熊野古道:紀伊路(御坊―切目―岩代)【和歌山県】
- GPS
- 06:48
- 距離
- 28.5km
- 登り
- 308m
- 下り
- 308m
コースタイム
御坊駅前駐車場 656 ― 御坊駅 659/703 ― 湯川中の角で紀伊路に合流 709 ― 湯川神社 712/716 ― 湯川小学校の角 720 ―石勘當 721 ― もう一つの石勘當 723 ― 県道26号横断(小松原東交差点) 731 ― 日高川野口新橋右岸 740 ― 野口新橋左岸 747 ― 堤防道から左折 754 ― 車道 757 ― 市道御坊大橋の袂 804 ― 岩内王子跡 806 ― 琴野橋 814 ― 極楽寺 821 ― 蓮池 832 ― 山の迂回路入口 836 ― 円満寺 841 ― 塩屋王子跡 845/社殿往復/857 ― 王子川 901 ― 光専寺口 909/911 ― 祓井戸の展望点 918 ― 国道42号 923 ― 清姫草履塚 932 ― 壁川の注ぐ浜 935 ― 野島への旧道へ 940 ―野島会館 944 ― 国道42号へ 948 ― 名田への旧道へ 951 ― 和歌山高専前 956 ― 上野王子跡 1006 ― 休憩 1008/1019 ― 国道42号をかすめて楠井へ 1028 ― 楠井川の橋 1034 ― 国道42号へ 1038 ― 御坊・印南市町境 1041 ― フェニックスのある分岐 1044 ― また国道42号へ 1047 ― 津井王子分岐 1056/津井王子往復/1105 ― かえるの港 1107 ―印南川河口の橋 1118 ― 国道42号 1124 ― 国道から側道へ 1126 ― 斑鳩王子 1130/1132 ― 国道から紀勢旧線廃線敷の道へ 1138 ― 切目王子への分岐点 1141 ― 切目王子 1142/1156 ― 切目橋左岸 1204 ―(国道へ迂回)― 切目橋右岸 1212 ― 切目駅 1217/1220 ― アンダーパス 1222 ― 県道横断 1229 ― 中山王子 1233/1240 ― 榎木峠付近合流点 1246 ― 徳本上人名号碑 1307 ― 印南・南部町境 1317 ― 光照寺 1325 ― 有馬皇子結び松の碑 1328 ― 国道42号から側道へ 1335 ― 岩代王子への分岐点 1336/岩代王子往復/1341 ― 岩代駅 1343
岩代 1351=<JR紀勢本線>=御坊駅 1421
● 行動時間 6:47
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
(和歌山市内=御坊駅前駐車場) 御坊駅―塩屋―切目―岩代 (岩代=<JR紀勢本線>=御坊、御坊駅前駐車場=和歌山) ●登山口へのアクセス ○御坊駅 ・JR紀勢本線の駅。普通も特急も停車する。折り合わせると和歌山からは1時間あたり1〜3本/時ある。駅前には、今回利用した駐車場を含めコインパーキングもいくつかある ○切目駅 ・JR紀勢本線の駅。普通列車のみ停車。御坊〜紀伊田辺間は、日中概ね1時間に一本の運転。 ・熊野古道は、駅を出て右手100mほどのところにある線路下をくぐる道がそれ。くぐると中山王子を経て岩代方面、その反対に進むと切目王子から御坊方面となる ・ハイキング用の駐車スペースはないと思われる ○岩代駅 ・JR紀勢本線の駅。普通列車のみ停車。御坊〜紀伊田辺間は、日中概ね1時間に一本の運転。 ・駅前広場を横切るように熊野古道が続いており、左手に進むとすぐに岩代王子、右手に進むと千里王子を経て南部、田辺へと続く ・ハイキング用の駐車スペースはないと思われる (いずれの記述も2022.4現在) |
コース状況/ 危険箇所等 |
○御坊駅〜塩屋王子〜上野王子 ・御坊市内は要所要所に道標があるものの、簡素なもの。白地の板もそうだが、文字も標示には不向きな明朝体ということもあって目立っていない ・塩屋王子に至るまでは地道を繋いで進む道。一部は古道を通れず迂回することになる。標示は角にあるとは限らず、写真付きで事前解説のあるものもあるので、見落とさないようにしたい ○上野王子〜津井王子〜切目王子〜中山王子 ・印南町内は、熊野古道紀伊路としての案内ではなく、町内の王子巡りとしての案内がある ・国道42号からの入口には自動車用と同等の標示が出ているが、それ以外にはあまり標示があるわけではない。コースマップを手に、確かめながら進むべき ※切目川に架かる切目橋は、架け替えのため2023年5月まで通行止めとのこと ○中山王子〜岩代王子〜岩代駅 ・南部町内に入ると、よくある山の道標のような標示が整備されている ・国道42号を進む区間では歩道があるにはあるが、一部はひじょうに狭いのでクルマには要注意。国道から外れて下降しアンダーをくぐって王子並びに駅へと向かう。岩代王子は踏切を越えた先にある (いずれの記述も2022.4現在) |
その他周辺情報 | ●買う、食べる ・区間途中にはコンビニやレストランもあるため、十分に下調べをしていくと、有効に使えるかもしれない ●日帰り温泉 ・御坊市内には「宝の湯」、南部町内には国民宿舎「紀州路みなべ」が日帰り温泉提供をしている (2022.4現在) |
写真
感想
紀伊路の御坊から南へ向かった。殆ど山のない区間ということもあり、まだ暑くならないうちに行きたかった。雨と雨の狭間の一日をここにあてることにした。
御坊までクルマで行き、駅近くのコインパーキングへ。一旦駅まで戻って出発。
市街地の整った道から小路へと進む。分岐が現れ、右は湯川神社、左は古道。まずは右の湯川神社に立ち寄り。整えられた社地だが、ここは王子とは無縁のようだ。戻って左へと進む。湯川小学校の角に御坊市オリジナルのコース案内が現れる。ことさらに書き込みのある標示を見やると「石勘當」とある。沖縄のものと思ったが、こんなところにもあるとは。県下では御坊市にしか見られないとのこと。面白いので見に行くと、まさに石勘當。しかも丸いものと四角いものとが見られた。
コースに戻って先へ。さらに小路を進み、独特の案内板に従い日高川へ。
日高川は、「日本一長い二級河川」である。延長は120kmを優に超え、日本でも50番目までには入る長大河川である。たまたま県内で完結してしまうために二級河川に分類されているようだが、渡る川幅を見ても堂々たる流れだ。川の途中で左右に目を向けると、左手には白馬山脈が横たわる。稜線には風力発電風車が立ち並ぶ。右手には遠く河口の御坊火力発電所が見えている。これからその発電所の近くに向けて歩いて行くことになる。
堤防上の道を進み、尽きたところで左折し堤防を下りる。畑の小径のような道を進み、標示のない角を左折すると車道に復する。道なりに進むと「岩内王子跡」。コミュニティセンターの前にひっそりと立っている。さらに進み、熊野川(ゆやがわ)を渡ったところで左手の新道を渡り、山手へと入る。ちょっと上ると極楽寺。ここにはトイレも設けられている。
田舎道をさらに進んで開発地のようになってきたところに「中山の蓮池」。皇室ゆかりの著名な蓮だ。
その前にあることさらややこしい標示を記憶にとどめて先に進む。先ほど見た写真に従い、案内のない無表情な角を左折、地道へと入る。その入口にもまたもや写真付きの解説がある。それぞれの角に案内すればいいものを、まとめて標示を造っているのはどうしたことか。ついでに言うと、白い下地の角板は面取りもない。文字も明朝体のため視認性もよくない。さらには、ハイカーから見て気づきにくい設置も多い。設置者が素人なのか、せっかくの標示も、あまり活きていないようで可哀想だ。
塩屋の街中の小路を抜けると塩屋王子。ここの社殿は山上にあり、今も神社として息づいている。しっかりとお詣りをして、先へ。
神社を出てすぐに王子川を渡る。塩屋の集落が続いているが、街中の旧跡などを案内する標示が出ている。この辺りは歴史発見に熱心なようだ。ちなみにその案内によると、先ほど抜けてきた極楽寺から中山の蓮池のあたりでは、本来の熊野古道紀伊路は山中にあったようだが、通行できないために今来た車道を伝うルートで暫定整備されているようだ。
光専寺で大きな柏槇を見て先へ。この巨木は新日本の巨木100選にも選定されているとのこと。
さらに進んでちょっとした登りを行く。振り返ると塩屋漁港が見える。今日初めて海が見えた。そしてピーク越しには先の海も見えてきた。いよいよ紀伊水道だ。海を眺めた後、また出発。祓井戸で国道42号へ。ややあって再び側道へ。側道は国道42号の旧道のようで、それこそ昔の紀伊路であったのであろう。
途中「清姫の草履塚」というのがあるが、碑が建つばかりでそれらしい痕跡は認められない。集落を抜け国道に復すると壁川の海岸を横切る。波も閑か、海もきれいだ。
何度も旧道を経由し、和歌山高専の大きな校舎の前を横切って行くと「上野王子跡」。ここは碑以外は何も残っていない。ほんとうは手前にある「仏井戸」に寄り道するとよかったようだ。本来の上野王子は仏井戸の辺りにあったのではないか推測されているようだ。残念ながら、その入口の標示は目に止まらなかった。
さらに進み、いよいよ市町境。御坊市を後にして印南町に入る。やがて印南町最初の王子、叶王子に。津井王子という標記もあるが、これは津井王子が合祀されたということのようだ。本来の津井王子は場所不明とのことである。
国道のクルマ向けの標示のような叶王子への案内板に従い、山側へ。一登りすると叶王子跡。社殿はないが、案内板や願い叶うための絵馬かけがある。名前に引っ掛けたものであろうか。
下りて印南港へ。「かえるの港」の看板に釣られて立ち寄り。どうやら舟ごとに店を出しているようで、地元の方々であろうか人出もそこそこだ。
港沿いを歩いて印南川の手前から国道に復する。印南川を渡り、山手の古道へ。一山下りて再び上ると斑鳩王子。王子から急な階段で国道へと下り、国道を行く。そのうち左手に現れる地道へと移る。
この地道はしばらく国道とぴったりと寄り添い、また離れていく。2本の道路が接するだけで別れていく様子から、これは旧線路敷きだということが判る。ここは印南〜切目間の旧紀勢本線の廃線敷だ。線路のような緩やかなカーブを進み、案内に従い右へと逸れると切目王子。五体王子の一つとされる王子だ。今も木々生い茂る境内が伴っており、風格がある。また、境内向かいにはきれいなトイレが整備されている。印南町は紀伊路を売り出しているのではなく、町内の4王子巡りを推しているようだ。それに関わる標示やイベントが随所に見られる。
切目王子からひっそりとした木陰の道を抜け、集落も抜けると切目川。しかしそこに架かる橋は架け替え中。ちょうど橋のない姿になっている。泳ぐわけにもいかないので、国道を迂回する。
反対に回り、口惜しい想いを持ちつつ、切目駅へと進む。コースを100mほど外れると駅舎がある。駅は無人だが、町が整備しており、待合室にはピアノもあるし、カエルモニュメントもいる。ちょうど列車がやってきた。毎度のことながら、どうしてこうもぴったり列車が来るのであろうか。
戻って先へ。線路下の狭い通路を進み線路反対側へ。やや左手へ進み県道との離合点辺りからは急な登りへ。登り切ると中山王子。ここもしっかりとした社地が整備されている。そしてここは標高が高いだけに眺望もよい。またしてもちょうど電車がやってきた。海までが一望できる展望台だ。
中山王子からは梅林の作業道のような道を進む。榎木峠はこの道上ではないようで、峠のような地形もなく下りに転ずる。そのあともクルマ一台がやっとの舗装路を緩やかに下り続ける。右手山の上には別荘地の建物と思しきものが見え隠れする。
ややあってついに徳本上人の名号碑のある角に到着。ここからは国道とは並行に進む。周りは花卉のビニルハウスが建ち並ぶ。そのハウス越しには太平洋が広がる。岩代手前と言えば、JR紀勢本線でも随一の景勝ポイントとなっており、特急に乗っても速度を落として案内してくれたりもする。まさにその絶景ポイントがチラリチラリと見える道を岩代へ。
途中で国道に合流するが、歩道が狭く危なっかしい。いくつかの旧跡を越え、国道から分岐して側道を下る。そして国道下をくぐったところには分岐点があり、いったんは右手の岩代王子へ。王子は踏切も越え、海岸縁にある。お詣りして振り返ると、まさに眼前は太平洋。これほどに海に面した社殿も珍しい。
引き返して岩代駅方面へ。もともとは南部までとも考えていたが、今日はここで終了とした。
今日は新しい靴。前の靴は、まだ履けるには履けるのだが、側面の縫い目が外れてしまっており、いよいよ寿命のようだ。新しい靴と言えばありがちな靴擦れも、ここまでは心配するほどにはなかったのだが、ここに来てどうにも足裏や足首のスレが気になり歩く気にはならなくなった。岩代駅でちょうど電車時間ということもあり、ここまでとした。
アスファルト歩きばかりの道取りだったが、時折現れる海洋ビューに元気をもらって歩き続けた。天気のいい日に来られてよかったと思う。
コメント
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昨日は良い天気で良かったですね!
今回も長い距離をしかも高速で歩かれましたね!? 流石です!
ご覧いただきありがとうございました。
古道歩きは山とは異なる趣ですね。どうしても歩き過ぎる傾向にあります。
まあ、行ける限りは行きたいものです。またご一緒しましょう!
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