無謀でした南会津川桁山
- GPS
- 08:07
- 距離
- 19.2km
- 登り
- 970m
- 下り
- 993m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
感想
こんな記録をアップして良いのかと思いましたが、反省の意味も込めて書きました。でも、良く無事に帰って来れましたと思います。以下、本文です。
駆ける様に南東北の山々を歩き通した理由の一つが翌日の山行にありました。終バスで二本松に出た後、電車を乗り継いで磐越西線川桁駅で下車。翌日は川桁山に登る為にその日は少し歩いて神社の駐車場付近でテン泊。
川桁山は残雪期にはあまり登られていない様で、どれだけ雪が残っているかが不安。ところが林道を歩き出すと直ぐに雪がでてきました。
『まずいな』
当然、前日まで春爛漫の低山歩きしていたので本格的な冬山装備は持っている訳はないのです(ピッケルなし)。
林道の終点から沢に沿って登山道は続くが、雪解け水で道は小さな沢と化してます。
やがて、雪がべったりとなりました。兎に角行けるところ迄行ってから考えようと思って進みました。
だが、最初の稜線への沢のつめは角度急すぎ。雪が固いとアイゼンが効いて大丈夫ですが、このグズグス雪ではズルっといってしまいます。
笹を手掛かりに登り易い所を腕力で登り、なんとか最初の稜線に出ました。
正面に川桁山が聳え立っています。
でも何という角度でしょうか。川桁山への登りは何とかなりそうだが、帰りは滑ったら洒落にならない。
本来なら、此処で辞めるべきでした。
でも時間を見るとコースタイムより余裕があるんです。
『少しだけ行ってみよう』、こんな判断はいけないですね。
だか、進み出すとトレースっぽいものがあり、これ幸いとトレースに沿って歩き出します。しかし、川桁山の稜線近くになると登られなくなる。アイゼンもあまり効きません。でも『後少しなのに』と進んでしまう。
どう考えてもリスク大なのに腕力で何とか稜線にはい上がってしまいました。
稜線からはまさしく雪山散歩状態で川桁山には簡単に到着。
山頂から引き返す途中で登山者お二人とスライド。お互いに驚いてしまいました。
帰りはあの嫌な急角度の下り。兎に角、普通に歩くなんてとんでも無く、木と木の間を四つん這いで後ろ向きに降る様な降り方で高度を下げて行った。
急な坂を下りきった時は正直ほっとしました。無謀な登山でしたが、これで無事に帰れます。後は沢のつめが嫌な感じだが、登ったところを逆に笹を掴みながら降ると大丈夫と考えました。
ところが二人組とスライドした事でもっと楽な所があるのかなと勘違いし、地図上の下降点に到達。でも、トレースはなく、此処では自分の登った地点迄戻るべきだったのですが、雪の斜面を見ると急ですが、降りれそうな場所を見つけました。
雪をけり込みながら、慎重にくだり出したつもりでしたが、あっと思った瞬間、滑り出していました。滑落停止のピッケルはありません。咄嗟に笹を掴みましたがそれでは止まりません。身体が半回転して、ザックが下になってしまいました。もうどうしようもない状態になってしまいました…
ところが再び半回転して、前方が見える状態になりました。咄嗟に手を出して前方の木を掴もうとしましたが、勢いで手は直ぐに外れました。
『もうダメかも…』
でも、木を掴んだ結果、身体がぐるっと弧を描く様になり、雪解けで窪みとなった木のまわりにスポッと入ったのです。
自分でも一瞬なんで止まったのかもわかりませんでした。
しばらく茫然。
そして、『助かったのか』。
滑ったのはせいぜい20m余ぐらいでしょうか。
気を落ち着かせて、再び降りる箇所を探しました。
登山道はトラバ−ス気味にあるようですがここを歩くと再び滑りそうです。
ここは慎重に木々を掴みながら真っすぐに降りることにしました。
ところが、あっという間に再び滑落。掴んだ木が腐っていたのです。
再び雪の斜面へ滑落。
しかし、幸運な事に再び窪みがあり、停止しました。もう心身喪失状態です。
最初の滑落で止まらなかったら、ここの斜面でも止まらなかったでしょう。
そうすると更に30mは滑落しそうでした。
合計で50m以上の滑落となると…
気が落ち着くまで少しその場にいてから、更に慎重に下山開始。
沢の詰めの部分を降りきると、もうさほど危険はありませんでした。
でも、気持ちはふわふわした気持ちで、『本当に生きているの?』という感じです。
林道に降り立った時は助かったという安堵感でいっぱいですが、雪山に不十分な装備で行ってしまった事に対しては反省の念が堪えませんでした。
なんの参考にもならない長文ですが、自戒の念を込めてアップしました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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確かに樹林帯の山でしたが、ピッケルは必要でした。すごく思い知らされました。
あれってツリーホールって言うのですね。一つ勉強になりました。
一瞬、なんで止まったのと茫然としていました。
ありがとうございました。
大変でした。
ご無事で何よりです。
私も川桁山にしようか里山にしようか迷っていたので、他人事のようには思えず拝見していました。
ピッケルをこの山に持って行くかは迷いますよね。
私も持っていかないかもしれません。
この川桁山のこのレコは貴重な情報だと思います。
アップして頂きありがとうございました。
そして、ご無事で良かったです。
猪苗代側(リヒテル側)からは雪も少なく大丈夫かと思います。
(下山してから山面を見てわかりました)。
このコースしか、『らくルート』に載っていなかったので、此方から行ってしまいましたが、行かれる場合は猪苗代側からのピストンが良いかと思います。
また、ご心配頂きありがとうございます。
山慣れた先輩でも、装備を持たず無茶すると・・・、って難しいですよね。
私もルートミスして急斜面の崩れやすい岩場の3点支持の2点が崩れ、1点、それも蔦1本で耐えた
ってこともありました
経験から得る学習。それが一番染み入るのですが、too late !
にならないよう自戒を込めて・・・
お疲れ様でした
たかが1500mに満たない山でも雪山は別物と思い知りました。
どんなに気をつけていてもおっしゃる通りに岩が崩れたりする可能性もありますね。
これからは基本的には山はリスクが当たり前と言う事を改めて肝に命じて山に再チャレンジしたいと思います。
雪のあの斜面は確かに危ないですね。
自分も先日の家形山北尾根では、グリセード発動中にひっくり返り、ひやりとしました(レコには書きませんでした)。まだ体の節々が痛いです。
あの急登は見た瞬間絶句しました。下りはホントに怖かった。
まさか、下り切った後に2度も滑落するとは思いませんでしたが…
グリゼードでの転倒も中々怖そうですね。
こんな情け無い山行記録をアップするかは散々に悩んだんですが、道具不備の自戒の念を込めてアップさせて頂きました。
怪我が無くて幸いでしたね。
私は法師山の下りでもうすぐ登山口という所で斜面を滑落して左大転子を骨折しました。地元の消防団の方々に救助されて救急車で病院へ行きました。
和歌山の病院に入院して2週間、歩けるようになって帰宅しました。
まだリハビリで散歩程度です。
登山は当分無理です。
無事なのは良かったのですが、本当に運が良かっただけであって、ピッケルを持っていかなかったのは反省の念が大きいです。
kazue514さんも大怪我されていたんですね。
全然知りませんでしたので、びっくりです。
早く良くなると良いですね。
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