山の辺の道☆天理から桜井へ
- GPS
- 04:11
- 距離
- 15.9km
- 登り
- 231m
- 下り
- 220m
コースタイム
天候 | 晴れときどき曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
感想
山の辺の道はこれまでに幾度か歩いており、晩秋のこの季節に歩いたことがないように思う。今年も初夏の蜜柑の花の咲く季節に訪れたところではあるが、のんびりと平地の道を歩くのも悪くないと思い、天理に向かう。
京都からの乗り継ぎの悪い列車に乗ったこともあり、天理に到着したのは昼前であった。JR天理駅のステーション・センターの一角にある餃子の名店「天雅」で餃子を食することがルーティンと鳴っている。ステーション・センターとはいっても広々とした空間には全くテナントが入っておらず、いくつかのキッチンカーがランチを販売している駅前の賑やかさとは対照的になんとも寒々しい雰囲気が漂っている。
天理駅を出ると日差しは暖かいのだが、広い駅前には冷たいが吹き渡っている。横断歩道を渡り、商店の立ち並ぶアーケードを歩くと、風は遮られている。商店街には思わず立ち寄りたくなるような古風な店が多い。商店街を抜けると壮麗な天理教の総本山である。広い境内の片隅では銀杏が美しい黄葉を見せている。
石上(いそのかみ)神社に至ると境内は所々で楓が紅葉しているが、前日に京都の寺社の紅葉を多くみたせいか、紅葉が少なく思える。神社の社殿の前ではいつもは軍鶏が我がもの顔に闊歩しては盛んにときの声をあげているのだが、この日はその姿が少ない。鶏舎に入っている鶏が多いようだ。
神社の境内を抜けると奈良らしい長閑な田園地帯となり、一気に時の流れる緩くなったように感じられる。永久寺跡を過ぎると道沿いには柿の果樹園が広がり、柿の葉の紅葉がなんとも渋い色合いを見せてくれる。
天理観光農園を過ぎて、夜都岐神社に向かうと、以前は道沿いの小さな納屋でよく里芋が売られていたのだが、納屋は閉まっていた。神社の手前の別の農家の納屋では柑橘類が多く並んでおり、薄暗い納屋の奥では一人のご婦人がおられた。早速にも蜜柑に檸檬を購入する。
夜都岐神社の境内に入るとその短い参道を真紅に色づいた楓の紅葉が美しく彩っていた。左手に黄葉した山肌を見せる竜王山を見上げながら、果樹園の広がる
乙木町は小さな集落ではあるが、道沿いの古民家の佇まいにいつもノスタルジックな感覚を覚える。集落を抜けたところには千切り大根を売る民家があり、入手するのを楽しみにしているのだが、残念ながら完売とのことであった。冷蔵庫では缶ビールを一缶いただき、¥250を箱に入れる。
竹ノ内環濠集落を通りすぎて萱生の集落をに至ると、その手前にある古墳の脇には古民家を改築してcofuniaという小綺麗のが出来ており、中からは客が出てくるところであった。数年前に通りがかった時には、この古民家ではかなり古い食器が多く売られていたが、前回は職人が民家のリフォーム工事を行なっていたことを思い出す。
中山町に至る途中の民家では大福餅と小さな梅干しを手に入れる。ここはいつもにこやかなご婦人がおられ、何かと購入してしまうところだ。
長岳寺の前の天理トレイル・センターでは敷地内に美しく紅葉した楓の下でベンチでは数名のハイカーの先客が弁当でランチを始めたところのようだった。一人の方はシーバス・リーガルの小瓶を持参しておられた。我々もベンチの片隅で、トレイルセンターで売られている鳥の唐揚げとポテトをつまみに先程の乙木町で入手してきたビールを開ける。紅葉の透過光を浴びながら、ランチを楽しむのもいいものだ。
トレイルセンターを後にすると崇神天皇陵の手前の集落では柿が多く売られている。大きめの柿が2個で\150のものと一つ¥50の小さな柿を購入する。景行天皇陵の手前の渋谷の集落では袋に大量に入った菊芋とゆずのジャムをいずれも¥100で入手する。ジャムの容器はそれだけで¥100以上すると思われる小綺麗なガラスの容器に入っていた。庭仕事をされておられた民家の奥様が「有難うございます」と丁寧にお礼を述べられるが、「こちらこそ」と礼を返す。
集落の先にある景行天皇陵の東にわずかに登ったところでは大和平野を見晴らす展望所がある。雲の間から降り注ぐいく筋もの薄明光線が西の空に美しい模様を刻んでいた。景行天皇陵を過ぎると左手には三輪山が大きく近づいてくる。無人販売所ではカメムシによる傷跡のついた柿が大量に入って¥100で売られている。思わず購入するが、ハイキング用のリュクはこれ以上入らないというほどに膨らみ、かなりの重量となった。
夕方の太陽が雲の影に隠れたためだろうか、桧原神社から大神神社へと続く檜の樹林に入ると
急に薄暗く感じられる。夕刻が近い時間のせいか大神(おおみわ)神社の境内にはいつもよりは人影は少ないものの、それでも参拝客の姿が絶えないようだ。
いつもはここから大神神社の参道の今西酒造の店で日本酒のみむろ杉を入手して、三輪駅の駅前を経て桜井に向かうのだが、この日はリュックには既に日本酒を収納する余地は全くない。初瀬道とも呼ばれる伊勢参道との合流点となる山の辺の道の終点まで歩くことにする。
大神神社のすぐ南に位置する平等寺は大神神社の賑わいとは対照的に人影のない静かな禅寺であった。二重の塔とその脇を彩る紅葉がこじんまりとした境内に風格を与えていた。石仏のある金屋の集落を抜けて初瀬川にかかる橋を渡ると、車が盛んに往来する県道に出る。途端にタイムスリップから一気に現実に戻ったような感覚を味わうのだった。最後は近代的な家屋の立ち並ぶ桜井の市街を歩いて、桜井の駅に到達する。
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