【清掃登山改め】正丸峠・伊豆ヶ岳【雪上演習】
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- GPS
- 03:14
- 距離
- 7.7km
- 登り
- 572m
- 下り
- 567m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況:積雪:最大膝まで。男坂は要注意。階段のある坂は足元注意。 登山ポスト:? 飲食店情報:正丸駅及び正丸峠に茶屋あり。 |
写真
感想
総括:靴の中に雪が入らぬよう、また、ボトムスが濡れ濡れにならぬよう措置する要あり。街中ファッションで雪山に入るのは私だけでよい。No follower.
この三連休は天気の悪い日が続いたわけだが、11日、12日と悪天候だったのが週末最終日に晴れるとあって、何処に何で行こうか考える。まず、「何で」というのは車、自転車、徒歩(電車・バス併用)の三通りだが、雪が降った後に車の運転はしたくないし、体感温度を考えれば自転車も無しだろう。次に「何処に」の部分。東西南北或いはニュータウンから公園緑地、近所の里山など候補は数多あったが、昨秋子ノ権現参詣時にした清掃登山の決意を実行に移しておこうということになった。
当日、凍てついた道を駅へ向かう。都内でも路面凍結しているのでは向こうはどうなっていることやら。出発を少々遅くしてよかった。
最近、あと2kgは体重を落とさないといかんと考えていることもあり、朝食は軽く車中で済まし、正丸駅に降り立つ。天気は快晴、積雪の具合は不明。実際のところ、雪が続いていたにも関わらず積雪のことは殆ど気にしていなかった。正確に言うと、自転車を持ち込んでいた人がいたので雪の上を自転車で走るなんて大丈夫かしらと思ったが、自分が歩くうえでの積雪は殆ど気にしていなかった。
さて、今回の計画は正丸駅から正丸峠に上った後、伊豆ヶ岳・子ノ権現・竹寺と南下して名栗に出、昼食休憩の後、棒ノ嶺を越えて青梅に出るという、20km程度のものである。これは1月の房総・三浦半島での200〜300m級山歩、先日の長瀞方面における600m級山歩に次ぐ800〜900m級山歩であって、次回の1000m級山歩への足掛かりとなるものである(これを書いているときに思いついた後付けの論理である)。
早速、集落内を登山口目指して歩くが、この程度の積雪なら支障はなかろう。逆に最近雪が少ない分、ルンルン気分だ。その昔、アポイントメント商法の電話がかかって来たときに生返事をしていたら「ルンルン気分で来てくださいね〜」と何回も言われて非常に気分を害したのだが、ルンルン気分は自発的に行動する時のみ味わえると言える。「この時期に清掃登山かよ。かったりー。」という思いが頭をよぎったのは遠い昔の話である。
山道に入ると急に積雪量が増えたような感がある。集落内は車や人の通りがあって除雪もやっているが、正丸峠方面の道は私が当日の初登者なのだった。だが、まだ大丈夫。雪そのものは大したことない。
何が問題かと言うと、積雪により道が判りにくいのと、雪の重みで木が倒れて道が荒れていること、雪融け水により道が軽く沢化していることの3点だ。第一点目については先行者の責任で、フォロワーをミスリードしないよう誤って進んだ所は足跡を消したりする。一ヶ所だけ橋のない渡渉ポイントがあるのだが、そこが最もわかりにくかった。怪しいなと思わなければ沢を渡らずに倒木で荒れた道を歩くところだった。二点目については正丸峠が近くなった頃、来た道を振り返ってみたところ、本当にあそこに道があるのか?と思わしめる惨状であった。三点目については、道が塹壕みたいな感じだと雪融け水はそこを流れるわけで、何本も倒れている木々の姿と相まって、ここは本当に道なのかという疑念が湧いてくる。しかし、他に道らしいものがないので信じて歩くほかない。幸いにも峠の茶屋は直ぐに目の前に現れた。峠直下は急な登りのため階段が設けられているが、雪で見えず、一部崩れているので足元を確認しつつ登る必要がある。手すりがあるので活用だろう。
誰もいない雪の正丸峠は朝の太陽に照らされて清々しい。誰も足を踏み入れていない部分に早速人型を入れるも、「何をやってんだか」とすぐ我に帰る。その割には仰向け版とうつ伏せ版と両方やってしまったが。
靴とズボンの裾に付いた雪を払おうとしたがなかなか取れない。よく見ると、気温が低いため雪が凍りついているのだった。跳んだり跳ねたり靴を打ち鳴らしたりして雪を落とそうと頑張るが、その様はあたかもコサックダンスの如し。コサックダンスは身に付いた雪を払うための動きが起源なのではないかとも思ったが、実はコサックの武芸である。携帯を落としたところで終了した。
正丸峠から先はさらに積雪が深くなる。しかも面白いことに風の知からで吹き溜まりみたいな所と積雪の殆どない箇所に分かれる。
歩いていて思ったのだが、雪が積もっているため、雪上を歩きながらゴミを捨てていくのがいないかぎりゴミを見つけることはできないわけだ。そして、この日は私が正丸峠からの第一山歩者なのだ。何しに来たんだ?という話である。しょうがないので雪山を楽しむのに専念することにした。
長岩峠を過ぎて集落からの伊豆ヶ岳ダイレクトルートと合流するが、そのルートから数名先行しているようだ。安心する一方で初めて雪を侵す楽しみが無くなって残念でもある。この合流から、さらに積雪量が増え、吹き溜まりでは膝上まで積もっている。先行車も積雪の少ない箇所を探したりと苦労しているようである。
男坂・女坂分岐手前の五輪山でペア1組とシングルに追いつく。ここで一休み、息を調える。
伊豆ヶ岳まではいつものように男坂を進む。やはり雪の有る無しで難易度が格段に違うと思われる。何処に手を置き、何処に足をかけるか、雪を払いながら慎重に進む。下手すれば脳天をかち割ることになるので、中央は極力避け、脇の木の枝の助けも借りつつ休み休み登る。左手は素手だったが、鎖を持つと手にはり付いて、手を離したときにペリッと軽く音がするので長く握らないようにした。そんなこんなで上りきった坂上からの景色はいつも格別だが、今回は雪が彩りを添えてさらに素晴らしい。
女坂では得られない、何も遮るものがない開けた展望だが、積雪期には慎重に行動されたい。どっちみち伊豆ヶ岳山頂まで行けば(方向は違えど)展望は得られるのだから無理は禁物である。一歩一歩、焦らず登っていただきたい。
急坂を登りきった後に、もう一山あるのだが、何をとち狂ったのか、それを越えずに脇を通ることに。恐らく無雪期でも道になっていないのではないか。
幅は40cm程度で片側は切り立っている。滑ったら5〜6m位一気に落ちそうだ。慎重に歩を進める。
無事登りきって女坂からの巻き道と合流、伊豆ヶ岳山頂に到達する。
都心まではっきりと見通せるほど空気が澄みわたり、雪に覆われた地面は陽光を受けてキラキラと輝く。その割には山頂で憩っている人はいなかった。やはり雪が積もっていると腰を落ち着けて休めないのだろうか。或いは雪の中を歩くことが重要なのかもしれない。
私も当初はさらに先へ進むつもりではあったが、足の指先が痛いほどに冷えてしまい、霜焼けなどになると困るので転進を決意。子ノ権現経由で吾野方面に抜けることも考えたが、距離が結構あるので、正丸駅に戻ることとした。
そうと決まれば帰りは速い。帰路は大事をとって女坂を駆け下りる。雪がクッションになって足裏の感触がソフトだが、階段になっている部分は足の置き場によりバランスを崩しかねないので要注意だ。大蔵山から集落へ直接下りるルートは多くの人が上ってきていて歩きやすい。
そのため山道及び集落でハイカーが三々五々と登っていくのを見送りつつ、悠々と正丸駅に帰還することができたのであった。
それにしても、今回は、正丸峠でも、伊豆が岳でも、都心のビル群まではっきり見えるほど空気が澄んでいた。このような日はそうそうないことだ。ありがたいことである。
【伊豆ヶ岳から転進】物見山・日和田山・多峯主山・天覧山【突然の思いつき】につづく。
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