穂高屏風岩 トリプルジョーカー
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天候 | 1日目 曇り時々雨 2日目、3日目 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2024年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
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写真
装備
共同装備 |
60mシングルロープ
60mハーフロープ
カム#0-#4 2セット
オフセット1セット
ナッツ
ピトン・ハンマー(使用しなかった)
アルパインドロー12本
120スリング 5本
ホールバッグ
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備考 | 足元はメスカリートMIDにスパッツ、チェーンスパイクで丁度よかった。 |
感想
「屏風岩 青白ハングフリー」
ロクスノでの触れ込みは、日本のアストロマン。
ヨセミテ的かどうかはちょっとわからないけど、日本を代表するルートにトライしてきた。
残雪による染み出しが心配だったけど、駄目ならエイドすればいいかと決行。
沢渡ではT氏と遭遇。そして明神ではKさんとバッタリ。北鎌とのこと。
横尾からしばらく歩き、1ルンゼ押出付近で懸念の渡渉。膝上の水量で問題なかった。ただサンダルやネオプレンソックスはあった方が良かった。
幕営は沢から50mほど上がった所。
日差しが温かく気持ちよく昼寝した。残雪の冷気で目が覚めた。
別パーティーは1組。雲稜を登るそう。
初日は雨に降られて偵察だけで終わった。
この日の夜、Kindleで「地学ノート」の屏風岩の成り立ちを読んだ。屏風岩は「熱水中のミネラルによりコーティングされ、通常とは比べ物にならないほど硬い花崗岩」らしい。この知識で明日のクライミングは頑張れる気がした。
2日目は3時起き。4時半とりつき。6時頃T4からトリプルジョーカーへ。
トポはロクスノ46号に記載されたものが分かりやすい。ピッチの切り方もそれと同じになった。
1P目のⅣ級から、岩の脆さと支点の少なさで緊張されられた。2P目、さっそくクラックが濡れている。。3P目、びしょびしょの10d、なぜか自分はこういう役回りが多く、悪態をつきながら全力でOS。嫌いじゃない。レギュラーサイズのカムを使い切ってしまい、ナッツやプアな残置ボルト、計6点で支点構築。
4P目、右に移動。5P目、5.9のはずが悪かった。木が邪魔だったり、プアプロだったり、ボルトが古かったり。
6P目、前傾した壁を左にトラバース、Wが流石の登りでOS。ホールドはポジティブだが、荷重をかけるとメキメキ聞こえて恐ろしい。フォローでもかなりパンプしてした。
7P目、コーナーからハングの付け根トラバース。前半コーナーは浮石が恐ろしく、トラバースは濡れと汚れで悪い。後半部分でついにギブアップ。テンションしてしまった。ここでオールフリーの目論見は諦めることに。何度もカムにぶら下がってから抜けた。
8P目、核心の12b。さっきのクラックがあまりに濡れて汚れていたこともあり、Wが一瞬下降モードになっていたが、あと2Pしかないので無責任にはっぱをかける。Wなら超えてくれるだろう。
このピッチはさっきと違って乾いているものの、傾斜がずっと強い。バックロープの壁からの離れ具合がはんぱない。ひたすら悪いムーブが続いているようで、プロテクションだってとれるところが限られている。Wは恐る恐るのテンションを交えながら、流石の強さで進んでいった。フォローの自分は核心で諦めてしまい、テンション。壁に戻れなくなり、そこからユマールで回収作業に徹した。一坪テラスに到着。トリプルジョーカーで唯一現れた快適なテラスだ。ここならビバークもできそう。
9P目、またしても12b。前腕がよれきっていたので、Wにリードをお願いする。花崗岩のコーナーで、これまた厳しかった。Wは玄人の登りで下部のピトンプロテクションのデンジャーゾーンを超えたものの、上部の濡れと草、土に阻まれてテンション。右へトラバースし、終了点へ。
残り2P、所々垂壁がでてくるブッシュクライミングで白いロープが巻いてある切り株まで。18時から雲稜を下降開始した。上部は浮石が多く、ここを下降する場合は人のいる時間を外した方が良い。
雲稜の支点はスリングが綺麗だし(トリプルジョーカーで生きたスリングは無かった)、下にいくにつれてハンガーボルトなどもでてきて快適だった。
終わってみて、ひとまずトップアウトできたことに満足している。途中下降しなくてよかった。かなりの充実度だった。
そして今回、クライミングの実力不足を日本の山で痛感させられた。花崗岩の5.12-を疲れた状態で登れる力(もしくは根性)がトップアウトの為に必要だったのだけど、その実力が自分にはなかった。この手のやつが自分の弱点で、一番大事なものだと思っている。パタゴニアのHaizeaを登った時、Kが突破してくれた時も同じことを感じていた。
とはいえ、山は個人じゃなくてチームとしての挑戦や遊び。頼りになるパートナーには頼っていこう。
これから瑞牆や小川山で登ることが多くなりそうだから、今回感じた必要な技量・精神力を付けられるように楽しんでいきたい。
帰り道もニホンザルがたくさんいた。
十字路で満たされて帰宅。
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