鍋倉山
- GPS
- --:--
- 距離
- 3.3km
- 登り
- 453m
- 下り
- 451m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
県道95号線は冬期閉鎖が未だ解除されず、鄙匯海汎藾匯海隆屬梁瑤両緝瑤棒澆韻蕕譴織押璽箸撚室屬鰺承靴覆される。よってここから鍋倉山を目指すには、夏山ルートに沿いながら雪の斜面を登るか、関田峠までの林道を2.5kmほど歩いて信越トレイルを歩くしかない。 |
写真
感想
2014年5月15日(木)
鹿島槍の黒沢尾根から次のステップを求める来客が多いことから、次なる雪のフィールドを探すべく鍋倉山の巨木の谷を観察するロケハン。
2時前に起床し3時出発。5:20頃、飯山市温井の県道95号・冬期閉鎖ゲート着。関田峠まで2.5kmの県道をを歩くか、それともダイレクトに雪の斜面を登るかを検討し、直登を決める。
5:40頃出発。駐車場の150m下方に、ブナの森に続く散策路があり、その道は森太郎と言う大ブナに寄り道した後に久々野峠経由で鍋倉山の山頂に至っている。大体の見当ではあるがほぼ正確にその入り口から入り、後は雪の斜面を左寄りにトラバース気味に登って東稜の北側の尾根を目指す。
福岡から来たS女史は雪山が初めてで、しかもエッジの無いハイキングシューズなのでキックステップがあまり効かず、腰が引けているのをTomさんが丁寧にエスコートしているので、自分は道をつけるべくどんどん先を行き、20分ほど登った斜面の途中の根周り穴で休憩をとる(6:00〜6:06)。
5〜6分休んで出発。6:25、高度1000m付近の東稜北側尾根に到達。その先に登山道を見つける。森太郎のある巨木の森はその左下のカール状になった窪地にあり、Tomさんがスマホで割り出した位置を目指して窪地に下りると、そこはのびのびと育った立派なブナの大木の森で、6:48に盟主森太郎(1060m付近)を発見・到達となる。東南東に開けたその先に見えるのは苗場山か‥?
森太郎は古い巨木であるが、西側からの何らかの圧力を受けて東に傾き、樹形もどこかいびつである。一帯には森太郎よりは若いが均整のとれた美しい樹形のブナが無数にあり、充分な間隔を保ってストレスを受けずに育ったそれらの木々こそがこの森の主役であるように思えた。
ここから登山道は元の東稜北側尾根に戻り、鄙匯海箸隆屬梁瑤箸涼羇崚席佞蠅鮗仂紊靴覆ら久々野峠に向かうのであるが、雪の具合がいいのでそのまま窪地の斜面を登って東稜の南側尾根に登る。この東側の大きな窪地の最後の壁はかなりの急斜面で、1150m付近の緩斜面までの登りでS女史はかなり苦戦していたが、Tomさんがピッタリついていたので構わず先行し尾根に向かう。
急斜面を登りきると、そこに同じような樹形の2本の若いブナが、5〜6mの間隔でお互いに内側に向かって少し傾いて立っており、7:26、凱旋門のようなその2本の樹間を抜けて尾根に至る。そこから頂上に向けて続く緩やかな斜面一帯は圧倒的なブナの純林で、その足元に夥しいブナの実の殻が見られた。乾いた大きな根周り穴を見つけて後続の2人を待つ。7:40に2人が到着し、朝食休憩とする(〜8:10)。
8:10,山頂に向けて出発。のびやかな緩斜面を覆うブナはどの樹も大きく、しかも樹間が広い,と言うより広すぎる気がした。しかも根周り穴にはササが見られる。そう言えば下界から見る鍋倉山頂南側の東斜面には雪面が透けて見えていた。これはおかしい・・。
ブナの森は究極の森と言われる。それは森林の変遷の結果としてこれ以上変化のしようがない状態に達して、未来永劫その状態が続くと言う意味であって、万物は変化すると言う(哲学的)意味合いからか、この考え方は否定されているが、ここが極相林であるとするならば、樹と樹の間隔は森林自らが創り出した適正な間隔であって余分な隙間はなく、従って下草や笹などが入り込む余地もなく、まして遠目に雪面が見えることもない筈である。なんらかの人為が加わっていると見るべきであろう。
この稜線でもう1つ気づいたのは船窪とでも言うべき二重山稜のような地形である。森太郎のある巨木の谷もごっそりと抉り取られてできたカール状の窪地で、後立山連峰のように急峻でもない低山にどうしてこのような窪地ができるのか不思議に思った。
そんなことを考えながら、しかし樹々の面白さはそれとして充分に楽しみながら歩いていると、山頂近くになってそれまでのふくよかでボリュームたっぷりの樹形とは打って変わって、これでもブナかと言うくらいに貧相な疎林となり、いささか拍子抜けの感に戸惑いながら8:40,鍋倉山頂に着く。
鍋倉山の山頂からの展望は必ずしもいいとは言えないが、先ず目につくのは北東から北西にかけての黒倉山から関田峠,巻峠を経て続く信越トレイル・ラインと、その遥か先に位置する秀麗な米山から始まって東に向かう稜線の先に同じように聳える端正な黒姫山のシルエットである。関田峠の西に広がる里山と村落に続く上越市の市街地のその先には日本海の海岸線が米山に至る。そのすべての海岸線を歩いている自分には灌漑深いものがある。
目を南に転じれば妙高,火打等,北信の山々だが、自分はこの山域に弱くてどれがどの山か同定できない。東南東〜南東の苗場,鳥甲,奥志賀高原方面も同様である。
山頂からの景観を満喫して、9:08出発。取り敢えず久々野峠まで下り、トレイルのラインを関田峠に向かうか、巨木の谷に下るかを検討。S女史の下りの足に問題なしと見てまっすぐ渓を下る。
この谷は2009年5月16日に、旧境界線の仲間達と覗きに来たことのある渓で、何本かは馴染みのある樹に会えた。前回は関田峠まで戻らなければならない事情があったので途中で引き返したが、今回はそのまま下ることにする。
こちらの谷は連続した斜面で、カール状の森太郎の谷とは幾分様相を異にしており、やや密である。その分だけ巨木と言うほどの樹は少ないが、樹間が適正で隙間がなく、従ってササも下草もなく、人の手が加えられないまま変遷の途上にあると言う感じがする。
沢が顕著になる辺りから沢の左右どちらを下るか迷ったが右岸を下る。途中で左岸の方がよかったと気づき、後ろの2人には一旦沢に下りて左岸に上がるよう指示。自分はそのまま駆け下って元の雪原に着いたが、沢を見るとスノーブリッジに穴が空いているところが見られたので、再度早く左岸に上がるよう身振り手振りで知らせる。
これから森太郎を見に行くと言う3人連れにエールを送り、写真家さんに挨拶して10:02駐車場に帰着。15時前には帰宅できたのだから朝早いと言うのはいいものだと思う次第。
残雪の状態がちょうどよくて、
ブナの新緑も眩しいほどですね。
ブナは紅葉は綺麗じゃないから、やはり新緑ですね。
malmalさん 5月30日まで道路は閉鎖されていますが、鍋倉山の残雪と新緑のコラボを楽しむなら今がチャンスです。同じ緑でも上の方の芽吹いたばかりの新芽と下の方では驚くほど違います
大町から行くことを思えば能生からは牧峠経由でアッと言う間です。
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