人の温かさで完走した奥武蔵ロングトレイル105k


- GPS
- 29:53
- 距離
- 103km
- 登り
- 7,354m
- 下り
- 7,346m
コースタイム
- 山行
- 16:40
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 17:55
- 山行
- 11:23
- 休憩
- 0:34
- 合計
- 11:57
天候 | 1日目 晴れ時々曇り / 2日目 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年06月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
レースを楽しんでたせいか、写真を撮ることをほぼしなかったけど、感謝を伝えたい事と、色々と自分のためにもどんなことがあったか残しておきたいのもあってレコ作成。
今までの最長レースが30kmの自分が完走できたのは、大会運営、ボランティア、応援してくれた方々、一緒に走ってくれた方々、そういった色んな人との交流があったからこそだったと思ってます!
(冗談抜きにこのレース中、選手の中で一番周りの人と喋ってた気がする笑)
おかげさまで人生で最高の思い出の一つになりました!
本当に本当にほんとーにありがとうございました!
以下、とてもとても長い日記のようなもの
(注:本当にものすごく長いです・・・)
◆レース前日
16時過ぎぐらいに受付会場へ。特に並んで待つことなくスムーズに受付(+必携品チェック)が終わる。
今回のように必携品をチェックされるようなロングレースは自分は未経験で、必携品の項目に「水分1.5L以上」とあったのでフラスクに水を入れてもってっちゃったけど、中身は入れず容器だけで良かった模様・・・そりゃそうか笑
受付会場にはお世話になってるひだまり山荘の荻原社長もいたので、軽く挨拶して「明日は頑張ってね」と言葉を貰って会場を後に。
夕飯はスーパーで手に入れたおにぎり3個にサラダチキンとヨーグルト。6時ぐらいに食べて、お風呂に入り、明日の荷造りを軽くやって8時ぐらいにはベッドに入って寝るモードに。
がしかし、楽しみと不安で12時を周っても全然眠れず、ただ横になって目をつぶって時間が過ぎていくのみ・・・やべぇ。。
この辺りの時間帯から半ば寝るのを諦め初め、「二徹 ウルトラトレイル」とか「前日 寝れない ウルトラトレイル」とか調べてた苦笑
◆スタート前
結局一睡もできずに起床予定だった3時を迎える。
徹夜で105kに挑むとか本当にやばいなと思いつつも、このレースを完走するために積んできたことを思えば、「寝不足で棄権」という文字は頭になかった。
それに、TJARを走った土井さんが『2日寝ないで走ってた』という記事を見つけて、「だったら同じ人間である自分もなんとかなるんじゃね?」と考えていくことにした。
とにかくやりきる覚悟で準備を始める。
準備を終えて、チェックアウトのためにホテルのロビーへ行くと、見覚えのある顔を見つけて、お互いに「あっ!」と。
レースのコースを下見してた時に出会ったMさんで、「ご縁がありますね〜」なんて話してたら、下見の時に一緒にいたお仲間のUさんもやってきて、再会を喜ぶ。
「タクシー呼んであるので会場まで一緒にどう?」とのありがたいお誘いを貰って、迷わず便乗。渡りに船、助かるー!
5時前ぐらいに会場着。MさんとUさんは「ブースで知り合いにテーピングをしてもらう約束がしてあるからまた後で!」ということで一旦お別れ。
ドロップバックと荷物を預け、一人会場をぶらぶらしてると、とんでもないことに気付く。
「あれ・・・携帯がない・・・」
慌てて預けたドロップバックと荷物を再度受け取ってひっくり返して中身を全部確認。ない。
ダメ元で会場の紛失物の受付に聞いてもみるが、当然ない。
「"そんな寝不足の状態でレースに出るな"って天からのお達しなんか!?」という考えも若干浮かんできたけれど、そう簡単に諦めるわけにもいかず、戻ってきたMさんに事情を話して携帯を借り、ホテルとタクシー会社に問い合わせ。
するとまさかのタクシーに携帯が落ちてたとのこと。
おぉ、神よ!!これはレースに出てもいいってことなんですね。
なんだかうまく行く気がしてきた。
幸いタクシーは会場の近くにいて、すぐに届けてくれた。
「レース頑張ってよ!」と、タクシーのおっちゃん。おっちゃんありがとう!
無事に携帯が戻ってきて、心配して色々してくれたMさんとUさんにもめちゃくちゃ感謝を伝えて、一緒にスタートゲートで記念撮影。
あれやこれやとポーズを変えて撮影してると、優勝候補の一人でもある知り合いの矢嶋さんがやってきて声をかけてくれたので矢嶋さんも一緒に記念撮影。
「この間のTGTの疲れがなかなか抜けなくてねぇ」と言ってたけど、調子は良さそうでよかった(実際に今回のレースで見事優勝されてました・・・すごすぎる)。
撮影会の後は各自別れてレース前の最終準備。
その後もひだまり山荘の試走会のイベントで一緒になったAさんやOさんにも会えて、お喋りしながらリラックスしてスタートを待つ。
スタート前からアクシデントには見舞われたものの、6時10分、105kの旅が始まった。
◆スタート〜A1.子の権現
最初のロードはとにかくウォーミングアップのつもりで自分が気持ちよく走れるペースで走った。
ウェーブBでスタートしたので、周りもゆっくりめ、みんな「はじまったなぁ・・・」って思ってるんだろうな。
トレイルに入ってからは登りは歩き、平地と下りを走る感じのトレイン(集団)に乗せてもらって淡々と進む。
ちょこちょこ周りの人とお喋りを試みたけど、みんな飯能アルプスのジグザグに呼吸を乱されてる感じだったので、ここは余りしゃべらず黙々とついてった。
でも、喋らなくとも、周りに人がいるってだけで、なんだか脚が軽い気がした。
◆A1.子ノ権現〜A2.原市場
子ノ権現のエイドで試走会で知り合った同じくウルトラトレイル初挑戦のTさんに遭遇。
開口一番「やっぱりマジキツイ!もう無理!」って薬か何かを決めたかのようなギンギンの目で、話しかけてきた。
「試走会の時も言ってましたけど、やっぱエントリー後悔してます?」って聞いたら、
「そりゃあもちろん」なんて言ってたけど、表情は明るく楽しそうだった。
Tさんは少しエイドで休んでいくみたいだったので、お先に水を被って出発。かぶり水気持ちよかった!
エイドを後にしてすぐ、近くを同じぐらいのペースで行くお兄さんがいたので、話しかける。
当たり障りのない会話ネタで質問ジャブを打つと、向こうも同じようにどんどん質問を振ってコミュニケーションをとってくる。
このお兄さん、自分と同じ話好きなタイプ・・・これは行けるだけ乗っからせてもらわねば・・・!ということでガンガン喋っていく。
聞けばお兄さんはロングレース(100kmとか100mile)を主戦場としてる人で、かなりの先輩トレイルランナーさんだった。
レースに対する向き合い方やら考え方をいっぱい話してくれた。
中でも特に自分に響いたのは次の言葉。
「ショートと違ってロングレースって、何かしらのトラブルやら不調に見舞われることがよくあって、それをどう対処していくか(乗り越えていくか)が楽しい所の一つだと思うんだよね。睡眠トラブルに関して言えば、君のように前日寝れないってのもよくある。それに寝てたって睡魔に襲われることはよくあるよ。大事なのはその時にどう乗り越えていくかだから」
そんな熱く自分の想いを語ってくれるお兄さんとお喋りをしていると、ちょいちょい後ろをついてきてたグレーっぽい白髪が似合うダンディーなおじさんが
「後ろで聞いてるとラジオ感覚で、苦しい気を紛らわさせてもらえてありがたい」と。
「聞いてるばっかりじゃなくてゲスト出演してくださいよ」というお兄さんの言葉に、ダンディーおじさんも会話に参戦。
話を聞くと、この方もロングレースが主戦場・・・それも海外のロングレースが中心とのこと。
しばし、海外レースの話をしてくれた後、
「去年もこのレース走ってるけど、人生でUTMBの次に辛かったよ」って言葉を残して、離れていった。
(海外レース中心に、UTMB出走って何者なんだ・・・!?)
◆A2.原市場〜A3.ノーラ名栗
その後も、お兄さんとの楽しいお話は続き、結局次の原市場エイド地点までずっと喋りっぱなしで走る。
自分はやはり誰かと一緒に進めると本当に楽だし、楽しい。
原市場のエイドに着くと、レースのお目当ての一つ「鹿肉うどん」にありつく。
鹿肉が美味しかったのは勿論だけど、冷たい麺がめちゃめちゃ美味しかった。
水やら食べ物を補充して準備を終えると、ここまで一緒に来てたお兄さんが
「俺はもう少し休んで後からのんびり追いかけるよ」とのことだったので、お先に出発。
ここまでくると、結構人がバラけてきて、前後に人が見当たらない状況がちょこちょこ。
次の区間のトレイルに入って、暫く登ってたら「うどん」と書かれたパンツが印象的なお兄さんを前方に発見する。
「お兄さん早そうなんで先行っちゃって」なんて言われて道を譲られるけど、お喋り好きな香りを感じ取ったので、ペースを緩めてお喋りしながら一緒に進む。
毎度のごとく、どんなレースに出てるのかお話を伺うと、うどんパンツのお兄さんもロングレースを中心に出てるそう。
「去年もこのレースに出て完走したけど、次のエイドに関門時刻までに辿り着ければ後はずっと歩いてても完走できると思うよ。去年の暑さでそんな感じでゴールできたから。ただ、このレースはUTMFよりキツイからそこは覚悟しとかんとよ〜」
とアドバイスをもらう。
元より次のエイドについたら、歩き通すぐらいの気持ちでいたけど、果たして本当に間に合うのか少し不安な部分もあったので、経験者から生の話を聞けたのは心強かった。
うどんのお兄さんと話ながら、途中の小ピークを登りきって、目線を上げると目の前には逞しい脚。
―――ムキムキの脚のイケオジ風おっちゃんが仲間に加わりました―――
このおっちゃんも齢50にして、マラソンのベストがサブエガ(2:50)を切る猛者だそうで。
「トレイルはマラソンの練習でやってるから軽くだよ」って言ってたけど、この間の彩の国でペーサーもやったって言ってたし、何よりこのレースに出てる時点で『軽く』ではないと思うんですが・・・感覚おかしくないか?笑
元々は自転車の実業団選手をやってたらしく、引退後に自分の脚で走ることにシフトしたらしい。そりゃあ立派な脚な訳だ。
しばらく三人で、あーだこーだワイワイ話ながら進み、いくつかのピークを登った後、うどん兄さんが「登り辛くなってきたから、俺は一旦ここで休んでいくわー」ということで、離脱。
(そういえば、何でうどんのパンツだったんだろう、聞きそびれてしまったことが若干の後悔)
引き続きおっちゃんとお喋りしながら、緩めで短い距離の登りは走るぐらいのペースで進む。
マラソングループ(チーム?)のリーダーらしく、『歳をとっても、いかに走力をあげるか』って話がめちゃくちゃ勉強になった。
「効率の良いやり方は今の時代いくらでもあるけど、でもやっぱり最後は、自分が楽しめる(続けられる)かだから」って最終的には纏められちゃったけど。
グイグイ引っ張ってもらって気付けばこの区間のおおよその折り返し地点の小沢峠付近に到着。
途中のピークで「風にあたりたいから俺はここら辺で一旦休むよ〜」とのことで、おっちゃんともお別れ。
「これだけ元気に喋って動けてれば完走は問題なしでしょ。頑張って」と嬉しい言葉をもらって一人先へ。
ここまでくるとすれ違う選手のほとんどが疲弊している様子で、とてもお喋りできそうな雰囲気ではなかったので、「頑張りましょ〜!」って声をかけながら、淡々と進んだ。
でもゴンジリ峠から先はハイカーの人も多くて、いっぱい声をかけてもらって全然一人旅って感じでなかった。ありがたや〜。
◆A3.ノーラ名栗 〜 A4名栗げんきプラザ
ノーラ名栗のエイドに到着した時刻は午後の3時過ぎ。
予めなんとなーく作ってた自分の完走タイムテーブルでは4時ぐらいに着けばいいかなって思ってたので予定より結構早いペース。
日差しがあたる場所はなかなかの暑さで、カフェで売ってたアイスやかき氷を食べてる選手も結構いた。
「俺も食いてー!!」と心の底から思ったけど、朝からずっと何かしら食べ続けてたせいなのか、お腹の調子が若干よろしくない。
コース上で一番きつくて時間がかかるこの先の区間で更にお腹ピーピーになったら大事故になり兼ねないので刺激が強そうなキンキンに冷えたスイーツは泣く泣く我慢。
自販機でゲットした大好きなジンジャエールを片手に、バナナ2本、饅頭2個、ジャガイモを食す。
エイドのおばちゃんに「お兄さん良い食べっぷりね〜」と言われるぐらいには食欲は問題なし。
脚も疲労感はそれなりにあったものの、痛い所はなく、心配してた眠気の方にも特に襲われず、体は徹夜でここまできてるとは思えないぐらいの良いコンディション。
「徹夜で激しい運動なんてできっこない」っていう自分の思い込みの価値観が壊れたように思う。
ここから先の長い区間に備えて念のために水分を2.5Lになるよう補給して、ストックを準備しエイドを出発。
「やっぱストックだわぁ」と頼れる相棒のありがたみを感じながら、10分ほど気持ちよく登ってたら、目の前にこの区間の第一ランナー発見。
今回の105kのレースでは絶滅危惧種とも思えるほど数少ない、女性の方Nさんだった。
こんな過酷なレースに出てくるぐらいだから絶対面白そうな話聞ける人だろうな〜と思いながら、すれ違い様に声をかけると話し相手になってくれそうな感じの雰囲気。
いつも通り事情聴取すると、やはり100マイルも走るようなロングレース愛好症候群の方で、全国各地のレースに参戦してる模様。
今回もはるばる東海地方から一人で車で片道4時間かけてやってきての参戦とのことで。
いやぁ、こちらもかなりの重症の方ですね〜(誉め言葉)
話を聞いていくと、自分の実家のある長野にもよく来るらしく、それはもうかなりピンポイントな長野のローカル話が通じるほどに。
(長野県のローカルスーパーと言っても過言ではないTSURUYAが大好きだとか、自分の実家のある南信地方のお店の話だったり・・・)
そんな調子で相変わらずのお喋りハイキング状態で壁のような登りも大して苦労せず進む。
橋小屋の頭を過ぎた後の景色抜群の尾根から夕陽を見て、ウノタワの先から大持山の肩にかけての尾根で夜景を楽しんじゃったりして・・・あれ、デートか何かでしたっけ、これ?笑
心強い同行者を得て、奥武蔵ロングトレイル最難関区間も相当エンジョイして元気に進んでいった。
区間最高地点の大持山の肩からの下りで前方から、とんでもなく賑やかにドンチャン騒ぎしながら登ってくる陽気な外国人パリピ4人組が現れる。
マーシャル(コースを逆走して選手の安全を見守る人)だった。
めっちゃ笑顔で「スゴイネー、ツヨイアシ!ツヨイアシ!ガンバテ!!!」って応援されてすごい元気を貰った。
文化の違いか何かわからないけど、やっぱ外国の方の盛り上げる感じはまた違うね。
武川岳は思ってた通り登り初めがきつかったっけど、「ここを越えればエイドだし!」と思えばなんのその。
「米!味噌汁!米!味噌汁!」って唱えながら左右の足を前に出してた。
美味しい食べ物が待ってるのほんと大事。
◆A4.名栗げんきプラザ 〜 A5.ビジターセンター
げんきプラザのエイドに着くと、そこにはブルーシートの上に横たわる何人ものランナーの姿。これが噂に聞く野戦病院状態ってやつか・・・。
ひとまずデポバックを受け取って、眠気はなかったものの念のために持ってきたモンスターを飲んでカフェインドーピング。冷たくはなかったけど、炭酸飲料ってやっぱ美味しい。
「着替えると少しフレッシュになれる」と色んな人から聞いていたので、上は全着替え、下は「寒い方が眠くならないかな?」と思い、タイツを脱いで短パン族に。
その結果、腕は焼けて黒いのに、脚は真っ白(普段短パンで活動しないため)という人によっては「キモイ」と言われしまいそうな見た目に。
「いや、とにかく完走が一番、見た目なんぞに構ってられんのよ」ということで暫くこれで行かせてもらいました。
(道中不快にさせた方がいらっしゃいましたら、ごめんなさい)
着替えを済ませたら、お待ちかねの補給タイム。
「エイド、甘い物ばっかりだし、もっと米とかしょっぱい物も欲しいよね」なんて話すぐらいにここのおにぎりを待ち望んでいた。
ひとまず味噌汁を貰って、おにぎりを1つ食べる。うめぇ。。やっぱ米米!
おかわりもできたので、味噌汁を追加して、おにぎりも更に2つ食べた。
お腹を十分に満たし、次の目的地へ。
Nさんも引き続き一緒に来てくれるとのこと。やったね!
伊豆ヶ岳への登りに取り付き始めた所で、後ろから珍しく同じように元気にワイワイ話ながらやってくる、おっちゃん二人組がやってきた。
近付いてきて第一声が、歯ブラシを手に持ちながらの、「歯磨きはいいぞぉ〜?」で、こりゃまたとんでもなく濃そうな人達がきた。
どうやら歯ブラシを装備した屈強そうないかついおっちゃんの方がボケで、もう一人の優しそうなメガネのおっちゃんの方がツッコミ役のようで。名(迷?)コンビだった。
その後もゴールまで何度もすれ違って、その度に「歯磨き!歯磨き!」だった。
次のロングレースは自分も歯磨き持ってってみようかな。
正丸峠ではおくむら茶屋が今回のレースに合わせて深夜営業とのことで開いていた。
外で選手の応援に立ってた店員のお兄ちゃんとちょっと話して、せっかくなのでカフェオレを買わせてもらった。ありがたや〜。
「おくむら茶屋でジンギスカンを食べたい!」って去年からずっと言ってるけど、店員のお兄ちゃんも良い人だったし絶対こないとなぁ・・・(いつになるやら・・・)
特に足を止めることなく、淡々と前に進み、刈場坂峠に到着。
(試走の時にちょっと苦手意識があったサッキョ峠手前の下りは、ロープが新調されてたのもあってか、そんなに気にならなかった)
刈場坂峠のちょこっと先に四方にライトが設置されたお立ち台みたいな場所が設けられてた。暗い山の中で急にとんでもなく明るいその光景を見て、なんかわからないけど、「宇宙人か!?」みたいな考えが浮かんでた。
まぁそんなことはなく、実際は通る選手を撮影するためのスポットで、近くにカメラマンが待機してた。
こんな山の中でずっと待機してなきゃいけないカメラマンもほんと大変だぁ・・・。
ツツジ山から先の下りは暗い時間帯の通過は初。
気を引き締めてツツジシリーズ(大ツツジ山+小ツツジ山)の攻略にとりかかる。
明るい時でさえ急+ザレ気味で「やだなぁ」って思ってたけど、暗い時間にきたら猶更だった。
「とにかくケガだけはしないように無事に帰ろう」ってことで、ゆっくり慎重に下った。
時間はかかっちゃったけど、無事一度も転ぶことなく次のエイドのビジターセンターに到着。時刻は夜中の3時を回った所だった。
◆A5.ビジターセンター 〜 A6.長念寺
ビジターセンターのエイドは、テント前にパイプ椅子(だったかな?)が数個並べられており、休憩は座って。
椅子で座ってコックリコックリしてる選手もいて、救護の人に「中で横になって寝ますか?」って声をかけられてる人もいた。
見てないけど建物内には仮眠スペースがあるらしく、ちゃんと横になって寝れた模様。
補給はとりあえず美味しそうなコーンスープを飲む。体に染みる染みる。
もちろんおかわりはマストで。
1個前のエイドもそうだったけど、夜は温かい液状のものがすごい美味しく感じるなぁとしみじみ。ここら辺はもっと暑かったらまた違うんかなぁ?
眠気の方は相変わらず問題なし。
Nさんの方が逆に眠気がきちゃったみたいで、カフェインジェルなるものを取ってドーピングモードに移行。
「余ってるからあげますよ〜」と自分も頂いてカフェインジェル初体験。
「めっちゃ不味いですよ」と言われて口にしたら、笑っちゃうぐらい本当にとんでもなく不味くてびっくり!
でも、この不味さも目覚ましには効きそうで非常に良いかも。ご馳走様でした!
エイドを出発して、暫く林道で高度をあげていく。それにしてもこの林道が長い長い・・・。
ゴール後に会ったMさんが「あそこの林道、歩きながら寝てた」なんて言ってたけど、冗談なしで本当にそうだと思う。
もちろん時間的なものもあるかもしれないけど、単調な道は緊張感も減る分眠くなるんだろうなぁ。
ここから次のエイドまでの区間が道端や切り株、ベンチでぶっ倒れて寝てる人が一番多かったかも。
それにしても関八州見晴台のベンチで寝てるのは気持ち良さそうだった。
高山不動でめちゃくちゃ元気な声が聞こえてくるなぁと思ったら、なんとNさんのお友達らしく、わざわざ茨城(?)から応援にかけつけたとのこと。すごい。
Nさんも「どこで会えるかわからないから〜」って言って、ずっとその友達へのお土産を持ち歩いてたみたいで。(そういう人柄だからわざわざ遠方からお友達も来てくれるんだろうなぁ)
しばし、二人の姿をほっこり眺めてた。
「またゴールでお待ちしてるので!無事に帰ってきてくださいね!」
とお友達に元気な声で見送られて出発。
次のエイドの長念寺までいくつか登りがあったけど、ここまで登ってきた壁のような登りに比べたら朝飯前のような感覚で、きついけどそこまできつかった印象は残らず。
それよりも段差のでかい下りや急な下りの方が脚にきてた。
ストックがあったからよかったけど、なかったら相当きつかったと思う・・・。
◆A6.長念寺 〜 ゴール
エイドの素麺が美味しすぎて、おかわりが食べたかったけど、おかわり不可で悲しむ。
自分以外にもおかわりできるか聞いてる人が多かったから、みんな同じ気持ちだったはず・・・次回はおかわり分もお願いします!
明るくなってきて脚の白さが際立ってきて気になったのと、虫刺されも少し気になってタイツを再度履く。
蚊とかにめっちゃ刺されるタイプだからやっぱ短パンはツライ・・・。
ラスボスのかまど山と、かまど山の後の根っこ地獄を周りの人の力を借りて一歩一歩進む。
1日目に通った道との分岐まで辿り着いて、後はほぼ昨日来た道を戻るだけに。
「昨日歩いた道なのに、ずっと昔のような気がするよ」なんてNさんが言ってたけど、ほんとそう。時間的には1日ちょっとなのに。
お散歩のようなトレイルが終了して、残すは約3kmのビクトリーロード。時刻は11時20分過ぎ。あまりゴールタイムは気にしてなかったけど、どうせなら30時間を切ろうということになり、早歩き+ゴール前だけ走って無事に30時間を切ってFinish。
会場をぐるっと回ってお世話になった人達に完走報告をして、プレミアムマンゴーかき氷なるものを食べて帰路についた。(かき氷めっちゃ美味しかった)
帰り際、一人になって駅に向かいながらレースのことを思い出してたら、感謝の気持ちでいっぱいになって自然と涙がこぼれた。
今回のレースは最初から最後まで周りの人の存在が本当に大きかった。
本当にありがとう。またどこかでみんなと会えるといいな。
とても幸せな2日間でした。
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あら!まさかあのお方がkenkenhkさんだったとはビックリです!
こちらこそ楽しくお喋りしていただいて本当にありがとうございました!
そして無事完走もおめでとうございます〜
「なんでそんな苦しいことをやるんだろう・・・」ってロングトレイルに対しては思っている所がありましたが、おっしゃる通り沼にはまりそうです。kenkenhkさんのレコにあったように、水をしっかり持ってハセツネも頑張ります!
またどこかでお会いした際はぜひお話しましょう〜
本当に本当にありがとうございました!
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