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最終更新:ヤマレコ/YamaReco
美林と花を愛でる伊豆の山脈
天城山は伊豆半島の中央部にある火山群の総称です。日本百名山の一座であり、万二郎岳(ばんじろうだけ)、万三郎岳(ばんざぶろうだけ)、箒木山、遠笠山などで構成されています。最高峰は万三郎岳で、標高は1406mです。
万二郎岳と万三郎岳の山頂は木々に囲まれ、見晴らしはあまり期待できません。山中では時折、富士山や大室山、相模湾などが望めます。自然林が多く残っており、森林浴や草花の鑑賞が楽しめる山です。
「天城」の由来は諸説あります。「高くそびえる天の城」という意味や、雨が多いため「雨木」を語源とする説、アマギアマチャの産地であることからとする言われがあります。
天城山は伊豆半島の約3分の1を占めており、伊豆半島を南北に隔てる存在です。
1905年(明治38年)に天城山隧道(通称:旧天城トンネル)が完成するまで、天城の山越えは下田街道の難所とされていました。天城山隧道は、アーチや側面などのすべてが切り石を積み上げて作られています。現存する石造りのトンネルでは国内最長で、国の重要文化財に指定されています。文学作品の舞台としても有名で、川端康成の「伊豆の踊子」や松本清張の「天城越え」などが挙げられます。
天狗が棲むとされる山
万二郎岳、万三郎岳の名は、それぞれに棲まう天狗の兄弟にちなむと伝えられます。2人は次男と三男で、長兄の万太郎は西伊豆の達磨山に棲み処があるそうです。
天狗の兄弟の伝説は、八丁池と七つの滝群「河津七滝(かわづななだる)」にも残ります。万三郎には美しい妻がいましたが、八丁池で七つの頭を持つ大蛇に襲われそうになりました。万三郎は万二郎に相談し、大蛇を退治することを決めます。池のほとりに酒樽を七つ置き、大蛇がこれを飲み干すのを待ちました。大蛇の酔いがすっかり回った頃、万三郎は大蛇の首をすべて切り落としました。すると大蛇の体は川になり、首の切り口は七つの滝になりました。
原初は海底火山の伊豆半島
伊豆半島のはじまりは、はるか南の海底火山でした。この火山活動によりできた浅瀬や火山島は、フィリピン海プレートに載って徐々に北上しました。約100万年前に本州に衝突し、約60万年前には本州から突き出た半島になりました。
以降は陸地のあちこちで噴火が発生し、約20万年前までその活動は続きました。この時、ほぼ現在の伊豆半島の姿になり、天城山や達磨山などの大型火山が生成されました。
皮子平(かわごだいら)は約3200年前の噴火口です。その北側では、火山の名残である黒曜石や噴火物が堆積した地層が見られます。
豊かな森の山
現代の天城山はブナやヒメシャラなどの天然林が多く、大木もよく見られます。特に皮子平に立つブナの巨木は天城一と言われます。
杉の大樹は名前が付けられるほどで、天城最大の杉とされる「太郎杉」、次点の「シラヌタの大杉(次郎杉)」があります。「オバケ杉」は四方八方に枝を伸ばしており「千手観音杉」の別名を持ちます。
古くより良質な木材の産地として知られており、江戸時代は幕府の直轄地でした。9種の樹木は「天城九制木」に定められ、公用以外の伐採を禁じ手厚く保護されていました。明治時代、これらの木々を用いて建造された軍艦は「天城」と命名されました。
豊かな森を誇る山ですが、近年はニホンジカシカによる食害が問題とされています。
山域の西に位置する「八丁池」は断層湖です。活断層のずれによって生成された窪地に、水が溜まって生まれました。澄んだ様から「天城の瞳」と称され、天然記念物のモリアオガエルやフナなどが生息しています。"八丁"は池の周囲が八丁(約870m)あることからとされますが、実際は560mほどです。
1930年(昭和5年)に昭和天皇が八丁池を訪れましたが、このときの道は「御幸(ぎょうこう)歩道」と呼ばれています。
かつては冬季に湖面が厚く凍結したため、天然のスケートリンクとして賑わっていました。
花を楽しむ周回コース
4時間25分/7.8km
天城縦走登山口(17分)→四辻(58分)→万二郎岳(37分)→石楠立(39分)→万三郎岳(40分)→涸沢分岐(58分)→四辻(16分)→天城縦走登山口
天城山は花の百名山に選定されており、花の山としても知られています。
天城縦走登山口を起点に、万二郎岳〜万三郎岳と周回する道は「シャクナゲコース」です。(登山口:天城縦走路入口(天城縦走登山口))
山中で見られる「アマギシャクナゲ」は天城山の固有種で、毎年5月から6月にかけて桃色の鮮やかな花が登山道を彩ります。
他にもマメザクラやトウゴクミツバツツジ、ドウダンツツジなども見どころです。
万二郎岳から石楠立(はなだて)にかけてはアセビのトンネルが広がります。こちらの花期は4月から5月にかけてです。
自然を満喫・縦走コース
7時間29分/15.5km
天城縦走登山口(17分)→四辻(58分)→万二郎岳(37分)→石楠立(39分)→万三郎岳(30分)→小岳(28分)→戸塚峠(31分)→白田峠(43分)→八丁池(39分)→大見分岐点(64分)→向峠(63分)→天城峠バス停
天城縦走登山口から天城峠へ至る行程は、縦走の定番です。どこまでも続くブナの美林で森林浴を堪能します。(登山口:天城縦走路入口(天城縦走登山口)、天城峠バス停)
皮子平にはヒメシャラの幼木が立ち並びます。林床は苔むした岩々やシダ植物に覆われており、神秘的な雰囲気を醸します。
八丁池を過ぎると、横目にワサビ畑が現れます。
締めくくりは、歴史を感じる天城山隧道の坑門です。
登山口 |
天城縦走路入口(天城縦走登山口) 天城峠バス停 水生地下 筏場バス停 |
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基本情報
標高 | 1406m |
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場所 | 北緯34度51分46秒, 東経139度00分06秒 |
山頂 |
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山の解説 - [出典:Wikipedia]
天城山(あまぎさん)は、静岡県の伊豆半島中央部の東西に広がる山。天城山は連山の総称で、天城連山や天城山脈と称されることもある。日本百名山の一つ。伊豆半島最高峰の万三郎岳(ばんざぶろうだけ 1,406m)、万二郎岳(ばんじろうだけ 1,299m)、遠笠山(とおがさやま 1,197m)等の山々から構成される。東西の山稜部は富士箱根伊豆国立公園に指定されている。
天城山は第四紀の成層火山。80万〜20万年前の噴火で形成され、火山活動を終え浸食が進み現在の形になった。かつての山頂は浸食が深い南側にあったと考えられている。遠笠山も含めて天城山とすることが多いが、火山学上では伊豆東部火山群に属し、天城山が活動を終えてからできた火山地形である。また、万三郎岳の西に位置する皮子平火口がおよそ3200年前に噴火し、北麓にかけてなだらかな斜面が形成されているが、これも伊豆東部火山群の活動に分類される。
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1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月日本百名山の天城山。 そもそも天城山というピークはなく、万二郎岳や万三郎岳などの総称となっています。海に近いため真夏の登山は不向きですが、春のアマギツツジやアセビ、秋の紅葉、冬は初心者向けの雪山など、年間を通して山歩きを楽しむことができます。
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1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月天城山と言えばアマギシャクナゲの時期が適期とされますが、河津桜が満開になり海の幸も豊富なこの時期もおすすめできます。 できれば1泊して別の山や観光と組み合わせてもいいかもしれません。