カナダ最東部Gros Morne 4日 Log range traverse (LRT)

2023年08月15日(火) ~ 2023年08月18日(金)

• GPS: 35:52
• 距離: 71.5km
• 登り: 2,135m
• 下り: 2,134m

コースタイム

1日目

• 山行: 9:25
• 休憩: 0:00
• 合計: 9:25

21:28 Western brook pond
6:53 LR5と6の間

2日目

• 山行: 9:07
• 休憩: 0:00
• 合計: 9:07

18:50 LR5と6の間
3:57 LR9

3日目

• 山行: 10:25
• 休憩: 0:00
• 合計: 10:25

18:48 LR9
5:13 LR16

4日目

• 山行: 6:55
• 休憩: 0:00
• 合計: 6:55

19:10 LR16
2:05 ゴール地点

天候

前半雨、後半晴天

アクセス

利用交通機関：

タクシー 飛行機

Deer Lake 空港からタクシーで1時間

コース状況／危険箇所等

3日目までほとんどが泥と湿地帯で、所々Takamore (薮). また、雨で水量多くとても滑りやすい. ルートの案内は一切なし.

その他周辺情報

ルート上は建物など何もなく、目印のないテント地を探す

写真

8/15 8:57

タクシーで近くの駐車場まできて、Western brook pondの船着場まで3kmほど歩きます。生憎の大雨で景色はほとんど見えず。このトラバースは1日3組まで、チームは3人以下と限定されてます。

8/15 9:46

この船着場かは、ボートで東の端まで移動します。フィヨルドで侵食された地形は圧巻でした。

8/15 11:02

ここで、クルーズツアーの人たちからの盛大な見送りで出発します。

8/15 11:28

このようなフィヨルドの中の絶軽に囲まれて、なんとか草や木をかぎ分けて進んでいきますが、時々間違えて引き返し、思うように進めません。フランスチームと助け合いながらでした。

8/15 13:36

最後に急登を上がって行くと、突然巨大な滝が現れてきました。日本で同じような滝を思い出せません。

8/15 14:16

ロックに上がるとGros morneのパンフレットの表紙になっている、West brook pondを望む絶景です。雨のため鮮明ではありませんが。

8/15 14:45

ただこの先が隠れてました。この滝の上流に連続する渡渉です。サンダルに代えて渡りました。

8/15 15:12

なんとその上は大きな一枚岩を滑らないように恐怖にかられながら進むしか回り道はありません。

8/15 16:24

やっとのことで北道との合流部に到着して絶景のためここでのステイを考えましたが、あるはずのNT1, LR4のテント場は見つからず、強風も加わって前に進むしかありませんでした。

8/15 16:40

景色は多数の池と湿地帯で絶景ですが、ほとんどの踏み跡は油断すると沈んでしまう泥道で、丁度田んぼの中を歩く感じでなかなか速度は出せません。

8/15 17:25

雨の中をやっとの思いでLR5のテント場に着いたが、若者たちが独占して騒いでいる有様です。これは寝れそうにないと思い先に進むことにしました。

8/15 18:36

LR6のテント場までは到底到達できない時間になってしまったので禁断のビバーグです。やっと探した乾いたフラットの場所にテントを張りました。

8/16 6:23

夜は10度くらいで寒かったです。今日も雨です。またブユや蚊が多量にいて油断すると血が流れており、徐々に痛痒くなってきます。今日は最初から防虫ネットをつけます。ただとても暑くなるのでとても辛い。

8/16 6:48

靴は歩きやすさを考えて軽量のランニングシューズにしたので、その上からカッパの足などの防水カバーをつけて歩きましたが、短時間で破れてすぐ浸水してしまったので、今日は最初から左のサンダルで行くことにしました。泥沼で辛くなると"Mud Max!"

8/16 7:36

このようなtuckamore(この島で使われる言葉で薮コキに近い?)が行手を阻みます。日本だとシャクナゲの薮コキの感じでしょうか？

8/16 7:54

セイヨウコウホネ(スイレン科)と山の絶妙な取り合わせ。

8/16 8:27

時々このような渡渉があるがサンダルだと問題なし。ただサンダルは靴底が薄いので尖った石に乗ると悲鳴をあげたくなる。

8/16 10:31

日本と違って沢山の食中植物をみれてとても嬉しかった。

8/16 11:29

Mud max!

8/16 11:38

綺麗なテントサイトLR8で昼食をとりました。日本からのスパゲティとタラコクリームで、とてもおいしかった。

8/16 13:51

今日泊まる予定のテントサイト前の綺麗な滝です。頭を突っ込んで洗いました。気持ちいい〜

8/16 14:16

また、素晴らしい世界に到達です。今日の後半から青空でWellcomeムード。LR9のテント場をいろいろ探しますが、見当たりません。

8/16 14:32

ここはフラットでテントの跡があるので、こちらに立てていろいろ乾かしたいと思います。ブヨもいくらか少ないようです。

8/16 14:40

本当にいろんなベリーが沢山実を付けてます。

8/16 22:21

360度の広い空で星空撮り放題でした。これは天の川と流れ星です。

8/17 6:12

夜明けです。これから行く方向の湖と朝日です。天気は最高で期待しかありません。

8/17 6:46

天気は最高ですが、相変わらず、Mud max!

8/17 7:06

湖への反射とクラムベリーのコラボ。

8/17 8:51

遠くに目指しているGros morne山が見えるようになりました。

8/17 9:43

再びtuckamore. 繰り返し強い気持ちで前に進むことだけが大切です。

8/17 10:12

このLR11のテント場はわかりやすかった。疲れを取るためにちょっと休んだ後、道を探しますがなかなかわかりません。

8/17 11:05

行ったり来たりしたあと、まさかこの川を渡渉？今回最長の渡渉です。かなり増量していて股まで入りながらなんとか向こう岸に辿り着きました。

8/17 11:16

丘を上がるとまた絶景のテント場LR12. 後で知ったのですが、最近ここのテントが強風で潰されたということです。

8/17 12:06

いつも海外を歩くと思うのですが、ベリーはおやつには最高の品。今回も沢山いただきました。

8/17 12:21

どこをみても青い空と湖。周りに高い山は全くないので、視界は常にMax.

8/17 14:12

ここは良くブログで載せられている10miles湖の定番の絶景。近くにLR13のテント場があるはずですが見つけれず。

8/17 15:23

左方向にGros morne山とtuckamore。

8/17 15:32

ここはGros morne山と隣の小山からの絶好の撮影場所。もうほとんど今日のテント場に着いた気分でした。

8/17 16:07

そこから湖までの下りが今回最大の難所でした。傾斜のキツさ、tuckamore、泥沼どれをとっても最大級。泊まるはずだったLR14a, 14b, 15全て見つけられず。ここでは数々の悪態と自我が放出してしまいました。

8/17 16:54

仕方なくちょっとそれた最終テント場LR16にテントをたてました。湖の近くで体を十分に洗えて良かったですが、バグが多く早々に眠りにつきました。ほとんど人に会わない旅でしたが、ここは反対方向からキャンプに来る人達が多く久しぶりに賑やか。10m離れたテントなのに大きな鼾が一晩中鳴り止みませんでした。

8/18 2:51

Gros morneの麓からの天の川。

8/18 3:09

湖方面の北の星空。

8/18 6:43

さあ、4日目最終日の爽やかな朝です。今日はGros morne山をのぼります。昨日までの辛い旅からは想像もできないような登山道。過ぎ去ってしまえば全ては良い思い出。

8/18 7:07

なんとこの長い階段は何物？今まで人工物は何もなかったのに。ここは1 dayハイクで整えられた道。もう、世界は変わったのです。

8/18 7:43

登る途中からの10miles湖です。この島はフィヨルドで侵食され残された陸が相対的にテーブルマウンテンになったのでしょう。ギアナ高地も行きましたが作られ方が異なります。

8/18 7:53

テーブルマウンテンの上はお釈迦さんの手の上のようで、木道まで作られてました。知らんけど、

8/18 8:03

ピークに来ました。ニューファンドランド🏝️で2番目に高い山です。本当に高い山はないんです。でも、高緯度のためか森林限界を越えてます。

8/18 8:06

近くに石がくまれており、ここで夜を明かす人が居るのかな。今は誰も居ませんが。

8/18 9:06

ただ、下りは瓦礫でゴロゴロ。ピレネーのCalit山からの下りを彷彿させました。週末でハイカーが多く落石に要注意。

8/18 9:43

やっと降りきり、山を振り返ります。上高地のような感じです。ただここからゴールの駐車場まで4kmあり単調な道で遠く感じました。

8/18 10:47

駐車場に着きました。ここは日本と違い、要所でゴミ箱がつけられているのは素晴らしい。ただここでビーコンを返すように言われてましたが、案の定センターの人は居ません。こんなに早く帰って来る人はいないのかも。

8/18 10:57

ただ交通機関がないので、ひたすらハイウェイを8kmほど歩いて帰ります。20度くらいですが、暑さが辛かった。

8/18 11:02

雑草ですが、山と合わせると絵になります。

8/18 12:34

Rocky harbourに到着しました。ガスカートリッジを購入したこの町唯一のアウトドアショップ。また、スーパーでマンゴー味のアイスキャンディを食べましたがAmazing!

8/18 15:56

この町はシーフードが有名でこの時期しか味わえないロブスターのロールで打ち上げ。物価は日本の2,3倍です。

8/18 20:31

綺麗なAirbnbに到着。ここからもGros morneが見えます。ここのオーナーのSonyaさんにはタクシーの手配を含め大変お世話になりました。5つ星です。

顔や手に沢山の刺し傷で見るも悲惨な状態になりました。顔にネットしててもです。どんな薬も効きません。2,3mmの小さな虫でしたが。

真夏に10度〜20度と過ごしやすい気温で湿度も低いです。30度越えの日本には帰りたくありません。

日本での山行と比べると1/2程度の速度でしか行けませんでした。一言で言うと最恐のトレール、最高の景色、最高の達成感でした。

撮影機器：

α7C ILCE-7C ボディ SONY

装備

備考

どんな靴も全て浸水. ビブラムの沢靴とテント地でのサンダルが良かった.

感想

est8

Gros morneはあまり日本人には知られてないトレールで、フランス語の意味する偉大な憂鬱の通り、ほとんど悪天候で最恐の泥道. カナダ訪問のチャンスに子供に勧められて最悪路を最高に楽しんできたので紹介します。縦走としては何も案内はないのでルーファイ力が要求される (北鎌よりも困難). 泥は油断していると膝あたりまで沈み、下りは滑りまくり。今までのどのトレールよりも歩きづらかった。それだけではなく、ブユが全行程を通じて襲ってきて顔はお岩さん状態になり、どの薬塗ってもかゆみ、痛みはとれない. 絶景は間違いないが、いかなる状況も楽しめるマゾ力が必要。
予約は電話のみでその時にかなり厳しい条件が言われるが子供達が何とか英語で説得してくれてエントリーできた。前日には1時間にわたるオリエンテーションがあり注意点も多い。過去には地図読みのテストがあったらしい。指定されたテント場でないと泊まれないのだが、半分は見つけるのが困難で一部は本当に無いと思う。後でセンターにその事を聞いてみたが今のテント場の状況は把握してないといわれた。
とにかく、世界の山もいろいろ歩いたが、まして日本に似たようなトレールはなく、唯一無二と思われるので、通常の縦走に飽きたら、ぜひ歩いてみてください。