飯盛山と桝田山の周回(加古川)
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- GPS
- 02:50
- 距離
- 7.3km
- 登り
- 350m
- 下り
- 329m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
踏み跡は明確。ただし間違いやすい箇所複数あり。 |
その他周辺情報 | ウェルネスパークに食堂Mahalo。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
今週末は台風一過の晴天となった。しかし、kinuasaは土曜日は孫のスポーツフェスティバル(運動会)、日曜日は遠隔地で法事がある。一人で近場にでも行くか、と思っていたのだが、スポーツフェスティバルの孫の出番が午前の早い時間で終わってしまうという。それなら、その後出かけて軽い山行も可能だろう。そこで思い当たったのが『分県登山ガイド 兵庫県の山』の新しい版に加えられた(らしい)飯盛山だ。わずか200mそこそこの丘に過ぎず、しかも加古川の平地に囲まれた飯盛山。そんな”半端”な山を掲載するって、どーゆーこと?と正直思っていたところだ。『分県登山ガイド 兵庫県の山』掲載の山を全て登ろうという気もなかったのだが、未踏の山が片手で数えられるくらいになってしまうと、意識しないと言えば噓になる。そんな山だったので、これはちょうどいいかも、行ってみるか、となったわけだ。
天気の回復が思いのほか早く、空は真っ青、心地よい初夏の風が吹き抜ける。加古川ウェルネスパークという立派な施設に駐車すると、時間は11時半ちょっと前で、ぴったり昼飯タイム。客のいない食堂MAHALOで豚カツランチとエビフライランチを二人で分け合っていただく。下の階にはプールがあってインストラクターの指導の下、水中体操をしている人たちの姿が見える。ジムや図書室、会議室などが大きな建物の中に設けられている。
食後、平荘湖(へいそうこ)という巨大溜池に出て、池の西側の車道に沿う散歩道を行く。正面に見える小山に岩盤が上のほうまで続いているのが印象的だ。結果的にはこの岩盤を登って行くことになるが、うっかりして登山口をやり過ごしてしまって、わずかに戻る。なんの指導標もない入口で、散歩道からは車道の向こう側なので注意が必要だ。目印は尾根に沿って伸びる高圧電線である。上を向いて頭上を走る高圧電線が目に入ったら、その真下を見てみるとよい。岩がむき出しになったところにロープが下がっている。そこから山に入る。取り付くとすぐに自分が大きな岩盤上にいることを知る。フリクションのよく利く岩質で、フェースの中央を一気に高度を稼いていく。それでも濡れていたら難渋するであろう。岩盤上からの眺望は見事だ。眼下には平荘湖が全貌を現し、快晴の空の恩恵を受けてキラキラと輝いている。遠方に目を向ければ、播州平野の向こうに瀬戸内海が広がっている。ただし、こちらは例によって白く霞んで、その輪郭を認めるのがやっとだ。冬場にくれば、平荘湖と瀬戸内海の二重奏を存分に楽しめることだろう。足元には強風の岩場に適応したのか、地表を這うようにノイバラが生育して、矮化した葉とは裏腹に大きな花をつけ、まるで高山帯のチングルマのようだ。
やがて灌木帯に入り、傾斜の緩い尾根を進めば、すぐ横に反射板の設置された飯盛山の山頂に達する。ここからは平荘湖に代わって、台風で増水した加古川の蛇行した流れが一望された。山頂からは一旦来た道を戻り、三叉路から東へ長い尾根を下っていく。再び平荘湖を見下ろしつつ、丁度羽化したばかりと見られるアカシジミやミズイロオナガシジミ、それにヒョウモンの類が舞う道を進む。いくつかの分岐を見送って太陽光パネルの上に達したところで右に90度曲がり、太陽光パネルの端に沿って降りると自動車道路に出る。この道を渡って湖岸の遊歩道に上がり、堤防の上の遊歩道を対角の位置まで延々と歩いていく。
弁財天への道を右に分けて少し進んだところで、遊歩道から左の斜面に取り付く。「桝田山登山口」の目だたない標識がある。一旦左に進んで右に曲がり尾根に乗ると、左側の眼前に断崖が現れる。この上へと進むのだが、道は平穏な灌木帯の中の平坦地についている。すぐに左へ90度曲がり岩の段々を登るのであるが、平坦な道がまっすぐ正面方向に続いているため、うっかりすると見落としてそのまま直進しかねない。「桝田山→」の標識があるものの目立たないので要注意だ。
この分岐を左に曲がってコブに乗ると、左右が断崖の痩せ尾根となり、先ほど見えていた岩の上に今自分が立っていることを知る。垂直に切れ落ちた断崖のへりから、今日歩いてきた飯盛山の尾根を平荘湖の向こうに眺めるのはこれまた痛快である。岩尾根をさらにゆるりと登って行くと、岩盤に覆われた丸い山頂に達する。そこが桝田山の山頂であった。360度の展望に恵まれる。真下には蛇行して流れる加古川、南には瀬戸内海に家島諸島が浮かんでいる。北側には平荘湖がある。制空権を主張するようにキアゲハの雄が巴をつくって舞い上がる。
この山頂からは右手90度にルートを取る。山頂直下は飯盛山の登りをスケールダウンしたような岩盤の下りである。その下は単調な灌木に覆われた道となり、「桝田山古墳X号墳」と記した何本かの白い標柱が立つ尾根をひたすら進んで、ウェルネスパークへと戻った。
「半端」な山どころか、岩と眺望に恵まれた秀逸な丘陵歩きに充足の半日ハイクとなった。播州の里山には岩盤がむき出しになった好展望地が多いが、飯盛山と桝田山をつなぐ周回路にはその良さが凝縮されている。
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