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ハイキング
九州・沖縄
トホレコ☆リターンズ 3・くるそん峡探訪
2008年04月08日(火) ~
2008年04月10日(木)


- GPS
- 80:00
- 距離
- 62.4km
- 登り
- 1,294m
- 下り
- 1,502m
コースタイム
4/8 くるそん神社参拝。熊本へ。
4/9 雨のクラフトパーク
4/10 人吉温泉〜球磨川
4/9 雨のクラフトパーク
4/10 人吉温泉〜球磨川
過去天気図(気象庁) | 2008年04月の天気図 |
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アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
4/8 今日は朝から良い天気。朝露でテントがびしょ濡れだ。乾くのを待って出発。くるそん峡への道を辿っていくと程なくして道は未舗装になる。一般道というよりは林道に近いんじゃないか?こんなんでちゃんと越境出来るんだろうか・・・。不安だ。 くるそん峡は「峡」なんて字が付いているからてっきり函状地形が続くのだとばかり思っていたが、実際にはのんびりとした河原である。川岸にはキャンプ場なんかもあった。こんなとろこにでもシーズンにはキャンパーが押し寄せてくるのだろうか。今、こうして歩いている分には通り過ぎる車の姿とてない。 キャンプ場を過ぎてしばらく行くと道の分岐のところに「狗留孫神社案内図」なるものが立っているのを見出す。なんなんだよ、狗留孫神社って。地図をよく見てみると、なるほど川の右岸側に狗留孫神社の表示がある。この分岐点自体一体どっちに進路を取っていいか定かではないのだが、それはまたあとで考えることにしてとりあえず狗留孫神社とやらを参拝してみる。 踏み跡を辿って河原に下りると、渡渉点に丸太橋が架けられている。が、対岸への抜け口のところが流されてしまってるぞ。そのへんはまあ何とか上手いことやって右岸側へ渡ると、道は急な斜面を登っていく。道といってもほんの踏み跡程度のもので、ちょっとした登山道の方がよっぽど判り易い。本当にこんなものを辿って何処かに辿り着くものなのだろうか・・・。くるそん峡ってとこは何かと僕を不安にさせるところだな。植林の急斜面を這い上がって尾根筋に出ると、眼下に巨大な岩峰が屹立しているのが見下ろせる。天に向かっていきり立つその姿たるや・・・まるでチ◯ポじゃねえか。しかしあまり下品なことを言うとバチが当たりそうなので、手堅く「くるそん岩」と呼ぶことにした。こんな山中の訳の分からんところに祀られている神様というのはきっと荒ぶる神に違いない。 更に尾根を登っていくと尾根上に岩の洞窟みたいなものがある。ここにもしめ縄がしてあって何か祀られているようだ。本堂はさらに上である。こんなに登らされると分かっていたら、なにも神社なんかに来なかったものを。今更引き返す訳にも行くまい。稜線に近い開けたところまで登ると漸く本堂が見えてくる。こんなアクセスの悪いところにあるわりには結構綺麗で立派なお堂である。ここから察するに稜線上に林道でも付いていて車で来れるんじゃあるまいか。何か縁起が書いてあったがその辺のことはすっかり忘れてしまった。お堂の周りは視界が開けていて辺りの山々が見渡せる。仲々素敵なところではあるな。簡単にお参りして下る。往復一時間以上かかったろうか。ここは「ついでに」とか「なんとなく」で来るようなところではないだろうという気がした。なんでも尊い風情であった。 さて、それはそうとこの先であるが、道は二手に分かれている。片方は川沿いを続いているようだ。もう一方はつづらを折って斜面に伸びている。1/20万道路地図でははっきりとは断定出来ない。どちらも似たようなダートロードである。乗用車が通過出来るのか怪しいものだ。右手の斜面に伸びている道を選ぶ。こんな時、車の一台でも通ってくれれば「やっぱりどこかへ通じているんだ」などと心強くなろうというものだが、耳を澄ませば木立をさらっていく風の声ばかりいやに耳について心細くなる一方だ。 もうおうちへかへりたいよぅなどと思い始める頃、漸く峠に到着。ご丁寧に「温迫峠」などという名前も付いている。ボロボロだが、一応展望台なんて洒落たものまである。下界に広がる平野を眺めながらしばしぼんやりする。辺りにはウグイスが多く、あちこちから鳴き声が聞こえてくる。しかしどいつもこいつも歌が下手だな。「ほーとろとけきょん」とか言っている。熊本弁なのか? 峠を下り始めると程なくして舗装道になる。足取りも軽くさらに下っていくとまたしても展望台がある。ちゃんと「千展望台」とかって名前まである。立派な四阿が設えられていて、眺めはむしろ峠の展望台よりもいい。あまりにも快適そうなのでここで野営とする。夜中に夜景を見にカップルなど乱入して来そうなシチュエーションだが、そんな時は「こんばんわ」とかって元気に挨拶しておくしかないだろう。ここから下界に向かって思いっきりラッパ吹いてやるんだ。 4/9 お天気下り坂。昼過ぎから雨の予報が出ていたが、歩き始めて一時間も経つ頃には早くも降り始める。慌てて雨具を出すとカビ臭い。こないだ使ったばかりなのにおかしいな。そのにほひをかぎながら、小学校の習字の時間を思い出してしまった。ちなみにこの雨具は与那国島の農作業で使っていたもので、通気性は一切ない。 このあたりは見事な竹林が多い。先日えびの市でみた鯉のぼりがやはり立派な竹竿に掲げられていたこともあり、この熊本ー宮崎国境稜線附近は竹のメッカなのかもしれないと思った。写真でも撮ってみたいところだが、あいにくの雨である。防水を考えるとカメラを出すのが極度に面倒くさい。別に竹林なんてどーでもよさそうなもんだよな。 二時間ほどで「錦」の道の駅に到着。インターネットが使えるようなので、雨宿りがてら、各地に迷惑メールなど発送して遊ぶ。施設内に置かれたチラシで熊本城が築城400年だというんで、盛り上がっているらしいことを知る。大々的に改築なども行われているやうな気配。別に城趣味というのは持ち合わせていないのだが、ちょっと興味あるかも。熊本市街に寄り道する良い口実ではあるな。 そうこうするうちに小降りになってきたので出発。今日中に人吉まで行けるかもしれない。黙々と国道を歩いているとわりと大きなジャスコがある。そういえば昨夜、酒を空けてしまったんだな。空き瓶を背負いっぱなしなのを忘れていた。ゴミを捨てるついでに買い物をしていくことにする。熊本といえば米焼酎である。九州というのは不思議なところで、県によってみごとに焼酎の住み分けがされている。お隣の鹿児島、宮崎は芋が主流だが、ここ熊本といえば米焼酎である。これから球磨川に沿って下っていくつもりなので球磨焼酎を試してみるのも一興であろう。まるで知らない銘柄ばかりだが、「峰の露」という人吉の酒を選んでみる。 他に食料を調達した後、フードコートで某ハンバーガーショップの100円バーガーを3個ほど平らげてみる。今日のお昼は道の駅で試食したかりんとうだけ、という惨状だったので腹が減っていたのである。何か間違っとるな、俺の食生活は。 そうこうするうちにすっかり歩く気力が萎えてしまった。人吉温泉はもう目と鼻の先だが、雨足も強まって来たようだ。ジャスコのすぐとなりにクラフトパークとかって大きな公園があったので、園内を物色。立派な四阿があったので今日はここで寝てしまうことにする。ただし日のあるうちからテントなんて建てていると管理人が躍り込んできそうな予感がしたので、展示室など冷やかして暇を潰す。雨降りの閉園間近の所為か、利用客の姿が丸でない。服が濡れていることもあって、まことにうら悲しい気分になる。どこからかイルカの「いつか冷たい雨が」でも流れてきそうだ。にんげんだけがえらいんだなんておもわないでください・・・とかって。 変な時間にハンバーガーを頬張ったせいで、夜になってもあまり食欲がない。ジャスコで買った高野豆腐を鶏ガラスープで煮てみる。これが実にうまいのよ。煮崩れる直前まで煮るのがミソだな。球磨焼酎と相性抜群だったりする。 4/10 朝になるとすっかり雨は上がっている。二時間ほどで人吉の温泉街に到着。やっと着いたか・・・。とりあえず人吉城址を見学に行く。建物は既に失われていて城壁だけが残っている。このお城は祭祀的な意味合いが強かったそうである。そう言われるとそんな気もしてくるから不思議だ。昨日の雨に落ちた桜の花びらに、まだ雨の雫が光っていたりする。 橋を渡って人吉の中心街へ。立派な温泉旅館が立ち並んでいるが、ここはやはり共同浴場だろう。しかし在り処がよく分からない。散歩がてら、あてもなく路地裏をさ迷ってみる。「人吉旅館」という宿に併設された共同浴場を発見。さっそく試してみる。ちっぽけな湯殿に温泉がぬらりと光っている。やや鉄分を含んだアルカリ泉で、肌触りがちょっとヌルっとしている。城崎の湯にちょっと似てるように思った。湯上がり、駅に荷物を置いて温泉街を冷やかしてみる。 郊外のスーパーで米を2kg調達。たかが2kgだが結構堪える。しばらく国道沿いを歩いて行くが飽きてきたので渡から、脇道へ逸れてみる。国道は右岸沿いを続いていくが、僕は旧道とおぼしき左岸側を行ってみるつもりだ。すぐに道は球磨川沿いに出る。ものすごく広々とした河原が広がっている。こんなところでごろ寝したら気持ちよかろう。しかし昨日あまり進めなかったこともあり、今日はもう少し先へ進んでみることにする。 橋を対岸に渡って川沿いの道を歩いていくと、徐々に谷は険しさを増して、峡谷の様相を呈してくる。昨夜の雨で濁流は普段より水嵩を増していると思われる。傍らには肥薩線の線路がいやに近いところを併走している。こんなに近いのは、たぶん電気使ってないからじゃないか?と思った。ディーゼル車かなんかが客車を引っ張っていると思われる。民家もない日当たりの悪い道を黙々と歩いていく。球磨川ってもっと開放的なイメージを持っていたけど、考えてみれば日本三大急流と謳われる川である。急峻な地形をぬって流れてゆく峡谷なのだ。 一勝地というところに着く頃よりサラサラとぬか雨が降り出す。駅舎に逃げ込んでしばし雨宿り。夕方のこととて下校途中の学生さんの姿も見える。みんな家族が車でお迎えにくるのを待っているようだ。たぶん駅からさらに遠い所に住んでいるのだろう。ここ一勝地はその地名から必勝祈願の験担ぎに訪れる人も少なくないとか。狭い土地柄だが、酒蔵なんかもあるようだった。 少し町中を冷やかしてみたい気もしたが、あいにくの空模様である。雨具を着込んで先を急ぐ。たいした雨ではないが、日が傾いてくると心細くなる。こんな地形ではうまくテントを張れる平地を見つけられるか不安だ。さらさら雨だよ、と自分に言い聞かせつつ歩いていく。 球泉洞の駅に着く手前にテントを張れそうな河原を見つけたので、ここで行動打ち切りとする。近所に立派な地蔵堂があって、境内で水も汲めた。ありがたや。僕はもっぱら神社派だが、お地蔵様となれば話は別だ。56億年後の尊い教えなんて興味ないけど、お地蔵様は良いよね。 |
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