噂の奥武蔵最強ルート これでドMの仲間入り!?
- GPS
- 32:00
- 距離
- 37.0km
- 登り
- 3,266m
- 下り
- 3,127m
コースタイム
- 山行
- 17:30
- 休憩
- 1:45
- 合計
- 19:15
天候 | 5/4 晴れ 5/5 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所は特にありません ただし、子の権現〜山伏峠は歩きにくい急峻なアップダウンが続きます ナイトハイク区間は、事前に下見をしておくことをオススメします 子の権現のトイレの手洗場と武甲山のトイレは雨水利用のため、晴天続きの場合は注意してください |
写真
感想
天覧山から飯能アルプスを越えて武甲山を目指す奥武蔵最強ルートを、なんと0泊2日で歩ききりました。
ヘタレな私でもこれだけ時間をかければ完歩出来る!
奥武蔵を愛するドMな方にはオススメのコースです。
でも、私はもう歩きたくありません(笑)
まずは天覧山から子の権現付近まで、人生初のナイトハイク。
途中、猪らしき動物の気配があったり、夜だから涼しいかと思ったら蒸し暑くて昼間以上に汗をかいたり、下見をしていたのに道に迷ったりと前半でもかなりハードな展開。
私的にはこのナイトハイク区間の多峯主山〜天覚山が長く感じて、地味に辛かったです。(蒸し暑かったのもありますが)
天覚山からは風が強まり涼しくなったこともあり、子の権現までは割と調子よく歩けました。
前回飯能アルプスを歩いた時にお昼休憩をした採石場で朝ごはんを食べる頃には、辺りは明るくなって、長い長いナイトハイクの終了です。
感想としては、ヘッドライトの明かりが意外と歩き易かったことと、暗いと周りの景色が見えないので、うんざりするような急登の先が見えなくて精神的に楽だったように思います。
ただ、やはり昼間にちゃんと下見をしておくことが大前提ですが。
子の権現はこのコース唯一の給水ポイント。(武甲山下山途中の水場を除く)
ここでちゃんと、水分補給と水を買い足しておくことが重要です。
トイレもありますのでちゃんと済ませて出発。
子の権現から伊豆ヶ岳〜山伏峠は、木の根がむき出しだったり、サラサラと乾燥した土が滑りやすかったり、歩きにくい道が続きます。
しかも急登・急下りの繰り返しなので、ここでもかなり体力と気力が削られました…
山伏峠から武川岳までは緩やかな登り。
「つらくない。つらくない。」と自分に言い聞かせながら、疲れた足で登って行きます。
目標の12時前に武川岳に到着し、賑わう山頂でお昼ご飯のパンを頬張ります。
妻坂峠への急降下ジェットコースターのような道を下り、横瀬駅へのエスケープルートを見ながら、「ここから下りる?」とkenboさん。
ここまで来て諦めるわけには行かないので、(もうこのルートは歩きたくないので)当初の予定通り武甲山を目指すことにしました。
しかしここから大持山までが、私的に2度目の核心部。
前回芦ヶ久保から武甲山へ登った時はそんなに辛く感じなかった坂道が、ものすごく長く辛く感じました。
途中、下ってくるおじさんに「がんばれー。」と声を掛けてもらいながら、なんとか大持山まで登りました。
小持山、シラジクボと、ほぼ気力だけで足を進めます。
前を行くkenboさんは全然疲れていないようで、「大丈夫か〜?」と時折声を掛けてくれました。
そして最後の武甲山山頂までの登り。
見た目はかなりの急登に見えますが、ここまで数えきれないアップダウンを繰り返してきたせいで、意外とあっさりと山頂に着きました。
もう時刻は夕方ですが、5月1日に山開きをしたばかりの武甲山にはまだ何組か登山者がいたので、山頂の記念写真を撮ってもらい、明るいうちに下山するために浦山口へ向かいます。
最後の下りと1時間の林道歩きが本当に辛かった…
でも、なんとか日が暮れる前に浦山口駅に着くことができたので良かったです。
ある意味、去年の槍ヶ岳よりも「やりきった感」が強い山行となりましたが、もう二度と同じルートは歩きませんし、絶対に逆ルートとかもやりません!
どうやら私はドMには程遠いようです(笑)
今度はもう少しまったり登山がしたいなぁ。
昨年6月に、鴨沢バス停から奥多摩駅までの約30kmを完歩できたことによって体力面で自信がつき、その後に迎えた初のテント泊装備に対して、気持ちに余裕を持って臨むことができました。
この経験を踏まえ、今年に入って山登りができない期間が続いたこともあり、体力面の不安を払拭したいと考え、長距離ルートを検討していました。
山デビューのために地図を購入したまま、放置していた奥武蔵エリア。自宅からのアクセスの良さと登山の感覚を取り戻すことを理由に歩いてみると、西武鉄道が山ガール向けのお手軽ハイキングとして推しているルートを幾つか繋げれば、その急峻なアップダウンの多さのために、かなりキツイことがわかりました。
そう、関東圏の登山初心者なら憧れる、雲取山(歩き易い鴨沢ピストン)を何倍も上回るキツさであることを・・・。
そして、ヤマレコさんを眺めているうちに、「奥武蔵最強ルート」という文字が目に留まりました。このルートをクリアした方々のレコを拝見し、まずは皆さんがどのような山行スタイルであるのか確認してみると、私でもイケるかな?と思えました。
そこで、密かに計画を練り、ナイトハイク区間等の下見を兼ねてルートを区切って歩いてみることとし、前々回の飯能アルプスを歩き終えてみて、体力的な余裕から私はクリアできると確信したのでした。
問題は、昨年から一緒に登っていただいているkazuruさんでした。私がアップしているレコのタイムは、全てkazuruさんのペース。奥武蔵エリアがホームであり、既に色々なルートを歩かれて慣れているとはいえ、体力面に不安があります。
しかし、4月以降、身体に徐々に負荷をかけてきたこともあり、ゆっくりペースであればkazuruさんでも完歩できそうな雰囲気でした。あとはいつ実施するか。本当はあと1、2回は長距離を歩いてからにしようと思っていましたが、ナイトハイクに備えて前日ゆっくり睡眠をとること、翌日に疲れが残っていても休養をとれるようにすること、の2つを考慮すると、3連休が望ましい。さらには、暑い時期は避けたい。そうなると、GW中がベスト。でも、5/1〜2で雲取山を入れてしまったので、この疲労度次第でした。
幸い、筋肉痛にならなかったようなので、あとは天気。5/4〜5にかけて気圧の谷の影響で雨が降るかもしれない予報が出ていたため、天気予報と睨めっこ。ナイトハイク区間中は天気がもちそうだし、5/5に実施することにしました。
2回の下見登山に要したタイムと(私の未踏区間の)子の権現〜武川岳の標準タイム、そして、明るいうちに武甲山から林道まで下山することで逆算すると、0時頃のスタートがギリギリ。余裕を見て23時スタートを予定しましたが、雲取山でのkazuruさんの様子から、もう1時間早めて22時スタートにすることとなりました。これなら、ゆっくり歩いても大丈夫でしょう。ただし、お昼までに武川岳に到着できなければ、撤退することにしました。
夜の飯能駅に到着し、明らかに周りが帰宅モードの中、準備を整えます。良い天気が続いていたこともあり、気温が高くて、かつ蒸し暑い。夜でこれなら、昼間はどうなるのか?ナイトハイクだから慎重に歩かなければならないけれど、なるべく涼しいうちに距離を稼ぎたい・・・。そんな気持ちでいっぱいでした。
さぁ、天覧山登山口からヘッドライトを装着し、出発です。
天覧山〜多峯主山は、特に問題なく歩くことができます。お月様も見えて、両山の山頂は明るかったです。多峯主山から永田方面への下りもそこまで苦にならず、初めてのナイトハイク、思いのほかヘッドライトで道が良く見えることを実感しながら歩いていると、暗闇の中から「ガサガサガサ、バキバキッ・・・フゴッ」と音がしました。「フゴッって聞こえたから猪だと思うよ」と冷静なkazuruさん。猪突猛進でもされたら嫌なので、そぉ〜っと先に進みます。
飯能アルプス永田入口からが本番。蒸し暑さのため、嫌な汗をかきつつ体力を奪われながら進みます。下見をしていたにもかかわらず、久須美坂で間違えて別方面に進んでしまい、10分程度ロスしてしまいました。ナイトハイクの怖さですね。
天覚山手前あたりから冷たい強風が吹き始めました。天気予報通り、気圧の谷の影響かな。雨が降らなければ良いけれど…と木々の隙間から見える空を見上げて、雲の流れを確認します。いつの間にかお月様が雲で隠れていました。でも、この冷たい風は、私たちにとってありがたい味方となりました。汗をかかずに済み、体力を温存できたからです。
風でギシギシと音を立てて木が揺れ、お化け屋敷のような感覚にとらわれながら、天覚山に到着。ここまでで、スタートから4時間程度。下見と同程度の所用時間であり、ナイトハイクであることを考えれば上出来でした。
少し休憩して、先に進みます。あとは道に迷うことはなく、予定通り前坂を過ぎたあたりから明るくなってきたので、前々回に昼食をとった採石場で朝食にしました。空を見上げると、嫌な色をした雲はなく、雨は大丈夫そうで安心しました。
暗闇の中をヘッドライトの灯りを頼りに歩く精神的負担から解放されて、さらに楽になりました。静まり返った子の権現に到着し、下見通りトイレ休憩と水分補給です。自販機でペプシを購入してガブ飲みする予定でしたが、涼しかったのであまりありがたみを感じずに飲み干し、これから暑くなることに備えて、水を購入しました。
ここまで、下見と同程度の約8時間。普通に歩けば、お昼までに武川岳に到着できるはず。最後の林道歩きを除けば、距離的にはあと半分。頑張りましょう。
しかし、ここから先は、私にとっての未踏区間であり、kazuruさんに「こちらから歩くと3割増しだよ」と忠告されていた通り、山伏峠までが一番面倒でした。ここまでの天覚山や大高山前後もアップダウンがありましたが、山伏峠までの方が傾斜がきつく、晴天続きで道がパサパサに乾燥しているため、滑りやすいのです。
実際に、高畑山のあたりからハイカーとすれ違い始めますが、そのうちの何人かは転倒したり「怖〜い」と腰が引けていました。ここをナイトハイク区間としなくて良かったです。武甲山がたまたま最後にあり、疲れた身体に鞭を打って登るから「ラスボス」などと呼ばれていますが、山頂前後の傾斜や道の状態を考慮すると、伊豆ヶ岳の方が「ボス」に相応しい気がしました。
中ノ沢の頭あたりからスッキリと晴れてきましたが、時折吹く冷たい風が気持ちよく、山伏峠から武川岳までの登りもたいして疲れませんでした。途中で、kazuruさんが「あっ、猪がいる」と前方に指を差し、数時間前までのことが頭を過ります。しかし、どうやらカモシカでした。登山を始めてから、シカは至る所で見ましたが、カモシカはなかなか見ることができないので、ラッキーでした。
お昼前に武川岳に到着することができ、昼食です。時間帯ゆえに、他にも昼食をとられている方がおり、皆さん日差しの下で眺望を楽しみながらでした。しかし、私たちだけは体力温存のために日陰に退散しての食事で、怪しい雰囲気が漂っていました。
昼食を終え、まだ12時。あとは標準タイムで歩いても明るいうちにゴールできます。ここまで結構頑張って歩いていたkazuruさんに芦ヶ久保へ下るか、妻坂峠から横瀬へ下るかどうか確認すると「せっかくここまで来たから、最後まで行くよ!」と心強い返事。妻坂峠まで下って大持山まで辿り着けば、気分は楽になるはず。頑張りましょう。
急登を登り終え、大持山に到着すると、「ラスボス」の武甲山への道が正面に見え、ヤル気が湧いてきます。ちょっとした岩場を超えて小持山に到着し、休む間もなくシラジクボまで下ると、最後の戦いに向けて呼吸を整えます。武甲山は伊豆ヶ岳近辺とは違って歩き易いので、一気に登って登頂達成。武川岳からここまで、疲労のせいか予定時間をオーバーしてしまいましたが、GWのせいかまだ山頂に残っている方がおり、記念撮影(逆光で残念!)。明るいうちに林道まで下りたいので、余韻に浸る間もなくさっさと下山です。
登りよりもはるかに歩きにくい道を黙々と下り、林道に到着したのは17時過ぎ。あとはこれまた歩きいにくい砂利の林道をてくてく歩き、浦山口駅に到着!長〜い山歩きが終了となりました。
歩き終えてみて、達成感よりも特に疲れることなく、怪我をせずに下山できてホッとしたことは意外でした。また、kazuruさんがゴールできたことが自分のことよりも嬉しかったです。私のせいでスタイルの異なる山行を強いられているのに、一緒に歩いていただけて感謝しています。
今回はkazuruさんのペースに合わせた歩きでした。単独行ならあと2〜3時間は短縮できるはず・・・とか、浦山口駅から飯能駅までの逆ルートは・・・なんてことを考えてみましたが、このルートはもうお腹いっぱい。1万円貰えても歩かないと思います。
これでドMの仲間入りを果たすことができたかな???
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