中ア・摺古木自然園休憩舎登山口から摺古木山─安平路山往復


- GPS
- 10:07
- 距離
- 25.5km
- 登り
- 1,656m
- 下り
- 1,647m
コースタイム
- 山行
- 8:22
- 休憩
- 1:46
- 合計
- 10:08
天候 | 晴れ後曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2022年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
<ゆき> 富山から概ね国道41号→下呂→国道257号→付知→県道3号→坂下→国道256号(一部国道19号と重複)で南木曽入り。県道8号で大平へ。 <かえり> 高山国府トンネルまでは往路の逆で、宮川に沿って国道472号→国道360号経由で猪谷へ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
進むにつれ、ササヤブが酷くなっていく…。周回コースは、ササヤブだけでなく低木のヤブもあり手強い(苦笑)。 |
その他周辺情報 | 県道8号南木曽町側の大平街道の便所を使用。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
半袖シャツ
アームウォーマー
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
ザックカバー
行動食
非常食
飲料
ライター
地図(地形図)
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
時計
携帯
タオル
スパッツ
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
テントマット
シェラフ
サングラス
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感想
中央アルプスの南部縦走は信大在籍時からの課題で、時間とアクセスのことを考えたら信大在籍時に済ませてしまえばよかったんだろうけど、当時購読してた『山と渓谷』の、編集部全員で日本アルプスをリレー縦走するという企画の中央アルプス南部の凄まじいササヤブの衝撃的な写真をみて、「登山道が整備され、このササヤブが無くなってから行こう」と後廻しにしてしまった。その後、ササヤブ区間の整備はほぼ行われずさらに酷いササヤブとなり、私は齢を重ねてササヤブに抗う体力を失っていった…。こうなると分かってたら、絶対に信大在籍時に行ってただろう。
中央アルプスの越百山より南は手強いササヤブに覆われ、歩行困難という話にビビリ、足が向くことは無かった。しかし、この春、安平路小屋までササ刈りされたという耳寄りな話を聞きつけ、ササが勢力を盛り返さないうちに…と思い、2022年11月19日に現地へ向かった。
朝2時に起床し、『キャラメルハウス』(自宅)を出発。眠気覚しに『Red Bull』を飲んで国道41号→国道257号へ。『Red Bull』の副作用で尿意が凄まじいことになり、『ローソン下呂宮地店』に立ち寄ったほか、『道の駅賤母』、県道8号に入ってからも大平街道の公衆便所でも用を済ませた(苦笑)。大平宿には明るくなった6時過ぎに到着。摺古木自然園の標識に従い、東沢林道に入る。最初のうちは舗装路だけど、舗装が途切れた途端、洗掘が進んだガタガタ道になる。登山口のゲートには6:20前に到着。クルマは、私のほかは居ない。朝食にナポリタン喰ってから、準備を済ませて、登山カードに記入してから、6:34に出発。
最初は林道歩き。もの凄く寒〜〜〜い! 黒川を離れて尾根の向こう側に出ると陽射しが当たるようになったので幾らかマシになったけど、それでも寒い。80分ほどの歩きで、本来の車道終点となる休憩舎に到着。
今回の山行はササヤブが酷いという話のため、道迷いでタイムロスした場合の安平路小屋宿泊を想定し、寝袋、マット、食糧、食器、コンロ、ガスカートリッジなど普段の日帰り山行では持たない荷物をザックに入れている。他の山域では日没までに下りて来れなかったことは稀だけど、1992年の経ヶ岳ではササヤブに方向感覚が惑わされ山頂に戻ってしまうリングワンダリングをやらかして下山が8時前となり(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4944863.html)、2004年の大川入山でも日没まで降りられない(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2540591.html 単に入山が遅かったせいだけど…苦笑)など、この山域での「過去の失敗」も教訓にしてる。ヤブ漕ぎで全身濡れた場合、ウエストバッグに入れたサイフが濡れるのを防止するため、サイフをザック奥に、ササ露対策で雨具を一番上に収納する荷物の組み替えを小舎のなかで行い、ひと息着いたところで『キットカット』喰ってくつろいでると、ガラッと扉が開き、男性登山者が姿をみせた。先客である私に遠慮してか、その登山者は小舎に入らずさっさと入山してった。
7:53に小舎を出発。ササの生命力は侮れないもので、刈られたばかりなのにササに触れずに歩けないほど勢力が復活してる(苦笑)。しかし、最近雨も降らず、朝露も霜も無かったせいかササは乾いていて、雨具を着ることは無かった。登山口からの林道歩きは寒かったけど、南側斜面のササ原歩きは、暑い! 歩きながら上一枚脱いでしまったくらい。これでササが露だらけで雨具を着込むことになったら11月なのに熱中症になりそうだ(苦笑)。ひと登りで尾根に乗ると(全コース中、唯一電波が通じたのはこのあたり。ちなみに『Softbank』…笑)そのまま尾根通しには行かず沢側のほうにトラヴァース気味に入ってく。『ヤマレコマップ』にある水場以外にも、水が流れてるところが多いので、水には困らない(もっとも、一度も汲まなかったケド)。登山道が崩落してるザレ場があるけど、慎重に歩けば問題無い。恵那山がよくみえる地点を通過し、直登コースと周遊コースとの分岐に出た。分岐で10分休憩してから、直登コースに入る。直登コースに入るとすぐに水の音がして、足元左側を見下ろすと周遊コースを行くとすぐに沢を渡るのがみえた。9:30に摺古木山頂上に到着。
一等三角点があり、一等三角点百名山である摺古木山頂上からは乗鞍・槍穂を中心とした北アルプス、御嶽がよくみえた。角度の関係で、奥穂と前穂の間に槍ヶ岳がみえる。天気も良く長居したいけど、先が長いので10分で出発。摺古木山頂上からの下りで日蔭に雪をみるようになる。量も少ないので、歩くのに全く支障は無い。全コースササヤブ中心のなか珍しくロープ設置の難所を通過し、下り切ってからは、白ビソ山へとダラダラ登っていく。途中で登山者とすれ違ったけど、奥念丈からの縦走者か? それとも、小舎で会った登山者か? いずれにせよ、この日の全行程中、登山者の姿を見掛けたのは、小舎とこの時の2回だけ。10時半に到着した白ビソ山の頂上は、「エエッ? ここが頂上?」と驚くくらい地味な場所で、標識が無ければスルーしそう(苦笑)。白ビソ山で休憩した後は、安平路小屋までアップダウンがありながら緩く下っていく。『ヤマレコ』にみんなが載せるお決まりの構図(安平路山と安平路小屋)の写真を撮ってから、小屋に11:05に到着。安平路小屋正面の扉も、用具入れなどの後ろの扉も歪んてて開きにくい。いちお中も検めたけど、フツウに泊まれそう。だけど、トイレはどこだ(苦笑)。
小屋を11:15に出発し、いよいよ最大の難関と目していた安平路小屋─安平路山の区間に突入。この区間は刈り払いの対象外の認識だったけど、状況が急に悪化したワケでもなく、確かに水場分岐を過ぎるとササの高さは胸下までになったけど、ピンクテープは赤布はちゃんとあるし、小屋までと大きく変わった印象は無い。ササ原を抜けると樹林帯の沢状地形を上るようになり、ここはササは薄い。しかし、頂上の直下の急登はササ原。急登が終わり、雪に囲まれた三角点が現れると、その先に安平路山の標識が立ってた(苦笑)。到着は11:57で、目標としてた12時までをクリア。頂上で、エースコックの『飲み干す一杯 担担麺』を喰う。「展望が無い」、「なんで二百名山に選ばれるのか解らん」と酷評だらけの安平路山だけど、標識奥の木々の間から御嶽山がみえた。せっかくだから、この御嶽山と安平路山の標識が一緒に入った写真を撮ってみた(苦笑)。
帰りも長いので、せっかく着いた頂上にも長居は出来ず、12:12に頂上を出発。道間違いの危険がある…と気を付けていた沢形地形を外れる箇所も無事外すことなく、ササ道を下る。これまで南アルプスの展望にあまり気を払っていなかったけど、水場分岐付近から南アルプス方面をみると、池口岳や聖岳がみえた。安平路小屋で休憩してから、白ビソ山への上り返し。疲れた体にはいくつものピークの上り返しはキツい…。最後の摺古木山への上り返しが一番キツかった。摺古木山からは周遊コースに入る。「周遊コース=一般ハイカー向けに整備」という先入観を嘲笑うかのように、これまで歩いたササヤブに加え低木のヤブも加わる(苦笑)。摺古木自然園の標識に14:36に到着。さらに西にある展望台まで進もうかと思ったけど、事前ルートに入れていないので『ヤマレコマップ』から「ルートを外した!」との警告が出るのが鬱陶しく、予定どおり分岐点への下りに入る。いきなりシャクナゲなど低木のヤブ(苦笑)。幸いなことにそれは長く続かず、一旦、沢の源頭部に出てからトラヴァース道に入る。そして、いくつも沢を横断する。直登コースに入った時に「周遊コースから下山すると分岐点手前に沢がある」ことを知ってるだけに、沢を渡る度に「分岐点はすぐそこだ!」と喜び、実際には分岐点はまだまだで落胆させられた(苦笑)。そういうのを4回ほど繰り返した後、ようやく3時前に分岐点に出た。上りの時と同じように恵那山がみえたけど、だいぶ雲が増えた印象。周囲もだいぶ薄暗くなった。15:31に休憩舎まで戻る。ザックの奥に収納したサイフをウエストバックに戻し、まだ荷物に残ってた食糧のうち、塩焼きそばをようやくここで喰った(苦笑)。15:41に休憩舎を出発し、61分の歩きで林道ゲートに戻った。クルマは特に増えたりはしてなかった(苦笑)。東沢林道を慎重に下って大平宿に出た頃には、薄暗くなってた。
行動時間が10時間を超えてしまい(8分だけだケド…苦笑)、時期的に日没時間を意識する山行になってしまった。もっと早く下りて来れる自信はあったんだけど、現実は厳しい…(苦笑)。私が県外の日帰り登山に行くと、殆どの場合山歩きの時間よりもクルマに乗ってる時間のほうが長くなるけど、今回の場合は歩きのほうが長くなった(苦笑)。11月とはいえ長丁場でたくさん汗をかいたのか、ふだんこの時期の山歩きでは消費しないほど飲み物を消費した。真夏だと暑くて苦労するのは必至。ササ露で全身ビッショリ濡れると悪評のコースだけど、終始ササは乾いてて雨具の出番が無かったのはラッキーだったとしか言いようがない。今回歩いてて感じたのは、長丁場のことといい、帰りの上り返しがキツいことといい、コース整備状況が難易度を左右することといい、しらびそ峠からの奥茶臼山往復(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3584914.html)に近い。これから安平路山日帰りを検討のかたは、安平路山に行く前に奥茶臼山往復で練習するといいかもしれない。奥茶臼山往復で時間が足りなければ、安平路山日帰り往復は無理でしょう。
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