富士山 お中道グルっと1周ソロ旅 (2024)
- GPS
- 20:17
- 距離
- 21.7km
- 登り
- 1,664m
- 下り
- 1,648m
コースタイム
- 山行
- 15:57
- 休憩
- 2:31
- 合計
- 18:28
天候 | 風が少し強い快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
駅前のなんちゃらカプセルホテル(失礼! CABIN & LOUNGE HIGHLAND STATION INNです笑)に前泊、そこから富士山パーキングへ深夜2:00に徒歩約30分で向かう 富士山パーキングの富士山スバルライン吉田口5号目行きバスの往復チケットはネットで事前購入可能、始発便を利用する際にチケット売り場に並んで購入後にバス乗り場に再度並ぶ、という手間が省けます。 スバルライン吉田口行きバス乗り場は「いちばん奥」のバス停となります。「いちばん奥」はチケット売り場から見て「いちばん遠くのバス乗り場」という感じです。 なおチケット売り場は始発の30分前にオープンとの事なので土日とお盆期間だと始発4:00に対して3:30、平日は始発便5:00に対して4:30頃オープンです(念のため事前確認を)。 ちなみに私は片道チケットしか必要無かったので現地のチケットセンターでの販売のみとなるため、1時間前からチケット売り場に並び、購入後に乗車列に並び直しました(涙)。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
富士山の東半分の御中道はいわゆる整備はされてませんが踏み跡もマーキングもしっかりしています。 対して西半分はマーキングやピンクテープも有るには有りますが途切れ途切れだったり涸沢の規模感が段違いな上に野生動物も多くハードコアな世界が広がっていました。 なお富士山の北西側の御中道は途中で「通行止(通行禁止では無く)」の表示が何度か出て来ます。 大沢崩れの看板の先はハクサンシャクナゲを筆頭に様々な植物が背丈以上の高さで群生していて物理的に入りづらい雰囲気となっていました。 |
その他周辺情報 | 毎年ローカルルールの変わるスバルライン吉田口ですが、幾つか。 ●2,000円徴収されるの件 今年の目玉の2,000円徴収(協力金込みなら3,000円)の納付の証である紙のリストバンドは帰りの際にも確認し、もし紛失された場合は再支払してもらいますからねー、とゲートの方が言ってましたのでご注意ください(本当かどうかは不明)。 ちなみに私も登山中に付けたはずの場所から無くなっていましたが、お中道口から深夜戻ってきたので再請求されるか確認出来ませんでした。 という事で実は私の黄金パターンだった「静岡から上がってスバルラインに降りる」というプリンスルートならぬ「都民ルート(仮称)」の使い方がしづらくなりました。 ●5号目でのお食事の件 今年はことごとく早朝メシの営業が止まってしまい、早くても08:30か09:00開始となってしまい早朝下山時に旨い朝メシを食うというルーチンが機能しなくなりました。とくに富士急雲上閣さんは食事の提供自体を止めてしまいおしゃれカフェ風店舗が消えてしまい非常に残念ですが、みはらしさんでは昨年から始まった本物の自家焙煎コーヒーが07:00過ぎから提供されているので早朝下山派にはオススメです。 |
写真
感想
2024年最初の富士登山は昨年からずっと狙っていたソロでの「御中道めぐり(1周)」へ。
御中道めぐりに関する過去のヤマレコ投稿を熟読すると健脚の方々の平均コースタイムが「おおよそ10時間」と見立て、貧脚な自分としてそのx1.4倍の「14時間」を予想タイムとして山行を組み立てる。
結果、これが全然「無理ゲー」で、総タイム22時間、山行タイム20時間の長丁場となりました。
振り返りの自己メモは以下通り:
■スバルライン吉田口5合目~須走口6合目「瀬戸館」
2023年に逆時計周りで踏破したものの、御中道名物のハクサンシャクナゲの群生地獄に悩まされたので「コノスジ中途道」と「御中道」のどちらにするか悩む。結論、そもそも御中道1周するのに御中道通らないって何? と気付き(笑)、御中道へ。
御中道入口に向かうため吉田口下山道を逆行していた際にブルドーザーで作業中の方と下山途中のツアーガイドの方に「ここ下山道だけど大丈夫?」と心配される。ご心配お掛けし恐縮です。コースとしてはマーキングも踏み跡も明確で特に問題無し。
■須走口6合目「瀬戸館」~御殿場下山道6合目(走り6合)
こちらも踏み跡もマーキングも明確でルート的には問題無いものの、傾斜の下がる左ヒザ裏に若干の違和感が出てくる。
途中の不浄流し (成就ヶ沢)との合流点で昨年の直登を懐かしむ。
■御殿場下山道6合目(走り6合)~プリンスルート~富士宮口6合目
こちらも特に問題無し。宝永山頂上経由で富士宮口に行くか分岐で迷うもガスガス過ぎたので頂上は経由せずに直接富士宮口6号目へ。ここの上りはザレザレでキツいですが下りはサクサクと下降出来て良き。
富士宮口6合目では昨年のゼロフジ(ルート3776)でもお世話になった雲海荘さんでカレーとホットココアを頂く。ココアはカカオの脂質のせいなのか、私にとって「復活の呪文」的立ち位置で、飲むと必ず元気になる。食べ合わせとしては「?」だが、カレーのご飯による糖質補給とホットココアの脂質・ミネラルでかなり回復。ついでに名物ラムネ300mlとチビコーラ200mlも頂き、さらなる糖質補給も行う(単に甘いものが飲みたかった説)
■富士宮口6合目~執杖流し(主杖流し)取付
昨年は執杖流し取付き到着まで2時間かかってしまったので今年は1.5時間を狙うも結果2時間掛かってしまい、我が貧脚を痛感。踏み跡とマーキングを中心に効率的に進んだつもりだが足の遅さをリカバリーするには至らず。
■執杖流し(主杖流し)取付~不動沢(核心部)
いよいよ核心エリアの富士山西側へ。気合いを入れてヘルメット装着。
鬼ヶ沢、桜沢、竹沢超えに苦労しつつも何とか超えていき、いよいよ核心部と言われる不動沢へ。高さの有る絶壁に加えハクサンシャクナゲの群生がヤブヤブで想定していた下降地点がよく見えない上に、傾斜がキツく足元もおぼつかない、、、と、急に対岸からキーキーと甲高い鳴き声。見るとニホンジカがこちらを見てサッと逃げていった。
その後1時間以上ウロつくも見当が付かず、仕方なくその場で「お気に入り」していたヤマレコGPSログを幾つもチェックしたがどこに行っても下降点らしき箇所が見当たらず更にウロウロ1時間、、、その間に1箇所ピンクテープが崖そばでぶら下がっているのを見つけたがヤブヤブで近づけ無い上にどうしても下降出来る様には見えず更に更に1時間ウロウロ・・・さすがに現場解決を諦め、御中道1周ルートについて先日質問させて頂いたinaminさんのGPSログをその場でアクセスし直し、少し手前まで戻って方向含めて丁寧にトレースし直してみた所、まず写真で見ていた小さな立て看板を発見、その先を見ると先程見たピンクテープが逆方向から見える形で発見、ピンテの所まで行くと複数人のGPSログに登場していた「天の橋立」と呼ばれる崩壊寸前の木製ハシゴ発見!! その後は気を抜かずしっかりしてそうな草の根などを掴みつつ注意深く下降に成功。降りてみると踏み跡がかなり明確で中洲のような岩場を超え対岸へ。対岸のガケも登れそうな箇所が見当たらないのでGPSログと踏み跡を追ってズルズルと下降していくものの100mほど下るとピンテ発見、なんとかカントカ核心超え。ここは相当タイムロスしたものの「安全第一」で超えられた事だけでもヤマレコと先人の軌跡に感謝。
■不動沢~大沢崩れ
「GPSログ」「ピンクテープ」「踏み跡」の3点セットをトレースしていくと例のモノラックのレールを発見しホッとするも、ここを約300m下った分だけ右岸で300mまた上昇し直すんだよなと心折れつつひたすらにレールに沿って降りていくと作業用の仮設階段を発見したので利用させて頂き最下部へ到着。見上げると作業事務所のプレハブにはまだ灯りが点いていたので作業関係の方が居たようだった。暫し壮大な大沢崩れに見とれるも、既に予定時間を大幅に超過している現実と気力・体力も疲労困憊でしばし作業階段に座り込む。ハッと気づくと電気が消え人の気配が無くなっていた。誰も居ない大沢崩れに19:00過ぎに自分ひとりかと気付いたら、さてどうしたものか? と暫し考えるも装備は有るので進む事にする(その間の葛藤は省略)。
■大沢崩れ~大沢休泊所
作業事務所プレハブの左手から回り込みモノラックのレールに沿って上昇していくと別の作業階段があり、それらも活用して進むも結果として樹林帯に突入、藪漕ぎ藪漕ぎの連続でロストに次ぐロストの末にまた上がり直してやっと大沢崩れ右岸に到着、そこから大沢休泊所へ。隣の三柱神社にてヘルメットを脱いで二礼二拍手一礼をしてこの山行を無事に終えられるようにお祈り、いや、もはや懇願するしかない心境で手を合わせる。
■大沢休泊所~御中道(~御庭)
この辺りの樹林帯はピンクテープも踏み跡も途切れ途切れでまばら、しかもハクサンシャクナゲを筆頭に色々な植物が生い茂っていて藪漕ぎに次ぐ藪漕ぎが続く箇所も多く、GPSログをトレースしようにも上手くいかずロストと復旧を繰り返す。加えてカモシカなのかニホンジカなのかキーキーと深夜の侵入者を警戒する雄叫びもまた聞こえ出した。もはや写真を撮る余裕も無いし、撮った所で全部同じなので撮影はせずにひたすらに進む。
小さな涸沢を幾つかこなし、蟻地獄並みのザレザレな滑沢を超える。先人のGPSログによると上手く回り込めば難なく超えられるルートも有るようですが現場では入り方がよく分からない箇所も多く難航。
その後は使われていない割にコンディションの良いお中道をひたすら進む。まるで須走口下山道の砂払いを超えた辺りのような景観。
さらに進むと逆に荒れて来てここでも急に踏み跡が見当たらなくなったりとロスト~藪漕ぎ~復旧を繰り返しながら、何とか立ち入り禁止ロープが張られている地点へ。スバルライン吉田口5号目から反時計回りに御中道を進むと出てくる最初の立入禁止札の辺りはシャクナゲの群生が背丈を超える程で物理的に入れない雰囲気にまで群生していて、普通アレを見たら立ち入らないよな、と思う程だった。
■御中道(御庭~スバルライン5合目)
御庭・御庭山荘跡地辺りでエネルギー切れと眠気で幻覚モード突入、色々な人影が現れる(笑)。仕方ないので奥庭駐車場に向かう階段で暫し座り込んでエネチャージ。気晴らしのクエン酸タブレットのドカ食いが効いたのかやる気が少し回復して残りの御中道を蜘蛛の巣地獄にめげずに約40分進むとスバルライン吉田口5号目の富士急雲上閣さんの所まで辿り着き、無事故でFINISHとなりましたが、時刻は既にAM2:42となっていました。
反省点ばかりのソロ山行となりましたが、無事故である点に感謝しつつも、皆様には反面教師な情報として少しでもお役に立てば幸いです。
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