道南最高峰・狩場山(千走新道往復)



- GPS
- --:--
- 距離
- 8.3km
- 登り
- 833m
- 下り
- 839m
コースタイム
天候 | 曇り・ガス一時小雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
下部の小雪渓まではアイゼン無しで登山可、大雪渓は斜度があり、雨でステップも流れておりアイゼン無しでは横断・登降困難。雪渓出口も視界不良時は分かりにくく、特に下りは慎重に見極める必要あり。その他コース上は倒木等多数、足許も降雨後はぬかるんでおり若干歩きにくいものの、特段の危険箇所ナシ。南狩場山前後は雪無し、山頂までの稜線上は緩斜面でアイゼン等不要なるも、ガスで視界不良時は雪渓と夏道の境目が不分明。山頂から北西の海岸へ下る茂津多コース(距離が長く、往復はシンドイかと)も入り口は良く踏まれている感じでした。 |
写真
装備
備考 | 本ツアーで全行程のガイドをして下さった黒田 亨氏(札幌在住)は、残念なことに2018年4月、御自宅の火事で奥様と共に他界されました。心より御冥福をお祈り致します。 |
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感想
毎年6月は「梅雨知らず」の北海道へ遠征を目論んでいますが、今年も道南の名山にターゲットを絞り、金曜夜に函館空港へ。ところが、皮肉なことに東京は梅雨の晴れ間なのに、北海道はここ数日間季節外れの大雨続きで、JRは一部不通、往路の飛行機も「場合により羽田へ引き返します」などとアナウンス、前途多難です…。やむなく当初予定の大千軒岳・知内沢コースは諦め、登山口へのアクセスが容易で、尾根通しのしっかりした登路の開けた狩場山へ転進することに。
朝になっても雨が上がる気配なく、何度か日高の山などを案内いただいているベテランガイドの方と「今日は一日修行ですね」と顔を見合わせながら、山菜採りのジイチャン達と前後して千走登山口へ。道南屈指の「ヒグマ・パラダイス」に警戒を怠らず、休憩の度に持参のホイッスルで威嚇を繰り返しつつ、ザックとストックの両方に熊除けの鈴を付けて、ちんどん屋か修行僧のように賑やかに音を出し、樹林帯を登っていきます。出だしは小沢のようになった登山路に足を取られながらも順調に高度を稼ぎ、いよいよ核心部の雪渓下へ。下部の2雪渓は登りだけなら何とかアイゼン無しで突破可能ですが、真駒内コース分岐までの上部の大雪渓は、谷底まで雪がつながっており、斜度も結構あって、さすがに軽アイゼンを付けてもかなり緊張。ステップを切りながら慎重に斜面をトラバースし、何とか雪渓出口で夏道に復帰すれば、以後は山頂までアイゼン不要です。
南狩場山の急登を越え稜線に出ると、気持ちの良い雪原が拡がっており、親沼あたりでカエルがのんびり泳いでいるのを眺めつつ登っていきます。と、今度はガスで山頂の方向が分からず、直下でミニ藪漕ぎの末、11時前にようやく山頂到着。先客は北海道警の一行で、トランシーバーで通信を取り合い「残雪期の登山指導をしてます。装備は十分ですか?ヒグマにはくれぐれも注意を」と我々も有り難くご指導いただきました。「道警のHPに指導風景の写真をアップさせていただきます」と言われ、犯罪者として名前が載るよりは良いか、と思い直して記念撮影を済ませ、展望もなく寒いので、早々に下山開始。雪渓上部まで来ると、ガスが切れて下界の景色が一瞬拡がり、「こんなヒヤヒヤもののコースを歩いていたのか」と改めて緊張。無事に雪渓を突破し、アイゼンを外してズンズン下っていくと、この日唯一の単独行の登山者とすれ違い、上部の状況をインフォーム。時間は午後1時過ぎでしたが、彼なら日が長いこの時期には午後からでラクに日帰りできるだろう、と納得。下山後は、黒松内の日帰り温泉で汗を流し、再び「文明人」に戻って、次のターゲットであるニセコへと移動。展望はイマイチでしたが、さすが道南最高峰の狩場山、アクセスの便利さに比して奥深い感じがあり、是非また季節を変えて再訪してみたい山でした。
この時期の道南の山々は、新緑や高山植物は大変綺麗で、苦労して山に分け入る価値は十分あるのですが、林道や沢ルート両方が「通行止め」同然だった大千軒岳など、冬の積雪や林道の開通状況、直前の天候等を十分見極めないと、増水した沢か通行止めの林道か、はたまた残雪に閉ざされた登山道か、眠りから覚めて活動期に入ったヒグマといった種々の障壁が次々と立ちはだかり、現地入りしてから立ち往生してしまう恐れもあるでしょう。我々本州の登山者は遠征日程も自由には選べませんが、やはり単独行は避け、経験者に同行いただいたり、役場などに問い合わせて直前の林道や登山道の状態をよく取材するといった事前準備が不可欠と思われました。
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