焼岳、上高地
- GPS
- 47:03
- 距離
- 16.2km
- 登り
- 1,351m
- 下り
- 1,174m
コースタイム
3/8 6:07 B.C.−(下堀沢南側の尾根−8:30標高1990m−11:20焼岳山頂12:00−12:15(スキー滑降開始)−(下堀沢北側の尾根)−13:35標高1800m−14:25 B.C.
3/9 8:00 B.C.−10:00河童橋着10:30−12:00 B.C.−13:00バス停
天候 | 3/7 曇、3/8 曇、3/9 曇 |
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過去天気図(気象庁) | 2009年03月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
7日 ホリデー快速でたった1回の乗り換えで松本に到着。車中、カナダの留学生に出会い、カナダ、アラスカのトレッキング情報を聞いたりする。彼は最近デナリに登頂したそうで・・・!! 連絡先を交換した。よき出会いがあるものだ♪
そのまま5人+1人でアルピコ高速バス高山線に乗車。上高地に近づくにつれ白銀の世界・・・と思いきや、一向に雪が見えてこない。雪不足で撤退・・・?内心不安でバスの中一睡もできなかった。釜トンネルの入り口、中の湯バス停で降りる。ここからは車道を歩く。トンネルの中は真っ暗でこわい。Lは兼用靴の重さに耐えられず汗だくヘロヘロで情けない。上高地をスノーシューハイキングしてきた中高年団体にがんばれと励まされる始末。私たちの荷物がバカに大きいのも恥ずかしい。
大正池の端っこにかかる橋を渡り幕営。もう少し人目につかない場所にすべきだったと後から反省。L,SLでルートを下見。雪の量をみてシールで行けることを確認。夜ご飯は恵一朗シェフによる、ニョッキスープ☆マカロニがスープを吸いすぎて汁気はなかったが、美味なり!月明かりの中すごす穏やかな夜。この感じは雪山じゃあない。上高地はもう春なのでした。。。
8日 5時起床。気になる天気もまずまずというかんじ。雪で荒れると思っていただけにうれしい。今シーズンはほんとに天候に恵まれている。これはN田とK16の2つ玉高気圧が原因と思われる。
林道を進み下堀沢の下部を越えて尾根に乗りたいところだが、尾根の取り付きに苦労する。急な上に雪が表面カリカリ、中はもっちり…ではなくふかふかなのだ。トップの古川がいくら上手くルートをとってもなかなか進みづらい。鳴海Aコーチにご指摘いただき、スキーアイゼンを装着した。1時間で150mUP。予想以上に時間をとられた。
尾根がゆるくなれば問題はない。1年2人はシール歩行が巧みである。高天原のあたりはわりとでこぼこした地形に感じる。そこからの尾根も傾斜がきつい。途中佐久間が斜面を2度登る羽目になったり、古川が穴の中に消えたりするが順調に標高2318mのポコの先のコルを目指し、尾根の腹をトラバースすることに。ここはあまり下から横切ると上から雪崩が来そうなので、標高2200mぐらいまでは尾根を行く。ここの斜面で弱層テスト。40cmで氷の層があり、それ以上は硬くて掘れない。表面もクラストしているし、やはりカール滑降はしないで尾根を下ることにする。
コルからは一段と傾斜が急になる。ただ雪がヘンにぶかぶか付いていてつぼ足とかしたくない感じであるから、ジグザグきりまくってスキーで登る。古川がちょっときつかったかも。あと50mほどのところで、アイゼンに履き替える。傾斜の問題もあるが、岩が出ていて危ういので。
頂上の雪と岩の間から顔を出せば、眼前に待ち構える穂高連峰!紺碧の空を謳いたくなる気持ちよさだ。南側から眺める穂高連峰は、手前の奥穂高からキレットを越えた先の槍ヶ岳まで一直線に重なって見える。この山域が大好きな私にとっては、感動ものの景色である。西の方には白山やら北陸の山並みを望み、東は南アルプス、八ヶ岳の山脈が走り、真後ろは乗鞍が雄々しい。
佐久間が来てよかったと言ってくれた。Lとしてはうれしい限りだ。富山出身の恵一朗は、故郷の山、立山がやはりご贔屓なようだ。穂高サンには失礼だが立山の方が…などと、のたまっている。立山にもいつか山スキーに行きたいものではあるが。
名残惜しいが下山する。いやいやこれからがお楽しみのスキー滑降!急斜面にドキドキワクワクして滑り出すが、ムムム…モナカ雪ではないか。正直滑りにくい。容赦なく躓く。せっかくこれまでのワンダリングでスキーの自信をつけてきた古川がしょ気ている。コケまくりながら頂上からカールの脇を下る。眼下に大正池を望むダイナミックな景色に免じて、みんな許しておくれ。
下堀沢に一番近い小さな尾根に入り、そこからカールを横切れるポイントを探す。上の方はカールが深すぎて向こう岸に上がれなさそうだし、下に行くと下堀沢の崖が始まってしまう。一か所だけアップダウンの少ない降り口を見つけ、一人ずつ通過。カールに滑り降りるのはちょっと勇気がいるし、実際上部からのなだれも心配だ。途中でこけるなよ、とLがハラハラしているそばから、みんなカールの中でこけている。早く立ちなさい!っと、怒鳴る。
渡ったところからそのまままっすぐにトラバースして行けば、すぐに尾根に乗れた。ここからは何本か分かれている小さな尾根を選別しつつ下る。木がいっぱいで滑りやすいとは言えないし、標高1738mから始まる平たい尾根からは、雪が解けて笹が飛び出しているところも。南寄りに下れば、今朝の林道に辿り着いた。めでたしめでたし。
夜は差し入れでワイワイする。月が明るい。久しぶりに鳴海さんと山でお話ができて、古川と沼田はうれしそうである。
9日 6時半起床。撤収してザックごとデポする。恵一朗のサブザックにテルモスなどを詰め込み、じゃんけんで負けた人が背負うことに。小学生か!
かっぱ橋のたもとでコーヒータイム。鳴海さんが驚愕なことをなさっていたが、これ以上は書かない。佐久間は靴ずれが痛そうだが、サルの群れに向かって雪合戦を仕掛けていた。
もっと真っ白な上高地を予想していたが、春の訪れを感じさせる雰囲気であった。明神が岳、前穂高岳が梓川から聳える様子は、やはりかっこいいと思う。いつもは穂高ばかりに目が行くが、今日は、焼岳も振り返って見てみる。登ると愛着が湧くものだ。山に行くほど山が好きになる。未来に自然を残したければ、将来自然を守ってくれるだろう子供たちに、自然を好きになってもらうことが一番だ。それには自然に多くふれさせることが何よりの近道であることを、あらためて思う。山に連れて行ってもなかなか子供が楽しんでくれない、ということをたまに聞くが、それは連れていく人自身が心からその場を楽しんでいるか、に依るのだ。自然の四季の中で感じられる、美しさ・力強さ・恐ろしさ…それらは私たちに様々な感動や成長を与えてくれる。そんな自然の恩恵に対して、まずは感謝と尊敬の気持ちを持って、山に向いたいものだ。ワンゲルの山岳活動でもそれはつねに根底に流れ、伝えるべきことの一つであると信じている。
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