8歳児とふもとから登る春霞の富士をのぞむ思親山【山梨百名山】
- GPS
- 05:13
- 距離
- 8.4km
- 登り
- 717m
- 下り
- 708m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ユートリオから南に進み身延線井出駅のところから上がっていくと遠回りだが道はスムーズ |
コース状況/ 危険箇所等 |
さすが東海自然歩道、整備はばっちり ただし上佐野〜佐野峠間には崩れたところを簡易的に再整備したところがいくつか 佐野峠下の木製階段のステップが朽ちかけてグラグラ |
その他周辺情報 | 新稲子川温泉ユー・トリオ あまりにも交通の便が悪いところにあるので混まない、しかしプールまである立派な町営温泉。露天風呂がひろびろで最高。上佐野から距離的には近いがハードなダートを通るか遠回りして稲子駅経由で行くかの2択 |
写真
感想
山梨百名山コレクションもかなり進んできて、登りやすい山が残り少なくなってきた。日帰りでいけるところはもうほとんどなく、泊まりが必要な山と南部地域の山が残っている。
そこで思親山を目指すことにした。佐野峠から登ればイージーな、ふもとの上佐野からだとそこそこの山。楽しそうだ。
身延山で旅館を営む友人いわく、身延より南の山にはあたたかくなるとヤマビルが出ると。それなら、まだ寒いうちに行かなくては。
そう思ってアプローチすること3度。最初は1/9、佐野峠に向かう道に迷ったあげく冠雪していて無理だった。湯之奥金山博物館で砂金掘りをした。次は2/20、富士吉田が大雪のあとで先に進めなかった。野鳥と遊んだ。
今回が、3度目のチャレンジである。
東京から遠い山梨県南地域の山に登るには、アプローチの時間をできるだけ短くするのがいい。ということで編み出した技が、「富士吉田に金曜日夜泊まる」である。晩ごはんをすませたら富士吉田にGO! そして広いお風呂に夜と朝つかって朝ごはんをたくさん食べてから出発するのだ。
そんなわけで3回目の富士吉田ステイ、朝早くスタート……できず8時半。まあしかたない。
富士山のふもとを走り抜け、国道469号(桜峠のところは酷道)で新稲子温泉ユー・トリオの前に出る。
さて、今回は時間がありそうなので佐野峠ではなく、ふもとの上佐野集落から登ろう。山梨県が設置する山梨百名山の一覧では思親山の登山口は上佐野になっているが、あまりこのルートを取る人はいないようだ。
カーナビがここから南下して2時間かけて上佐野を目指せ、と言うのに対し、Googleマップはここを北上して1時間でつくよという。これはもちろん北上ルート!
と思ったら、民家がなくなってとんでもない山の中に入り舗装は荒れて荒れてついにダートになった。妻が「ほんとにこっちでいいのか」と言い続けている。まあ大丈夫よ。
何度か車体下で不吉な音を聞いてから、天子湖到着。ここからはまともな舗装である。しばらく走ると上佐野集落に到着、元小学校分校の南部町清涼荘に車をとめる。
上佐野。それはそれは隔絶されたところにある谷あいの集落である。どうやって人々は暮らしているんだろう。一面茶畑が広がっている。
そんな集落を東海自然歩道が貫いている。田貫湖から長者ヶ岳、天子ヶ岳はスルーしてこの上佐野におり、思親山へ。今回はこの東海自然歩道を通って頂上を目指す。
茶畑のあいだを抜けていくと神社があり、その奥から登山道スタート。
最初、というかかなりのあいだ、ほとんど傾斜のない道を進む。岩の崩れたところで息子は鉱石さがしを始める。たぶんないと思うがしかたない。
ゆったりした道をしばらく歩いて、視界が開けた。植林地、かなり上のほうに林道のガードレールを見つけた妻がやる気をなくす。
ツチハンミョウがいたり蜂の巣を見つけたり、冬の山もやっぱり発見がある。
ここで長い階段が登場。まっすぐに高度を上げるのだが、なかなか足にくる。そして各段がグラグラしている。妻が怖がるが息子は楽しそう。
階段を抜けて何度か折り返し、鉄の階段を登ると林道に出た。通行止めゲートをくぐり、駐車場へ。妻が「損した気分」などと文句を言っているが「ソウネー」などと返事しておく。
この駐車場から登る人が多いということで、駐車場にはトイレが設けてある。富士山も見える、素敵な場所。息子はトイレ横の雪だまりで遊んでいる。トイレの横なんだけど、、、まあいいかとりあえず転ばないでね。
さて、思親山は佐野峠のこの駐車場から登る人がほとんど。ということで、道はかなりきれいに整備されていた。
峠からしばらく、わずかに雪の残る急斜面をジグザグに進む。やがて道はほとんど平ら、ときにゆるいくだりに。ときどき階段がでてくる。
暗い林のむこう、階段のうえが明るく抜けていて、もしかして頂上? かと思ったら視界は開けているけど右に曲がるのだった。息子さんがっかり。
でもそこから少しくだって少し登ったところが頂上でした。思親山に登ったよ!
思親山の頂上は大きく開けていて、ベンチとテーブルがある。連山の向こうに富士山が顔を出している。まるで陽だまりの公園、なんて気持ちのいいところ!
買っておいた惣菜パンと、カップ麺でお昼ごはん。息子はおしゃれにベトナムフォーである。
コーヒーを飲んだら山をおりよう。今日は大きな目標があるのだ。
富士山にバイバイして、山をおりていく。この山のようになだらかなところでは、息子は超特急である。駐車場までほとんどノンストップで駆け下りる。一方妻は階段に苦戦していた。
佐野峠でトイレに寄る。相変わらず息子さんは雪に吸い寄せられる。それにしても山登りの途中でトイレがあるというのはかなりありがたい。
冬季閉鎖の通行止めゲートをわきから越えて、ガードレールのあいだからおりていく。この、林道から少しおりたところというのが、谷ひとつまるごと見渡せて、その向こうに天子山地と富士山も見える絶景ポイントなのだ。登っているときには気づかなかった。佐野峠スタートの人もこちらに少し入ってみるといいと思った。
絶景のなかを数度折り返し、長い階段へ。グラつく長い階段を下に向かっておりる、というのはなかなかのスリル感がある。こういうとき息子は楽しそうにとんとんおりていくのだが、これは勇敢とは何か違うんではないかと思う。
階段をおりきると富士山はほとんど山に隠れた。木橋を渡り、何度か折り返して伐採地から森の中へ。ここまでくるとあと少しだね、と妻が言う。そうだっけ?
はたして、ほとんど平らな道をしばらく行くと、森が終わって舗装道路になった。たしかにあっという間。思親山に登ってきました。
駐車場まで、茶畑のなかをのんびり歩く。下界と隔絶された、異世界みたいな集落。古いお地蔵さまが茶畑のいたるところにいらっしゃる。
佐野清涼荘におりて、本日のやまのぼりは終了。おつかれさまでした!
あとは今日の目的……ユー・トリオの温泉に入ること、そして静岡・由比の「くらさわや」で桜エビをいただくこと。桜エビのほうは前回長者ヶ岳のあとに狙って時間切れで断念したので今回はマストである。
計画では林道を通ってユー・トリオ、しかしあの道はもうやだと息子も妻もいう。まして、温泉に入っていては18:30のラストオーダーに間に合わない。まず「くらさわや」で食べて、温泉は近くのところに入ろうと決めた。
17:00少し前にくらさわや到着。3人とも生・ゆで・かき揚げ・釜飯という桜エビづくしメニューを食べてお腹いっぱい。
温泉どうしよう、近くにあるのは郊外のスーパー銭湯的な施設ばかり。きっと混んでるね。ならば少し移動が長くなっても、ということで初志貫徹、ユー・トリオに走る。19:00到着、20:00の閉館までゆっくりする。
ユー・トリオは稲子駅から徒歩1時間、車がないと相当厳しい場所にある富士宮市営温泉。町場の温浴施設とは比較にならないくらいすいている。しかも露天風呂も内風呂もやたら広い。無理してこちらに来て本当によかった。
20:00にユー・トリオを出て、22:00に東京着。この日はほんとうに、徹底的に遊びたおした1日になった。
思親山の名前は、日蓮上人が身延山を開いて修行をしていたころ、この山に登って故郷の千葉にいる親を想ったという話によるものだそうだ。息子にもそうやっていつか思い出してもらえたらいい、山ばかり連れて行くバカな親だったと。
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