熊野古道:中辺路・大辺路(新宮ー那智ー湯川)【和歌山県】
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- GPS
- 05:56
- 距離
- 24.7km
- 登り
- 339m
- 下り
- 331m
コースタイム
- 山行
- 7:23
- 休憩
- 0:29
- 合計
- 7:52
/卦棔疎玉大社〜宇久井港
新宮の宿泊先 522 ― 速玉大社 532/538 ― 丹鶴城入口 545 ― 登り坂橋 547 ― 阿須賀神社(王子跡) 554 ― 新宮十郎屋敷跡 605 ― 王子神社(浜王子跡) 615 ― 県道広角あけぼの線の駐車場 624 ― 高野坂入口 638 ― 高野坂登り口 642/646 ― 五輪塔入口 657/五輪塔往復/702 ― 金光稲荷神社 707/神社と鯨山見跡を往復/718 ― 鯨山見跡への入口2 720 ― 高野坂降り口 726 ― 県道合流 728 ― 三輪崎踏切 728 ― 天理教角を曲がる 735 ― 宝蔵寺 739 ― 三輪崎小学校 741 ― 国道42号「三輪崎交番」交差点 744 ― 「新宮港」交差点 746 ― 佐野の一里塚 755 ― 佐野王子 759 ― 新宮市・那智勝浦町の境界 803 ― JR宇久井駅 811 ― 尾後踏切横 816 ― 高津気の古道分岐 817 ― 宇久井港口のコンビニ前 819
宇久井港〜那智〜紀伊天満〜湯川
宇久井港口のコンビニ前 1013 ― 高津気の古道分岐 1016 ― 高津気踏切 1017 ― ニュータウンの車道からの分岐点 1022 ― 小狗子峠入口 1023 ― 小狗子峠 1029 ― 舗装路横断 1031 ― 国道へ 1033 ― 狗子の浦・白菊の浜案内板 1036 ― 大狗子峠入口 1038 ― 林道横断 1042 ― 大狗子峠 1043 ― 林道横断 1045 ― 大狗子トンネル脇登り口 1047 ― 狗子の川BS 1049 ― 狗子の川の大石 1050 ― 赤色の浜BS 1100 ― 国道から里道へ 1105 ― 補陀洛山寺 1111/1117 ― 那智勝浦IC前 1121 ― 汐入橋 1125― JR紀伊天満駅 1131 ― 五叉路 1136 ― 国道横断 1138 ― 勝浦観光ホテル 前、山道入口 1139 ― 駿田峠 1153/加寿地蔵と展望台をそれぞれ往復、休憩/1219 ― 駿田峠スタンプ設置場所 1225 ― 国道42号湯川隧道口 1228 ― 国道から里道へ 1232 ― 橋の手前で右折 1238 ― 13代亀山城主の墓 1240 ― 呼ばずの鼻入口 1245/呼ばずの鼻往復/1248 ― ゆりの山温泉 1254 ― 二河川のほとり 1300 ― 二河峠入口 1304 ― 国道「二河」交差点 1310 ― JR湯川駅 1314
● 行動時間 2:57 + 3:01 = 5:58
天候 | 晴れ、快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
3/26 (和歌山市内=新宮) 3/27 新宮―速玉大社―宇久井、宇久井―那智―湯川 (湯川=和歌山) ●登山口へのアクセス ○速玉大社 ・JR新宮駅から徒歩で向かっても15分程度 ・速玉大社から国道まで来て「速玉大社前」交差点を渡ると、歩道の路面上に熊野古道の標示がある ○JR宇久井駅 ・JR紀勢本線の普通列車で約12分。紀伊勝浦駅から約10分。本数が少ないので事前によく確認を ・新宮駅と紀伊勝浦駅を結ぶ熊野御坊南海バスもここを経由する。土日祝日は昼間帯には1時間〜30分間隔で運転しており利用しやすい ○JR那智駅 ・JR紀勢本線の普通列車で約16分。紀伊勝浦駅から約5分。本数が少ないので事前によく確認を ・新宮駅と紀伊勝浦駅を結ぶ熊野御坊南海バスもここを経由する。土日祝日は昼間帯には1時間〜30分間隔で運転しており利用しやすい ○JR湯川駅 ・JR紀勢本線の普通列車で紀伊勝浦駅から一駅約3分。本数が少ないので事前によく確認を (いずれの記述も2022.3現在) |
コース状況/ 危険箇所等 |
○速玉大社〜那智(補陀洛山寺) ・次に掲げる峠を除き、舗装路歩きとなる。街中では古道ルートはややこしく小路を進むが標示がわかりにくいところもある。地図を片手に確認しながら行くほうがいい ○高野坂、小狗子峠、大狗子峠 ・いずれも山道だが、紛れは少なく、分岐や寄り道ポイントにも案内がある ○那智(補陀洛山寺)〜湯川 ・駿田峠を除き舗装路歩き。那智から紀伊天満を経て駿田峠入口までには道標が少なく、「曲がり角には何かがある」とは限らない。地図を頼りに進む ・ゆかし潟の西岸を巡り二河川にぶつかると、青い手書きでは左手へ、古道標識では右手を案内される。左手に行ってみたが、おそらく川を渡る橋から先(右岸)は私有地通行止めとなっているもよう。今日はその土地の端を通ったが、そことて立入禁止の範疇のようにも見える。古道案内に従うほうがいいと思われる ○駿田峠 ・勝浦観光ホテルへ向けて進み、その駐車場のような道を奥へと進めば抜けた辺りから山道に変わる。そこから峠までは古いバス道のようで、道幅のある緩い勾配を登っていく ・峠は大きな切り通しとなっており、そこからゆかし潟への下降は急な沢筋を下る ※速玉大社〜高野坂には王子が浜を通るルートもあるようだが、今回は歩いていない。 見る限りは、歩道整備があるわけではなく、砂浜を歩き続けることになるようだ (いずれの記述も2022.3現在) |
その他周辺情報 | ●買う、食べる ・殆どの区間において市街地や国道沿いを歩くことになるので、コンビニエンスストアや飲食店はちらほらとはある ●日帰り温泉 ・紀伊勝浦や湯川といった温泉地を通るので、日帰り入浴のできるところは多数ある ・今回はゆりのやま温泉を利用したが、源泉掛け流しで300円。ただし、石けん類は置いていない (2022.3現在) |
写真
【駿田峠〜湯川駅】
感想
昨日も今日もご用と組み合わせてのハイキング。昨晩に新宮入りし、今朝は中辺路の速玉大社から那智までと大辺路の那智〜湯川までを歩くつもり。朝起きた時間にもよるが、新宮から那智へ向けて歩き、途中でバスに乗ってご用に行き、またバスで戻って続きを歩くという思惑だ。
□速玉大社〜宇久井港口
予定よりも遅い出発となったが、まだ日の出前の市内を速玉大社へと急ぐ。昨日の大雨が嘘のように、今日は晴れの予報。今のところはまだ雲も多いがこのあとは晴れ上がる見込みだ。
速玉大社では、すでに掃き掃除の方が出て参道をきれいに掃き清めている。通り際に挨拶を交わして奥へ。まだ誰もいない境内でお詣り。境内のナギの大木も気になるがふと見ると、サクラの巨木も満開かと思うほどに花をつけている。そろそろシーズンインだ。
速玉大社を出て国道との交差点を過ぎると、路上に熊野古道の標示を発見。和歌山市よりも大ぶりのものだが、ここの標識も分かりやすくはなさそうだ。そのまま参道を直進、やがて左に新宮城趾を見る。入口に続き石垣を見上げることができる。小高い丘の上にあり、眼下に熊野川を見下ろすことができるのだが、今日はやり過ごすことに。
続いてJR紀勢本線の線路を登り坂橋で越える。新宮駅を出て北に向かい最初のトンネル「丹鶴トンネル」の入口が見えている。この辺りは新宮よりも北の鵜殿駅寄りだが、まだJR西日本エリアだ。そのまま車道を直進する。やがて、阿須賀神社に到着。ここも立派な社殿だ。
道なりに、閑かな市内を進む。地名が変わって「熊野地」となる。鉄道好きならば知っている人もいる、かつては熊野地貨物支線のあったところだ。ちょうどかつての線路跡が道路となっている部分で古道と交錯する。確かに線路のように緩やかにカーブする道路を見やり、先へ。まだ駅からほど近いこの辺りでは、新宮駅〜列車の音も聞こえている。
この辺りでは住宅街を右へ左へと進むが、路面にある熊野古道標示を追いかければ間違いなく進める。ただ、道は狭く、枝道のようなところもある。
浜王子跡は王子神社となっており、立派とは言わないまでも今も息づく神社として祀られている。その先で浜側を行く県道に出て、線路を乗り越す。線路よりも山側には移るが、線路越しに太平洋が果てしなく続いているのが見える。昨日の今日でまだ海も荒れているのであろうか、激しい海鳴りが聞こえてくる。
本来は王子が浜の浜を伝う道もあるのだが、大雨の後でもあり、歩けないと困るので県道を行く。県道広角あけぼの線は新しい道で、きれいに直線的に伸びている。日本ではないような景色が続く。
やがて、高野坂入口に向かう分岐点。坂を下っていくと、途中に鶏がウロウロ。庭じゃないのになぁと思いながら通り過ぎようとすると、ちゃんと道を開けてくれるところがユーモラスだ。苔むしたアスファルトを下りきると、高野坂登り口。ちょっと逸れて海岸へ。砂浜側にも熊野古道の標識がある。やはり砂浜を歩いてきたかった。
ここから高野坂へ。ようやく山道が始まる。ジメッとして緑の深い細道を登る。ずっと海鳴りがしている。途中では、伸びやかな王子が浜も見える。五輪塔への分岐があり、行ってみるがまだ成り立ちが不明なもののようだ。その先では金光稲荷。朱の鳥居が目につく。稲荷の脇からは鯨山見への道と思われる踏み跡。これをたどると、海際に出る。昔はここから鯨の様子を見て狼烟で合図を送っていたという。今日の海の音、風の強さでは、偉大なる太平洋というよりは、松本清張のゼロの焦点といった風情だ。
激しい海を後にしてコースに復帰。よく見ると稲荷の前のあずまやには猫が二匹。餌をやらないでくださいという張り紙もある。どうやらここにいついているようで、こちらが近づいても逃げるそぶりもない。
ここから三輪崎へ下り。こちらは登り側とは異なり日当たりがいい。サクラも咲いている。海をバックにしたサクラ。コントラストが美しい。苔むした滑りやすい石畳を下り、線路際の標識で向きを変え、県道に出る。標示に従い、三輪崎踏切を渡り、海側へ。しばらく進んで三輪崎の集落内へと進む。壁に貼り付けられた熊野古道の標識は色あせているが、曲がり角ごとにある。小刻みに曲がるが案内はしっかりしている。宝蔵寺を巻き、小径を進むと三輪崎小学校に突き当たる。小学校もかわすと国道に出る。
ここからは国道を進む。新宮港、佐野の一里塚を過ぎ佐野王子跡。ここにもサクラがあり、王子の上を覆っている。歩道の切れた国道を慎重に歩く。やがて那智勝浦町に入り、出見世という興味深い地名を見つつ宇久井駅へ。JRは「うくい」駅だが、地名は「うぐい」と濁るようだ。
さらに国道を進み、宇久井港口でタイムアップ。一旦バスに乗ってご用に向かう。
□宇久井港口〜那智〜湯川
ご用を終えてまた港口に戻った。再出発。
高津気(こうづけ)踏切を渡り、緩く上っていく。熊野古道の標示に従い細道へ。終点からは山道になる。小狗子峠に向かうが、山道になってほどなく深い切り通しが現れ、峠に到着。峠にも標示はあるが、手作り感のあるものだ。
峠から下りる。まず小さな舗装路を横切り、そのまま下りきると国道端へ。ちょうど狗子の浦の目の前。ここはきれいな円弧状の海岸が続いている。海側にはJRの線路があるが、道路からでも美しい海岸線が見える。
というか、海岸はちょうど整備中でもあり、大がかりな伐採作業の結果、美しい海岸線が見えるようになったようだ。県や町やJRの人が総出で伐採にあたっている。ありがたい限りだ。
旧国道を歩き、大狗子峠への登り口へ。山道になってほどなく峠に到着。こちらも深い切り通しで峠を抜ける。急坂を下りて、最後は階段で国道のトンネル脇に出る。国道を進みバス停狗子の川を過ぎると「狗子の川の大石」というものもある。古道だけに何かといわれのあるものがある。
赤色の浜という名の湾に沿って進み浜の宮へ。国道を離れ浜の宮王子跡に到着。前回は大雲取を越えてきたこの地に再び到着した。熊野三山の元締めのような熊野三所大神社と補陀洛山寺が並んでいる。
お詣りをして、先を急ぐ。車道に出て紀伊天満へ。那智川を渡り川沿いに下る。やがてJR紀伊天満駅へ。この辺りのJR紀勢本線の駅はローカル線とは思えないほどに各駅で行き違いができるようになっているが、ここは珍しく単線の駅だ。ただし、街中だけあってトイレもあるちゃんとした造りだ。
駅をやり過ごし、古道に復する。その先の五叉路から勝浦観光ホテルを目指して進む。ホテルの駐車場のような道を抜け、奥から山道へ。山道とはいってもかつてのバス道であろうか、緩やかな勾配、幅広な道取りで駿田峠へと続いている。やがて大岩を裂いたような峠が見えてくる。先の二つの峠よりも切り立っている。
峠を抜けると両側に崖上へと続く段付け道がある。まずは加寿神社へ。かつてここで亡くなった幼女を悼み造られたものとのこと。次に反対側の展望台へと登る。こちらからも峠の切り通し越しに加寿神社が見える。展望台からは海も見える。駿田峠に来たらぜひ立ち寄るべき所だと思う。
峠からは急勾配を下りる。下りきると製材所がありその中を抜けて国道へ。国道をしばらく歩き、脇の里道へ。里道は湾曲しており、もう一度国道にぶつかりそうなところで改めて別の小径へ。
その小径には水がたまっており、濡れずに歩けるところが残っていない。仕方なく、ジャブジャブと歩いて通り抜ける。抜けたところに亀山城主の墓、その先でゆかし潟のほとりへ。潟の縁に沿って歩く。呼ばずの鼻という案内書では見ない地名に誘われ脇に登ってみる。ここからはゆかし潟を見渡すことができる。サクラと新緑と潟の深緑が美しいコントラストをなしている。
ゆりのやま温泉を通り過ぎ、緩く下っていくと、やがて二河川へ。ここでは熊野古道の案内標示と青い手書き文字の案内が逆を指している。古道標示は左の国道へと指示し、青い手書きは右へと指し示している。青い文字に従って進むと橋があり、それを渡ると「立入禁止」の札が目に入る。札の方ではなく左手へと進むと二河峠への登り口に到着。
思うに、「立入禁止」には今通った二河川沿いも含まれているのではないかと思われる。それもあって古道は国道への迂回を指示しているのではなかろうか。ただし、昭文社マップなども先の立入禁止側をルート提示している。
古道ではあっても大辺路は今ひとつ人気がないのか、標示も少ないようだ。それでも他の区間にはない素晴らしい海を見ながらのハイキングもたまにはいいものだ。そして、手作りの青い看板も本コースを愛する人が付けたものであろう。
大辺路は、歩くといい道であることが判る。
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