吾妻小富士(微温湯温泉から往復)


- GPS
- --:--
- 距離
- 12.2km
- 登り
- 880m
- 下り
- 880m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所等なし 軌跡は手入力です |
その他周辺情報 | 微温湯温泉(日帰り入浴 500円) |
写真
感想
吾妻連峰を縦断する磐梯吾妻スカイラインは、いわゆる山岳観光道路の草分け的存在だ。中心的存在の浄土平からは噴煙上がる一切経山や吾妻小富士が眼前である。労せずして火山地帯へと入り込むことが出来るのだ。吾妻の瞳と言われる五色沼にも比較的簡単に登ることが出来る。ハイシーズンには老若男女で大賑わいである。
吾妻小富士の麓に微温湯(ぬるゆ)温泉が有る。文字通り微温の温泉だ。ここから浄土平に登山道が延びている。吾妻小富士の北東面を巻くように登って行くのである。地図で見ただけであるが、こういう道は好きだなあ。ジワジワジワと山体に絡んでいく。考えただけでも胸が騒ぐ。
もうずいぶん前の話だが、仕事の帰りに微温湯温泉に寄ったことが有る。湯船から上がると寒いが、入っている分には寒くは無いので、いつまでも入っていることが出来る。ユニークな温泉だ。その時、ここを拠点に一回は登ってみたいと思ったものである。
昨日は、安達太良山に登った。今日は、恋い焦がれた道?を通って吾妻小富士に登るのだ。4時44分44秒、4を五つ並べて出発するはずが、1秒狂って四つ並びになってしまった(-_-;) これが吉と出るか凶と出るか。って、おバカさんですね。こんなことにこだわって。いや、ちょっとした遊び心です。無視、無視、無視してください(-_-;)
登山口は、微温湯温泉の手前200m位の所にある。数台の駐車スペースも有る。しっかりした道を淡々と登る。イワカガミやツツジが咲く道だ。ほぼ一定勾配の道である。カラマツの美林も有る。ウグイスのさえずりが響く。写真を撮ったりするのが休憩で、特に休むことも無く登る。笹竹が生い茂って登山道までタケノコがニョキッと生えている。あまり人は入っていないようだ。やがて木立の上方に吾妻小富士が姿を現す。青空にスッキリと心がせかされる。
道は緩く方向を変え、吾妻小富士の北東面へと進む。木立は背丈が低くなり、石の目立つ道となる。吾妻小富士の全容があらわになってくる。火山性の砕屑岩が積み重なった山体だ。それがスッキリと青空に生える。ルート上に標識はあるが、朽ちかかったものも多い。踏み跡も薄いが間違うことは無いであろう。火山特有の赤茶けた山容が見えてくると、ああ、一切経山の一角に入ったのだなあ、と実感する。一切経山の一角から噴煙が上がり、異次元の世界に入ったのだ。
福島平野は雲海に覆われて静まり返っている。その雲海の上に阿武隈山地の連なりが浮ぶ。その向こうには太平洋が広がっているはずだ。放射能はどうなっているんだろうなあ、と思う。そんなことは思いたくないも無いが、ここに立てば誰でもがそう思うであろう。それほどの大事故なのだ。真の意味での完結というのは無いのであろう。気の遠くなるような事故処理は続くのだ。
一切経山に向かうように進み、磐梯吾妻スカイラインを少し歩いてショートカット道を進み浄土平に出る。7時10分。誰も居ない。突然、爆音が聞こえて車がやって来た。ゲート開放は7時のはずである。ヘアピンカーブの連続で標高差もかなりある。いくら頑張っても30分はかかるであろう。10分というのは有り得ない、と思う。しかし、現実にやって来たのだ。
土湯峠から浄土平まで15km位ある。10分で来たということは、時速90劼任△襦ということは不可能ではないんだなあ。車高が低く、左ハンドル。地響きするような、エンジン音。どのようにして走るのか聞いてみたい誘惑にかられたが、ソリを入れていそうな青年だったので、君子危うきに近寄らず、早々に吾妻小富士を目指す。
ところが遊歩道は工事中で立ち入り禁止になっていた。これだけの観光地でそれは無いだろう。と目をこらしてみても歩道は無い。少し離れたところに交通監視の人がいたので行ってみると、歩道は有るとのことだった。立ち入り禁止の標識と一緒になっているとのことだった。ついでに車のことを聞いてみたら、7時まではゲートは絶対に開けない。ちょっと苦情も来ているとのことだった。やっぱり暴走族か。いまは、サーキット族というらしい。
戻ってみると、確かに歩道の標識はあった。もう少し見やすい標識にした貰いたいものである。サーキット族は山には登らないから、もちろん山頂には誰も居ない。風がビュービュー吹き付けてアノラックを羽織って一休みである。ふと見ると黄色い花が咲いている。何だろうと行ってみるとタンポポの花だった。風が運んだのか観光客が運んだのか。いずれにしろ自然をそのまま維持するというのは難しいものである。
男性が一人登ってきてお鉢を右回りに進んで行った。大分進んだろうと思って見ると、意外なほど進んでいない。進むスピードはまるで蟻のごとくである。人間の営みなんて大自然の中ではそんなものなのだ。対抗するわけではないが、彼が右回りならば私は左回りで進み、途中ですれ違って、一言二言、言葉を交わし山を降りる。
山行の締めはもちろん微温湯温泉入浴だ。ちょうど入浴客がやってくる時間で湯船はほぼ満杯。上がると寒いので隣り合わせた人と、水が低きに流れるのと同じように温泉談議が始まる。温泉巡りを趣味とする人も結構多いのだ。話に花が咲き過ぎて、呆れて?みんな出て行って最後になってしまった。まあ、こっちは帰るだけだから急ぐ人と歩調を合わせることは無い。ブナの丸太をテーブルにした自炊場で、ブナの丸太の椅子に腰を下ろして、残り物となった行動食を食べながらしばし安らぐ。
普段着だけど、湯治客とは思えぬ、おばちゃんが洗濯を始めた。大女将かもしれないなあ。高級ホテルの女将さんだったら口もきけないだろうが、気さくに話しかけられて、やっぱりもう一度来るか、なんてその気になって、気分よく帰路についた。
コメント
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スカイライン、わが青春でございます。その後ご無沙汰の私にとっても恋しい道。この先行けるだろうか?
しかし私めがいうのは僭越無礼とは思いますが、妙高さま名文でございます。格調高い手練れの紀行文、そんな風に味わいました。無視、無視は4が6で成立ですからtimeとしてはあり得ませんね
おはようございます。
4が6個というのはありますね。1/100秒まで表示できる時計があればですが。秒までだと5個が最大です。その他の数字だと6個並ぶのはあります。11時11分11秒と22時22分22秒。って、ヒマですね〜。朝からスイマセン(-_-;)
若いころ、観光バスに揺られていきましたね〜。遠くから見る吾妻山はなだらかで青々としているのに、浄土平に入ると一転、月世界ですからね。磐梯山も裏と表では全然違いますが。びっくりです。
私は、一切経山で煙の出ているところに、何気なく手をかざしたことあるんですよ。イヤー、熱かったですねー!火傷はしませんでしたが、物を知らないというのが情けなかったです。いまでも忘れないんです。何十年も経っているのに。
それも青春ですね。
4並び、1秒差とは(;'∀')
噴煙あがるお釜なので周回ルートになっているんですね。
となると、よい温泉があるんでしょうね。
吾妻・安達太良は、山の上から麓まで温泉だらけです。露天風呂の前でシュウシュウ湯気が上がってるような温泉から、酸味が強くて登山後などちょっとした靴擦れが有っても、沁みて沁みて、入れないような温泉まで、多種多様です。
湯治場の雰囲気を残す温泉も有りますね。
吾妻連峰と安達太良山の間が土湯峠ですが、そこから眺める紅葉は良いですよ〜。ほんと日本一かも、と思ってしまいます。まあ、その年によって当たりはずれも有るかと思いますが。
近ければお勧めできるのですが、遠くの人にはお勧めできないのが残念です。はたから見れば、ほとんど手前味噌ですから(-_-;)
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