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記録ID: 52997
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トレイルラン
霊仙・伊吹・藤原

1.伊吹山 「ファースト・コンタクト」

1995年08月06日(日) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
9.6km
登り
1,205m
下り
20m

コースタイム

「夢高原かっとび伊吹」というトレイルラン大会に出場。

薬草の里−伊吹登山口−伊吹高原(三合目)−山頂(ゴール)−伊吹高原(三合目)−伊吹登山口−(シャトルバスで移動)−薬草の里
天候 晴れ
アクセス
コース状況/
危険箇所等
○この「夢高原かっとび伊吹」は例年8月下旬に開催され、トレイルラン入門には打ってつけであるし、百名山の一座をゲット出来る一石二鳥である。

○立ち寄り湯は公営浴場の「薬草の里」がある。
伊吹山山頂の日本武尊命石像前にて
伊吹山山頂の日本武尊命石像前にて
スタート前 ナンバーカードが布製なのが時代を感じます
スタート前 ナンバーカードが布製なのが時代を感じます
号砲が鳴る直前 緊張の瞬間
号砲が鳴る直前 緊張の瞬間
レース中、これは三合目を過ぎたあたりかなぁ〜?
レース中、これは三合目を過ぎたあたりかなぁ〜?
そしてゴール!

感想

第1座 ファースト・コンタクト

 僕の生まれは愛知県一宮市である。その一宮市から西に進めると伊吹山がある。物心ついた時から僕は冬に「伊吹おろし」という冷たい風を受けて育った。そういう意味では日本百名山の中でも日常生活に密着した一番馴染みのある山かもしれない。

 そんな僕が伊吹山に登ったのが小学生の何年生の時だったか? 思い出すのも今
となっては記憶が曖昧で思い出せないが小学3〜4年生の夏だったと思う。夕方に家を出て、リフトを乗り継いで三合目までいって、そこから登り始めるのである。その時は当然夜中で山頂目指して夜通し登るのである。で山頂に着くのは3時くらいになる。山頂に着いた後、昼間は売店、夜は仮眠室になっている建物に滑り込み母がこしらえた冷たいおにぎりを食べて御来光の訪れを待ったものであった。

 御来光を見るために外に出るのだが、夏なのに外は寒い。この時初めて山は平地と違って別世界なんだなとガタガタ震えながら幼心に思ったものであった。だから御来光の素晴らしさよりも、寒さに耐えた記憶のほうが強かった。
 
 それからもうひとつ、下山する時に僕は疲れと眠気で動くこともままならず、愛想を尽かした父が、

「そんなことをいうんだったら、置いていくぞ!」

と怒られ、半ベソをかきながら下山したこともあった。この時から僕は登山すまいと思ったし、山に登る意欲すら沸かなかった。『風のたより』と出会うまでは・・・・。

 そんな僕が再び伊吹山に登る羽目になったのは、1995年8月6日、「夢高原・かっとび伊吹」という登山競争に出場することになったからである。この登山競争は薬草の里という公共の施設から三合目のコースと、同じ場所から山頂までのコースとあるわけだが、僕は後者を選んだ。夏場はレースが少なかったこともあるが、それ以前に子供の時に山頂を踏んだ経験があり、登山競争の苦しさを知らないまでも、無謀にもエントリーしてしまった。

 麓にある薬草の里という公共施設からスタートし、しばらくはアスファルトの道を走る。その道がくねくねと曲がり、勾配もきつくなっていく。アスファルトの道が終わったと思ったら、さらに急勾配の登山道が蟻のように登っていくランナーの列を見た時、

「こんなところを登るのかぁ〜!」

と愕然としたものであった。オマケにこの日は炎天下。木々に日の光を遮ってもらっている分はいいとしても、三合目を過ぎた後は樹木も殆ど生えておらず、直射日光モロ受けで僕の体力を容赦なく奪っていく。その時僕の無知からなる蛮勇を呪ったものであった。

 それでも、この暑さも山頂に着く頃には、幾分は和らぐだろう。子供の時登った時はあれだけ寒かったんだから・・・・。八合目、九合目と登りきり、山頂に設置されたゴールゲートをくぐった。暑さは下界と何ら変わらなかった。ここでもまた山の本当の魅力に気付くことなく、登ったときの疲労感のほうが強かった。しかし、時間内に完走できるかどうか判らないまでにエントリーし、完走できたことは大きな自信となったのは確かである。

 この時点では日本百名山の存在も知らずに、その中に伊吹山が含まれていることを知ったのは、しばらく後である。しかし、伊吹山がこれから僕のライフワークとなる「日本百名山完全踏破」という夢に向かって踏みしめた第一歩なった記念碑的な山となった。

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