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記録ID: 344651
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アルパインクライミング
積丹・ニセコ・羊蹄山

烏帽子岬ピーク「白岩シャフト」

2013年02月17日(日) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
0m
登り
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下り
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過去天気図(気象庁) 2013年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
2013年02月17日 08:53撮影 by  DSC-HX7V , SONY
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2013年02月17日 10:07撮影 by  DSC-HX7V , SONY
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2013年02月17日 10:24撮影 by  DSC-HX7V , SONY
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2013年02月17日 10:29撮影 by  DSC-HX7V , SONY
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2013年02月17日 10:45撮影 by  DSC-HX7V , SONY
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2013年02月17日 11:44撮影 by  DMC-FT20, Panasonic
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2013年02月17日 11:49撮影 by  DMC-FT20, Panasonic
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2013年02月17日 13:29撮影 by  DSC-HX7V , SONY
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2013年02月17日 13:42撮影 by  DMC-FT20, Panasonic
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2013年02月17日 14:01撮影 by  DSC-HX7V , SONY
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2013年09月18日 16:57撮影 by  DSC-HX7V , SONY
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2013年02月17日 14:28撮影 by  DMC-FT20, Panasonic
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2013年02月17日 16:29撮影 by  DSC-HX7V , SONY
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2013年02月17日 16:58撮影 by  DSC-HX7V , SONY
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2013年02月17日 17:02撮影 by  DSC-HX7V , SONY
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撮影機器:

感想

 昨年発見し、最高のドキドキ、ワクワク感と共にトライしたこのルート。クラックを登り氷に達し、氷柱からスクイズチムニーにまで狭くなる氷の凹角を喘ぎながら越え、ハングしたつららをアドレナリン大放出で越えていったが、抜け口の傘が巨大洞穴状となって立ち塞がり追い返されたものだ。この一年間私にモチベーションを与え続け、仕事中にふとニヤニヤしたり、夜な夜なアックスを持って外の木にぶら下がったりと、周囲から変態扱いをされてしまうまでにさしめたやつである。
 今季三度の偵察を経て、いよいよ再挑戦する時がやってきた。

 ところが前日からの大雪の影響で我らがゴーカートはいきなりスタックし、幸先の悪いスタートとなる。さらにはアプローチの高波がまだおさまらず、長靴とレインパンツを連結して突っ込んでみるが、こりゃ無理だと引き返す際に波しぶきをざばんと浴びて浸水し、もうさんざんである。しかし今回はなにがなんでも登る気で来た。あきらめず山越えの迂回路を探る。民家に了承をいただいて裏手の鉄板橋から山に入る。スノーシューで尾根を越え、白岩ディジグネーターの左岸のリッジをアイゼンで下って海岸に出る。いよいよルートが近づいてきた。氷の発達はかなり良いようで太く、抜け口の傘も問題なさそうに見える。徐々に胸が高鳴っていく。期待感と、少しの恐怖感。
 ルートはまさに海から始まる。ルンゼの雪が波に削られてできた垂直の雪壁を右手の岩を使いながら這い上がる。まるでベルクシュルントを越えるかのようであり、見上げる大岩壁と氷も迫力があってここは海外かと錯覚する。ルンゼをラッセルし、氷の取り付きに着くと、三方を塞がれた素敵空間だ。発達した氷は前回登ったクラックを塞いでここまで達し、チムニーは垂れ下がったつららに覆い被されて行き止まりとなっている。勝算は低いかもしれないが、可能性も感じるので登ってみる。
 垂直の氷を左右の壁を使いながら登る。かぶり気味のつららを豪快に越え、すかさず足を開いてレストする。足がつりそうになりながらスクリューをセットするが、あまり安心できない。このあたりの氷柱は小さなつららの集合体のようであり氷を切らないように注意し、信用できないスクリューを短い間隔でセットしながら慎重に登る。不安定な氷と、落氷に対するビレイヤーの文句にこれ以上対処するのは厳しくなってきたあたりで、ちょうど目をつけていた左手後方の壁のラインに達した。オブザベーションの後、エイリアンをセットし、ドライツーリングで左壁をトラバースして背後に垂れ下がったつららに移る。つららごと落ちないように登り、本体の氷の凹角に達したところでスクリューをセットして安心する。背中を使いながらこの氷を快適に登り、ハングした岩の下に守られたテラスに上がってビレーする。
 2ピッチ目は、良く発達した氷を壁も使いながら気持ちよく登る。上部でつららが覆い被さってハングとなっているところはさすがに厳しく、パンプしてしまったが足をうまく使うことでなんとかフリーで抜け、雄叫びを上げる。そして前回巨大な傘になっていた部分はシャンデリアの下を氷柱を背に左から右にくぐり抜けながら、安定した氷を登る。最上部は氷がなくなって岩と草付きを立ち木まで。フォローも休みながらだが登ってきて、楽しいルートだねと言った。不要な荷物は置いて頂上を目指す。
 烏帽子岬ピークは何もない、とても良い頂上だった。荒々しい海岸線と、180度の大海原を眺めながら夕暮れの中余韻に浸る。昨年の出会いから今日に至るまで、多くのことを教えられ、また楽しませてくれたルートだった。昨年の印象からすると、今回は少し物足りないかなというくらいだったが、前回と今回がまるで別物のようなルートであったように、きっとまた次回は違った魅力を提供してくれるだろう。良きルートと良き頂上に満足して、来た道を戻る。

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