道畔谷北尾根から荒地山
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- GPS
- 03:33
- 距離
- 6.3km
- 登り
- 369m
- 下り
- 628m
コースタイム
- 山行
- 4:20
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 4:39
天候 | 晴時々曇 |
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過去天気図(気象庁) | 2023年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
荒地山は側路多し。芦屋川右岸道下部は通行不可とされている。回避するにはルートファインディング要す。 |
その他周辺情報 | 芦屋川駅周辺に飲食店。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
未明の雨は上がっていたが、黒い雲はまだ空の支配権を維持している。だんだん良くなることを信じて、時を稼ぐ。それでもそろそろ出かけないと。そう思っていると娘が起きてきた。車で送ってくれるという。今日の行き先は、もしも車を出してくれたらここ、自力で行くならあそこを周回、昼網の魚を買えそうならあっちの山、孫も来るならあの山、というように4か所の候補を考えておいた。車で送ってもらえる時の行き先、それは道畔谷北尾根から荒地山だ、というのも、阪急芦屋川駅から徒歩で向かうとすると1時間半以上かけて芦屋川右岸道を行かないと登山口に達しない。車を出してもらえれば、ここを省略可能となる。弁天岩辺りで降ろしてもらえば、あっという間に登り口に到達するからだ。先週は道のいない尾根を使って稚児ヶ墓山と帝釈山を周回し、右足が不調のkinuasaは再び足の状態が悪化してしまった。なので、今回は歩程を短縮して負荷を減らす必要があるのだ。
降車地点として狙っていた弁天岩は気が付くのが遅く、通り過ぎてしまった。芦有のゲートで引き返し、予定の地点で降ろしてもらう。この車道から右岸道への入口が少々わかりにくい。朽ち果てて支柱部分しか残っていない道標の立つところが、その入口だった。ここを入ると、すぐに大岩があり、神様が祀られていた。さらに数個の大岩を見て下っていく。荒れた感じの林下を進んでいくうち、周囲が明るくなり、左の山側へ道が分岐する。ふと見ると、「荒地山→」という小さな板が灌木の枝に括りつけられていて、ここが道畔谷北尾根の取り付き点であることを知る。
この道に入るとすぐに岩場となる。急登ではあるが何の困難もない。周囲は松と広葉樹の灌木林であり、明るく視界の開けた開放的な雰囲気である。東六甲の良さが凝縮したルートと言ってよい。終始、瀬戸内海と阪神間の街を眼下に眺めながら、岩の多い稜線をぐいぐいと登っていく。今日は3月中旬の陽気という予報だが、実際、暑いくらいだ。kinuasaはコバノミツバツツジの蕾がもう色づいていると感嘆の声をあげている(帰りにはもう開花していた!)。
中盤に差し掛かると、岩は丸みを帯びて周りをシダが埋め尽くすようになる。まさに荒地山を特徴づける風景が広がる。傾斜が緩くなったところで、右に分かれる小道に入ってみると、すぐ横に大岩が立ち、目の前に雄大な風景が広がった。よし、ここで昼飯だ! ところがである。asakinuのリュックに、昼のパンと缶詰、甘納豆の入った愛用のランチボックスが、ない! もしや、さっき上着を脱いでリュックにしまった際、取り出して忘れてきたのでは?? とりあえずkinuasaの背負ってきたパンとお菓子でしのぐ。当初考えていた周回は取りやめて、このルートのピストンに変更し、ランチボックス救済を目指すことにした。
荒地山の山頂はすぐそこなので、とりあえずは山頂を踏んでおくことにしよう。道畔谷北尾根の道は、芦有ゲートへ通ずる道と道標の立つ地点で合する。ここを左に曲がって少々進むと岩梯子からのメインルートにぶつかる。岩梯子にはきれいなペルシャ猫が住み着いていたなあ、などと話しつつ、ちょいと進めば、荒地山の山頂に達する。二組の先行者が休憩している。我々は踵を返して往路を戻る。往路を戻っている筈が、見覚えのない岩を踏んで道がついているぞ。荒地山には枝道がたくさんあるので、思ったところと違う場所に出てしまうことがよくあるのだ。すると目の前の小広い場所で、10人ほどのパーティーが休憩している。聞けば道畔谷を登って来たという、どうやら我々は、往路よりほんのわずかに南に来ているらしい。実際、ここから少し北寄りに岩の隙間を縫って進むと、見覚えのある道畔谷北尾根ルートに復帰できた。
弁当箱には注意を払って下山するも、結局発見できず。ひょっとして家に置いてきてしまったのか・・・解決は帰宅後となった。この急勾配の稜線は、下りも早い。気が付けば芦屋川右岸道に出ていた。ここからは、ただプラプラとこの道を下るだけ。と思っていたら、「工事中、通行止め」の大きな看板が眼前に現れた。数年前、ここを登りに使った際、すでに通行禁止だった。それでもこの道を通り抜けて、道畔谷南尾根を登ったのだった。もう工事は終わっているものと勝手に思い込んでいたのだが、まだ工事中とは。でも、今回も通れるだろうと踏んで、通行止めの道を進む。が、山側上部が崩壊したようで、その修復工事で伐採木が道を塞ぎ、状況は厳しい。一旦は諦めて看板の所に戻り、分岐した左の道を行ってみる。こちらも入口はロープで止められている。少し進むと再びロープがあり、「私有地につき立ち入り禁止」とある。構わずさらに先に行ってみたが、下まで行った挙句柵などで行く手を阻まれる可能性を考え、思い直して引き返す。工事の道を再度トライするつもりだったが、その分岐の少し手前に、南へと向かってついている踏み跡を発見。こちらに入る。だが、すぐに踏み跡がはっきりしなくなる。やむなく工事で塞がれた道に上がり、進もうとするが、完全に伐採木に埋もれてどうにもならないところに達する。やむなく谷側の林下を進むと、左から踏み跡が現れた。たぶん、先ほど見失った踏み跡の続きだろう。これに乗ってさらに南へと向かう。すると、古いぼろぼろになった敷地境の塀跡があり、その上側に沿って踏み跡が続いていた。いけるところまでこれで行こう。途中、崩壊箇所を越えたりしつつも尾根端まで進む。このあたりでマーキングがいくつも出現する。これに従って進むが、高みに上がったところでマーキングは左旋回して、どんどん下へと向かっている。しかし、平地にランディングする辺りがどうなっているのか不安である。周りを見回すと逆に山側に登っていく薄い踏み跡を発見。マーキングは皆無だがこちらを選択して上方へと向かう。というのは、今いる地点が本来の道が城山への遊歩道と合する辺りの少し下側であり、わずかに登ればその合流点近くに出る、と読んだからだ。実際、少々上ると、予想した合流点のわずかに東側の通行止めルートに飛び出した。こうして、無事、山芦屋の住宅街最上部に出ることができたのだった。
弁当箱失踪がもとで、とんだアドベンチャーとなったが、結果よければすべてよし、ってことにする。その弁当箱だが、自宅にも忘れてはおらず、やっぱり山中どこかに忘れたのだろう。山の神のみぞ知る我が弁当箱の行方なり。
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