかかる。まさか登り時の逆でヤブの中に突っ込んでいくワケにもいかないし(笑)。林道を歩くとやがて登山道の入り口があった。ここから登山道に入って下ると大きな倒木が現れた。この倒木を迂回する形で道がついてたんだけど、こここそが登りで道を見失った地点。まさか倒木を迂回する道が付いてるとは思わずに、右手側の踏み跡に入っていったんだっけ。こうして登りの際の『謎』が明らかになったところで道をなおも下ると、林道を横断。登りの時と同じように沢で休憩。10分あまりで孝行猿の碑に到着。林道終点からは登りの時の林道経由ではなく、登山道経由で下る。最後は電流流れる針金をまたいで畑のなかに出た。孝行猿資料館の前を過ぎてクルマの駐めてあるところに向かう。本来なら登山者が通るワケない道を私が歩いてるものだから、道間違えたとでも思ったのだろう、親切な村の民が「どこへ行きなさる?」と訊いてきた。ここでは素直に「アチラにクルマ駐車してるもので...」と答えた私。16:26、クルマのところに戻る。
 スリルのある登山...と聞いて、怖い岩場の登り降りのある登山を思い浮かべるひとは多いと思うけど、今回の登山は別の意味でスリル満点だった。道に迷わずに無事に帰ってこれるか否か...というスリルが満ちあふてれたよ、このルート(笑)。そんなルートを無事行って帰ってこられて実に満足。こんなに充実した登山は久しぶり。槍平から槍登るよりもこちらのほうが数十倍面白かった。ああ、サイコウ。柏木集落からクルマで国道152号線に出たところ、もし北沢峠へ下山してた場合に乗ってたハズのバスとすれ違った。北沢峠へ降りるよりも早く帰って来たじゃないか!...と倒木だらけの道に辟易してたひところの弱気さはどこへやら。あ〜、痛快! この日投票日の長野県知事選で田中康夫が当選してさらに痛快!(笑)

(当時の『Running Up That Hill』の記事をほぼ原文のまま編集)

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:110人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら