亘理地塁;小斎峠〜深山〜四方山〜割山峠
- GPS
- 07:18
- 距離
- 16.7km
- 登り
- 829m
- 下り
- 934m
コースタイム
- 山行
- 6:04
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 7:18
天候 | 曇り時々晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2021年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
終始、案内板があり、安心して歩くことができました(地元の方々に感謝) 特に深山〜割山峠まではしっかり整備されていて、山散歩を堪能することができました |
写真
装備
個人装備 |
アクエリアス500mm×2
水600mm
トレイルミックス
羊羹
バーナー
ボンベ
スタンドコジー
カップラ(リフィル)
おにぎり
バームクーヘン
ドリップコーヒー
チタンカップ(600mm+350mm)
キャップ
マウンテンジャケット
フリース
長袖シャツ(冬用)
長パン
コンプレッションタイツ
ネックウォーマー
耳あて
靴(スカルパ)
靴下
ザック(ブラックダイヤモンド;NITIRO22L)
グローブ
タオル
ストック
AppleWatch
iPhone
モバイルバッテリー
ヘッドランプ
予備眼鏡
GoPro(HERO9)
ドローン(DJI_mini2)
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感想
毎年12月は,積雪も中途半端でどこに登ったものか悩みます。そんな中,知り合いから”亘理地塁”と言う古い山域があることを教えてもらいました。なるほど,確かに地元の角田と亘理・山元の間には低いながらも山が連なり,しっかりと境を作っています。行政の管轄でも,角田は仙南,亘理・山元は仙台圏域に区分されており,昔は,所属の藩も違っていたようです。
そんな亘理地塁,地図を見ると,柴田の槻木から福島の新地あたりまで長く伸びています。全長40kmほどでしょうか。見事な連山です。ヤマレコの記録では,全縦走している方もいるようですが,日帰りできる行動範囲を勘案し,丸森・角田・山元の三方境となる小斎峠から深山・四方山を通って,割山峠まで歩くことにしました。
朝6時に自宅を出発。地塁に興味を持ってくれた同行者2人も一緒なので,まずは終点の割山峠に車をデポし,小斎峠へ。
朝8時に登山開始。深山の手前までは,少し荒れ気味との記録もありましたが,落葉を終えた季節だけに,見晴らしもよく,気分良く歩くことができます。(基本的には,雑木林の中を歩くので,夏場は虫対策が必須な気がします。)
30分ほどで第一の山,新城山に到着。この名前,看板が立っていたので,“新城山”と言うのかと思っていましたが,左手には”三角森”と言う看板も。どうも,角田側と山元側では呼び名が違うらしい。呼び名一つ取っても,この地塁が二つの地域の歴史や文化を大きく隔てていたことが分かります。その先もことごとく山の呼び名が違っていました。
にしても,なかなかいい展望。左手は蔵王。右手には海が見えます。低山とは言え,ロケーションは贅沢だなぁなんて歩いていると,次のピーク”影倉山(大森山)”到着。ここは展望いいな。角田盆地と呼ばれる角田の地景がよく見えます。阿武隈川の様子もよく分かる。福島からはるばる流れてきて,地塁にぶつかって,迂回して迂回して,地塁が終わる槻木でようやくまた進んで,岩沼・亘理から海に還る。川の苦労が伝わってくるような川筋です。阿武隈川の苦労のおかげで,川の周囲に湿地帯が生まれ,田畑に変わり豊かな穀倉、角田ができたのだと思います。ロケットセンターも見えますよ。その奥に蔵王。いい展望だ。海側も相馬の火力発電所や山下駅前の新しい町が見えます。そう言えば山頂に何だか,手作りのペットボトルのライトが設置されていました。夜にライトアップするのでしょうか!?
少し下って高瀬峠到着。途中,ダンプの作業道を歩きましたが,タラの芽の枝がいたるところに伸びていました。山菜シーズンはかなりいいだろうなぁ。高瀬峠は,完全に廃道となっていて,脇に逸れることなく次なる山に向けて再び縦走開始。名乗峠・大沢山を経て馬船峠へ。深山でお会いした年配の方に聞きましたが,昔は,船に乗って阿武隈川からあげた荷物を馬で峠を越えて海まで運んだので”馬船峠”なのだとか。多くの峠が廃道となっていますが,名前が残っていないものも含めて,地塁には多くの道の痕跡がありました。
馬船峠から急登の鷹討山へ。ここを越えて,深山に近づくと多くの方で踏み固められているのかだいぶ道がよくなってきます。深山に着くと,鎮魂の鐘というモニュメントが設置されていました。鎮魂の鐘からは東日本大震災で多くの命が奪われた山元地区が一望でき,慰霊の鐘の音を聞くとあの時のことが思い出されます。
展望がいいので,ここで昼食。日が陰ってきて結構,冷えましたが,昼食中も多くの方が登ってきました。地元に愛されている山だなぁと感じました。
お腹も満たされ,さらに先に進みます。山家山・雷神山を経て明通峠へ。ここの峠は,今も現役。多くの車が行き交っています。ここから四方山へは,車道が通り,車でも行ける模様。ん〜,少しでも登山道を歩きたいなぁとヤマレコの地図を見ると,大きく迂回する車道をよそにまっすぐ伸びる足跡があります。ショートカットもできるし,これを登ろうと地図を頼りに,車道の縁に取り付きます。上を見ると電線が。どうやら電線の管理道のようです。が,手入れはされておらず,笹藪は何とかなるものの,時折野バラの針が当たって痛い。たまらず,ストックを出して,払いながら進んで,再び車道へ。その間20分くらい。ショートカットになったと思う,多分。ここからは車道を進んで,四方山山頂へ。
ここは,立派な展望台もあり,名前に劣らず,四方とも見事な展望。海岸線には,鳥の海や仙台港,その先には牡鹿半島,山側は泉ヶ岳から海に至る陸つづきの様子がよく分かりました。歩いてきた方面を見ると,角田の平野から伸びる立派な尾根。角田と亘理・山元を隔てる天然の要塞です。
こういう見え方のする山はそうそうない気がします。”亘理地塁”恐るべし。展望に大満足しながら,ドローンを飛ばして,次の山へ。
ここからは基本的に下り。道の様子も変わってきて,いかにも地塁らしい,なだらかな尾根の中,杉林を歩きます。途中,夜討坂と言う峠を越えました。戦国時代にここを越えて,伊達氏が相馬氏に夜襲を仕掛けたのだとか,地塁はいろいろな歴史を生み出します。閑居山を経て,鴻巣峠へ。ここは,角田側が土取り場となって,大きくえぐれて道がなくなっています。少し感傷気味になりました。
午後3時半前に無事下山。総距離16km,高低差1,200m。300mほどの山々ですがアップダウンを繰り返し,高度自体はだいぶ稼ぎました。
冒頭に12月に登る山は悩ましいと書きましたが,虫も落ち着き,落葉してすっきりした里山を登るのに適している季節だと思います。里山の持つ歴史も感じ取ることができ,とても有意義な山行でした。
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