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Yamareco

記録ID: 6726801
全員に公開
アルパインクライミング
槍・穂高・乗鞍

穂高屏風岩 トリプルジョーカー

2024年04月27日(土) ~ 2024年04月29日(月)
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コミネム その他1人
天候 1日目 曇り時々雨
2日目、3日目 晴れ
過去天気図(気象庁) 2024年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 自家用車
テラスやルンゼに雪が残っている
2024年04月27日 09:02撮影 by  iPhone 14 Pro, Apple
4/27 9:02
テラスやルンゼに雪が残っている
渡渉用にサンダルを持って行くのを忘れていた。ポールさえ使わないW
2024年04月27日 09:15撮影 by  iPhone 14 Pro, Apple
4/27 9:15
渡渉用にサンダルを持って行くのを忘れていた。ポールさえ使わないW
偵察したものの雨に降られて退却。雪に慣れた信大OBはツボ足。常人はチェーンスパイクとポール有り。
2024年04月27日 13:58撮影 by  iPhone 14 Pro, Apple
4/27 13:58
偵察したものの雨に降られて退却。雪に慣れた信大OBはツボ足。常人はチェーンスパイクとポール有り。
4ピッチ目、右にトラバース
2024年04月28日 07:14撮影 by  iPhone 14 Pro, Apple
4/28 7:14
4ピッチ目、右にトラバース
2ピッチ目 10m 5.8 濡れたレイバックで悪かった
2024年04月28日 07:37撮影 by  iPhone 14 Pro, Apple
4/28 7:37
2ピッチ目 10m 5.8 濡れたレイバックで悪かった
6ピッチ目 11d
RCCボルトで前傾フェイスをトラバース。ホールドがメキメキ音を立てていて、恐ろしくてパンプする。
Wは流石、オンサイト。
2024年04月28日 11:28撮影 by  iPhone 14 Pro, Apple
4/28 11:28
6ピッチ目 11d
RCCボルトで前傾フェイスをトラバース。ホールドがメキメキ音を立てていて、恐ろしくてパンプする。
Wは流石、オンサイト。
8P目 12b
プロテクションの取れる間隔が遠い中で、しっかり悪い2-3級のムーブが続く。自分ではとても突破できない内容だった。
2024年04月28日 14:06撮影 by  iPhone 14 Pro, Apple
4/28 14:06
8P目 12b
プロテクションの取れる間隔が遠い中で、しっかり悪い2-3級のムーブが続く。自分ではとても突破できない内容だった。
もう駄目〜
2024年04月28日 15:48撮影 by  OPPO Reno3 A, OPPO
4/28 15:48
もう駄目〜
9P目 12b
花崗岩のコーナー。前半の中間支点が決められず、残置ハーケン頼りになる。花崗岩に強いクライマーにしか突破できないように思う。
2024年04月28日 16:19撮影 by  iPhone 14 Pro, Apple
4/28 16:19
9P目 12b
花崗岩のコーナー。前半の中間支点が決められず、残置ハーケン頼りになる。花崗岩に強いクライマーにしか突破できないように思う。
最後はブッシュを登る
2024年04月28日 17:32撮影 by  iPhone 14 Pro, Apple
4/28 17:32
最後はブッシュを登る
2024年04月29日 06:36撮影 by  iPhone 14 Pro, Apple
4/29 6:36

装備

共同装備
60mシングルロープ 60mハーフロープ カム#0-#4 2セット オフセット1セット ナッツ ピトン・ハンマー(使用しなかった) アルパインドロー12本 120スリング 5本 ホールバッグ
備考 足元はメスカリートMIDにスパッツ、チェーンスパイクで丁度よかった。

感想

「屏風岩 青白ハングフリー」
ロクスノでの触れ込みは、日本のアストロマン。
ヨセミテ的かどうかはちょっとわからないけど、日本を代表するルートにトライしてきた。

残雪による染み出しが心配だったけど、駄目ならエイドすればいいかと決行。

沢渡ではT氏と遭遇。そして明神ではKさんとバッタリ。北鎌とのこと。
横尾からしばらく歩き、1ルンゼ押出付近で懸念の渡渉。膝上の水量で問題なかった。ただサンダルやネオプレンソックスはあった方が良かった。

幕営は沢から50mほど上がった所。
日差しが温かく気持ちよく昼寝した。残雪の冷気で目が覚めた。
別パーティーは1組。雲稜を登るそう。
初日は雨に降られて偵察だけで終わった。
この日の夜、Kindleで「地学ノート」の屏風岩の成り立ちを読んだ。屏風岩は「熱水中のミネラルによりコーティングされ、通常とは比べ物にならないほど硬い花崗岩」らしい。この知識で明日のクライミングは頑張れる気がした。

2日目は3時起き。4時半とりつき。6時頃T4からトリプルジョーカーへ。
トポはロクスノ46号に記載されたものが分かりやすい。ピッチの切り方もそれと同じになった。

1P目のⅣ級から、岩の脆さと支点の少なさで緊張されられた。2P目、さっそくクラックが濡れている。。3P目、びしょびしょの10d、なぜか自分はこういう役回りが多く、悪態をつきながら全力でOS。嫌いじゃない。レギュラーサイズのカムを使い切ってしまい、ナッツやプアな残置ボルト、計6点で支点構築。
4P目、右に移動。5P目、5.9のはずが悪かった。木が邪魔だったり、プアプロだったり、ボルトが古かったり。
6P目、前傾した壁を左にトラバース、Wが流石の登りでOS。ホールドはポジティブだが、荷重をかけるとメキメキ聞こえて恐ろしい。フォローでもかなりパンプしてした。
7P目、コーナーからハングの付け根トラバース。前半コーナーは浮石が恐ろしく、トラバースは濡れと汚れで悪い。後半部分でついにギブアップ。テンションしてしまった。ここでオールフリーの目論見は諦めることに。何度もカムにぶら下がってから抜けた。
8P目、核心の12b。さっきのクラックがあまりに濡れて汚れていたこともあり、Wが一瞬下降モードになっていたが、あと2Pしかないので無責任にはっぱをかける。Wなら超えてくれるだろう。
このピッチはさっきと違って乾いているものの、傾斜がずっと強い。バックロープの壁からの離れ具合がはんぱない。ひたすら悪いムーブが続いているようで、プロテクションだってとれるところが限られている。Wは恐る恐るのテンションを交えながら、流石の強さで進んでいった。フォローの自分は核心で諦めてしまい、テンション。壁に戻れなくなり、そこからユマールで回収作業に徹した。一坪テラスに到着。トリプルジョーカーで唯一現れた快適なテラスだ。ここならビバークもできそう。
9P目、またしても12b。前腕がよれきっていたので、Wにリードをお願いする。花崗岩のコーナーで、これまた厳しかった。Wは玄人の登りで下部のピトンプロテクションのデンジャーゾーンを超えたものの、上部の濡れと草、土に阻まれてテンション。右へトラバースし、終了点へ。
残り2P、所々垂壁がでてくるブッシュクライミングで白いロープが巻いてある切り株まで。18時から雲稜を下降開始した。上部は浮石が多く、ここを下降する場合は人のいる時間を外した方が良い。
雲稜の支点はスリングが綺麗だし(トリプルジョーカーで生きたスリングは無かった)、下にいくにつれてハンガーボルトなどもでてきて快適だった。


終わってみて、ひとまずトップアウトできたことに満足している。途中下降しなくてよかった。かなりの充実度だった。
そして今回、クライミングの実力不足を日本の山で痛感させられた。花崗岩の5.12-を疲れた状態で登れる力(もしくは根性)がトップアウトの為に必要だったのだけど、その実力が自分にはなかった。この手のやつが自分の弱点で、一番大事なものだと思っている。パタゴニアのHaizeaを登った時、Kが突破してくれた時も同じことを感じていた。
とはいえ、山は個人じゃなくてチームとしての挑戦や遊び。頼りになるパートナーには頼っていこう。

これから瑞牆や小川山で登ることが多くなりそうだから、今回感じた必要な技量・精神力を付けられるように楽しんでいきたい。

帰り道もニホンザルがたくさんいた。
十字路で満たされて帰宅。

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