大塔山系の嶽山(和田川の登山口−柿平、時計回り周回)【大塔山系、和歌山県】
- GPS
- 04:48
- 距離
- 7.7km
- 登り
- 751m
- 下り
- 750m
コースタイム
大泓の駐車場所 923 ― 嶽山登山口 950 ― 廃屋裏の登り口 955 ― 斜面から尾根へ 1011 ― 最初のロープ 1015 ― 傾斜が一休み 1016 ― 最初の岩登り 1021 ― 小ピーク 1049 ― 烏帽子岩下の巻き道屈折点 1107 ― 長いロープの下 1122 ― 長いロープの上 1126 ― 馬の背 1145 ― 嶽山山頂部(北峰〜南峰)1205/昼食/1234 ― アンテナ跡 1238 ― 大岩を巻く 1300 ― やや平坦地 1311/1317 ― 柿平集落への屈曲点 1342 ― 動物除け柵 1345 ― 県道 1347 ― 大泓の駐車場所 1410
●行動時間 04:47
天候 | 晴れ、曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(和歌山=駐車場所(大泓)) 大泓―和田川の嶽山登山口―嶽山―柿平―大泓 (駐車場所=和歌山) ●登山口へのアクセス ○大泓、嶽山登山口 ・県道219号の奥地にある。国道311号「田辺市鮎川」で鮎川新橋を渡り、街中を抜けたところから左折して県道219号へ。トンネルで峠を抜けて下りていくと国道371号に突き当たるので左折して一旦国道に合流。富里温泉「乙女の湯」を過ぎたところで右折し再び県道219号へ。狭い舗装路を道なりに5分程度進むと大泓。そこで左手山側へと緩く分かれていく林道を3kmほど進むと嶽山登山口がある。登山口には数台駐車できるだけの余地がある (2023.3現在) |
コース状況/ 危険箇所等 |
○嶽山登山口〜嶽山 ・ずっと急傾斜。殆どの区間で手足を使ってよじ登る印象。土の急斜面も岩登りも交互に現れる。ゆっくりできる平地はない ・入口から山頂まで標示はわずかしか見かけないが、誘導テープは最近のピンクテープも含めてふんだんに現れる ・踏み跡は薄いが確からしいレベル。踏み跡とテープさえ見失わなければまず迷うことはない ・登山口からすぐに和田川を飛び石渡渉。廃屋が現れるが、概ね最初の廃屋の真裏くらいに登り始めがある ・烏帽子岩下の巻き道誘導には標示が建っている ・登り利用が推奨されているが、確かに下りは危険に感じる。私ならば下りは利用しない ○嶽山〜柿平 ・急傾斜も時折混ざるが、土の尾根道を降りていく。落ち葉のスリップは警戒だが、全般に歩きやすい。概ね一本道だが、支尾根の分岐点では紛らわしいこともある ・こちらも誘導テープが頻繁に現れる。テープが見えず足下が軟らかくなったら、コースを外れたと思えばよい ・柿平手前でそれまで尾根下降を続けてきた道が突如なくなり右へのへつり道が唯一の踏み跡になる。それを降りると動物除けネットにぶつかる。コース目の前が開口箇所になっているので、開け閉めして進む。最後は民家の背戸道のようなところから県道に出る ○そのほか 大泓〜登山口、柿平〜大泓は林道や県道の (いずれの記述も2023.3現在) |
その他周辺情報 | ●買う、食べる ・コンビニエンスストアや飲食店は国道311号沿いのものが最後 ●日帰り温泉 ・クルマでの道中に富里温泉「乙女の湯」がある (いずれの記述も2023.3現在) |
写真
感想
急峻な大塔山系の中でも厳しさが際立つ嶽山へ。
山会社の地図にはこの山の道が記されていない。それでも山と溪谷社の分県登山ガイドには載せられている。選ばれるくらいだから著名な山なのだろうが、ヤマレコはじめ山の記録のサイトの中でも登場回数は決して多くはない。分県ガイドでは西尾根は登りのみの利用を薦めている。それに従い、周回コースを取ることにした。
他社にはなるが、目指すルートをたどった方の記録(=下記参照)を発見したので、それを参考にした。
県道219号から和田川を遡る林道が分岐する辺りの路肩に駐車。登山口を目指して林道を遡る。30分ほど歩くと道脇に「嶽山」と書いた木札がある。そこで鋭角に曲がって川原へと下降。飛び石伝いに対岸に渡り登り返すと廃屋。右手から最初の廃屋の裏へと回るとつづら折りの踏み跡が見える。テープに従い登り始める。
背丈ほど登ったところには古い墓標が残っている。「文化」と見えるので1800年代初頭ということになる。200年以上の人の歴史を経て、また自然に帰っていくのだろうか。
そこからはいきなり急斜面が始まる。土の急斜面、足場もしっかりとはしていない。樹木を掴み、根を掴み、地面も掴んで登っていく。そんなとんでもない急登が途絶えることはなく、ようやく目の前の景色が変わったと思ったら尾根筋に出た。
尾根も変わらず急傾斜。しばらくは草地を登るが次には岩のよじ登りが現れる。ほんのちょっとの平坦地も珍しく感じられる。そんな調子でほとんど休むいとまもなく小ピークへ。珍しい鞍部への下りを経てまたも厳しい登り。手がかりの少ない大岩にはロープがある。そのうちに岩に抱きつく木々に阻まれ隙間を抜けて行くような所も出てくる。手足だけではなく体中を使っている。
ややあって、烏帽子岩下の巻き道への屈折点。標示に従いへつり道へ。ずいぶんまいたところでロープを使った急な登りに転ずる。三本連続のロープを登りきると分岐点。左は嶽山への道とはすぐに分かるが、右は文字が消えている。おそらくは烏帽子岩への道なのであろう。まずはそちらへと進んでみる。しかしどうも岩影まで進むとその先がよくわからない。残念ながら烏帽子岩は諦めることにした。
戻って嶽山側へ。尾根まで登ってみると、先ほど烏帽子岩を目指して引き返した大岩に、こちら側からも登れるようだ。とりあえずそこに登ると、嶽山山頂部だけではなく、三ツ森山や半作嶺も見ることができた。
そこから少々進むと馬の背。確かに見事なリッジ。三角屋根の頂稜部をそろりと進み対岸へ。越えて暫くで小さな鞍部があり、いよいよ本峰に取り付く。
本峰はさほど厳しくもなく、ひと登りで山頂へ。あまり眺めのない小さな広場に着いた。
木々の隙間からは、北の野竹法師とゴンニャク山や半作嶺が見える。もっといい眺めを求めて先に進んでみると、どうやらこの山は双耳峰となっているようで、南のピークがすぐに現れた。しかし南峰からはますます眺望が得られず、諦めて鞍部で昼食とした。
下りは南尾根へ。南峰のすぐ手前で右手へと下降する道をひたすらに下っていく。難所と思えるほどの場所はないが、松葉などの落ち葉で満たされた急斜面は滑りやすく歩きにくい。
こちらも登りと同様に殆ど踊り場はなく、急な斜面を下り続ける。まもなく道路というところで目の前にルートがなくなり、大きく右折する。最後は斜面をへつるように降り、動物除けネットをくぐると民家の庭先へと出た。正確には民家の庭と道路を繋ぐ背戸のような所を通って県道に復帰した。
下りの南尾根は普通の山道だったが、上りの西尾根は険しかった。以前登った三星山は低山ながら険しいと思ったが、こちらはそれ以上かも知れない。
安川に沿った県道を黙々と歩く。ここはとんでもない山奥だと思うのだが、少々進む都度民家が現れる。しかも廃屋ばかりではなく、生活の気配が漂う家も散見される。どんな生活をしているのかと思ってしまう。
不思議な奥地の一歩きを終え、クルマに帰着。見込みよりも早く降りることができて何よりであった。
ところが、戻ってクルマを出発させるとなんだかハンドルが重い。異音もする。見るとタイヤがパンクしている。30年近く経験のなかったパンク。しかも山奥で。スペアのない身では如何ともしがたく、救援を手配。クルマを運搬していただき、帰途のカー用品店での対処となったが、都合3時間以上のロスとなってしまった。
手当てをしていただいた救援の方があまりにもいい人だったことに救われた。何事につけ、人に丁寧な心持ちは態度ににじみ出る。めったにない救援経験だったが、なんだか山以上にいい経験をしたように感じた。
さて、明日は全身筋肉痛かもしれない…。
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