四ツ岳:ワッフ音連発と雪崩で撤退
- GPS
- 07:46
- 距離
- 10.0km
- 登り
- 1,272m
- 下り
- 1,265m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | ひらゆの森または民族資料館 |
写真
装備
個人装備 |
ザック(オスプレイキャンバー32)
スキー板(DPS Wailer 112RP 168cm)
ビンディング(ボレースイッチバック)
クトー(ブンリン3DアセントGo)
テレマークブーツ(スカルパT2ECO)
セルフアレストピック(BDウィペット×2)
ヘルメット(ベアール アトランティス)
ビーコン(マムートエレメントバリーボックス)
プローブ(オルトボックス320cm)
スコップ(BDディプロイ)
スノーソー(G3ボーンソー)
ヘッドランプ(ペツルアクティック)
クランポン(ペツルイルビスハイブリッド)
サングラス(オークリーハーフジャケット2.0)
ゴーグル(スワンズRUSH-XED)
ヘルメットビーニー(BD)
ヘルメットビーニー(テルヌア)
ヘッドバンド(マムート)
バラクラバ(ホグロフス)
テムレス
インナーグローブ
予備グローブ(BDガイドロブスター)
スキーシール(G3アルピニストスピード)
シールワックス
スキーワックス
GPS(ガーミンGPSMAP66i)
スマホ
ドライバー(+
-)
スパナ8mm
コンパス
笛
ナイフ(ビクトリノックススイスチャンプ)
飲料
行動食
防寒着(ユニクロウルトラライトダウンジャケット)
ファーストエイドキット
ココヘリ
ツェルト(アライスーパーライトツェルト1)
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感想
仲間と野営場に集合し、二手に分かれて自分たちは四ツ岳目指した。
先日の大雪もそれなりに安定してきたと考え、北面パウダーを狙った。
最初の沢もそこそこ雪が増えて埋まってきたが、まだもう少し雪が欲しいところだ。
上部の平坦地も笹薮は減り、滑るには全く問題ない程度までなっている。
渡渉点も意外としっかりしたブリッジができており、心配なく渡れた。
尾根に上がるとトレースが二つに分かれており、昨日と本日のトレースとお見受けした。
北面に向かうことからクライマーズライトのトレースを辿るが、途中で引き返したようで、昨日のトレースと判明。そこからはME-JINさんなしでラッセルを回す。
しばらくでME-JINさんも追いついて3人で北面に入り込む。
最初はパウダーで登りやすい感じであったが、徐々にパックされてきて先週の雨に叩かれたザラメの層も出始めたのでクトーも付けて万全を期した。先週の本降りの雨がこの標高でも降ったのだろうか?
慎重に歩くが最初のワッフ音が聞こえた。遠く離れたところのブロック崩壊か雪崩かもしれない。しばらくでまたワッフ音らしきものが聞こえるようになり、ランドレさんの足元が大きく沈んだとのことで撤退を決める。
シールを剥がして少し滑ると反対側の斜面で表層雪崩の破断面が大きく見えた。およそ2,500m地点。
そのデブリの先には僕たちが歩いたトレースの上を流れ、もっと下まで流れた様子が見て取れた。トリガーと考えられるのは僕たちの歩いた衝撃しかないと思うが、もう少しタイミングがずれていたら完全に巻き込まれていた。
大雪後2〜3日後であっても、その前の雨で溶けて凍った層との結合が悪く、しばらくは落ち着くことはないものとあらためて教わった。
後は、樹林帯に逃げ込み、パウダーを満喫して安全に下山。
昨日は大勢でワイがやと楽しく過ごした。
楽しかったんだが、調子こいて足にダメージ。
なので今日は大崩山に留める予定だった。
そもそも皆さん大勢過ぎてパーティーを分割して行き先を分散することになっていたのだが、四ッ岳に参加がktn92さんと、ME-JINさんだけとなり、私がソロとなってしまった。
この状況でソロも何だし、したらば私も四ッに行きましょうと。
朝6時スタートでは山頂厳しいのだが、昨日から入山者が多数あったようでトレースバッチリで進捗はかどり速いペース。
先行者の皆さんありがとうございました。
ところがどんでん返しが待っていた。
北面沢地形の下部をトラバースしていたらドン!と異音。
ワッフ音かと警戒するも、雪面不安定性も感じず、雪崩るような斜度でもない。
遠くの雪庇が落ちたかな?と西方稜線の雪庇を観察するがはっきりしない。
首をかしげながらも進むと再度異音。
周囲の雪面は少々固めのだが、クラックやズレなどの異常は無い。
一旦樹林に入り、沢地形に再突入するためにクトー装着。
固いトラバースをやり過ごして、あとはヤラしい所無いので、ガンガン高度を上げるのみ。と、その時足元が沈みこむような衝撃と大きなワッフ音。
間違いない、これは崩落が近くで起きている。
「終わり!終わり!もうダメです。撤退!」とアピールして沢筋の雪崩走路から外れた大きめの岩近くに避難する。
岩に登ると狭いながらもフラットがあるので、ここでシールオフ。
緊急で滑走準備を整えたら、スタカットで滑走。
トップのME-JINさんが沢出口の脇で叫ぶ。
「雪崩てる!」
マジですかいな?とビビるも行かねば帰れない。
ktn92さん、私と慎重に滑走。
高度を落として振り返れば一目で大規模とわかる破断面。
ケツ捲って樹林帯に逃げ込みデブリの行き先を確認しに行って更にビビる。
さっき通ってきたトラバースをデブリが直撃。
トレースはデブリに飲まれていた。
デブリ末端も確認出来ない遠方で、捲き込まれていたら只では済まなかったと想像できる。
互いの無事を喜びつつ、とっとと逃げるべと。
雪質良く仕上がっており、楽しいはずのパウダー滑走だったが、今一楽しみきれず不完全燃焼。
しかし、今回の件で大切な事を学んだ。
その件は改めて日記にでも。
今回はリスクに直面しても冷静に判断行動できるメンバーに感謝。
この経験を明日への礎としたい。
コメント
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安全第一!
前日のブリーフィングで組み分けしたのが正解でしたね。
大勢で四つ行ってたら数名は巻き込まれてたかもしれません。
十石は比較的安定してて樹林側のバーンは大アタリでした。
ただ先週の大雨か大規模な雪崩跡が谷の中央部から滝下にまで広がっててそのラインはガリパウ。
まあ大きく落ちたから安定してたんでしょうね。
さて今期、うっかりパウダーはあるのか?
大人数だったら、ヤバかったと思います。
あそこをトラバースしてた時に上部には大岩が見えてて、その上から来るとは思えませんでしたからね〜。
また、うっかりパウダー若しくは南岸富士山でもよろしくお願いいたします。
四ッ岳には2012年3月上旬に一度だけ登ったことがありますが、条件によっては雪崩が起きるんですね。
貴重なレコでした。
はじめまして、コメントありがとうございます。
四ツ岳は過去に北東面でも大きな雪崩がありましたし、森林限界から上は雪崩地形も点々とあります。上部は岩山のイメージが強いですが、自分もこの山に何度も通って直接雪崩を見たことはありませんでしたので、悪条件が重なれば雪崩は起きるもんだと改めて学びました。
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